※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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326 女護衛長受難(1)─監禁

 この四日、朝だけのことだが、かすかに潮の香りがするような気がする。

 もっとも、鉄格子とその外側の壁に覆われ、しかも魔道を防ぐ結界に囲まれた場所なので、シャーラはこの監禁された場所から移動することはできない。

 不思議な場所だ。

 

 鉄格子の向こうの四つの壁のすべてに窓があり、そこからわずかに陽が射しているのだが、昼間は、その壁の窓の全部から陽が射すのだ。

 常識であれば、陽の射し込み方でだいたいの方角はわかる。

 しかし、四方のすべてから陽が当たっているというのは不自然だ。

 つまりは、ここが普通の場所ではない特殊な場所ということになるのではないだろうか……。

 また、窓の位置が高く、景色は見えないようになっているので、外はわからない。

 

 シャーラは監禁されていた。

 この広間全体に拡がる鉄格子に覆われた巨大な檻の中にだ。

 四日前から……。

 なにもかも奪われて、一糸まとわぬ素っ裸で……。

 魔道は封じられている。よくわからないが、特殊な環境がシャーラが魔道を遣うことを許さないようである。

 

 シャーラを襲ったのは二人組の少女だ。

 いや、一見少女に見えるというだけだ。

 実際には、ふたりとも顔に奇妙な動物の被り物をしているので、種族も実際の年齢も不明だ。身体の体形や声からすれば、人間族の少女を思わせるし、喋り方からは性格の幼さも感じる。

 だが、同時に、奇妙に世慣れした雰囲気も感じる。

 

 なによりも、性技がすごい。

 あの少女たちに、山中の街道でおかしな魔道で捕らえられた直後、シャーラは革の手枷と足枷で拘束され、草むらに連れていかれて、その少女ふたりがかりで愛撫された。

 そのふたりは信じられないくらいに女扱いに手慣れていて、シャーラは立て続けに絶頂を繰り返す醜態を晒した。

 なにがなんだかわからなかった。

 まるであのロウに愛撫をされているような感じだった。

 連続で次々に気をやり、意識を保つことができずに失神した。

 そして、気がつくと、ここに閉じ込められていたのだ。

 

 ここにはなにもない。

 床に柔らかい絨毯が敷き詰めてある以外は、一切の調度品はなく、毛布一枚さえない。

 厠のようなものはなく、食事や水は朝に一日分が渡されるのだが、便壺はふたりがいるときにしか渡されない。

 用足しはそれにするしかないので、当然に少女ふたりの目の前ですることになる。

 一日目は抵抗して我慢したが、二日目からは無駄な抵抗はやめた。

 今日は四日目の朝だ。

 

 なぜ、さらわれたのか──?

 なぜ、監禁されたのか──?

 そもそも、シャーラを捕えているのは誰なのか──?

 首謀者はこのふたりか……?

 それとも、背後に大きな組織があるのか……?

 まったくわからない。

 

 シャーラが捕らえられたのは、ノール海岸の離宮から王都に向かう辻街道だった。

 近隣には人里のようなものはなく、旅人も滅多に使わないような寂れた山道に差し掛かったときだった。

 いきなり、目の前に現れた二人組の覆面をした少女に襲撃を受けたのだ。

 

 シャーラが単身で王都に向かって馬で駆けさせていたのは、イザベラの命令によるものだ。命じられたのは、王都の最新の状況を探ることだった。

 なにしろ、ノール海岸の離宮は、一切の情報から隔離されていて、まったく王都のことが不明なのだ。

 もともと、それが目的だといえば、そうなのだが、やはり、王都のことは気にかかる。

 

 イザベラとアンの護衛として、王都から離れて王族の別宮であるノールの離宮にやってきたのは、半月ほど前のことだ。

 国王の命令であり、名目はふたりの王女を世事から隔離して心静かに過ごさせるためだとされたが、シャーラとしては、この時期にわざわざ移動を伴う環境の変化を強いるというのは、逆にどうなのかと思った。

 

 しかし、シャーラは、それに意見を唱える立場ではない。

 王太女のイザベラであるが、王命には従うしかなく、しかも、ルードルフ王は、イザベラの安全を理由として王太女の出立を公表せず、離宮への移動も完全な秘密裏に実施せよとした。

 それは徹底したものであり、命令を受けてから、シャーラも完全に見張られてしまい、一切の自由を奪われ、誰との面談も許されなかった。

 イザベラが王都から離れることを、ロウの愛人の誰にも告げることはできなかったし、王妃のアネルザさえも会わせてもらえなかった。それどころか、ヴァージニアたちにでさえ、連絡できないまま、拐われるように王軍の一隊に包み込まれて、ノール城まで連行されたのだ。

