【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
35 壁越しの声
美しい歌声だった。
なによりも声が素晴らしい。
少女の面影さえ残る可憐そうな女の歌い手の唄は、大の男が怒鳴るよりもずっと大きく響き、そして、耳に心地いい。
本当にあの若い娘がひとりで歌っているのかと疑うほどであり、声の色がさまざまに変化し、少女の声にも、妖艶な女の声にも、あるいは、男の声にも思える。だが、全部若いあの女の歌い手の声なのだ。
騒がしかった宿屋の酒場は静まり返り、酔人たちはすっかりと歌い手の唄に聴き惚れていて、笑顔を浮かべる者、涙を流す者、さまざまだ。
一郎も心を奪われていた。
マイムという城郭の小さな宿屋だった。目的のハロンドールの都までは、もう徒歩で一日足らずの距離であり、マイムの城郭はハロンドールの西の入口という感じだ。市民や行商人で賑わうばかりではなく、国王直属の王国軍も駐屯していて、城郭は活気に溢れている印象だった。
一郎たち三人は、このマイムの城郭の外れにある小さな宿屋で宿泊していて、いまは酒場になっている一階で夕食をとっているところだ。一階の酒場で食事や酒を飲んでいるのは、一郎たちのような泊り客ばかりではないようだ。近所の住民たちも集まっているようであり、席は混雑していた。
一郎は、彼らが集まっている目的が、あの可憐な歌い手の唄を聴くことだということを悟った。
曲が終わったとき、大歓声が一斉に起こった。
ニーナ──。
酔客たちが大声でその名を叫んでいる。
あの歌い手はニーナという名のようだ。
まだ、二十になっているかどうかだろう。
それにしても素晴らしい唄だ。
客たちの拍手は鳴りやまず、もう一曲を求める声が方々からあがっている。
「あっ」
すると、向かいの席に座っているエリカが不意に小さな悲鳴をあげて、がたりと身体を動かした。
エリカは手で自分の口を押えて、懸命に歯を食い縛っている。もう片方の手はなにかを我慢するように、しっかりとスカートの上から股間を押さえている。
一郎は思わず微笑んでしまった。
「ほら、変な声出さないで、エリカ……。おかしな注目を浴びちゃうわよ」
コゼが嗜虐的な笑みを浮かべて、エリカの顔に口元を近づけてささやくのが聞こえた。
「……だ、だって……コ、コゼ……、い、意地悪しないで……」
エリカが真っ赤な顔をしてすがるような視線をコゼに向けている。
「意地悪は当然でしょう……。今夜はエリカの番なんだもの……。じゃあ、お尻はどう?」
コゼが服の下に隠していた操作具を取り出して、卓の下で操作したのがわかった。
「はうっ」
一瞬だけエリカが背伸びをするように、ぐんと身体を伸ばした。そして、すぐに身体を丸めるように前屈みになる。手は必死になって口を押さえて、込みあがる悲鳴を耐えているようであり、また、身体全体がぶるぶると震えていて、服の下の乳房が揺れ、椅子に座っている短いスカートから出る両腿が小刻みに動いている。
仕掛けは簡単だ。
エリカの股間と肛門には、一郎がクグルスに作成させた「リモコン式のローター」がそれぞれに埋まっている。それを操作具を持っているコゼが振動させたのだ。
ここには出現させることができないクグルスという魔妖精には、様々な能力があるのだが、淫気と呼ぶエネルギーを駆使して、どんな淫具でも自在に作ることができるというのもそのひとつだ。
一郎はクグルスに命じて、いまエリカが挿入されている「ローター」とリモコンを作成させていた。
この異世界には存在しないものであるが、一郎の頭の中にあったものを再現させたものであり、一郎の元の世界にあったものとまったく機能は同じだ。元の世界では電池を使って作動させていたものが、ここでは淫気というエネルギーを使うのが違いなくらいだ。
また、外に漏れるようなモーター音はまったく聞こえない。
