【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「おお、見てくださいよ、アンドレさん」
グラフが肘でアンドレの寝椅子の横をつついた。
ロウとかいう冒険者の連れている女奴隷がふたり連れだってやってきたのだ。
ひとりはエルフ族で、ひとりは人間族だ。
「ありゃあ、いい目の保養ですよ。ほかの男たちを見てくださいよ。どいつもこいつも、作業の手を休めて、眼の色を変えてますぜ」
グラフが笑って言った。
アンドレとグラフは、河原に並べている馬車の前に作られている露営施設で寝椅子を並べて横になっていた。
その周りでは、そろそろ陽が暮れるということもあって、全員で宿営の支度をしているところだ。
すなわち、随行の雇われ魔道遣いが中心となって、一帯にかがり火をつけ回っており、あるいは、隊商の者たちが休むためのテントを数組に分かれて次々に張られている。アンドレの女奴隷たちは、全員分の食事の支度だ。
寝る場所は、いま張られているテントであり、馬車の中で寝るのはアンドレだけだ。
馬車が五台あるが、三台にはロームに戻って売るためにエランド・シティで買い集めた荷が満載してあり、人が休む空間はない。
また、隊商が旅で使う生活物資や食料、テントなどを積んでいる馬車も一台ある。
残りの一台が、アンドレの私室を兼ねた移動事務所のような体裁になっていて、アンドレだけはその中に簡易寝台を持ち込んで休む。
その晩の伽を命じる女奴隷も、その中だ。
いずれにしても、馬車の中で休むことのできる特権はアンドレだけであり、ほかの者は、原則として、ああやってテントを張って寝るか、あるいは、馬車の下や周りで横になって寝るだけだ。
この隊商では第二位の地位になる警護隊長のグラフでさえ同様である。
「約束の食事を受け取りに来たわ」
やって来たエルフ女が寝椅子の前までやって来て、声をかけてきた。横には小柄な女もいる。
さっき、使いの者をやって、夕食の支度ができたと、あの「
昼間、
ここは、樹木の生い茂る森と大きな河に挟まれた細長い河原だ。つまり、今夜の宿営地だ。
とりあえず、今夜は、一緒に宿営することにして、彼らの食事をこっちで準備する約束になっている。
それで使いをやった。
アンドレたちがここに案内をして彼らの馬車を導くと、なぜか、あの男はこっちと合流することなく、十分に距離をとった場所で自分たちだけで宿営の支度をし始めた。
ここから見ると、辛うじて小さく馬車が確認できるくらいの距離だ。
一緒にいた方が警戒などは楽だろうとは思うが、まあ、そうしたいのなら、アンドレとしては文句を言う筋合いもない。
「ああ、渡す準備はできている。向こうだ。女たちが、大鍋に大量の肉煮を作っていると思う。好きなだけ、持って行ってくれ。せめてもの礼だ」
アンドレは、寝椅子に横たわったまま言った、
本当は、ここであいつの奴隷たちを含めた食事会を提案したのだ。
だが、使いの話によれば、はっきりと拒否されてしまった。
全員では、やって来ないそうだ。
それで、その代わりに、連中の人数分の食事を分けて渡すということになった。
このふたりは、それを取りに来たのだ。
「あっちね。わかった。行くわよ、コゼ」
エルフ女が言った。
小柄な女は、コゼというようだ。
エルフ娘よりも歳下に見えるが、単に童顔で背が低いだけで、実は横のエルフ族よりも年齢が上だということは、アンドレは「鑑定」の能力でわかっている。
ふたりで、持ち手の付いた金属の缶を持っている。
料理をあれに入れて、持ち帰るつもりなのだろう。
アンドレが顎で示した方角は、女奴隷たちが大鍋を煮ている炊事所だ。
それにしても、このエルフ女の色っぽさと可愛らしさはなんだ。
このエルフ奴隷ひとりを考えても、危ない橋を渡ってでも、アンドレがあの優男から横取りする価値はある。
とにかく、この女奴隷は、あの男には勿体ない。
エルフ女は、コゼという女を伴って、そこに向かおうとした。
だが、アンドレはそれを呼び止めた。
「なによ?」
立ちどまって振り返ったエルフ女が怪訝な表情になる。
どうやら、アンドレはすっかりと嫌われてしまったようだ。
