【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
イザベラのところで王太女付きの女官長をしているヴァージニアが離宮にやってきたのは、やっと食事の支度が整った頃だった。
やっと、夜が明けたばかりの刻限であり、まだ外は薄暗い。
テレーズが立ち去ってから、それほどの時間は経っていない。
「なんじゃ、こんな時間に?」
入り口で出迎えたサキは、ヴァージニアに言った。
ヴァージニアはひとりではない。トリアという侍女のひとりを連れている。
ふたりとも、ロウの愛人仲間だ。
ヴァージニアは、ロウの鬼畜的な性愛によって雌犬として躾けられるのが大好きで、いつもはこうやって真面目な顔をしているくせに、ロウに遊んでもらう状況になると、涎を垂らさんばかりに淫情し、すぐに服を脱いで四つん這いになって、首輪をしてくれと強請る愉快な女だ。
また、横にいるトリアは、確か下級貴族の娘だが、百合愛の性癖があり、ロウは、トリアが「猫」にしているノルエルという娘と一緒に抱くのを専らにしているはずだ。トリアは責めるのも、責められるのも好きな両癖があり、最近はノルエル以外の侍女にも手を伸ばしていると耳にする。
ロウが王都にいた頃は、王太女府を夜這いするついでに、後宮のサキを呼び出したりして、一緒に抱かれたこともあるので、彼女たちのことはよく知っている。
用向きは見当がついているが、サキは惚けることにした。
「姫様がいないのです。王陛下のご命令で、どこかの離宮に連れていかれたそうです。一緒に出たシャーラもいません。でも、わたしたちは知らされていないのです──。どこに行ったのかを教えてください」
ヴァージニアが真剣な表情で言った。
よく見ると、服は乱れて、かなりの汗をかいている。眼も赤い。
異変に気がつき、夜のあいだ、あちこちを駆けまわっていたに違いない。
「なぜ、わしに訊ねる。わしは休暇中だ。後宮から離れて一箇月以上になる。後宮にいるテレーズにでも訊ねろ」
言い捨てた。
「テレーズ女官長にも問い合わせに行っています。手分けをして……。王妃殿下のところにも。もしも、知っていたら教えてください」
ヴァージニアは必死の口調で言った。
診療のために王太女府から離れたイザベラがさらわれるように、連れ去られてしまい、かなり気が動顛しているのだと思う。
だが、どうやら、すでにアネルザのところにも、侍女をやったみたいだ。
ロウがいなくなってから、気力をなくしたように大人しくなったのをいいことに、これまで、アネルザにはなにも知らせずにやってきたが、イザベラとアンが王都から追放されたとなれば、ここに駆け込んでも来そうだ。
忙しい一日になるかもしれないな。
サキは思った。
「サキ様、なにかを知っておられますね? 教えてください」
すると、黙っていたトリアが口を挟んだ。
サキは小さく舌打ちした。
ロウに精を注がれると、どの女でも能力があがるが、このトリアは観察力というか、奇妙なくらいに勘がよくなったのだという。
「サキ様、なにかをご存知なんですか──。教えてください。姫様はどこに連れていかれたんですか──?」
ヴァージニアが気色ばんで言った。
サキはどうしようかと思ったが、テレーズの言葉であれば、どうせ、こいつらは今日中には宮廷を退去する命令が一斉に出される。
ならば、ここで教えて問題ないだろう。
この様子であれば、イザベラの行先さえわかれば、全員で追いかけていきそうだ。必然的に、全員揃って王宮を出ていくことになる。
同じことだ。
「……耳にしているのは、ノールの離宮だということだな。アンも一緒だそうだ」
「ノールの離宮? あんな遠くに──。しかも、いまは使われていない廃城ですよ。人里もないような辺鄙な場所なのに──」
ヴァージニアが声をあげた。
辺鄙かどうかは知らないが、そういう場所だというのは知らなかった。
まあ、テレーズとしては、イザベラを隔離して、王宮のことから完全に遮断しておきたいのだと思うので、そこを選んだのだろう。
