【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「あ、あのう……」
部屋を出ると、すぐにエリカが焦ったように口を開いた。
おそらく、やっと、羞恥責めをしてくれというたわ言よりもましなことを思いついたのだろう。
だが、そうはいかない。
「いいから、こっちだ」
一郎はすぐに、エリカを一階にくだる階段の前にあった積みあがった木箱の陰に連れ込んだ。
この宿屋は、一階が酒場で二階が宿用の部屋になっている典型的な造りなのだが、階段の上側に人の肩ほどの高さまで木箱が積みあがっているのだ。しゃがめば、ちょうど人ふたり分くらい隠れられないわけではない。
もちろん、誰かがやってくれば、人がいることはすぐにわかるが、とりあえず、いまは誰もいない。
それに、エリカはわからないかもしれないが、一郎には他人が近づけば魔眼でわかるし、いざとなれば、エリカをそのまま亜空間に隠してやることもできる。
いずれにしても、面白いことになったと思った。
女たちがなにかを企んでいるというのは、魔眼や淫魔術を駆使するまでもなく、すぐにわかった。
おそらく、エリカの役目は、暗くなるまで一郎を外に連れ出すことなのだろう。
だが、正直者のエリカのことだ。
適当な理由を思いつけなかったに違いない。
しかし、それで咄嗟に口に出た言葉が「羞恥責め」というのは、本当に笑える。
あるいは、コゼあたりに、羞恥責めにしてくれとでも言って、連れ出せとかけしかけられたのかもしれない。
そして、さっきの感じだと、嘘をつくことの苦手なエリカが、頭が真っ白になって、思わず口に出したのが、その羞恥責めだったのだろう。
もしかしたら、もっと複雑な経緯があった可能性もあるが、おそらく、ほぼ間違っていないと思う。
とにかく、一郎の女の中で一番生真面目で恥ずかしがり屋なのがエリカだ。なにが嫌いだといっても、羞恥責めが一番嫌いだ。
そのエリカが、本意ではないとはいえ、自ら羞恥責めにしてくれと頼んだのだ。
せいぜい、愉しませてもらうことにしよう。
「い、いえ、ロウ様、あ、あのですね……。羞恥責めだとか……。そうではなくてですね」
エリカが懸命に言い訳しようとしている。
一郎は腰を押さえて、エリカのスカートの中に手を入れて、下着の上からねっとりと、お尻を撫ぜまわした。
「あっ、い、いや……。ま、待ってください……。こ、こんなところじゃ……」
物陰とはいえ、部屋の外だ。
スカートの中に手を入れられたエリカが、必死に身体を捩って、一郎の手を阻もうとする。
しかし、たとえ大人と子供ほどに武術の腕が違うとはいっても、一郎にかかれば、エリカの身体に力が入らないように、愛撫で脱力させるのは難しいことじゃない。
一郎を阻止すようとするエリカの手を、もう一方の手で身体のあちこちに淫らな刺激を加えることで邪魔をする。
あっという間に、エリカは顔を真っ赤にして、一郎の腕の中でもがくだけになった。
「騒がない方がいいぞ、エリカ。それとも、戻るか? そうだな。そうしよう。やっぱり嫌なら、部屋に戻って続きをしよう。それがいいな」
わざと言って、手を引いた。
無論、やめるつもりはないが、どういう反応をするか、確かめたかったのだ。
すると、エリカが慌てだした。
「ま、待ってください──。や、やめないでください──。い、いえ、そうじゃなくて……。いえ、やめるんですけど、そ、そのう……。こ、こんなんじゃなくてですね……。どこか静かなところで、ふたりで暗くなるまで、愛し合うとか……」
エリカがしどろもどろの口調で、一郎の腕を掴んで言った。
なるほど、それが羞恥責めの代わりに、思いついたことか……。