この色気満載の可愛らしいエルフ奴隷を、アンドレに譲れと、あの男に言ったからだろうか。
どうも、あれから、すっかりと警戒をされている気がする。
あるいは、あんなに離れた場所に馬車を留めているのは、あの男が女奴隷たちに、なにかを言われたからかもしれない。
奴隷を甘やかしてそうな男だったから、周りの女奴隷たちに言いたてられると、嫌とは言えなかったのじゃないだろうか。
まあ、そんなところだろう。
護衛代わりの女奴隷に守られて、自分は大したことはせずに、功績だけを独占している成金貴族の冒険者──。
それが、アンドレのロウに対する評価だ。
こんなところで、なにをしているのかわからないが、貴族としての権威など、このナタルの森では関係ない。
最悪、殺して死体を捨てても、アンドレが怪しまれることもない。ここで、あいつと出会ったのは偶然だし、奴隷たちは支配して口封じすれば、それで足りる。
奴隷を連れて旅をするのは理解できるが、奴隷だけを連れて旅をするのは危険なこともあるのだ。
まあ、あの男には、それを身をもって勉強してもらうことにしよう。
いずれにしても、あれだけのS級の女奴隷を集める財力は、どうやって手に入れたのだろう。
商売人のようにも見えないし、威張ってもないので、根っからの貴族ということもないだろう。
ともかく、あいつには、分不相応な高級奴隷たちだ。
エルフ女はとんでもない美人だし、横の人間族のコゼだって、それなりの美形だ。
しかも、ふたりとも、外見だけでなく、かなりの武術の実力も持っていそうな気配だ。
「ちょっと大事な話がある。お前のご主人様に伝えて欲しいんだ……。ところで、そっちの人間族の姉ちゃんの名はコゼだな。エルフ族のあんたの名前は?」
「……エリカよ……」
エルフ女は不満そうに言った。
アンドレに名前を訊ねられて、ものすごく嫌そうな顔になった。
おそらく、教えたくないのだろう。だが、ロウに大事な話があると言われれば、アンドレを無視するわけにもいかない。
それで渋々答えた。
そんな感じだ。
だが、それで、アンドレはすでにこの女の名を耳にしていたことを思い出した。
そう言えば、あのロウがそう呼んでいたのを今更ながら思い出した。
いずれにしても、エリカは、アンドレの“ご主人様”という言葉を否定しなかった。
だから、奴隷であることを認めたということにはならないが、あの若造が女たちが奴隷であることを隠していることが気にかかっていた。
できれば、事を起こす前に、少しでも情報を集めておきたい。
まあ、手の者に金を持たせて、近くのエルフの里にある商業ギルドに向かわせているので、明日の朝までには、なんらかのことがわかると思うが……。
商業ギルドでは、金さえ出せば、大抵のものは手に入る。特に情報は商業ギルドの大切な売り物のひとつだ。
「じゃあ、最初の質問だ、エリカ。お前はなんで、そんなに短い丈のスカートをはいてきたんだ? ご主人様の命令か?」
隣のグラフがげらげらと笑いながら言った。
横から口を挟まれた感じだが、思わずアンドレは噴き出してしまった。
昼間のときも、随分と短いスカートを身につけていると思っていたが、いま、やって来たときは、それをさらに短くしていて、ほとんど下着を露出せんばかりに、スカートの裾をあげている。
昼間着ていたのと同じスカートなので、おそらく、腰のところで折り曲げるなり調整して、わざと丈を短くしているのは間違いない。
「なっ」
エリカが真っ赤になった。
慌てたように、片手でスカートの前を手で隠す。もう片方の手は、コゼと一緒に、大きな容器を持っている。
「か、関係ないでしょう、あんたに──」
エリカが怒鳴った。
だが、その羞恥に顔を赤くしている様子がなんとも艶めかしい。
気の強そうなのもそそられる。
このエルフ女を性奴隷にして、思う存分いたぶってやりたい。
アンドレは改めて思った。
このエルフ女が、ただあの男に奴隷として支配されているというだけじゃなく、完全に心服しているのはアンドレから見ても明白だ。
しかし、それを横取りして、アンドレの奴隷にしてしまう手段はいくつかある。
自分になびいていない女奴隷を奴隷の力で無理矢理に犯して、ゆっくりと心を支配していく……。
