【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「も、もう、終わりにしようよ、ミウ──」
マーズは死にそうな声で、ついにミウに哀願した。
すでに、夜半はとっくに過ぎてるだろう。
ミウがマーズに魔道をかけて身動きできなくし、そして、淫靡な悪戯を開始したのは、夜になってすぐの頃だ。
だから、もう随分と長いあいだ、マーズはミウの好色な行為を受け続けさせられていることになる。
いったい何ノス経っているのか、マーズにはもう見当もつかない。
女同士のセックスというものが、この世にあることくらいは、性に未熟のマーズもさすがに知っている。
そもそも、ロウの女たちは、ロウに可愛がられながらも、女同士でも愛し合うみたいだ。
気真面目そうなイライジャは、あれで縄掛けをして女を愛撫するのが大好きらしく、エリカはイライジャのかつての恋人だったと堂々と口にする。また、よくわからないが、コゼもイライジャを苦手そうに振る舞っている。
さらに、冗談めいた行動でありながらも、コゼがエリカに悪戯して、エリカの身体にある一番奴隷の証らしい乳首や股間の飾りをくすぐるように動かし、エリカに悲鳴をあげさせる現場などは、それこそ、何度も浴場などで垣間見ている。
即ち、そういうことは、ロウの周りの女たちの中では日常のことなのだ。
マーズも自分も求められれば、そういうことも受け入れるつもりではいた。
ロウのところに、できるだけ長くいたいからだ。
しかし、まさか、このミウがマーズにこんなことを仕掛けてくるとは夢にも思わなかった。
とにかく、十一歳の童女とは思えぬしつこさと、ねちっこさでマーズもたじたじだ。
さらに、魔道までかけて、マーズの身体を媚薬漬けにでもしたように、敏感にされた。
さすがのマーズも、こんな風に魔道で抵抗力を奪われてしまっては、ミウに好きなようにいたぶられるしかない。
それにしても、つい先日まで、馬車の中で大人しそうにしていただけのミウは、今夜に限って人が変わったかのようだ。
もしかしたら、今日の昼間に、ロウがミウをみんなの前で着衣のまま愛撫をして、絶頂させるという悪戯をしたから、それが切っ掛けになったかもしれないが……。
まあ、それでも、内にこもっているよりはいいので、マーズは受け入れるつもりではいるのだが、あまりにも長い性愛の強要に、マーズも息も絶え絶えだ。
「どうしてそんなことを言うの、マーズ? あたしの愛を受け入れられないの」
マーズの身体に沿うように全裸で密着しているミウが泣きそうな顔になる。
ふたりとも、すっかりと汗まみれだ。
マーズはもちろんだが、ミウの股間も、童女とは思えぬくらいに性的興奮の印である愛液がびっしょりと溢れ出ている。
「そ、そんなことはないが……」
そんな風に言われると、マーズもそう答えるしかない。
「よかった。じゃあ、続きをしましょうね」
ミウがまたもや張形を取りだした。
部屋の中にたまたまあったなんでもない洗濯棒のようなものを切断して、ミウがあっという間に勃起した男根そっくりの形状に魔道で加工した淫具であり、これでマーズをミウがずっと愛撫をし続けているのだ。
それこそ、感度を普段の十数倍にも敏感にされ、この張形と刷毛を併用する責めで何度も絶頂されられた。
さらに、ミウは、マーズに痴態をさせて興奮すると、マーズの顔に跨り、舌による奉仕を強要してくる。
逃げようにも、顔の動きまで弛緩させられてはどうしようもない。
そして、ミウを舌でいかせないと、鼻と口の上に乗った股間を避けないのだ。
マーズは息を確保するために、動くことを許された舌を必死に動かすしかない。
これをひたすらやらされた。
そして、ミウはしばらくして性的に満足すると、また張形と刷毛でマーズを愛撫する。
延々とも思えるような長い時間をかけてだ。
やがて飽きると、マーズの感度をあげたまま、くすぐるような手による愛撫だけをして寝物語をし、それに飽きると張形をマーズに挿入して犯す。そして、興奮すると自分をマーズに慰めさせ、また愛撫……。
そんなことをマーズとミウはずっと続けている。
もう十数回、いや、何十回もいかされた。