だから、声さえ出さなければ、真っ赤な顔で悶えているこのエルフ娘が、股間にそんな仕掛けをされていることは、周りの誰にもわからないだろう。
ローターは、一階におりてくる前に、コゼがエリカに挿入したものだ。コゼは前後の穴に挿入した淫具のそれぞれに、たっぷりと媚薬を塗っていたようであったから、すっかりと薬剤で爛れた局部とお尻を淫具の振動で苛まれるエリカは、たまらない感覚に違いない。
一郎が覗けるエリカのステータスでは、すでに絶頂までのカウントダウンの目安である「快感値」の数値が“10”を割っている。
マゾっ子のエリカは、このまま大勢の客でひしめいている酒場の真ん中で達してしまいそうな勢いだ。
もっとも、客たちが注目しているのは、前側で歌っているニーナという若い歌い女の唄だ。
ちょうど反対側の一番後ろの席にいる一郎たちに注目している者など皆無だ。
エリカが派手に嬌声でもあげなければ別だろうが……。
コゼが加わった旅も一箇月近くがすぎ、国境の街のドロボークで加わった女アサシンのコゼは、いまではすっかりと打ち解けた淫行仲間だ。最初は遠慮がちなコゼだったが、彼女の心を頑丈に覆っていた垣根のようなものを取り払わせると、なかなかに魅力的で愉快な女に変わった。
一郎の施す倒錯の性にすっかりと嵌まってしまい、意欲的に関わるようになったのだ。特に自分が嗜虐側になるのが大好きであり、ああやってエリカを淫靡に苛めては悦に浸っている。
コゼ自身も一郎に「調教」される性奴隷のひとりでありながら、一方でエリカに対する「調教」に積極的だ。
今夜も特に命じることもなかったのに、食事のときに淫具を挿入するのをエリカに強要し、いまのように、時折動かしては、エリカを追い詰めて悦んでいる。
なかなかの女調教師ぶりだ。
もっとも、ああやって、隠れている性癖を仲間に対して剥き出しにするように強要しているのは、一郎の淫魔の術によるものであり、一郎がそれを解放しなければ、悪戯好きのコゼの一面は一生隠れていたものであったに違いない。
いずれにしても、責められているエリカだけではなく、責めているコゼもまた、欲情しているのは確かだ。
エリカだけでなく、コゼの「快感値」もどんどんと数値がさがっていることでそれがわかる。
いまでは、コゼの数値も“60”から“50”くらいだ。
“100”を切れば、性的な興奮が顕著になった目安であり、“30”で挿入可能なくらいに股間はびっしょりと濡れる。“0”になれば絶頂だ。
つまり、エリカだけでなく、コゼもかなり興奮しているのだ。
「……お、お願い……止めて……コゼ……こ、このままじゃ……あっ、あっ……」
エリカの眼が虚ろになり、だんだんと声が大きくなった。
そろそろ声を耐えるのも限界だろうと一郎が思い始めた頃合いを見計らったように、コゼがさっと操作具で振動を停止させた。
エリカの耐久度数は、“10”を割っていたところだった。
がくりと脱力したエリカが、恨めしそうにコゼに視線をやった。
「……ひ、ひどいわ……」
エリカはそれだけを言った。
「さっきも言ったけど、今夜はエリカの番なんだもの。いいじゃない。あたしの番のときは、遠慮なくやっていいのよ」
コゼが平然と言い、また操作具を動かした。
「ふううっ」
がたりと音がして、エリカがぶるりと震える。
しかし、すぐに脱力した。
今度は短い時間だけ動かしたのだろう。
「ああ……意地悪……」
エリカが涙目になっている。
ぞくりとするほどの美しさだ。
エリカは本当に被虐が似合う。
苛めれば苛めるほど、可愛くなり、綺麗になる。
一郎は恥辱で顔を歪ませるエリカがなによりも好きだ。
無論、平然とエリカに性的嗜虐を加えて悦ぶコゼも気に入っている……。
「わ、わたしの番って……。じゃ、じゃあ、あなたの番というのは、いつなのよ……」
エリカが不満そうに言った。
一郎は噴き出しそうになった。