あまり、やったことはないが、そんなのも愉しいかもしれない。
久しぶりに、アンドレの好色の虫がすっかりと目覚めてしまった気がする。
もっとも、もしも、あのロウが名のある貴族の坊やだとすれば、強引な手段で奴隷を奪ってアンドレのものにしてしまえば、すぐに足がつく可能性もある。
だが、手に入れた女奴隷は隠してしまえばいいし、ロウについては、罠を嵌められて奴隷を奪われたことをどこにも訴えることができない状態にしてしまえばいい。
それについても、いくらでもやりようがある。
改めて、このエルフ奴隷を眺めていると、多少の危険を賭してもいいと思える価値がある。
「だが、わざわざ、腰の部分を折り曲げてまで、短くしているんだ。お前のご主人様を愉しませるために、そうしろと命令をされたんだろう? 違うか?」
アンドレも笑いながら言った。
いずれにしても、エルフ族というのは、あらゆる種族の中でも、もっともプライドが高い種族と言われている。
奴隷とはいえ、そのエルフ族の女に、こんな恥ずかしい恰好を強要できるのだから、それについては、あの男を評価してもいいのかもしれない。
「用事はそれだけ──? もう行くわ──」
エリカがぐいと、手でスカートの前を引っ張るようにして、炊事所の方を向く。
しかし、前を思い切り引っ張ったため、お尻側の下着がちらりと露出した。それくらいに丈が短いのだ。
「尻側で白い下着が見えているぜ。だが、随分と小さい下着だなあ。とにかく、見せつけないでくれよ」
グラフがまたからかう。
エリカが引きつったような表情になり、片手をお尻側に移動させて、そっちも引っ張った。
「エリカ、あたしが後ろに立つわ。ひとりで持って」
これまで黙っていたコゼが容器をエリカに託して、さっと移動して、エリカの背中を隠すように立つ。
「待て、待て、本題はこれからだ。とにかく、お前たちのご主人様に伝言をしてくれよ。明日の朝、朝食のときには、必ず馬車でこっちに寄ってもらいたいんだ。イットのことがある。正式に譲渡手続きをしておかないとな……。奴隷の持ち主を変更できる『隷属』の魔道を遣える術者も近くの里から連れてくる。そうでないと、イットを連れて行くこともできないだろう」
アンドレは言った。
本当は、条件さえ揃えば、夜のうちに仕掛けてもいいと思っていた。
だが、あんなに離れた場所に宿営されたのでは、『セビウスの石』も効果外だ。こっそりと近づくのは難しいと思う。
おそらく、警戒されている。
だから、呼び寄せるのだ。
「ふん、無用よ。奴隷譲渡はこっちでできるわ。そもそも、もう終わったもの。イットの奴隷解放は終わったわ――」
エリカが怒ったように言った。
「エリカ──」
コゼがたしなめるように声を出した。
すると、エリカは焦ったように、口をつぐんだ。
だが、アンドレはびっくりしてしまった。
「奴隷解放ってなんだ? あの童女魔道遣いは、奴隷の譲渡や解放の魔道ができるのか? おいおい、だが、いくらなんでも、他人の奴隷の隷属を勝手に刻み変えるのはご法度だぜ」
とりあえず言った。
しかし、あの童女奴隷の術遣いは、そんなこともできるのかと感心した。
どうしても横取りしたい女奴隷のリストに、その人間族の童女も確定だ。
エルフ女もそうだが、かなりの実力を持っている女奴隷集団なのは間違いない。
だが、こっちには『セビウスの石』がある。
効果範囲内に入ってくれれば、一網打尽で奴隷たちは無力化できる。
まあ、問題ないはずだ。
「なにが勝手によ。あんた、イットをロウ様に譲ることを同意したでしょう。その時点でお互いの意思の確認は終わっているわよ。さもないと、奴隷譲渡や解放ができるわけないじゃない」
エリカが喚いた。
それはそうだ。
奴隷譲渡は、一種の契約魔道だ。
魔道で契約の場を作り、譲る者と譲られる者がお互いに同意して、それを魔道が認証して、奴隷の隷属を移動させるのだ。
それが『隷属魔道』だ。
また、奴隷の主人であれば、奴隷解放もできるが、それには隷属魔道を遣える者が仲介する必要がある。
しかし、そうなれば、あの童女は、最初にアンドレと男が会話していたとき、すでに『隷属』魔道を発動させていたことになる。
そんな感じはなかったが……。
しかも、解放しただと?