マーズはロウに与えられる性愛でも自覚したが、どうやら女の身体というのは、一度達すると、さらに過敏になるみたいだ。
ミウに敏感化の魔道をかけられてしまったということもあり、本当に全身が局部そのもののになってしまったかのようだ。
いまや、どこをどう刺激されても、マーズはいきそうな心地である。
「ああ、で、でも、やっぱり、もう、ミウ、そ、そろそろ許してくれ」
ミウの持つ張形がすっかりとマーズの愛液でどろどろになっている亀裂に当てられて、思わずマーズもたじろいでしまった。
だが、ミウはくすくすと笑うだけだ。
「ふふふ、マーズ、可愛いわね……。そんなに大きくて、筋肉いっぱいなのに、愛し合うときにはちゃんと女の顔をするのね……」
ぐいと張形が深くに入り込んでくる。
ねちゃねちゃと水音をたてながら、マーズの股間で張形が出入りを開始する。
「あああ、あああっ」
マーズはかすかにしか動かない仰向けの裸体を弓なりにした。
ほとんど最初のひと突きだけで、マーズは絶頂状態に陥ってしまったのだ。
「ふふふ、可愛いわね、マーズ……。あたし、やっぱり男なんていや。相手をするなら女の人がいい……。ねえ、マーズ、お願いだから、あのロウ様から、あたしを守ってよ。あたし、男には犯されたくないの……。いいでしょう? その代わり、こうやって、毎日、マーズをいい気持ちにしてあげるから……」
ミウが絶頂したばかりのマーズに、容赦のない張形の責めを継続しながら、耳元でささやいた。
何十度目かの絶頂直後では、さすがに頭も回らない。
ミウの指がマーズの乳首に触れる。
それだけでも、またもやマーズは絶頂しそうになった。
「ま、待ってくれ。ちょ、ちょっと休憩……」
ミウを相手に、本気の弱音を口にするのは口惜しい感じもするが、今夜のミウはまるで人が変わったみたいだ。
マーズの思考を邪魔するように、とことん性の責めでマーズを追い込んでくる。
「ねっ、いいでしょう、マーズ……。あのロウ様に、あたしがまだ嫌がっているって伝えてくれない? ほらほら、気持ちがいいでしょう?」
一度張形を抜いたミウがマーズの身体に裸体を擦りつけるように動かす。
「ああっ」
脂汗まみれのマーズとミウの裸体が擦りつけられて、マーズは再び絶頂に押しあげられる。
とにかく、なにをどうされてもいきそうだ。
頭が朦朧とする。
「ああ、それにしても、この身体って、本当に敏感……。マーズをいい気持ちにしようとしているのに、あたしまですっごく興奮する……。とにかく、まだまだ遊びましょうね」
ミウが張形を挿し込んできた。
しかも、またもや魔道を込めて加工したのか、ずっと責められていた淫具とは違う。
挿入する側だけでなく、反対側も男根のかたちになっていて、それを挿し込まれた。
マーズの股間は、その反対側の張形が突き出て、まるで男根が生えたような感じになっている。
驚くことに、膣の中に入った張形がぶるぶると振動をしながらうねりだした。
さらに、ミウは手のひらでマーズのクリトリスを押して、ぐりぐりと動かしてくる。
「あああ、あふううっ」
マーズはあっという間に悶絶してしまった。
もう頭が朦朧として、視界が白くなる。
だが、思い切り平手で頬を打たれた。
ミウ程度の力では痛みなどないが、それよりも、ミウに叩かれたということに驚いてしまった。
「勝手に気絶しないでよ。優秀な女闘士のくせに──。さあ、ほんのちょっとだけ魔道を解いて動くようにしてあげるわ。ただし、膝から上と腰だけね。それで、今度はあたしを犯すのよ。挿してあげた“双頭の張形”でね──。ちゃんとできないと、酷い目に遭わすからね」
ミウが笑って、ごろりと寝台に横になって股を大きく開いた。
それとともに、勝手に身体が浮くような感じになり、身体をひっくり返らされて、ミウの股間に張形の先端が当たるようにされた。
ミウの魔道のようだ──。
確かに、腰と膝の感覚だけが甦る。
しかし、動くのはそこだけだ。
ほかの部分は、まるで氷漬けにされたかのように動かない。
「ミ、ミウ?」
マーズは目を白黒させた。
双頭の張形かなにかは知らないが、おかしな男根のかたちの張形を装着させられたのも驚きだが、今度はミウを犯せと?