「ヴァージニア様、行きましょう──。みんなを集めます」
トリアが声をあげた。
「そうね……。感謝します、サキ様──」
ふたりはあっという間にいなくなった。
サキは大きく息をしてから、食事の支度に戻ることにした。
「とりあえず、食うか」
サキは呟くとともに、できあがった食事をテーブルに運んでいく。
朝食が終わったら、とりあえず、ピカロとチャルタを次に呼び出すつもりだ。
あのふたりには、ノールの離宮に送られたイザベラとアンを見張らせることにしようと思った。
テレーズも乱暴なことはしないと思うが、万が一にも、ロウの女を理不尽な目に遭わせるわけにはいかない。
ふたりには、ノールの離宮をよく見張っていろと命じるか……。
それくらいの仕事は、あいつらでも、ちゃんとやるだろう。
だが、それにしても……。
サキは、料理をテーブルに運ぶのを中断して、じっと手を見た。
気がついてなかったが、テレーズに不覚をとったこともあり、やっとわかったが、サキの魔道力が低下をしているのだ。
大したものじゃないが、ロウに支配されることで、サキはそれ以前よりも遥かに力が増していたのだが、いつの間にか、だんだんと、ロウの支配前の水準に近づいている気がする。
魔道とは、集中力や体調も影響するので、ロウの精を受けていないことによる、身体の熱さや疼きが理由かと思っていたが、これはそれだけではないようだ。
ロウには、精を注いで支配することで女の能力をあげる力がある気配だが、それが薄くなっている?
なんとなく、そんな感じだ。
ほかの女はどうなのだろう……?
そんなことを思った。
とりあえず、朝食の支度に戻る。
そして、やっと食卓に朝食を並べたところで、呼び鈴を鳴らすことなく、建物の入口の扉が激しく音を立てて開いた。
「サキ、いるかい──。一大事だよ」
荒々しく入ってきたのはアネルザだ。
サキは溜息をついた。
やはり、今日は訪問客の多い日になりそうだ。
まあいい……。
アネルザにも話がある。
「ちょうどよい。座れ、アネルザ」
サキは言った。
*
「お、おやめください、へ、陛下。おやめを──」
ユファーは必死で叫んだ。
なにが起きているかわからない。
女官長のテレーズの指示を受けて後宮に向かい、
早朝のことだ。
すると、突然にルードルフ王が、ユファーに襲いかかってきたのだ。
だが、手足は縛られていて逃げることはできない。
しかも、全裸だ。
どうしてこんなことになったのか……。
ユファーはただただ泣き叫んだ。
この王宮に、ユファーが参内することになったのは、昨日のことだった。
与えられた役割は、ルードルフ王の身の周りの世話だ。
王都に所在する下級貴族を中心に、十五歳から二十五歳前後の未婚の若い令嬢がいる家は、宮廷にひとり以上の令嬢を国王の侍女として参内させるようにという命令が一斉に下ったのだ。
突然のことに驚いたし、国王の侍女など務まるとも思わなかったが、王命とあっては断ることもできずに、ユファーは十五歳になったばかりだが対象であり、トミア子爵家からの要員として、昨日から王宮にあがった。
集まったのはほとんど下級貴族の令嬢ばかりだったが、とにかく、ほかの幾つかの家からも、ユファーと同じように集められた令嬢がいて、極めて簡単な説明を受けただけで、早速昨日からルードルフ王の身の周りの世話を数名ごとの交代ですることになった。
ユファーについては、ほかの五人ほどの令嬢と一緒に、最初の十日間の組に割り当てられた。
その十日間を宮廷に住み込んで、ルードルフ王の身の周りの世話をすることになったのだ。
ルードルフ王のことはなにも知らない。
あまり執務をしない国王だという評判だったが、そもそも、ユファー自身も王宮になどあがったことはないから、国王がどういう人物なのかという知識はなかった。
ただ、多くの人から、後宮に入り浸りの好色であるものの、人畜無害に近く、比較的穏やかな人柄だと言われていたのだが、いざ、仕えることになると、とても気難しくて、いつも苛々している感じだった。
