【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
シャーラは覚悟を決めて、鉄格子の中に投げ入れられたふた組の革枷を手に取ると、大人しくそれぞれをまずは足首に装着した。
特殊な造りになっていて、嵌めるときには軽く力を入れれば開いている枷は簡単に閉じるのだが、一度閉じてしまえばどんなに力を加えても、外れないようになっている。
しかも、鍵穴のようなものはなく、解放するときには、どのような方法で外すのかわからなかった。
嘆息した。
まあいい……。
今日の今日で、隙が見つかり逃亡が可能になるというほど、楽観視してはいない。
だが、これが毎日のこととなれば、人というものは必ず、どこかに隙が出るものだ。
それを見逃さないだけの気力を何日でも保ち続けること……。
これが大事なのだ。
シャーラは、こういう監禁のときに、いかに希望と気力を保ち続けることが大切なのかということを、以前のキシダイン派からの監禁のときに学んだ。
シャーラは、左右の足首に嵌まっている革枷の反対側に、左右それぞれの手首を嵌めて胴体で押すようにして閉じた。
枷と枷を繋ぐ鎖の長さはほとんどないので、これでシャーラは手首と足首を左右で密着した状態で拘束されてしまった。
「拘束したね。拘束したよね。うわあっ、じゃあ、やるよ。セックスだよ。覚悟はいい? おれたちふたりと一度にセックスするんだよ。怖いよねえ? きっと、狂っちゃうもんね」
「早く堕ちてしまえば、つらい思いをしなくてすむからね。下手に心で抵抗しようとするとつらいよ。もう身体は抵抗できないんだから、女は諦めが肝心さ」
「そうそう。だけど、後悔はさせないよ。おれたちの主様は、それはそれは素晴らしい人だからね」
「うん──。全部、終わったあと、あんたとぼくたちは笑いながら、握手することになるさ。うわおお、武者震いしてきた。あんたみたいな、強そうな女エルフが快楽堕ちしたら、どんな風になるのかなあ」
猫と犬の覆面をしたふたりの少女が賑やかに喋りながら、一度身体を消滅させて、また鉄格子の内側に現れた。
何度接しても不思議なのだが、このふたりがこうやって魔道を遣っても、ちっとも魔力の流れのようなものは感じないのだ。
魔道とは全く別のなにかで術を遣っているとしか思えない……。
そのときだった。
不意に、後ろに回ったひとりに、背後から目の上に布ようなものを巻かれて視界を塞がれたのだ。しかも、さらに金属を感じさせるものを上から嵌められる。
「あっ」
思わず声をあげてしまった。
「ごめんねえ。目隠しまでしちゃったら、身体が敏感になり過ぎて、あっという間にぶっ飛んじゃうと思うけどさあ。ちょっと、理由があって、顔を見せられないんだよね」
「まあ、そういうことさ。とにかく、一度はじまったら、ぼくたちは終わらないよ。あんたが毀れるまでさあ」
ふたりがけらけらと笑ったのが聞こえた。
シャーラの身体の中の血が恐怖と屈辱感で逆流する。
だが、このふたりの性技の上手さは、すでに体験済みである。
しかも、この三日間あらゆる手段でいたぶり続けられ、さらに吸い続けている媚香のために、シャーラの肉体は、すでにすっかりと熟れあがっている状態だ。
そして、このふたりの言う通り、目隠しにより視界を奪われた瞬間に、さらに肌という肌が敏感になった気がした。
そのうえ、なんの抵抗も不可能な拘束状態……。
どうなってしまうのか……。
本当に理性を保ち続けることができるのだろうか……。
「うわっ、もう一瞬で、いけそうじゃない。シャーラちゃんって、まぞみたいだね」
ばさりとなにがが床に落とされる音がした。
さらに、もうひとつ……。
覆面を外したのか……?
そう思ったが、シャーラは彼女たちのひとりが、顔を見られては困ると口にしたことを考えていた。
つまりは、ふたりの正体は、シャーラの知っている相手?
でも、ふたりの声にも口調にも聞き覚えはないと思う。
これだけ特徴がある喋り方だ。
忘れるわけがない。
もちろん、わざと芝居をしている可能性はあるが、どうにも、このふたりからは、そんなに高い知性のようなものは感じない。
そうだとすれば、顔を見せたくないのは、それなりの知名度のある人間だからか……?
誰だ……?