もう、ミウのやることに、さすがについていけない。
「やるのよ、マーズ。さもないと、こうよ」
ミウが笑いながら、下からマーズの顔に手を伸ばした。
次の瞬間、絹の布がマーズの顔の下半分を覆うようにぴったりとくっついていた。外れないように頭の後ろで結ばれてもいる。
「息をしたければ、早く始めなさい……」
ミウの顔が微笑み、彼女が伸ばした手から絹に向かって水が飛ぶ。
布がびっしょりと水を吸った。
マーズは困惑したが、すぐにどういうことになったのか理解した。
絹の布はきっちりとマーズの鼻と口に密着している。それを濡らされたことで、突然に息がほとんどできなくなったのだ。
「んああっ、んあああ」
焦って口と鼻で息をしようとするが入ってくるのは、布を濡らしている水ばかりだ。
マーズは焦った。
「ほら、早くしないよ、窒息して死ぬわよ、マーズ。死にたくなければ、さっさとあたしを犯していい気持ちにするのよ……。ただし、その感度二十倍のお股でね……」
ミウが寝そべったまま両膝を立てて、さらに股を開いた。
本当に息ができない。
マーズは苦しさに耐えて、仕方なく自由になった腰をミウに向かって突き出し、べっとりと濡れているミウの小さな膣に張形を挿していった。
「ああ、き、気持ちいい。さあ、動かして──。マーズ、あなたって素敵よ」
ミウが感極まった声をあげる。
だが、マーズはそれどころじゃない。
懸命に吸っても、吸えるのは水分だけだ。
「んはあああ」
しかも、ミウの中に股間から突き出ている張形が入り込むにつれて、挿入しているマーズの股間から凄まじいほどの快感の疼きが込みあがった。
マーズはまたもや悶絶してしまった。
「ははは、感じていると死ぬわよ。早く、あたしをいい気持ちにさせてね」
そして、ミウがマーズの身体の下で愉しそうで、そして、酷薄そうな笑い声をあげた。
*
目が覚めた。
異常に身体が重かった。
そして、その理由もすぐにわかった。
顔に寝息がかかる。
しかも、両側からだ。
仰向けになっている一郎の身体に素っ裸の女がふたり、しがみつくように寝ている。
ひとりはエルフ美女戦士のエリカであり、もうひとりは人間族の小柄なアサシンのコゼだ。
足側も重い。
開いた脚のあいだに丸くなり、一郎の股間を枕にするように、やはり、裸の女が寝ている。
女騎士の称号持ちのおてんば娘ことシャングリアである。
それにしても、シャングリアはなんてところに寝ているのだ。
ともかく、正真正銘の肉布団だ。
どうやら、昨夜は組んずほぐれずの一夜だったが、そのまま寝入ってしまったようだ。
女たちの拘束は解放してあるが、プレイで使った縄束は、寝台のあちこちに放置されている。
結局のところ、昨夜はこの三人娘にイライジャを加えた四人を抱いた。
ミウとマーズについては、ミウの希望もあり、そのままふたりで静かにさせることになったのだ。
「おはよう、ロウ」
くすくす笑いのイライジャがやって来て、一郎の顔に被さる。
イライジャはすっかりと身支度を終えている。
ふと見ると、向かいの寝台で別に寝ていたようだ。
この部屋には、さらに二個の寝台があるが、そっちは使った形跡はない。
しばらくのあいだ、イライジャの口の中を舌で蹂躙して愉しんだ。口の中にある性感帯の赤いもやをなぞるように舌を蹂躙させると、それが広がって、少しずつ濃くなっていくのを感じる。
また、それに合わせるように、全身にも赤いもやが転々と浮かびあがっていく。
口の中を刺激されて、だんだんとイライジャの身体が欲情しているのだ。
褐色肌のイライジャの顔が熱を持ち始め、だんだんと息が荒くなるのがわかった。
やがて、慌てたように顔を離す。
「あ、あなたとの口づけって、本当に危険ね……」
少し息があがったようなイライジャが、まだほんのりと赤い顔をして言った。
「おはよう、イライジャ」
一郎は女たちを乗せたまま微笑んだ。
「それにしても、もてもてね、ロウ。この三人は、本当にあなたと離れたくないのね。結局、みんな、あなたと一緒に寝ることを選んだもの。ほかにも寝台はあるのに」
イライジャは苦笑している。
「俺には過ぎた女たちだけどね。ありがたいと思っているよ」
一郎は三人娘を揺り動かした。
三人が逐次に身じろぎをして起きあがる。
「あっ、お、おはようございます、ロウ様」
「……ご、ご主人様……おはよう……」
「ロウ、おはよう……」
やっと目が覚めたらしい三人が挨拶をした。