ちょっとしたことで、すぐに怒鳴りあげ、直接に当てられることはないが、苛つきを物に八つ当たりするように、なにかを壁などに突然に投げつけるということが何度かあった。
ユファーもびっくりした。
なかには泣き出してしまい、侍女の仕事ができなくなる者もいた。
そして、ここに来てわかったが、もともと仕えていた多くの侍女たちは、このルードルフ王の粗暴な言動や態度が嫌になり、短い期間で一斉にやめてしまったらしかった。
もともと、人気のある国王でもないし、多くの貴族家がそれぞれに理由をつけて、侍女に出していた令嬢を引きあげてしまったらしい。
ユファーたちが昨日、集まったとき、上級貴族の令嬢がほとんどいなかったのは、ルードルフ王の最近の言動をわかっていたからだと思う。
ユファーのような下級貴族には、そんな情報も入ることなく、そうかといって、仕事を放棄して帰るわけにもいかず、ただ、懸命にルードルフの罵声を浴びながら、侍女の役目を続けた。
なんとか、一日目も終わり、与えられてた部屋で寝ていたが、早朝から呼び出しを受け、急いで身支度をしてやって来ると、待っていたのは、隣室で待機しているようにという指示書だった。
よくわからないが、呼び出しを受けたのは、ユファーひとりのようだった。
なんのために呼び出され、急いでやって来たのに、待たされる理由もわからず、言われるままに、ルードルフ王のいる部屋の隣室で待機をしていたところで、急に意識がなくなった。
そして、気がつくと両手首と両足首に革枷を装着されて、寝台に四肢を拘束されて仰向けになっていたのだ。
しかも、なにもかも脱がされていて、下着さえもなくなっていた。
そこにやってきたのがルードルフ王だ。
服は着ていない。
股間には勃起した男根が隆々と存在を主張している。
「きゃああああ、いやあああ、誰かあ──誰か助けてえええ──」
絶叫した。
しかし、誰も来てくれる様子はない。
「おおお、勃つ──。勃つぞおお──。余の一物が勃起した。おお、元気がいいな。ユファーだったな。トミアのところの自慢の娘だったな。だがいい身体をしている。まだ、生娘か?」
ルードルフが寝台にあがってきた。
そして、舌で秘部を舐めだした。
いきなりの愛撫に、ユファーは頭も身体も大混乱だ。
「お、おやめください、へ、陛下。おやめを──」
ユファーは必死に叫んだ。
「おうおう、嫌がる姿がいいのう。これは病みつきになりそうだ」
ルードルフ王が舌でユファーの股間を舐め、全身を愛撫してくる。
必死に逃げようとするが、四肢を拘束する革紐がそれを許さない。
「んんんっ、へ、陛下──。お、おやめを──。ああっ、ゆ、許して──。許してください。わ、わたくしには、こ、婚約者が──あああっ」
ルードルフの舌が意外なほどの繊細な動きで、ユファーの秘部を動き回り、陰核を舐めあげていく。
気持ちが悪いはずなのに、舌で敏感な粘膜を舐め回されて、かっとユファーの身体は熱くなる。
ユファーは歯を喰いしばった。
太腿の内側に当たるルードルフの髭さえも、ちくちくと刺激されて、快感に繋がりそうになるのだ。
「……様─ああ、助けて──。助けてください──。誰かああ、ああ、助けてええ……」
ユファーは必死で婚約者の名を叫んだ。
すると、ルードルフが一瞬、顔をあげて笑った。
「なるほど、ほかの男の名を呼ぶ女を犯すのはいいな──。なるほど、こういうことなら、勃起をするのか──。よくわかった。いいぞ──。もっと叫ぶがいい。余を悦ばせよ──。最高の気分だ──」
そして、股間を舐める行動に戻る。
「ああ、や、やめてええっ、いやあああ」
ユファーは泣き叫んだ。
「ははは、もっと叫ぶとよい。元気のなかった余の一物が力を取り戻すわい。テレーズの言う通りだった。あいつはすごい──。余のことをわかっておる──。なるほど、凌辱という性交もあるのか──。いいぞ。いいぞおっ──。余の一物が勃起した。ついに勃起した──」