シャーラは必死に頭を巡らした。
「んあああっ」
だが、思考はそれで中断させられた。
そのまま後ろから抱きすくめられるとともに、乳房と腹部に手があたって、稲妻のような快感が襲ったのだ。
シャーラは、いきなり声をあげてしまった。
そして、腹部の手がそのまま下腹部に辿り着いて、シャーラの亀裂を撫で回す。
「相変わらず、可愛いねえ。股間に毛がないってのも、まぞっぽいよねえ」
「剃ってんの? 生まれつき? まあ、答えたくなければ言わなくてもいいけどさあ」
前側から身体を挟まれるように、少女の身体が密着して、勃起している乳首を口に含まれて舌で転がされる。
「はうううっ」
歯を噛みしめていたはずの口から、高らかな悲鳴が迸る。
「まずは、指でいかしちゃう?」
「じゃあ、ぼくはシャーラちゃんに、口で奉仕してもらおうかな。だって、ぼくたちとセックスするって約束したものね。あっ、噛みつこうとしても無駄だよ。本物じゃないし」
乳首を舐められたのはそんなに長い時間じゃなかった。
その代わり、前側の少女がシャーラの前に立ちあがった気配がするとともに、髪の毛を掴まれて、勃起した男根を口の中に突っ込まれた。
「んんっ」
思わず顔を離そうとしたが、華奢そうだった身体からは信じられないほどに力が強く、しっかりとシャーラの顔が少女の股間に固定される。
また、舌が離れた乳房には、背後の少女の手が伸びて、柔らかく揉みあげるとともに、もう一方の手がシャーラの股間の女芯をいじくりながら、二本の指を抽送し始める。
「んんん」
シャーラはそれだけで悶絶しそうになる。
しかし、挿入?
確か、ロウからは、股間になにかの呪術的な封印をしているので、他者からの陰部への挿入は、男性器はもちろん、淫具でも指でも、すべて拒まれると言われたような……。
まあ、確かめようもないことなので、どのくらいの封印なのかも知らないが……。
だが、いま確かにシャーラの性器は女たちの指を受け入れている。
しかし、思念はそれで終わりだ。
指を動かされて、シャーラはもうなにも考えられなくなる。
「んふうっ」
大きく身体を仰け反らせて、口からペニスを出しそうになる。
それを頭を手で抱えて阻止された。
「ほらっ、舌を動かすんだよ。それとも、ぼくにして欲しいの?」
口の中にふたなりの男根を突っ込んでいる少女がシャーラの頭を掴んで前後に激しく動かしだす。
そして、開いている手で後ろの少女と再び乳房の愛撫を交代する。
違う手で代わる代わる刺激されるだけで、快感が翻弄されるのに、そのうえで股間を刺激されるのだ。しかも、股間に向かう手がさらに増え、前後の穴に指が入り、肉壁越しにさわさわと押し弄られた。
怖ろしいほどの勢いで快感の爆発が起き、口側と股間側の上下から同時に走り抜ける絶頂感に襲いかかられた。
「あはあっ」
思わず口から肉棒を弾き飛ばすように顔をのけ反らせ、全身をおののかせて、指が挿入されているふたつの穴を締めあげていた。
絶頂したのだ。
「おっと、逃げちゃだめだよ、シャーラちゃん」
顔を強引に戻されて、口の中にふたなりのペニスをねじ入れられた。
その瞬間、ペニスの尖端からぴゅっぴゅっと精液らしきものが放出されたのがわかった。
「全部、飲んでね。吐き出したら、容赦しないよ」
やっと怒張を抜かれる。
身体が持ちあげられて、たったいまシャーラの口の中に精を放った少女がさっと座ったかと思うと、真下から怒張が突き挿された。
「うはああっ」
快感を極めた余韻に浸ることも許されずに、達したばかりの身体に衝撃が貫く。
「ははは、シャーラちゃん、一応教えとくけど、ぼくの精液って媚薬だからね。主様仕込みのね。強力だよう」
挿入されたまま、身体をうつ伏せ状態にされて、少女の身体の上に倒された。
「うわあっ、いやらしい身体──。おれももらっちゃおう」
なにが起きているかわからないけど、指が挿入していたお尻の穴に、一気にぬるぬるした潤滑油のようなものが挿入されたと思った。
次の瞬間、後ろの少女の男根がねじ入れられる。
「はああっ」
シャーラはあっという間に二度目の絶頂をしてしまった。
「ところで、ずっと気になってたんだけど、あんたって、欲情すると、透かし彫りみたいなのが下腹部に浮かぶよねえ? それなに?」
「あっ、そうそう、ぼくも気になってたんだよね。なんか、どっかで見たことある気もするし……。どこだったかなあ……?」
びくりとした。
ロウに刻まれた淫魔師の刻印とやらのことだ。普段は現れないが、これは絶頂するような欲情をすると、紋様が現れるようになっている。そして、この紋様はロウが爵位をもらったボルグ家の紋章だ。
だが、彼女たちの正体がわからないのに、ロウとの関係まで知られるわけにはいかない……。