 

 王妃がイザベラとアンが王都から離れることを承知していたかどうかも、いまもってよくわからない。おそらくだが、ヴァージニアたち侍女団は、まったく知らされてなかったろう。

 シャーラでさえ、王軍に完全に隔離されるまで、まったく知らなかったのだ。

 まさに、誘拐のようなものだ。

 

 もちろん、イザベラは、王都から離れることについて、意に添わぬ感じだったが、今回については、いつにない国王の厳格かつ明確な命令がくだり、逆らうことはできなかった。

 イザベラとシャーラは、王宮内で診療の名目で王宮内を移動していたところであり、そこにルードルフ自ら王軍の一隊とともに待ち構えていて、そのまま、着の身着のままで包み込まれ連行されたというわけだ。

 後宮に閉じこもりっぱなしのルードルフが外に出るなど珍しいが、自ら隊長に指図をするなど更に稀有なことだ。

 ライスという指揮を執る将軍も、ルードルフから直接に指揮を受けたということもあり、とても頑なであり、なにを主張しても、とりつく島がなかった。

 身重のイザベラを抱えて暴れるわけにもいかず、シャーラにも、どうしようもなかった。

 

 そして、イザベラとシャーラは、たったふたりだけで、まるで夜逃げでもするかのように、半月前のある日の夜に、突然に王都を出立させられた。

 王都の城門を出たところで、アンとノヴァと合流して、一緒に離宮に向かうことになっていることを知ったくらいだ。

 

 幸いだったのは、イザベラとアンの乗車するために王が準備した馬車が、およそ、考えらえる限りの最高級の乗り心地の魔道馬車であったことだ。

 おそらく、三日ほどの旅において、イザベラとアンのふたりはひと揺れも感じなかっただろう。

 シャーラは、ふたりの旅について、身体に加わる心労だけは気にしていたので、それだけはよかった。

 

 また、旅もゆっくりとした時程であり、一日の移動距離は限定をされ、宿泊場所も気を使った静かな場所が選ばれていた。

 ただ、イザベラもシャーラも行動の自由は与えられず、行程に意見などは聞き入れてもらえず、王命により警護を命じられたライス将軍の隊の完全な統制下に置かれた。

 さすがに抗議しようと将軍に詰め寄ったが、一切話をしてもらえなかった。

 

 また、しばらくして、将軍の指揮する警護隊に、軍用ではない豪華な馬車が一台加わり、そこにひっきりなしに、将軍をはじめとする軍側の上級将校が出入りしていることに気がついた。

 もしかしたら、あの馬車が全部の司令塔?

 そう思ったが、誰が乗っているのかわからない。

 なんとなく、王命を受けている上級官吏ではないかと思った。

 

 とにかく、ノールの離宮に到着した。

 シャーラたちを見張るような厳重な警護は、ノールの離宮に着いてからも続いており、離宮内にこそ将軍以外の軍人は入らないが、イザベラ、シャーラ、アン、ノヴァは、ほぼ完全に監禁状態になり、全ての情報から隔離をされている。

 侍女もおらず、家事はノヴァとシャーラが引き受けるしかなかった。

 

 シャーラが脱出を図った日も相変わらず、あの馬車は軍司令部の横にあり、軍のすべての話し合いは、そこで行われている気配だった。

 いずれにせよ、ノールの離宮は、いつの間にか、外部との魔道による接触が不可能になる結界が張り巡らされていて、シャーラも転送術が遣えなかった。

 魔道通信も完全遮断されており、ここに通信が届くこともなければ、発することもできないのだ。

 まさに、隔離だった。

 

 シャーラたちは離宮内から一切出ないことを強要され、シャーラが警護隊と接触することすら、ほぼできなかった。

 見張りの兵が絶対に建物の外には出してくれず、話し合いのために将軍や同行の官吏らしき者を呼び出しても、一切応じない。

 多忙であるの一点張りだ。

 

 まるで監獄のようだな──。

 

 到着した二日後に、イザベラが笑ったが、それは決して比喩的表現ではない。

 まさに、住み心地は良いがあそこは監獄だ。

 シャーラたちは、王都から離れたこのノール海岸の離宮に抑留されたのだ。

 