一郎はひそかに苦笑した。
「愛し合うのは部屋の中でできるだろう。羞恥責めは外じゃないとできないけどな。じゃあ、やっぱり部屋に……」
「うわっ、ま、待って──。だ、だめです──。み、みんなに叱られる……。そ、そうじゃなくて……。や、やっぱり、外で……」
「外でなんだ? 外でないとできないことをしたいのか? 普通に愛し合うのは部屋の中でできるぞ。ちゃんと優しくしてやる。心配するな」
一郎は笑いそうになるのを堪えて、木箱の陰から出て、部屋へ戻る素振りをした。
「ま、待って、ロウ様──」
その腕をがっしりとエリカが握って、物陰に引き戻す。
一郎はわざとらしく、エリカを見た。
「なんだ?」
これは本当に面白いことになった。
エリカの顔が真っ赤になって、しかも泣きそうな表情になっている。
心の底から嫌なのだろう。
一郎は表の顔では困ったような表情を作った。でも、実は笑いを堪えるのに懸命になっている。
「や、やっぱり、羞恥責めに……」
エリカが俯いて聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で言った。
一郎は、耐えられなくて、噴き出してしまった。
「そんなに言うなら仕方ないな。じゃあ、両手を身体の前に出して、親指を重ねろ」
「は、はい……」
エリカが諦めた様子で、お腹の前で手を前に出す。
一郎は紐を亜空間から取り出すと、重なっている親指の根元をぎゅっと縛ってしまう。
指縛りだ。
「ああ……」
エリカが小さく声を出す。
これでエリカは、手を離すことができない。
いつもの羞恥責めなら、手は後手にするところだが、前側で縛ったのは理由がある。
一郎は、再びスカートの中に後ろから手を入れると、下着をめくって、尻を剥き出しにした。
「あんっ、いや」
「いやか? なら……」
「あっ、いえ、やめては……」
エリカが大人しくなる。
これは、本当に愉しいかも……。
一郎は尻の亀裂沿いに指をあてて、ゆっくりとお尻の周りを刺激していく。
もちろん、淫魔術で見える性感帯として浮かぶ赤いもやをしっかりとなぞっている。
どの女でもそうだが、このもやを伝って指を動かす限り、絶対に快感から逃げることはできないのだ。
「んんっ、あっ、だ、だめです……、い、いえ、だめじゃ……。う、うんっ、くっ、ロ、ロウ様……。や、やっぱり……ここでは……」
「ここじゃなければ、どこなんだ? もっと、人の多いところじゃないと嫌なのか? ああ、そうか──。羞恥責めにされたいんだものな。そりゃあ、すまない、エリカ──。こんなに誰もいないところで申し訳ない。下に行こう。何人か客もいたし、亭主もいる。そこでいじめてやろう」
「わああっ、こ、ここでいいです。ここでいじめてください──」
一郎がエリカを押し出すように背中に力を入れたので、エリカが懸命に足を踏ん張るようにして言った。
本当に面白い……。
「じゃあ、いいんだな? ここで尻をなぶられたいんだな?」
一郎が耳元で言うと、エリカは諦めたように、小さく頷いた。
「ちゃんと口に出すんだ。なにをされたいんだ?」
一郎はちょっと強く言った。
エリカが小さく嘆息して、俯いたまま口を開く。
「こ、ここで……、い、いじめてください……」
エリカは泣きそうな顔だ。
しかし、おそらく自分では気がついてはいないと思うが、淫魔術で覗けるエリカの快感値は、どんどんとさがっている。
自分で自分の言葉に感じているし、実際にはこうやって恥ずかしいことをされることに、身体は愉悦を覚えているのだ。
さすがのマゾ娘だ。
一郎はほくそ笑んだ。
「どこをいじめて欲しい? 俺は尻をいじめたい。そうじゃなきゃ、部屋に戻ろうかな。そんな気分なんだよなあ」