そして、さっと、口づけを求めてくる。
コゼとエリカがほぼ同時に動いたが、ややエリカが早かった。
一郎は、エリカと口づけをし、続いて、コゼ、最後にシャングリアとキスを交わす。
この三人については、それこそ、何百回も口の中を性器並みに敏感な場所に変えてやったことがある。
もう、その感覚を身体が覚えてしまって、淫魔術をかけなくても、ちょっと一郎が刺激をしてやれば、性器を舐められているのと同じくらいに全身が反応してしまう。
「じゃあ、支度だ」
一郎との口づけで呆けたようになっている三人に声をかける。
三人ともキスひとつで身体が火照ったようになっていた。
また、魔眼でも、欲情をしていることを示す赤いもやで全身がうっすらと赤くなっている。
このまま押し倒せば、三人の誰であろうと、まったく抵抗することなく一郎を受け入れるだろう。
いつもだったら、最低でも口で一度出してもらって、さらに、少なくともひとりを朝抱きするのだが、そのまま支度を促した。
今日はマイセンという人のところを訪ねる予定がある。
朝から本格的に抱くのは自重しよう。
「どうぞ、ロウ様」
エリカが一郎の着替え一式を裸のまま運んできて、服を着せ始める。ほかのふたりは、そのまま自分の支度を開始した。
当番のようなものを決めてあったのだろう。
「それにしても、愛し合ったときに、エリカたちの股に浮かびあがった紋章って、あなたがもらったボルグ子爵家の紋章でしょう? それをこの三人に刻印するっていうのは、まさに独占欲よねえ」
イライジャが一郎に服を着せるエリカを何気ない様子で眺めながら言った。
「まあね。でも、ほかの男に手を出させないようにするための紋章だけじゃないぞ。いろいろな機能がある」
一郎はほくそ笑んだ。
「イ、イライジャ、余計なことを訊かないで」
エリカが慌てたように口を挟む。
「えっ?」
イライジャがきょとんとした。
一郎はエリカの焦ったような仕草ににんまりしてしまった。
きっと、そんなことを訊ねられると、一郎が紋章で悪戯をすると思ったのだろう。
まあ、だったら、期待に応えなければならないだろう。
「例えば、こんなこともできる」
三人の股間には、ボルク家の紋章である塔に二匹の蛇が絡む模様が逆さまに刻印してある。それが欲情すると三人の股間に浮かびあがる。さっきの口づけでも、エリカの股間には紋章が目覚めてしまっている。
一郎は、とりあえず、目の前にいるエリカの蛇を動かしてやる。
「あっ、いやっ」
エリカがその場にうずくまった。
模様の蛇が動き出し、一匹は膣そのものに体半分が入り込んでうねりだし、もう一匹はクリトリスをぺろぺろに甘噛みをして毒液、すなわち媚薬を注入しながら、やはり、舌でぺろぺろと舐め始める。
「うわっ、なに?」
イライジャがそれを見て、目を丸くしている。
「あっ、ああっ、ゆ、許して」
一郎の世話をしていたため、まだひとりだけ下着も身につけていないエリカが寝台の下に座り込んでしまった。一郎は無理矢理にエリカを抱えて、イライジャに身体を向けさせる。
「手で押さえても無駄だから諦めなよ。紋様なんだから、押さえても肌の下で動き回られて、抵抗しようがないだろう」
一郎は笑った。
「だ、だって」
エリカが一郎の腕にしがみつくようにした。
その腰はくの字に曲がったままだ。
本当に色っぽい。
「す、すごい……。あ、あんたって、こんなこともできたの?」
イライジャが唖然としている。
「できるのさ。ほかのふたりのも動かしてやろうか?」
一郎はコゼの紋章の蛇をアヌスに移動させ、シャングリアについては、さっと上にあがって乳首を責めさせた。
「んふううっ」
「わっ、ロ、ロウ──」
たちまちにコゼとシャングリアも悶絶する。
「わ、わかったから──。わかったから、もうやめてあげて」
イライジャが慌てて言った。
「もういいのか?」
一郎はコゼとシャングリアについては、紋章を戻してやった。だが、エリカはそのままにして、蛇に暴れさせ続けた。
特に理由はないが、苛められてよがる姿が可愛いからだ。
つまり、そうしたかっただけだ。
「ほら、エリカ、俺のことはいいから自分の支度をしな」
エリカをぽんと押し出して、着替えのある荷の方に押しやる。
だが、まだ蛇は動き回ったままだ。とりあえず、激しい動きだけは止めてやった。その代わりに、ゆっくりと全身を這い回らせてやる。
「も、もう、こ、これをとめてください」