 ルードルフ王が、イザベラやシャーラたちに、ノールの離宮行きを命じたのは、静かな環境ですごさせるというのが理由のすべてでないと思う。

 イザベラとアンに今回の妊娠がわかったとき、ルードルフはそれがロウが原因だと知って、まず当惑し、やがて、不機嫌になり、数日後には激怒したらしい。

 そして、ロウに対して激怒しているという情報が伝わった直後の離宮行きの王命だ。

 なにかの意図を感じずにはいられない。

 だが、結局、なにもできないまま、シャーラは離宮にやってきてしまった。

 

 それから、ノールの離宮では、まるで時間が止まったかのような静かな日々が流れ続けた。

 一切の情報は入らない。

 離宮を封鎖するように警護している将軍以下の一隊は、明らかにすべてのものから離宮を隔離し続けた。

 どんなに理由をつけようとも、シャーラたちが離宮の外と連絡をすることを許さず、その方法を完全に奪った。

 なにをいっても無駄だった。

 余程に強い王命を受けているとしか思えない。

 

 しかし、シャーラは表情には出さないようにしていたが、出立前に垣間見た国王の不機嫌な表情は気になっていた。

 ルードルフ王は、どちらかというと、政務にも家族のことにも関心を示す方ではなく、よく言えば寛容、悪く言えば無関心という性質だ。

 そのルードルフが、あれほどに感情を表に出すのは非常に珍しいことだ。

 王の怒りが、ロウに対するものであるのは明らかなので、シャーラはすごく気になっていた。

 

 しかし、イザベラも同じ思いだったのだろう。

 王都の情勢についてはなにかわからないかという質問を受け、ここにいる限りなにも情報は入らないとだけ応じると、イザベラは、なんとか単身で抜け出して、王都の情勢を探ってきて欲しいとシャーラに頼んできたのだ。

 

 それで、シャーラは、食材を運び入れてきた荷馬車の帰りの荷台に隠れ、やっと離宮と警護隊の囲みの外に脱出することに成功した。

 馬も警護隊から盗んで手に入れ、途中で関所兵に見つからないように主街道を避けて進んだ。

 

 そして、やっとノール海岸地帯を離れたところで、横の草むらから出現して道を塞いだ妙な二人組の少女と出くわしたのだ。

 

「おい、お前、シャーラだよね。やっと追いついた」

 

「どこにいくのか知らないけど、どこにも行かさないよ。拒否は許さないからね」

 

 驚愕した。

 シャーラの名を知っていたということで、ただの物取りではないと思った。

 シャーラは身体を緊張させた。

 その少女たちは、それぞれに犬の顔と猫の顔の被り物をしていて、完全に顔を隠していた。

 身体はローブをまとっている。

 シャーラは彼女たちを捕えるのか、殺すのか、それとも、逃亡するか迷った。

 明らかに怪しい者たちだが、無論、一番大切なのは、自分の身を守ることだ。

 しかし、彼女たちからは、武芸のようなものは感じなかったし、大きな魔力のようなものも感じなかった。

 見るからに、覆面をしただけのただの少女だ。

 だから、一瞬迷った。

 

「従った方が身のためだよ。それから、あんたは監禁するからね。どこにも行かせない」

 

「拒否すれば、屈服させるよ。まあ、拒否するなら拒否してよ。そっちの方が愉しそうだし」

 

 よくわからないが、馬鹿にしたような物言いにむっとした。

 それはともかく、監禁する?

 物取りでもなく、シャーラの拘束が目的?

 混乱した。

 

「やれるもんならやってごらん」

 

 とにかく、シャーラは決断した。

 転送術で逃げる──。

 こいつらは危険だ。

 シャーラの嗅覚がそう告げたのだ。

 

 しかし、次の瞬間、いきなり腰が抜けた。

 そして、全身の性感という性感が沸騰したような感覚が襲いかかった。

 なにがなんだかわからなかった。

 しかし、馬の鞍に股間が擦れて、凄まじい衝撃が全身に襲いかかり、服の下で胸当ての布が動いて、狂うような快感が弾け飛んだ。

 そのまま、のけ反って体勢を崩し、思い切り背中を地面に叩きつけてしまい、一瞬息が止まった。

 

 ふたりに身体を押さえられて、あっという間に魔道封じの効果のある枷を手首と足首にかけられる。

 抵抗しようとしても、ふたりに身体を触られると、それだけでたちまちに、絶頂まで快感を引きあげられえてしまう。

 そして、服の上からの愛撫だけで、次から次へと絶頂を繰り返させられた。

 連続絶頂で脱力したところを、さらに草むらに連れ込まれた。

 そこでも、ふたりから笑いながら愛撫をされ、ほとんど抵抗らしい抵抗もできずに、絶頂回数が二十回を超えたところで意識を失ったと思う。

 