「エリカの番」とか「コゼの番」とか言っているのは、毎晩の性交のときに、ふたりのどちらが「調教」を主体に受けるのかという順番のことだ。いつの間にか、コゼとエリカで取り決めをしていたようであるが、一郎が見る限り、建前上は代わりばんこということになっているものの、なんだかんだと理由と因縁をつけて、エリカばかりが責められ役になっているという感じだ。
昨日もエリカだったし、その前もエリカだった。
まあ、どちらの「順番」であろうと、それは最初の段階だけのことであり、最終的に一郎がふたりを嗜虐的に犯すという結果になるのは同じなのだが……。
そのとき、ニーナの歌声がまた響き始めた。
客たちのせがむ声に応じたようだ。
今度は静かな唄だった。
唄が流れ出すと、一郎の頭には雄大な原野に広がる朝焼けの想像が拡がった。ほかの男客たちもうっとりとした顔をしている。
思い浮かべるものはそれぞれかもしれない。
ただ、一郎の見るところ、共通するのは、男たちは誰も彼も、ニーナの唄にすっかりと惹き込まれているという事実だ。
唄の流れる途中で、またがたりと音が鳴った。
ふと目をやると、エリカが口に両手をやっている。
コゼがまた淫具を操作したようだ。
まったく、こいつらは……。
こんな綺麗な唄にもかかわらず、完全に無視して淫情に耽るというのは、一郎も呆れて苦笑するしかない。
おそらく、エリカの股間の前後の淫具が両方とも動いている。
そして、今度もエリカが絶頂寸前で止まった。
コゼは唄のあいだ、淫具のスイッチを入れたり、止めたりとするのを繰り返していた。
唄はもう一曲続き、そして、ニーナは奥に引っ込んでいった。
割れるような拍手がしばらく続いた。
ニーナの唄はこれで終わりなのだろう。
店では、それを目当てでやってきていた何人かの客たちが酒代を置いて帰り始めた。もちろん、まだ残って酒や料理を愉しむ者たちもいる。
唄のあいだは、給仕が止まっていたので、注文の料理や酒があちこちの席に忙しく運び込まれだした。
「お待ちどうさま──」
一郎たちの席に、大皿の肉料理と三杯のビールが運ばれた。
ビールといっても、そんなにアルコールは強くない。一郎でも問題なく飲めるくらいだ。
こんな下町では、不衛生な水よりもむしろ酒の方が身体にはいいのだ。ビールくらいの酒なら、この異世界では子供でも飲む。
運んできたのは、この宿屋の女主人の息子だ。
トーイ
人間族、男
年齢20歳
ジョブ
町人(レベル2)
生命力:30
攻撃力:40”
一郎は魔眼でステータスを見た。
どこにでもいる普通の市民という感じだ。
小さな宿屋であり、普段はこのトーイと母親であり女主人のマリラのふたりで切り盛りしている宿屋と酒場のようだ。ただ、今夜はニーナの唄目当ての客たちが集まりすぎて、てんてこ舞いという感じだ。
「遅くなってごめん。ゆっくりしてください──。追加があれば、遠慮なく言ってください」
トーイが元気よく言った。
人当たりのいい気持のいい笑顔だ。
「問題ないですよ。素晴らしい唄だったし、退屈凌ぎもありましたしね……」
一郎は微笑んだ。
退屈凌ぎとは、エリカとコゼだ。
すっかりと淫具で追い詰められているエリカは真っ赤な顔で荒い息をしている。
コゼはにやにやと素知らぬ顔だ。
「そうでしょう──。ニーナの唄は最高さ。本当はこんな場末の酒場で歌ってくれるような歌い手じゃないんだけど、幼馴染の縁でああやって、わざわざ都からやってきてくれて、時々歌ってくれるんです」
トーイが嬉しそうに言った。
“素晴らしい唄”だと一郎が評したのに心をよくしたらしい。
まるで自分のことを褒められたみたいに嬉しそうだ。
「じゃあ、あの歌い手さんは、この城郭じゃなくて都の人?」
一郎は訊ねた。
「そうさ。ハロンドールの都ハロルドの歌姫ニーナといえば、いまじゃ、かなりの売れっ子の歌い手だよ。都じゃあ、毎晩、もっと大きな舞台や国王も出席するようなパーティで歌うんだ。そのニーナの唄が聴けるというので、こんなに人が集まるのさ」