わざと言った。
エリカがすがるように顔をあげて、ロウに視線を向ける。
しかし、すぐに、がくりと脱力したようになって顔を伏せる。
もう、なにを言っても許されないとわかったのだろう。
それにしても、本当に被虐の似合う女だと思った。
いじめれば、いじめるほど色っぽくなり、綺麗にもなる。
なによりも可愛いのだ。
「お、お尻を……いじめてください……」
エリカが肩を落として言った。
一郎は亜空間から、アナル調教用の棒を出す。
女たちの肛門を調教するために、淫魔術で作ったものであり、一郎は“あなる棒”と呼んでいる。前の世界でいうと球体を繋げたようなかたちのアナルバイブだ。柄の部分を含めて、完全に全部を埋められる形状になっている。
長さは二十センチほどであり、この世界の単位だと“一マヌ”となる。
ただし、先端の球体は小指の先程度だが、根元の太いところは直径が三センチ、すなわち、一マヌン半だ。
取り出した瞬間から、すでに全体がたっぷりと潤滑油で光っている。
もちろん、ただの潤滑油ではなく、尻穴が狂ったように疼くとともに、怖ろしいほどに痒くなる特別性の媚薬だ。
また、球体は全体でも、一部分だけでも好きなように回転でも、蠕動でもさせられるし、淫魔術を込めれば大きさだって変えられる。どんな刺激でも可能だ。
さらに、挿入したら最後、女側の手では抜くことはできない。一郎の淫魔術じゃないと抜けないのだ。
わざと、エリカにそれを見せる。
何度もこれで調教しているので、この淫具のえげつなさは、エリカは当然に知っている。
エリカが顔を引きつらせた。
「尻を突き出せ。力を抜けよ」
エリカの身体を押さえつけるようにして、前に倒させる。
下着はすでにめくられているので、エリカの尻はむき出しだ。
一郎はあなる棒の先端を肛門に当てた。
ゆっくりと挿し入れていく。
「ううっ、くっ、あ、ああっ」
「声を出さない方がいいぞ。誰かに見られたければ別だけどな」
一郎は、くるくると回しながら、淫具を押し込んでいく。
だが、考えてみれば、エリカほどの絶世の美女が、宿屋の廊下の端っこで、尻の穴に淫具を挿し入れられるなど、すごい状況だろう。
しかも、それをやっているのが自分であり、心の底からそれを嫌がっているその女が、抵抗の手段など山ほどあるのに、一郎にそれをやられて耐えているのだ。
本当に愉快だ。
「う、ううっ……はっ、はああ……あっ」
エリカは懸命に声を殺し、呼吸もできない状況に陥ったかのように、口を開けたり閉じたりしている。
肛門を押し広げられるのは苦痛だと思うが、すっかりと調教をされている尻穴の粘膜に与えられる淫具の刺激は、エリカに灼けるような快感も与えているはずだ。
「んふっ」
エリカの息が喘ぎ声のようになっていき、しかも、ちょっと大きくなっていく。
やがて、がくっと身体を震わせた。
わざと抜くように動かしたのだ。
あなる棒は、挿入よりも、抜くときの方が快感が強い。
「どうした? 入れて欲しいのか?」
ちょっとだけ入れて、また、少し抜く。
「んんっ」
エリカは身体を悶えさせながら、必死で声を押さえている。
ぐいとすこしだけ挿し、またゆっくりとちょっと抜く。
エリカが慌てたように、指縛りの手で口を押さえる。
声をそれで我慢するつもりだろう。
一郎は何度もそうやって、抜き挿しを繰り返す。
エリカの悶えと声が次第に大きくなる。
だが、エリカも必死に反応すまいと頑張っている。
その仕草が心の底から可愛くて愛しい。
「もう、ひ、ひと思いに……ふわっ、あぐっ」
エリカが身体をくねらせてもがくのを身体を押さえて、かなりのあいだ、あなる棒でなぶり続ける。
やがて、完全に淫具がお尻の中に消えた。
下着を戻してやる。