 そして、気がついたのは、ここだったのだ。

 荷も全部奪われ、結局、なにもかも奪われた。

 それどころか、一糸まとわぬ素裸にされていて、この檻の部屋に監禁されていたのだ。魔道はどうやっても発動しなかった。

 まったくわけがわからない。

 床に絨毯があるだけの、調度品のようなものはなにもない場所だ。

 毛布一枚さえない。

 従って、ここがどこなのかを探るものがなにひとつない。

 

「やっほう、シャーラちゃん、今日も元気?」

 

「昨夜はばっちり、自慰しちゃってたね。映録球(えいろくきゅう)で記録撮られているのに、結局しちゃうんだから、我慢できなかったあ?」

 

 すると、鉄格子で囲まれた外側に、不意に例の少女たちが出現した。

 移動術だ。

 ふたりがかなりの遣い手だというのは、もうわかったが、シャーラとしたことが本当に不覚だった。

 ここまでなにもできないまま、簡単に捕らえられるとは……。

 また、シャーラが魔道が遣えず、彼女たちが自由に魔道を駆使できる理由もわからない。

 

「くっ」

 

 かっと身体が熱くなり、羞恥が襲う。

 シャーラは鉄格子の中心付近で座っていたが、思わず両手で乳房を隠すようにしてしまった。

 勃起した乳首を見られたくなかったのだ。

 シャーラの身体は、乳首が固く勃起しているだけでなく、閉じている股間からは絶え間なく淫液が垂れ続けているし、全身は火照りいまでも汗が流れ続けている。

 理由は檻の外側から流れ続けている媚薬の香だ。

 このふたりは、性欲を掻きたてて、身体が疼く媚薬の香をこの檻のある部屋ごと充満させていて、そのため、シャーラは一日中欲情状態だ。

 

「じゃあ、さっそく上映会ね」

 

「目をそらしちゃだめだよ。見なかったら、また浣腸だからね」

 

「もちろん、シャーラちゃんの排便姿の記録も撮るしね」

 

 すぐにシャーラの前で、魔道映像のシャーラが出現した。

 苦悶の表情で自慰をしている。

 媚薬を塗られて放置され、耐えられなくて、結局、記録されるのがわかっていて、自らを慰めた昨夜のシャーラの立体映像だ。

 我慢したつもりだったが、声まで出している。

 シャーラは恥辱に歯を噛み締めた。

 しかし、見ないと、本当にこいつらは浣腸して、その排便姿を記録に録るのだ。

 逆らうことに意味はないから、従っているが……。

 

 この「映録球」というのは、ふたりが準備した魔道具であり、目の前で起きていることを記録し、それを映像として宙に再現する魔道具なのだ。

 シャーラは、このふたりの罠に嵌まって、ここに監禁されてから、何度かふたりに淫靡ないたぶりを受けた。

 媚香で身体を痺れさせられ、動けなくなったところを拘束されて、ふたりの手や淫具などでいたぶられるのだ。

 年端もいかない少女たちとは信じられないほどに、ふたりの性の技巧はすさまじく、シャーラは完全に翻弄され、ふたりの前で何度も醜態を晒すことになった。

 そして、その姿を映録球で記録をされてしまったのだ。

 

 よがり狂う自分の立体の映像を再現させられ、それを見させられる屈辱は全身の毛穴から血が噴き出すかと思うほどだった。

 便壺を置いていかず、目の前でさせるのも、そのためだ。

 ふたりは、便壺で粗相をしようとすると、必ず四方八方から映録球を作動させる。しかも、便壺の底にも仕込んで、決定的な瞬間を記録に取ってしまうのだ。

 だが、出さないわけにはいかない。

 排便を無駄に耐えて、逃亡の機会を逃すよりは、シャーラは恥を耐えて、逃亡の隙を狙うことにした。

 自分の手で脱出の手段を探るために、連中の嫌がらせに、無駄な抵抗はしないことに決めた。

 

『んふううっ』

 

 映録球で再生されている目の前の立体映像のシャーラが絶頂した。

 でも、まだ続けている。

 思い出す限り、おそらく十回は続けてやっている。

 強い媚薬で一度では疼きが収まらなかったのだ。

 それどころか、達したことで、さらに疼きが増したくらいだ。

 結局、我を忘れるくらいに自慰に耽り、失神するように意識を失った。

 媚薬の効果がなくなっていたのは、目が覚めた朝だ。

 といっても、相変わらず媚香は炊かれていて、それにより、身体は疼いていたが……。

 