「幼馴染って?」
「俺とニーナがね。まあ、昔の話です。いまや、ニーナは立派な歌い手さんだしね」
トーイが複雑そうな笑みを浮かべて、立ち去りかけた。
そのとき、わっという声が一部で沸き起こった。
一郎も目をやった。
ニーナだ──。
さっきまで美しい歌声を披露していたニーナが、今度は大きなエプロンをつけて、給女をやっている。
「ニ、ニーナ──。なにをしているんだ。そんなことは、やらなくていいんだ。引っ込んでいなよ」
トーイが驚いたように叫んだ。
「なに言ってんのよ、トーイ。どうせ、今夜はここに泊まりだもの。それに、こんなにお客さんがいちゃあ、てんてこ舞いなんでしょう。わたしも手伝うわよ。お母さんの許可はもらったわ」
「し、しかし、お前は都でも有名な歌い手で……」
「だけど、ここじゃあ、ただの昔馴染みよ。それよりも、さぼってないで動いて、動いて」
ニーナが酒や料理を配りながら陽気に返した。ニーナの行くところ、あちこちで歓声のようなものがあがっている。
トーイの話によれば、成功した唄歌いの芸人ということだったが、かなり気さくな性質のようだ。
この酒場の酔客にも馴染んでいて、うまく客もあしらっている。
さっきまでは神々しいまでに素晴らしい歌い手だと思ったが、いまは、ずっとここで働いている宿屋の娘にも見える。
不思議な女性だ。
トーイが卓の前から去った。
「はああっ」
エリカが声をあげた。
また、コゼが悪戯をしたのだ。
一郎は笑いながら、コゼから操作具を取りあげた。
そして、淫魔師の力で、コゼの性感をエリカと繋げてしまう。エリカの感じている性感とまったく同じものをコゼの身体にも流れるようにしてやった。
性交を繰り返すことで、コゼの身体もエリカの身体同様に自在に操れるようになり、そんなこともできるようになったのだ。
さらに操作具を動かして、淫具の振動をお尻だけにする。
「あっ、ああっ……」
コゼが真っ赤な顔で小さな悲鳴をあげた。
このところ、コゼについては、徹底的に肛門調教を施している。
お尻の感度については、すっかりとエリカ以上に感じる身体になっている。
エリカも悶えているが、コゼの悶えはそれ以上だ。
「ふたりとも、早く食え。そして、二階に行くぞ。たっぷりと今夜も精を注いでやるからな。エリカは前……。コゼは後ろだ……」
一郎はふたりに顔を近づけると小声で言って、大皿の肉をふたりに取り分けた。
ふたりが真っ赤な顔で小刻みに震えながら、目の前にある皿の料理をフォークで口にし始めた。
*
ふらふらと足腰のおぼつかないエリカとコゼを連れて、二階に借りている部屋に戻ったのは、かなり夜が更けてからのことだ。
結局、一郎は一階の酒場でエリカとコゼをリモコンローターによって、かなりの時間、念入りに責め続けた。
ローターが挿入されているのはエリカの股間と肛門だが、一郎の淫魔術でふたりの性感は完全に同調させている。エリカを責めれば、コゼがまったく同じように刺激を受けてしまうようにふたりの官能を完全に繋げてしまったのだ。
ふたりの身体を支配できる一郎にこそできることだ。直接にはエリカを責めたのだが、それによって、コゼもまた同じように感じてしまうというわけだ。
この場合、同調しているのは刺激の強さではなく快感の度合いとなる。
同じ刺激でも、エリカとコゼは、当然に受ける快感も異なってくるが、「感覚を同調」してしまうと、ふたりの「快感値」が完全に一致し、赤いもやの濃さで示されるもやもまったく同じになる。
つまりは、局部であれば局部、胸であれば胸、お尻であればお尻で受ける快感がまったく同一となり、同じように追い詰められ、絶頂するときには完全に一緒に達する。
ふたりは、そういう状態になっている。
これにより、快感に弱いエリカの受ける状態に合致してコゼが感じ、エリカ以上にお尻が弱点のコゼの受ける尻と同じ欲情を受けてエリカが悶え狂った。