抗議をするエリカを無視して、一郎は素知らぬ顔をして自分の支度をする。
「本当に、女を責めるやり方はえげつないわねえ」
イライジャが呆れた顔をする。
「愉しくってね。イライジャにも刻んでやろうか? これは俺の女である証のようなものだ。いまのところ、新しく入った女以外は、全員に同じものを刻んでいる」
一郎は笑った。
まだ、マーズにはしてない。もちろん、ミウもまだだ。
「やめとくわ。そこまで支配されたくないもの。わたしは、あんたの仕事の依頼者であり、仕事のパートナーにはなりたいと思うけど、性奴隷は結構よ。まあ、あなたとのセックスは愉しいから、身体の関係は続けたいけど……」
「じゃあ。そういうことにしておこう。イライジャは性奴隷じゃないけど、セックスのパートナーだ」
一郎は笑った。
「ロ、ロウ様、いい加減に許して──」
エリカが泣き声をあげた。
いまだに、蛇がエリカの全身を動いている。返事の代わりに、蛇を両方の脇の下に回して舌でくすぐってやる。
「きゃああっ、や、やめてええっ、いやあっ、んふうっ、んふふふふ、くふふふふふ……」
紋章の蛇に噛まれたところは、敏感になって、普通の十倍近い感度になるようになる。
敏感にされた脇をくすぐられて、エリカが悲鳴混じりの笑い声を始めた。
「なんだかんだで、エリカが一番かわいがられるのよねえ……」
すると、コゼがなんだか不満そうな表情をした。
*
余計なことをして時間がかかったが、一階の食堂におりていく。
隣のミウとマーズの部屋はすでに空だった。
悪戯で時間を使ったので、もう下の食堂におりたのだろう。
果たして、ふたりはテーブルのひとつで朝食を開始していた。一郎たちを待たずに、食事をしていいと言ってあったのだ。
ほかにも、何組かの泊り客が朝食をとっている。
メニューはどれも同じで、熱い野菜スープにパン。そして、薄肉に卵焼きを乗せたものだ。
「あっ、ロウ様、おはようございます」
一郎たちを見つけたミウが元気よく立ちあがってお辞儀をした。
よかった。元気そうだ。
「お、おはようございます、先生……」
向かい側に座っているマーズも立ちあがる。
だが、なんとなく違和感があった。
ちょっと、笑顔がぎこちないのだ。
「昨日はご心配をかけました。もう大丈夫です」
目の前までやってくるとミウが言った。
確かにミウは大丈夫そうだ。
一郎たちも、ふたりの座っているテーブルに混じって座る。
ちなみに、エリカは一郎に腰を抱えられるように抱かれたまま降りてきた。
いまだに、紋章の蛇がエリカの身体を服の下で動き回っている。しかも、乳首と肉芽に嵌まっているピアスに、わざと蛇の胴体を絡ませるようにしていた。
敏感な部分をピアスでも刺激されるエリカはもうたじたじだ。
感じやすいので、エリカはこれで部屋の中で二度も達し、すでに息も絶え絶えになっている。
愉しいので、そのまま連れてきた。
エリカも荒い息をしながら、一郎に向かい合う席につく。
「おはようございます、朝食をお願いします」
一郎は店の主人に挨拶をした。
元気のいい返事が厨房から返ってくる。すぐに、主人の娘がスープとパンを運んできた。
「はい、皆さん、肉と卵はちょっと待ってくださいね」
テーブルの上に人数分の料理が並び始める。
一郎たちも食事を開始する。
そして、一郎は、昨日倒れたこともあり、こっそりとミウのステータス、ついでに、マーズのステータスを覗き込んだ。
“ミウ
人間族、女
見習い巫女
冒険者
年齢:11歳
ジョブ
魔道遣い(レベル12)
退魔師(淫)(レベル30)↑
生命力:50
直接攻撃力:5
魔道力:***
経験人数:男1、女1
淫乱レベル:A
快感値:120
状 態
***
***”
“マーズ
人間族、女
一級闘士
冒険者
ジョブ
戦士(レベル50)
生命力:150
戦闘力:
1200(素手)
経験人数
男2、女1
淫乱レベル:SS(鋭敏化)
快感値:80↓
状 態
一郎の性奴隷
淫魔師の恩恵
ミウ(退魔師)の支配(微小)”
「あれっ?」
思わず、驚きを口に出してしまった。
「どうしたのだ、ロウ?」
シャングリアがロウを見たので、とりあえず「なんでもない」と首を横に振った。
それにしても……。
ミウのステータスにある「退魔師(淫)」のレベルがまたあがっている。
確か、昨日倒れたときには“20”だったはずだ。
いまは、“30”に跳ねあがっている。
そして、マーズには、「ミウ(退魔師)の支配(微小)」だと?