「終わったぞ。ほら、身体を真っ直ぐにしろ」
「はあ、はあ、はあ……。あ、ありがとう……ご、ございます……」
エリカがもう息を荒げながら、お礼の言葉を口にした。
そう言うようにしつけているから、それを思い出したのだろう。
本当に真面目な女だ。
すでに、股間はべっとりだ。
下着でも押さえきれなかった愛液が垂れて、エリカの太股まで伝っている。
一郎はあまりのエリカのいやらしさに、喉の奥で笑った。
「はあ、はあ、はあ……」
エリカがゆっくりと身体を真っ直ぐにしていく。
ゆっくりじゃないと異物を入れられた尻の穴に刺激を感じるからだ。
一郎は、エリカのスカートの左右に手をやり、淫魔術で腰で締めている部分を残して、すっぱりとスカートの左右を完全に下まで切断した。
魔道は遣えないはずなのに、性愛や嗜虐に関することになった途端に、想像の通りの魔道のような能力を発揮できるのが不思議だ。
いまも、思っただけで、一郎の指が刃物のようになり、エリカの身体を傷つけることなく、布だけを簡単に切ることができた。
「あっ、いやっ」
エリカがびっくりして、指縛りになっている両手で前側を押さえる。
だが、すでにスカートというよりは、二枚の布を前後に垂らしただけになっている。
真横からは完全に下着が丸見え状態だ。
「もしも、勝手に隠したら、その時点で調教を終わるぞ。暗くなるまで頑張るんだろう?」
一郎は上衣のボタンを同じように切断して、乳房の付け根まで広げ、さらに手を入れて、布状の胸あてを取りあげる。
エリカは抵抗しない。
拡げた襟が乳首ピアスに引っ掛かるだけになり、いまにも、乳房が服からこぼれそうな感じだ。
自分がやったとはいえ、すごい恰好だ。
「こ、こんな格好で……。ゆ、許してください……。む、胸が……。そ、それに、下着が見えてしまいます……」
エリカが必死の口調で言った。
確かに、これではどうあっても下着は見える。
一郎はにやりと微笑んだ。
エリカがそれに気がついた。
ぞっとした表情になる。
「だったら、下着が見えないようにしてやるさ」
次の瞬間には、一郎は下着を両側から切断して、取り去ってしまっていた。
「ひいっ、いやあっ」
エリカがしゃがみ込みかける。
「ひんっ」
しかし、急激な動きで、尻穴に入っている淫具で刺激を受けてしまったようだ。
中腰になったところで、今度は逆に身体を伸びあがらせて、身体を反り返るようにする。
「ははは、暴れれば、本当に丸見えだぞ。じゃあ、行くか」
「こ、こんな格好で歩けません──」
エリカが半泣きの顔で一郎を睨んだ。
半分、怒っているような表情だ。
本当にこいつは、期待を裏切らない。
一郎はエリカの指を縛っている紐に淫魔術で糸を出して繋げ、スカートの裾をちょっと持ちあがるくらいのぎりぎりの長さで、エリカの股間にクリピアスの輪に結びつける。
これも淫魔術だ。
「んふうっ」
自分の手でクリピアスを引っ張る形になったエリカが、悲鳴をあげて腰を曲げる。
「あがあっ」
だが、それは命取りともいえる動きだ。
思い切り、糸でクリピアスを引くかたちになり、エリカは絶叫してしゃがみ込む。
さすがに、腰を前に出して、糸で引っ張られるのを防いでいる。
だが、いまのはちょっと声が大きすぎた。
宿屋の亭主が階段の下から、上を覗き込むようにしている。
「亭主が来るぞ。急いで立て」
一郎は言った。
嘘じゃない。
本当だ。
宿屋の親父は、そのまま階段にあがって来ようとしている。
「ひっ」
エリカがびっくりして身体を起こした。
一郎はエリカの手を取り物陰から出る。
今度は手とクリピアスを糸で繋げられており、抵抗するとピアスが引っ張られるため、慌てて腰を前に出すようにエリカがついてくる。