それでいて、ふたりはまだ一度も達していない。
なにしろ、ふたりの身体については、淫魔の力で、どんなに刺激を受けても必ず絶頂寸前で保持されるようにしている。
何度も昇天していてもおかしくはない快感を受けながらも、いまだにいっていないエリカとコゼは、膨れあがった淫情で失神寸前だ。
一郎はふたりに服を脱ぐように命じた。
エリカとコゼが争うように服を脱ぐ。
まるでおしっこを漏らしたように濡れているふたりの下着が露わになった。
それも脱がせた。
部屋の中が女の蜜の香りで充満した。
ふたりが下着を取り去るあいだに、一郎もまた全裸になった。
「ふたりで舐めて、俺を満足させるんだ。さもないと、いつまでも淫具で責め続けたまま、寸止めを解除してやらないぞ」
一郎は寝台のひとつに腰かけた。
そして、エリカの股間と肛門に挿入しているローターを軽く振動させてやる。淫魔師の力で押し込んでいる淫具は、どんなことをしても一郎が力を解除しない限り抜け落ちることはない。また、エリカの身体に埋まっている淫具を動かせば、まったく同じ快感がコゼにも流れ込む。
「はうっ」
「ああ……、も、もう、許して……」
素裸になったふたりが同時にがくりとその場に膝を落とした。
ふたりの無毛の股間は愛液でびしょびしょで凄まじい状態だ。溢れた愛液がそれぞれの内腿を伝って足の指にまで達している。
「寸止めを解除して欲しければ、しっかりと奉仕しろよ」
一郎は笑った。
エリカもコゼも、快感値は“10”だったが、淫具を動かすことで一気に下がり、いまは“1”で静止している。
息も絶え絶えのふたりが、ほとんど這うようにして一郎の股に寄ってきた。一郎は脚を開いて、跪くふたりを脚のあいだに迎え入れた。
左右からエリカとコゼの舌が怒張に這い始める。
「……そうだ……。なかなか気持ちいいぞ。ふたりともうまくなったな……」
一郎はふたりの舌が性器に這う快感をしっかりと受けとめながら言った。
股間を淫具で責められ続けているふたりは、淫らに鼻息を鳴らしながら一心不乱に一郎の一物にむさぼりついていた。
ふたりは、まずはふたりがかりで、一郎の亀頭の先から睾丸の根元まで、左右から余すことなく唾液でべっとり濡れさせると、次に、エリカが亀頭の先を口で含み、コゼが身体を屈めて睾丸をすっぽりと包み吸うように刺激を与えてきた。
そして、ひと通り舐め終わると、すかさず、ふたりが奉仕の場所を入れ替えて、今度はコゼが亀頭を受け持ち、棹と玉の部分をエリカが担当する。
それを交互に繰り返した。
まるで事前に申し合わせていたかのようなふたりの連携に、さすがに一郎も快感に顔が歪んだ。
一郎など一瞬で殺してしまえる実力を持ったふたりの女戦士がこんなに懸命に自分の性器を舐めている。
また、そのことが一郎の全身に性的興奮を漲らせる。
一方でずっと股間と菊座に果てしない淫具の責めを受け続けているエリカとコゼは、淫らに腰をくねらせて必死で一郎の肉棒を舐めあげ続ける。
最高の快感が込みあがってきた。
「出すぞ。ふたりで半分ずつだ。一滴残らず飲め──」
一郎は言った。
そのとき、一郎の先端を口で覆っていたのはエリカだった。
一郎は欲情のまま、エリカの口の中に精を放出する。
エリカは音をたてて一郎の性器の先を吸い取っていく。命じたとおりに、一滴残らず、まずは口に集めようとしているのだろう。
射精が終わると、エリカは一郎の股間から口を離して、口を開いて舌の上に乗っている射精したばかりの一郎の精液をコゼに示した。
淫情に耽っている表情のコゼが舌を伸ばして、そこから半分を自分の口に持っていく。
ふたりが一郎に向かって口を開き、それぞれに分け合った精液を示した。
「よし」
一郎は言った。
ふたりが精を飲み込んだ。
一郎は満足した。
エリカの股間と肛門に挿入しっぱなしの淫具を止めて、外に出してやった。