それは、シャーラとイザベラの関係とは比較にならないくらいに、守らなければならない秘密だ。
「な、なんでもないわ――」
とにかく叫んだ。
「ふうん……。まあいいか。どうせ、快楽堕ちしたら、なんでも喋るからね」
ふたりが入れ替わり、また股間に男根が挿入されて、律動される。
「あはああっ」
頭が真っ白になり、またもや、なにもかもわからなくなった。
*
シャーラは一体、自分がいまどういう状況なのか、それすらわからない状態になっていた。
意識は朦朧とし、肉体は痺れ切って動かない。
左右の手足をまとめられていて、股を閉じることさえできない身体に片方の少女を乗せて達したかと思うと、次にはその裸身をもうひとりに抱えられ、前後から彼女たちの愛撫にあおられながら絶頂させられるというのが繰り返されている。
腰を揺らされ、身体と身体を絡ませ合い、気がついたら、快感の頂点を極めているといった具合だ。
徹底した連続絶頂であり、ほんの少しも休むことも許されず、次から次へと快感を極めさせられる。
疲れ切り、声さえも出せない。
「つ、次は交代だよ──。だけど、思ったよりもしぶといねえ──。これだけ、ぼくたちの体液を注いでんのに、どうしてまだ理性を保てるのさ」
「なんか、いつまでも、操り術も跳ね除けるしさあ……。ちょっとやりにくい?」
しかし、意外なことなのだが、このふたりとの交合が続くにつれ、シャーラを責めているふたりから、だんだんと余裕がなくなっている様子を感じた。
だが、シャーラには、なにがふたりを焦らせているのか、さっぱりわからない。
理解不能だ。
現にシャーラは、ひとりと絡んでいるあいだに、もうひとりから性感を掻きたてるように愛撫され、絶頂すると、交代されてもうひとりに犯されながら、さっきの少女に後ろからいたぶられるという感じで、三人の中でただひとり休息も許されず、息も絶え絶えの状況なのだ。
「く、くそう、やっぱりだめか? なんで、そんなにしぶといのさあ?」
やがて、苛ついたひとりに、身体を投げ捨てられた。
なにかが気に入らないようだ。
「はあ、はあ、はあ……。も、もう許して──。や、休ませてよ──」
しかし、やっと息をすることができた気分だ。
とにかく、シャーラは必死で声をあげた。
「冗談じゃないよ──。おい、もう一度前後でいこうよ──。ふたりがかりで、素人のエルフ女ひとり、堕とせないとなれば、サキュバスの名折れだ」
「まったくだよ──。恥ずかしくて、主様の前にも、サキ様の前にも出れやしない」
ふたりのうちのひとりがシャーラを抱え直して、自らは仰向けになり、その身体にシャーラを跨らせる。
もうすっかりとどろどろになっている女陰に怒張を埋めていく。
だが、サキュバスだと?
しかし、激しい快感がシャーラの理性を飛ばす。
シャーラはなにも考えられずに、体内にその肉棒を迎え入れた。
すると、うつ伏せになっているシャーラのお尻に、もうひとりの股間の亀頭があたった。
もう何度も挿入されていて、シャーラの身体は前でも後ろでも、いくらでもふたりのふたなりの男根側の性器を受け入れられる状態だ。
何度目かの二本挿しに、シャーラから理性が吹っ飛んだ。
前後からの律動が始まる。
凄まじい喜悦が、身体を串刺しにする。
一気に脳天に快感が突き抜けた。
「ああああっ」
シャーラは雄叫びをあげた。
もう何度目の絶頂だろう。
十回目──?
いや、その倍?
おそらく、こんな短い時間でこれほどの連続絶頂をさせられて、まだ、頭が焼き切れていない自分が信じられない。
でも、どんなに快感を受けても、シャーラの中にほんの少しの冷静さが残るのは確かだ。
どうやら、このふたりはそれが気に入らないようだ。
だが、おそらく、それは、このふたりが与える快感とは比べ物にならない快感を何度も何度も受け入れさせられたことがあるからだろう。
つまりは、ロウだ──。
確かに、このふたりがシャーラに与える快楽は言語に絶するほどだ。ふたりから体液を注がれるたびに、頭が吹っ飛びそうになる。
しかし、やはり、あのロウは別格だ。
これよりも凄まじい性を体験済みだ。
だから、冷静でいられる。
頭が飛ぶたびに、なにかに引き戻される。
それがシャーラの理性を保たせている。
だから、思い出した。
サキュバスって?
いや。それよりも、いま、サキ様って……?
「ね、ねえ、サキ様って──? あ、あんたらって、まさか陛下の寵姫のサキ様の部下……いや、眷属の?」
言ってみた。
サキという名前で、とりあえず思いつくのが、ルードルフ王の大のお気に入りの寵姫のサキのことだったからだ。
まさかとは思うが、このふたりは、サキの手の者──?