なんだ、あれは?
信じられないが、ミウがマーズになにかの魔道をかけてるのか?
まあ、一郎の支配の刻みをしているマーズには、たとえ、ミウでも精神支配のような魔道にはかからない。せいぜい、肉体の支配をできるくらいだ。
だから、「微少」なのだろう。
まあ、それくらいの悪戯も許してやるか……。
だが、ふたりの経験人数に、“女1”が増えている。
これが表すのは明らかであり、ミウとマーズが女同士で愉しんだということを示している。
しかし、これまでの例では、一郎の性奴隷同士の百合の交合では、この数字は動かないのだ。ミウの場合は、まだ完全な一郎の性奴隷の刻みをしていないので、カウントされたのだろうか。
さらに、女同士の性経験とカウントされるのは、単に身体を触り合ったという悪戯レベルでは、数字に反映されないはずだ。
それこそ、お互いの性器を擦り合わせて絶頂を何度も重ねたり、あるいは淫具を挿入するような激しい百合プレイでないと数に入らないのだ。
つまりは……。
改めてミウとマーズのふたりを見ると、ミウの様子に大きな変化はないが、マーズの動作はぎこちなく、なんとなくおどおどしているように思う。
それにさっきからほとんどなにも喋らない。
この大きな身体の筋肉娘が、こんなにびくびくしているのはおかしいが、性には一番奥手だ。
ミウとやり合ったのなら、ちょっとショックだったのかもしれない。
だが、このふたりがねえ……。
しかし、考えてみれば、ミウは、あのむっつりで淫乱のスクルズの
そういえば、魔道だけじゃなくて、あっちの方も技を教えたとかスクルズが口にしていた気がする。
そういえば、マーズはちょっとぐったりしているような……。
もしかして、一郎がいま、エリカにやっているようなことを、ミウもマーズにしている?
悪いとは言わんし、エリカやコゼもふたりでやり合ってるが、このふたりで?
一郎はまじまじとミウとマーズを見てしまった。
「……なにか?」
ミウが一郎の視線に気がついて顔をあげた。
「いや……」
一郎は口を開こうとした。
とりあえず、深刻なものではないと思うが、マーズになにかしているなら、やめさせるかなあ……。
「んんっ、んんんん」
そのときだった。
正面のエリカが歯を食い縛ったまま、テーブルの縁を掴んで身体を震わせたのだ。
どうやら、ここで達してしまったようだ。
「いい加減にしなさいよ、ロウ」
イライジャがたしなめの言葉を口にした。
「そうだな。ごめんな、エリカ。もうやめるよ。ちょっと調子に乗った」
一郎は蛇を戻してやった。
エリカががくりと脱力する。
「……頑張った分は、あとで補填するよ、エリカ。そうだ。
一郎は声をかけた。
「あん、ま……ですか? それはなに……、い、いえ、やっぱり教えてもらわなくてもいいです。も、もう十分ですから……。で、でも、そのう……。やっばり、外では許してもらえないでしょうか……。他の人のいない部屋ではなんでもしますから……」
エリカはまだ息を乱している。
「それは約束できないな。俺はエリカが恥ずかしそうに悶えるのが大好きなんだ」
一郎はエリカの側に身を乗り出して、ささやくように言った。
「だ、大好きって……。そ、そうですか……。お、おそれいります……」
すると、エリカがはにかんだように真っ赤になる。
その仕草に、悪いが「なんて、ちょろい」と一瞬考えてしまった。
「もう、やっぱりエリカばっかり可愛がっている」
すると、横からコゼがやきもちを抱いたような声を出した。
「なんだ? お前も、ここで羞恥責めして欲しいのか、コゼ」
一郎はコゼを見た。
すると、コゼがぎょっとした表情になる。
「いい加減にしなさいって、言ってるでしょう──」
イライジャが強い口調で言った。
一郎もそれでこれ以上の悪戯をするのはやめた。
そして、一郎たちの端っこに席をとって食事をするかたちになっているミウに声をかけた。