鳥が卵を産むような感じで、エリカの股間からふたつのローターが床に落ちる。
「あんっ」
「はうっ」
エリカとコゼが甘い声を同時にあげた。
それだけで感じてしまったようだ。
一郎はすでに腰砕けのふたりを寝台にあげた。
精を放ったばかりの一物だったが、すでに勃起状態に戻っている。
淫魔の力で、精を放った直後でも、すぐに勃起して続けて精を放つことができるのだ。
限界まで試したことはないが、エリカを相手に十回連続で放ったことがあるから、そこまでは問題はないことはわかっている。
「まずは、エリカだ──」
一郎はそう言うと、エリカを仰向けに寝かせた。
そして、太腿を担ぐようにして、一気に秘孔に一物を貫かせる。
すでに、寸止めの縛りは解除した。
ただし、ふたりの快感の繋ぎはそのままだ。
「はっ、ああんっ、ああっ、ああっ──」
エリカが大きな嬌声をあげた。
「い、いくうっ、いくっ、いきます──いぐうう──」
一郎の怒張が膣の奥に達するか、達しないかという短さで、エリカはあっという間にいってしまった。
「んふううう──」
寝台の隅で横座りになっていたコゼの裸身が後ろにひっくり返った。エリカが達したことで、快感を同調させられているコゼもまた絶頂してしまったのだ。
一郎はあまりにも速いエリカの昇天に苦笑しながら、エリカから怒張を抜き、コゼの身体をうつ伏せにして腰を掲げる体勢にする。
狭い寝台の上なので、まだ仰向けに倒れているエリカの身体の上にコゼを重ねる感じだ。
今度は淫魔の力で怒張の表面に潤滑油を浮き出させる。
まだ、エリカを通じた絶頂の余韻に浸っている状態のコゼの尻たぶを掴んだ。
いまや、すっかりと一郎からの肛姦の虜になってしまった感のあるコゼのアヌスに押し当てた。
挿入を開始する。
「んんんっ、ああっ、あくううっ」
コゼが悶絶するような声をあげ、口をぱくぱくさせて、上体が浮かぶほど背中を反り返らせた。
調教開始の頃はまだ固かったコゼの尻穴だが、一箇月も毎日のようにアヌスをほぐしているうちに、すっかりと気持ちのいい場所に変わったようだ。
エリカのお尻も犯すことはあるが、コゼとは頻度が違う。いまやコゼのお尻は膣のように柔らかい。
一郎はぐいと怒張を突き入れた。
「はうううっ」
コゼが首を持ちあげて、ぶるりと震えた。
「コゼのお尻も最高だね」
一郎は限界まで飲み込ませた怒張を今度は引き抜き始めた。
アナルセックスは入れるときよりも、抜くときの方が気持ちいいものらしい。
コゼの反応が激しくなる。
「くふうっ、ご主人様あああっ」
と、コゼはさっそく達してしまった。
エリカもコゼも昇天するのが早い。
かなりの時間、寸止め状態だったから、それが効いているようだ。
「んふううう──」
身体の下のエリカもまたコゼと同時に再び昇天した。
快楽の同調のためだ。
むしろ、直接にアヌスをほじられていないエリカに流れるのは、肛姦の苦痛はまったくなく、純粋な快感だけだ。
堪らないのはエリカの方かもしれない。
「それにしても、俺が愉しむ暇がないじゃないか……。まあいい、今夜は俺は奉仕に徹するよ」
一郎は苦笑しながら、コゼのお尻から一物を抜き、淫魔の力で一度潤滑油を汚れとともに蒸発させて清潔さを保つ作業を行うと、今度はもう一度エリカの股間に怒張を埋める作業を開始した。
*
完全にエリカもコゼも悶絶してしまった。
とりあえず、ふたりの身体の汗と体液を布で拭いてやったが、ぴくりとも動く気配はない。
それぞれに五回の絶頂を果たしたときに、ふたりとも完全に気を失ってしまったのだ。まあ、五回ずつというが、快楽を同調させていたので、間髪入れずに連続十回の絶頂となる。
考えてみれば、当然の結果かもしれない。
一郎は裸身のふたりを並べて横たわらせて、裸身を掛け布で覆うと、部屋にあるもうひとつの寝台に向かった。
いつもは添い寝をすることが多いが、今夜は無理だろう。
少しやりすぎたかもしれない……。