「うわあ、いやらしい。ねえ、昨夜は何回した?」

 

「どっちにしても、こんな魔道記録撮られたら、シャーラちゃんも終わりだね。屈服するしかないよね」

 

 ふたりが大笑いした。

 とにかく、忌々しいのは、こんな恥ずべきシャーラの痴態を、ふたりが、こうやって、ここで何度も何度も再生することだ。

 

 昨夜やられたのは、強烈な痒み剤を股間と胸に塗られてから、映録球を置かれて放置するという嫌がらせだ。

 映録球は鉄格子の外の宙を舞っていて、どうやってもシャーラには届かないので壊すことはできなかった。

 また、映録球には魔道がかけてあり、シャーラがどっちを向いても、正面から記録するように、空中を追いかけてくるのだ。

 忌々しいが逃げようがない。

 そして、我慢するのが不可能な猛烈な股間の痒みと疼きだ。

 結局シャーラは、記録されるのがわかっていながら、むさぼるように股間を指で擦っていた。

 正気も保てないような痒みだったのだ。

 シャーラには、どうしようもなかった。

 

「じゃあ、今日はどんな趣向で遊ぶ?」

 

「寝起きの三発というのは? また遊んであげようか? それとも、焦らし責めがいい? 動けなくなった身体を媚薬液付きの筆でくすぐっちゃおうかなあ?」

 

 ふたりがけらけらと笑った。

 シャーラの痴態の映像はまだ続いている。

 悔しさに、ぐっと歯を噛みしめた。

 

「い、いい加減にしなさい、あんたら──。なにが目的よ──。わたしが何者か知っていての狼藉なんでしょうね──」

 

 叫んだ。

 もっとも、シャーラはいまだに、自分からは名前も、自分が王太女イザベラ付きの女護衛長であることも喋っていない。

 不用意に情報を渡さないためだ。

 しかし、彼女たちは、シャーラの名前を知っていたのだから、当然に王太女の護衛長であることは承知しているとは思う。

 このままじゃあ、埒が明かないし、交渉しようと思った。

 せめて、このふたりの動機くらい探らないと……。

 とにかく、手掛かりを……。

 

 もしも、情報を探るためだとか、なにかの交渉の材料にするとかであれば、それなりの態度があるが、そんな感じがない。

 ここに監禁されてやられたのは、淫靡な性的悪戯と悪意溢れた映録球による痴態の記録だけだ。

 拷問をして情報を聞き出すとか、脅迫をするという雰囲気もないのだ。

 あるいは、あの映録球の映像を使ってシャーラの脅迫材料を作ったつもりかもしれないが、あんなものでは、シャーラは屈服しない。

 これでも、イザベラの護衛を兼ねた侍女として、王太女になってからは護衛長として、身体を張ってきた。

 あんな記録くらいで、言いなりになる女じゃない。

 後にも先にも、シャーラが心の底から敵わないと思ったのは、ロウだけだと思う。

 屈したのもロウだけだ。

 

「だって、生意気なんだもん。それに、あんたはどこにも行かせない。そういう命令だし」

 

「そうだね、それに、あんたって、とても淫乱な身体をしているよね。それに、わかんないけど、操り術が効かないんだね。それも、気に入ったんだよ。だから、ある人への贈り物にしようと思ってさあ」

 

 けらけらと少女たちが笑った。

 贈り物?

 もしかして、奴隷狩りなのか、これ?

 いや、いま、命令って……。

 誰かの指示?

 

「目的はわたしの身体? つまり、奴隷にすること? さらうこと?」

 

「まあ、奴隷には違わないけどね」

 

「うん、だけど、思っている奴隷とは違うよ。だけど、ある人に仕えてもらいたいのさ。あんた、いいよ。身体は淫乱だし、それに、ここまで追い込んでいるのに、全然、屈服しないでしょう?」

 

「そうだよね。普通、あれだけの恥ずかしいことをされて、しかも、うんちやおしっこするところや、自慰をしている映像まで記録しちゃっているのに、結構元気だよね。気が強いし……。そういうところもいいんだよねえ。だから、ある人に仕えてよ。王女様の護衛はやめなくていいからさあ」

 

 少女たちが笑った。

 シャーラは目を丸くしてしまった。

 まさか、こいつら、シャーラがイザベラの護衛であることを知っていて、そのまま裏切らせようとしている?