階段をおりていく。
あがってくる亭主と、途中ですれ違うかたちになる。
「どうかしましたか? うわっ」
宿屋の親父がエリカの姿を見て、目を真ん丸にして驚いた。
どうせ、この町も、この宿屋も明日には出ていく。
破廉恥な変態だと思われても、困ることはない。
実際にはそうなんだし……。
「気にしないでくれ。調教中だ。こいつは露出狂のマゾなんだ。今日も羞恥責めで辱しめられたいと頼まれてな。そうだな、エリカ? それとも、部屋に戻りたいか?」
「い、いえ……。それは……」
エリカが真っ赤な顔になり、首を横に振る。
亭主はあんぐりと口を開けて、唖然としている。
「だったら自分で説明しろ」
「あ、ああ……。ろ、露出狂で……お、お願いして……ちょ、調教して、もらってます……」
エリカが泣きそうな顔で言った。
「は、はあ……」
亭主が眼を見開いたまま、こくこくと首を頷かせる。
その股間がズボンの中で大きくなるのがわかった。
当たり前だ。
これほどの美女のエルフ族の女などそうはいないし、ましてや、その女が自ら辱しめられたいと口にするなど、信じられないはずだ。
そして、被虐に染まったエリカは、その美しさが二倍増し、いや、三倍増しになる。
目の前のエリカの姿に欲情しない男はいないと思う。
だが、こいつは一郎のものだ。
「じゃあ、散歩に行く。俺たちのことは気にしないでよ」
一郎はエリカを引っ張って、階段をおりていく。
エリカが泣きそうな顔でついてくる。
亭主はまだ、階段の途中で口を開けたままだ。
羨ましいはずだ。
これほどの女をこんな風にいたぶれるのだ。
優越感に浸りながら、一階に着く。
残念ながら、亭主以外には誰もいなかった。
しんとしている。
そのまま、外の明るい陽の下にエリカを連れ出した。
さすがに、エリカは怯えるように、足をすくませる。
「あぐっ、ま、待って……」
しかし、手を引かれ、ピアスに刺激を受けて、悲鳴をあげて、腰を前に出す。
すでに外だ。
一郎は手を離した。
「行くぞ。ついてこい」
一郎はすたすたと歩き出す。
エリカは慌てるようについてくる。
こんな格好でひとりにされるよりも、一郎と一緒にいた方がましのはずだ。
必死の表情だ。
しばらく歩く。
人の往来は多くはないが、全くないわけじゃない。
エリカの姿にびっくりして、立ちどまったりする者もいる。
さすがに、声をかけたり、手を出そうとする者はいないが……。
しかし、やっぱり目立ちすぎるようだ……。
このままだと、いずれ面倒になりそうな予感がある。
それほどに、エリカはいまの妖艶で可愛らしい。
一郎はエリカを路地に連れ込んだ。
「ロ、ロウ様、や、や、やっぱり……」
エリカが半泣きで一郎にすがるように顔を向ける。
一郎は無視した。
すると諦めたように顔を伏せた。
だが、すぐに尻をもじもじと動かしだす。
いよいよ掻痒剤が本領を発揮し始めたのだ。
「どうした?」
一郎はわざと言った。
「か、痒くて……あ、ああ、そ、それに、う、疼いて……」
エリカは歯を食い縛るようにして、身体を震わせた。
その仕草は可愛らしくて、ぞくぞくするほど色っぽい。
「じゃあ、癒してやるよ」
一郎はあなる棒を尻穴の中で動かす。
「ひっ、ひいっ、や、やああっ」
エリカが声をあげて、その場にうずくまった。
幸いにも誰もいない。
一郎は放っておき、クグルスを呼び出した。
「呼ばれて、飛び出て……。うわっ、これなに? なにしてもらってるの?」
クグルスがエリカを見て、空中でくすくすと笑った。
「あっ、クグルス……。んふっ、ああっ、ロ、ロウさ、様……。と、とめて……く、ください……。あ、ああっ」
エリカはしゃがんだまま言った。
しかし、わざと無視した。