「……というわけで、俺も悪戯をやめた。だから、ミウも、もうマーズにかけている魔道を解け。そういう遊びもだめだとは言わんけど、せめて、俺の精をもらってからだな」
一郎は小さな声で声をかけた。
すると、ミウが真っ赤になった。
「マーズに魔道って……。あ、あのう、どうしてわかったんですか?」
ミウが赤い顔のまま、目を丸くして一郎を見た。
一郎は肩をすくめる。
「俺に隠し事はできんよ。仲良くしたいなら、いくらでもさせてやる。だが、今後は俺の許可を受けろ」
一郎は微笑みながらもはっきりと言った。
“マーズ
人間族、女
……
……
淫乱レベル:B(通常)
快感レベル:150↑(回復中)
状 態
一郎の性奴隷
淫魔師の恩恵”
すると、マーズのステータスから、「ミウ(退魔師)の支配(微小)」が消滅する。
マーズががっくりと脱力した。
やはり、なにか淫靡な悪戯をしていたようだ。
とにかく、案外にミウも性に成熟しているのだなあと思った。
また、随分と性にも開放的になってきたみたいだ。
昨日は一度、全員の前で着衣のまま軽くとはいえ、絶頂姿を晒させるということをした。
それで、ちょっと弾けたところがあったなら、むしろいい傾向といえる。
「ごめんなさい、マーズ。もうしないわね。あたし、寂しくって調子に乗ったかも……」
ミウが可愛らしく両手を合わせるようにして、上目遣いにマーズに謝る仕草をする。
「い、いや……。べ、別に、駄目だとは言わないが……。こ、こういうことも、先生と一緒にいることを決めた以上、受け入れないとならないとはわかっている。だけど、次からは、先生の許可を受けてくれ……。そして、いまみたいに、魔道をかけなくても、ミウが喋って欲しくないことは話さない。それに、先生の許可があれば、よければ、相手をしてもいい……。あたしは、もうミウの友達のつもりでいる」
「ありがとう」
ミウがちょっと涙目になって、マーズに頭をさげた。
マーズが気にするなという仕草をする。
よくわからないが、これで解決したのだろうか?
「……ロウ、ほら」
そのとき、ずっと苦笑した顔で一郎たちを眺めていたシャングリアが、店の入口を視線で示した。
振り返ると、サターシャとレオンのふたり連れが入ってくるところだった。
「お迎えに来ました。ちょっと早かったですね」
サターシャだ。
どうやら、わざわざ案内に来てくれたようだ。
「待ってくれ。すぐに終わるから」
一郎たちは朝食に専念することにした。
*
サターシャたちには少し待ってもらって、朝食と用便を終らせて、改めて武器などの支度をする。
全部が終わって、店を出ることができるようなったのは、半ノスほど経ったときだった。
一郎たち七人、さらにサターシャとレオンの併せて九人でぞろぞろと街を進んでいく。
馬車で行くほどの距離でもない。
とりあえず、話を聞くだけの予定なので、全員でなくてもよかったが、朝食をとるために揃っていたし、みんなで行くことにした。
やがて、街並みから離れた場所に、こじんまりとした二階建ての家があった。
入口では、昨夜わざわざやって来てくれたメリジーヌが待っていて、一郎たちを出迎えてくれた。
「旦那様は、二階でお待ちです。早速ですが、皆さん、お二階の方に……」
メリジーヌが一郎たちを促した。
そのときだった。
「うわああっ──」
突然に二階から老人の叫び声がした。
とても苦しそうな声だ。
「おじいちゃん──」
「旦那様──」
サターシャとレオンが階段に走った。
メリジーヌもびっくりして駆けだす。
一郎たちも追いかけようとした。
「ミウ、どうしたの──?」
イライジャの叫び声だ。
振り返ると、またもやミウが倒れている。
「ミウ──」
こっちはなんだ?
一郎はステータスを覗く。
“ミウ
人間族、女
見習い巫女
冒険者
年齢:11歳
ジョブ
魔道遣い(レベル12)
生命力:50
直接攻撃力:5
魔道力:***
経験人数:男1
淫乱レベル:A
快感値:120
状 態
***
***”
ジョブから、あの退魔師が消失している。
どういうこと?