 

「だから、屈服してもらうよ」

 

「うん、あんたって、贈り物にちょうどいいね。きれいだし、気が強いし、本当は武術も魔道も遣い手だよね。ぼくたちのこと知らないから、不覚とったけど、実は強いよね。そんな女は是非、仲間になって欲しいしね」

 

 なにを言っているかわからないが、そういうことなら、冗談じゃない。

 答えは決まっている。

 シャーラがイザベラを裏切るわけがない。

 しかし、やっと糸口が見えたのだ。

 やはり、こいつらはなにかの組織の一味だ。

 とにかく、絶対に、逃亡してやる。

 

 シャーラは知っている。

 こうやって、敵に捕らえられたときに大切なのは、絶対に絶望しないことだ。

 屈したふりをしても、心では屈せず、ひたすらに機会を待つ。

 そして、その機会は必ず来る。

 信じることだ。

 

 かつて、シャーラは、一度キシダイン派に捕らわれたこともある。

 そのときも、こうやって監禁されたし、あのときには、肉体的な拷問や、薬物、魔道による洗脳、そういう手段を使われて、連中の奴隷にされそうになった。

 だが、シャーラは拷問には屈せず、薬物には日ごろから耐性を作っていて効かず、魔道については幸いなことに、シャーラの魔道力を上回るような遣い手は敵にはいなかったので、隷属魔道も受けずに済んだ。

 そして、最終的には自力で脱走した。

 しばらく拷問を受け入ていたシャーラだったが、そのシャーラを監守のような男たちが、ふたりでシャーラを強姦したのだ。

 そのとき、シャーラはまだ生娘だったが、犯されたことで隙を見つけることができて、それで脱走した。

 もちろん、自分を犯した男たちは、逃亡のときに、ふたりとも殺してやったが……。

 

 とにかく、屈しなければいい。

 絶望しなければいい。

 シャーラは覚悟を決めた。

 

「わかったわ。あんたらの仲間になるわ。どうせ、あんなに恥ずかしい記録を撮られたんだから、逃げられないしね。なにをすればいいの?」

 

 シャーラは言った。

 しかし、被り物をしている少女が不敵に微笑んだような気がした。

 もちろん、表情はわからないから、そんな気がしただけだが、そう見えたのだ。

 

「うん、その目はいいねえ……。じゃあ、とりあえずは、まずは、ぼくたちとセックスしてからね。それで、正気を保てたら、出してあげるよ」

 

「そうだね。セックスしよう――。おれたちとセックスしたら、出してあげてもいい。終わったときに、まだ出たいと思っていたらね……。その代わり、ちゃんとするんだよ。おれたちとの本気のセックスをね」

 

 ふたりがくすくすと笑った。

 なにか企んでいる感じだ。

 とりあえず、出してもらえる可能性があるなら、女同士のセックスくらいどうということはない。

 まあいい。

 とにかく、なんでもやる。

 従っても、自由になる保証はないが、逆らっても、逃亡の隙は生まれない。

 

「い、いいわよ。じゃあ、セックスを受け入れるわ……」

 

 シャーラは言った。

 

「おっ、じゃあ、約束だ。ぼくたちの本気のセックスはすごいぞう」

 

「やるぞ、お前。きっと、狂うからね。そして、もう、出たくなくなるしね」

 

 ふたりがずっと身に着けていたローブを脱いだ。

 驚いたことに、ローブの下は完全な裸だった。

 しかし、もっと驚いたことに、完全に少女の裸体だったふたりの股間に、急に男根が生えてきたのだ。

 

 ふたなり──?

 

「おれたちふたりがかりのセックスをやって、まともでいられるわけないしね。でも、そう言ってくれるのを待ってたのさ。無理矢理、性奴隷にしたって言ったら、きっと主様は怒るからね。だから、待ってたんだよう。ねえ、ちゃんと映録球に記録した?」

 

「大丈夫。この女が自ら、仲間になるって言ったのはばっちり記録したよ。問題ない……。よかったあ。自分から言ってくれるのを待ってたんだよね」

 

「じゃあ、始めようよ。この枷で手首と足首を拘束をしてよ。ただし、右手首と右足首、左手首と左足首だよ。間違わないでね。あんた、強いしね」

 

「セックスしながら、隙を見つけて逃げようなんて、そうはいかないよ。最後までしてもらうしね」

 

 少女たちがけらけら笑い、鉄格子の間から、ふた組の革枷が放り入れられた。

 そして、やっと立体映像が消滅した。

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