クグルスに話しかける。
「羞恥責めの調教中だ。やって欲しいとエリカ自身に頼まれてな。それよりも手伝え。俺の服の内側に入って隠れてろ」
「あいあいさあ」
クグルスが嬉しそうに、一郎の上着の内側にすっと入って隠れるようにする。
一郎は淫具をとめた。
「そら、まだ始まったばかりだぞ。それとも帰るのか?」
一郎が言うと、エリカは足を踏ん張るようにして、身体を立ちあがらせながら、死にそうな顔を小さく横に振る。
「い、いえ、暗くなるまでは……」
本当に真面目な女だ。
一郎はほくそ笑んだ。
「ご主人様、こいつ、どうしちゃったのさ? まあ、だけど、恥ずかしいのを感じまくっているのは確かだけどね。おい、露出狂──。暴れたから、乳首が見えてるぞ」
クグルスが一郎の上着の中から顔を出して、けらけらと笑った。
エリカがはっとしたようになった。
確かに襟が大きくずれて、乳首がちょっと見えている。
「あっ、ロ、ロウ様……。お、お願いです。む、胸を……」
クグルスの指摘で気がついたエリカが、一郎に顔を向ける。
エリカの手は股間のクリピアスに繋がっているので、自分では直せないのだ。
「じゃあ、自慰だな。ここでしろ。そうしたら、胸だけは隠してやろう」
「そんなあ……」
エリカがもじもじと身体を動かしながら、哀願の顔を一郎に向ける。
また、尻の痒みが襲ってきたのだろう。
一度刺激してしまうと、淫具をとめたときの痒みがさらに増大する。
すでに、すっかりと追い詰められている気配だ。
「いやなら、そのまま、胸を出しているんだな」
一郎は手を伸ばして、完全に襟をはだけて、ふたつの乳房を出してしまった。
「ひいっ、し、しまって、しまってください」
エリカが必死の形相で訴えた。
だが、一郎は素知らぬ顔で路地の外に出る仕草をする。
「や、やります──。自慰をさせてください。やりますから、もういじめないで……」
一郎は噴き出した。
「こうやって、いじめるのが羞恥責めだろう」
一郎は笑いながら言った。
エリカは項垂れて、すでに布切れにすぎないスカートの下に手を入れて、股間を愛撫し始めた。
「へへ、ご主人様、愉しそうな顔してるよ。鬼畜度も二倍増しかも」
クグルスがエリカの痴態を覗き込みながらささやいてきた。
「愉しいからね」
「まあ、よくわかんないけど、なんだかんだで、こいつの身体は、そのご主人様の鬼畜を愉しんでいるから問題ないさ」
「そうか……。なら、もっといじめてやるか……。それよりも、お前はこのまま隠れていて、人避けを頼む。見られるのはいいけど、声をかけてきそうになったり、手を出す者がでてきたら、追い払う魔道を遣って欲しい。できるか?」
「任せておいて」
一郎とクグルスはひそひそ声で話した。
ついでに、一郎はクグルスに事情を説明した。
もっとも、一郎もどういうきっかけで、暗くなるまで外に出ていてくれと頼まれたのかは不明だ……。
一方でエリカは早くも絶頂に向かって喘ぎ声を出し始める。
だが、懸命に声を我慢している。
そして、身体の反応が大きくなる。
そろそろ、いきそうだ。
「よし、もういいぞ。やめろ」
絶頂ぎりぎりのところで中断させ、一郎はさっと襟を動かして、乳房を隠してやる。
「そ、そんな……」
正直なエリカは、胸が隠されたことによる安堵よりも、絶頂寸前で自慰をやめさせられたことに唖然としていた。
本当に愉快な女だ。
「なんだ、もっとしたいのか、エリカ? だったら、もっと人の多いところでやんなよ。ご主人様にお願いしてね」
クグルスがからかった。
エリカがさらに真っ赤な顔になって、クグルスを睨む。
「う、うるさい、クグルス」
エリカがスカートからやっと手を出して、身体を真っ直ぐにした。