いや、確か、サキの正体は、ロウが連れてきた魔族で、そのサキを“サキ様”と呼ぶということは、サキの眷属じゃないだろうか。このふたりは、自分たちがサキュバスだと口にしたし、サキの眷属で間違いないのではないだろうか。
サキは妖魔将軍のふたつ名があり、多くの眷属がいるという話だった気がする……。
「うわあああっ、な、なんでそれを──?」
「しかも、なんで、おれたちのことをサキュバスだってわかったの──?」
次の瞬間、ふたりが悲鳴をあげて、シャーラをまたもや、放り投げた。
床に思い切り叩きつけられたが、シャーラこそびっくりだ。
本当に寵姫サキの回し者──。
図星だったようだが、ふたりはそれをシャーラに当てられたことに狼狽えている。
もっとも、当てたというよりは、このふたりが自ら口にしたのを繰り返しただけなのだが……。
だが、それで連想するふたりがいた。
シャーラは面識などありようもないが、最近の王のお気に入りには、サキのほかに、ピカロとチャルタというふたりの少女がいたはずだ。
シャーラは、後宮には出入りできないので顔も知らないが、まだ、少女だという話だったことを思い出したのだ。
いまのいままで、寵姫のふたりの素性など、気にもしてなかったが、よく耳にするのは、そのピカロとチャルタがサキと仲がいいという噂だ。
完全な当て推量だが、同じ少女という姿だし、サキの身近に眷属がいるなら、サキと仲がいいという噂のピカロとチャルタが実は魔族の眷属だった可能性がある。
つまりは、そのふたり──?
「あ、あんたたち、ピカロ……様と……チャ、チャルタ……様……?」
とりあえず、訊ねてみた。反応でなにかわかるかもしれない。
しかし、そうであれば、王の寵姫たちがシャーラを襲う──?
なんで──?
もしかして、王の策略──?
だとしても、なぜ、こんな手の込んだことを……? いや、サキはロウの関係者なのだから、ふたりもロウの女である可能性も……。だけど、ロウなんて、ずっと留守にしていて、ナタル森林など、ノール城の反対側だ。ロウのなんらかの意図であることなど……。うーん、わからない……。
「ひいいいっ、なんでわかったのお? 違う──。違うよ──」
「そうだよ──。ぼくたちはそんなんじゃない。違うったらあっ」
ふたりが絶叫した。
シャーラは唖然とした。
そのとき、はっきりと魔道による空間の歪みをシャーラは感じた。
転送術──?
いや、間違いない──。
このふたりが駆使するわけのわからない転送術ではない。
シャーラが慣れ親しんだ、魔力による魔道を駆使する転送術だ──。
「わっ、サキ様──」
「えっ、なんで──?」
ふたりの少女──おそらく、ピカロとチャルタだと思われるふたりが驚愕したような声をあげた。
えっ──?
しかし、ここに、サキがやって来た?
そして、それだけじゃなく、転送術でやって来たのは、さらに複数の存在を感じる……。
「この馬鹿垂れがあ──」
サキのものだと思われる怒声が響き渡り、次の瞬間、肉の塊が鉄格子に叩きつけられる音がしたかと思うと、小動物が大型の生き物に踏みつけにされたような苦悶の声が聞こえた。
さらに、床に身体が転がる音……。
「大丈夫かい、シャーラ? 災難だったねえ」
笑い声がした。
王妃のアネルザ?
いや、間違いない。
この声はアネルザだ。
そのアネルザに身体を優しく抱き起こされた。
金属音がして、手足の枷が音をたてて床に落ちていく。目隠しも外された。
ぼんやりと視界が戻ると、寵姫のサキが怒りの形相で、全裸で倒れている少女ふたりの横に立っている。
そして、やっぱりシャーラを抱き起こしてくれたのは、アネルザだ。
さらに、五歳か、六歳くらいじゃないかと思うくらいの童女がいる。見たことのないような合わせ布の着物を身に着けていた。
「ち、違うんだよ、サキ様──。こ、これは同意のもとにやってんだよ」
「そうなんだ。ちゃんと映録球に証拠を記録しているから──。こいつがセックスしようって言ったんだよ。だから、ロウ様の奴隷にしようと思ってさあ……」
「こいつ、いい女だし、強そうだし、なによりも、とっても淫乱な身体なんだ。それに、まぞなんだよ──」
「絶対に、ロウ様は気に入るよ。おれたちだって、褒められたいし」
サキに殴られてできたのか、顔に痣を作っているピカロとチャルタが、起きあがりながら必死に言っている。
「
サキが怒鳴って、また少女を蹴り飛ばした。