しかも、経験人数にも変化が……。
「おじいちゃん──」
すると、二階でサターシャの悲痛な声がした。
一郎は舌打ちした。
「マーズとイライジャは、ここにいて、ミウを頼む。ほかの三人はついて来い」
一郎は二階に向かって駆けだした。
*
◆冒険者ギルド・タイラン支部ギルドマスター兼宿屋主人
【ドーバー】
最初は半信半疑だった。
シーラ・ランクとは聞いているし、あのミランダの太鼓判の伝言もあったパーティだから、そこそこの実力があるとは思っていたが、なにせ、女ばかりのパーティなのだ。しかも、パーティリーダーは、どうみても平凡そうな男である。
期待半分、好奇心半分で一泊目の宿泊代と酒代を奢った。
最初に奢りをするのは、俺の処世術だ。
冒険者というのは、兎角、面倒な者が多い。
そういう連中に、少しは大人しくしてもらうには、最初に多少奮発して、親しくなっておくに限る。
もっとも、ロウとかいうパーティリーダーは、思った以上に大人しかった。
礼儀正しいし、言葉遣いも丁寧だ。
金払いもしっかりとしている。威張った感じでほかの客に迷惑をかける感じもない。
しかし、実力は凄まじかった。
魔獣退治のクエスト解決の手腕には度肝を抜かれた。
たった二日入っただけなのに、尋常じゃない数の魔獣を退治してきて、特異点封印までやって来たのだ。
それでいて、七人全員が無傷だ。
まあ、ひとりだけ童女の魔道遣いが、魔力切れでも起こしたのか、ぐったりしていただけだ。
さすがにシーラ・ランクだと思った。
しかも、マイセンさんのところのサターシャの依頼についても、誠意をもって対応してくれている。
突然に斬りかかったレオンのことも、殺されても文句はいえなかったのに、ちょっと説教しただけで許したし、報酬の不足は身体で払うとか言った、ませガキのサターシャのことも大切に扱ってくれている。
俺も思わず、酒を奢りたくなった。
それにしてもだ──。
あれは目の毒だ。
連れている女たちが誰も彼も一級品の美女と美少女──。
思わずおっ勃つような女というのは、彼女たちのことを言うのだろう。
それだけじゃなく、あの女たちは、本当に、あの男の女なのだ。最初はなにかの冗談かと思ったが、冗談じゃないのだ。
それは、女たちの男に対する表情や態度を見れば明白だ。
朴念仁の俺でもわかる。
特に、エリカとかいうエルフ女とコゼという小柄の女は、人前も厭わずに、男の寵を争って言い合いさえする。
まったく、冗談じゃない。
それにしてもいい女たちだ。
特に、色の白い金髪のエルフ女……。
あれは、いかん。
エルフ族というのは美男美女と相場は決まっているが、あんなに可愛らしくて美しく、そして、色っぽいエルフ娘は、世間の広い俺でも初めてだ。
酒場にいた連中だって、全員が釘付けになっていたほどだ。
しかも、今朝だ。
あれは、なんだ──。
まったく、なんだ。
まるで性行為の最中のように、顔を上気させて身体をくねらせながら、おりてきたかと思うと、甘く息を吐いたり、時折、感極まったようにかすかに震えたりする。
どこか具合でも悪いのかと思うが、あれはどう見ても、やっている最中のようにしか見えない。
たまたま店にいた男客も唖然として、視線を向けていた。
俺も、忙しいのだが、どうしても、ちらちらとそっちを見てしまう。
そして、だ──。
たまたま見ていたら、本当に気をやったかのように、あのエルフ美女が身体をがくがくと震わせたのだ。
しかも、口を懸命に食い縛り、声を出さないように我慢する表情だった。
あまりの煽情的な光景に、しばらく見入ってしまった。
そして、横にいた色の黒い美女エルフが、男をたしなめる物言いをした。
そのときの内容から考えれば、まさかとは思うが、あの男はなんらかの方法で、この場で、あのエルフ女を朝からいたぶっていたみたいだ。
そんな感じだった。
とにかく、嵐のように衝撃的な朝だったが、サターシャたちが迎えに来て、いま出ていった。
店にいた男客も、やっと我に返ったように席を立っていく。
だが、あんなに美人のエルフ女を公然といたぶるような破廉恥な悪戯を好き放題にできるだと?
しかも、エルフ美人は、あんなことをされたのに、ほんの少しだけ、恨めしそうに不満を口にしただけで、それで終わりだ。
それだけじゃなく、男は、冗談めいた口調ながら、可愛らしい顔をした小柄な人間族の女にも、同じような悪戯をするぞというようなことを話しかけていたから、本当に女を好き放題にできるのだろう。
なんと羨ましい。
やはり、実力のある男には、女も集まるということか?
いずれにしても、あのエルフ美人の痴態は目の毒だ。
娘には悪いが、今夜は色町で毒抜きだ。
いや、夜まで待てねえ──。
頼めば、朝からでもやってくれるはずだ。
とりあえず、抜いて来るか──。
「ちょっと、出かけてくる──。店番頼むぞ」
俺は娘の返事を待たずに、外に駆けだした。