一郎は燭台の蝋燭の灯かりで照らされているふたりの美女を改めて眺めた。
可愛らしく寝息をたてている……。
一郎は自分の頬に微笑みがこぼれるのを感じた。
ふたりを照らしているのは、ただの蝋燭ではない。
エリカが特別な魔道を込めた魔道具であり、燃え尽きることも風で消えることもない。野宿などでも重宝しているが、こんな魔道具の蝋燭一本作るのも、実は大した魔道力らしい。
エリカは、エルフ族として弓術や剣術に長けているだけでなく、魔力もまたそこそこ使いこなす。
また、コゼは超一流のアサシンだ。
さらに、ふたりとも人目を引きつけるくらいに可愛らしい。
そんなふたりを思う存分に抱き潰すまで味わうことができる。
しかも、いつでもどこでもだ。
どんなことをしても、このふたりは拒まない。
さらに、ふたりとも、とても好色だ。
一郎に対してだけであるが……。
こんなに、いい想いをしてもいいのだろうか……。
なんだか逆に不安を感じそうになる。
そのとき、不意になにかの感情が一郎に流れ込んできた。
息をするのも忘れるくらいの快感の感情だ──。
一郎はびっくりしてしまった。
トーイ
人間族、男
年齢20歳
生命力:30
攻撃力:40”
ニーナ
人間族、女
年齢20歳
ジョブ
唄歌い(レベル40)
生命力:40
攻撃力:15
経験人数:男1、女30
淫乱レベル:A
快感値:10↓”
ふたりのステータスも突然に頭に流れ込んできてしまった。
いちいち他人のステータスを覗き見するのは、思考が邪魔されて頭がおかしくなりそうなので、普段は魔眼の能力を封印している。だが、時折強い感情のようなものがあると、一郎の意思に反して頭に強引にそれが映し出してしまうことがある。
いまもそうだ。
そして、その強い感情の正体もわかった。
これは、ニーナの感情だ。
びっくりするほどに大きな悦びの爆発だった。
そのニーナの「快感値」があっという間に“0”になった。
一郎はほくそ笑んでしまった。
やっと、それが壁を挟んだ隣の部屋で行われている行為だということを悟った。
トーイとニーナ……。
なるほどね……。
トーイはニーナのことを自分のことのように自慢げに喋っていて、とても大切に思っている気配だったし、ふたりは幼馴染だという話でもあった……。
ニーナは、都の歌姫と称されるほどに有名な存在だということだったが……。
つまりは、そういうことでもあるのか……。
それにしても……。
ちょっと興味にかられたのは、ニーナのステータスにあったニーナの性経験の数だ。
随分と女性ばかりの数が多い、おそろしく偏った性経験だと思った。しかも二十歳だよなあ……。
一郎は壁に耳でも当てて、様子を窺ってみようという誘惑にかられた。
この部屋には、エリカに命じて、性行為の声が漏れにくいように、防音の魔道をかけさせているので、お互いの声が伝わりにくくなっているはずだ。しかし、本来は壁はそんなには厚くはない。
耳を壁につければ、あのトーイとニーナの幸せそうな声が耳に入ってくると思う……。
だが、やめた。
なんで、そんな無粋なことを……。
いずれにしても、前々から思っていたが、相手が性行為のできるような女の場合は、その女の快楽の度合いから、性経験数、身体の敏感さまでわかるのに、相手が男の場合や、性を交わせないような年齢の女性の場合は、そこまでのステータスはわからない。
いまも、ニーナがどういう状態であるかはわかるが、その相手らしいトーイのステータスは本来の能力値程度の情報だ。
まあこれも、一郎が、淫魔師の能力と魔眼の能力の両方を持っていることに関係があるとは思うが……。
とにかく、あのふたりが、やっぱり恋人同士であったことを知って、なんとなく一郎は嬉しくなった。
一郎は寝台にひとりで横になると、掛け布を身体にかけて眠りについた。
意識が睡魔に乗っ取られるのに、ほんの少しの時間しかかからなかった……。