ルードルフ王が訳のわからないことを叫びながら奇声をあげる。
だが、ユファーはそれどころじゃなかった。
無防備な股間が舐めあげられ、得体の知れない感覚がせりあがってくる。
「いやああっ、……様、……様──。助けてええっ」
またもや婚約者の名を叫んだ。
嫌だ。
嫌だ──。
本当に嫌だ──。
とにかく、懸命に身体を暴れさせて抵抗しようとした。
腰を避けて男根の挿入を阻み続ければ、犯されないですむと耳にしたことがある。
「んぎいっ」
だが、思い切り頬を引っ張たかれた。
殴られた衝撃で、ユファーの中の抵抗の気力が萎えていくのを感じた。
「大人しくせよ。心配せずとも、終わったら、婚約者とやらのところに行くがいい。余の精を受けてからな。ほほうっ、元気になった──。元気になったぞお──」
ルードルフが笑った。
股間に男根がねじ込まれる。
めりめりと音をたてる錯覚を感じた。
凄まじい激痛がユファーを襲う。
「んぎいいいっ」
痛い──。
痛いいいいっ──。
自分でもよく認識していないが、そこは男を受け入れる女の場所なのだろう。
そこにルードルフの男根が入ってくる。
痛いいいいっ──。
「あぐうううっ、いぎいいい。おやめください──。おやめください──」
快感などなにもない。
とにかく、痛いだけだ。
腰が割れそうだ。
そのとき、なにかが股間の中でぷっつり千切れる感覚があった。
「──んぐううっ」
鋭い苦痛に腰が捩る。
おそらく、処女膜を失ったのだろう。
さらにぬるっと奥に肉の塊が入り込む。
「どうだ? 初めての男の味は、トミア家のユファー?」
ルードルフがからかうように言った。
そのときには、おそらくもっとも奥まで男根が入り込んでいたと思う。
ユファーは返事どころか、息もすることができずに苦しさに呻いた。
ぼろぼろと涙が出るのがわかった。
「動くぞ」
ルードルフが言った。
そして、男根がゆっくりと後退し、また入ってくる。
それが繰り返す。
「んぎいいいっ、あがあああっ」
苦痛が襲いかかる。
しばらくして、精が放たれた。
ルードルフがやっと股間から男根を抜いた。
終わった……。
思ったのはそれだ……。
どうして、こんなことになったのかわからないが、とにかく終わったのだ……。
でも、もう終わりだ……。
こんなことになってしまって、婚約者には会わせる顔もない……。
ごめんなさい……。
ごめんなさい。
ユファーは心の中で謝罪を繰り返した。
「さて、じゃあしばらく休みだ。だが、回復したらまた味わわせてもらおう。生娘は久しぶりだが悪くない。特に、他の男の名を必死で呼ぶのはいいな。いかにも強姦するという感じだ……。一時はもうだめかと思ったが、凌辱というやり方なら、精を出せるのだな。ならば、まだまだ、愉しめる。余は愉しめるぞ──」
ルードルフが寝台に腰掛けて笑った。
なにをそんなに興奮しているのかはわからないが、それよりも、ユファーはルードルフ王の言葉に愕然とした。
てっきり一度犯されれば、もう解放されると思ったのだ。
しかし、どうやらまだ続けるらしい。
「そ、そんな、お許しを、陛下──。もう帰してください──。誰にも言いません。言いませんから」
ユファーが四肢を必死に動かしながら叫んだ。
しかし、びくともしない。
「いくらでも告げるがいい。余は国王だぞ。余に逆らえる者がどこにいる。トミア子爵家にも、お前の婚約者とやらにも、告げるがいい。余にぼろぼろになるまで犯されましたとな。やっと勃ったのだ。明日までだって付き合ってもらうぞ。それよりも、余の回復まで退屈だろう。これで、ほぐしておれ」
たったいま純潔を失った股間の中に男根のかたちの淫具を突き挿された。
おそらく、生娘だった証の赤い血が股間から垂れているはずだ。それを拭うことも許されず、そのまま淫具をねじ込まれたのだ。
しかも、魔道の力なのか、それがぶるぶると振動をしながら蠕動を開始する。
「いやあああっ」
ユファーは心の底からの嫌悪感で泣き叫んだ。
(第12話『好色王の不穏』終わり)