本当か?
「……まあ、よくわかんねえけど、とにかく、朝には必ず来てくれ。譲渡契約書だって渡したい。イットが俺から奪ったものじゃないという証拠だ。さもないと、俺は、ナタルの森で見知らぬ冒険者に脅されて、大事な女奴隷を奪われたって、どこかに訴えるかもしれねえぜ」
「あんたならやりそうね。手続きのことは、一応、ロウ様には伝えておくわ」
エリカはそれだけを言って、すたすたと立ち去っていった。
向かうのは炊事所だ。
その後ろからコゼがついていく。
「やれやれ、気の強いエルフ女でしたね。だけど、俺の見たところ、相当の手練れですよ。後ろで大人しくしていた女も半端なかった。手を出すのは危険かもしれないですよ」
エルフ女たちがいなくなると、グラフが声をかけてきた。
グラフは警護隊長をさせているだけあって、自身がかなりの手練れだし、だからこそ、目の前の相手の実力もすぐに測れるのだろう。
アンドレも、グラフほどではないが、そこそこに腕があるので、さっきのふたりに限らず、あの男の女奴隷たちがかなりの実力集団であることはわかっている。
そして、美形だ。
だからこそ、強引な手段で奪いたい。
おそらく、あの女たちを金銭的価値に直せば、とんでもない額になる。
間違いない。
「わかっている。だが、ここにセビウスの石がある。奴隷たちは、これで一網打尽に無力化できる。あの男は隠しているつもりだろうが、周りの女たちが全員奴隷なのは明白だ。奴隷たちがいなくなれば、残ったのは、優男だけだ」
「セビウスの石ですか? それがここに?」
グラフにも教えてなかった。
こんなのは、警戒されたら終わりだし、なるべく誰にも知られない方がいい。
だが、もう教えていいだろう。
決行は明日の朝だ。
アンドレは、上着を開いて、セビウスの石をちらりと見せた。
グラフが眼を丸くする。
「へえ……」
グラフが小さく口笛を吹いた。
「いつも、奴隷たちに囲まれているだけの男が、突然に守る者がいなくなるんだ。ちょっと脅せば、大抵のことには屈するさ。あの男が武芸の心得えがないことは見ればわかる。魔力の匂いもしなかった」
魔道遣いであれば、例外なく身体に魔力を溜めている。それが魔道のもとだからだ。
しかし、あの男はそんなものは帯びていない。従って、魔道遣いではない。
かといって、なんらかの武芸を身につけているという感じもない。それは身のこなしを眺めていればわかる。
それが、アンドレがあの男が、苦労知らずの実力のない優男だと断定している理由だ。
「そうですか? でも、俺はなんとなく、物怖じしない度胸のようなものを感じましたけどね。
「大人? そんなわけあるか。女奴隷にかしずかれるだけの男だ。しかも、ろくに奴隷教育もできねえような軟弱者だぞ」
アンドレはグラフの言葉を一蹴した。
「まあ、俺は離れていたんで、実際の印象は直接に会話したアンドレさんが正しいのかもしれません……。もちろん、俺の雇い主はあんただ。何でもしますよ」
だから、少しは、垣間見たかもしれないが、印象は薄いと思う。
それに、たったいまのエルフ女の痴態を眺めていれば、完全にその気になった。
多少の危険があっても、絶対に奪ってやろうと心に決めている。それだけの価値がある。
あの女奴隷たちは、アンドレにこそ相応しい。
しかも、セビウスの石という手段があるのだ。
セビウスの石という奴隷を一斉に無力化できるアイテムを入手してすぐに、奴隷だけを連れた優男の旅人に出逢うなど、まさに天祐だろう。
「おやおや、その顔はやる気ですね。まあいいでしょう」
グラフは笑った。
「俺だけが儲けを独占はしねえよ。お前たちにも、あの女奴隷たちを抱かせてやる。セビウスの石があれば、奴隷女たちは抵抗できねえしな。いずれにしても、手を出すのは明日の朝だ」
アンドレは首を竦めた。
「へえ……。明日まで待つんですか? てっきり、連中が向こうの馬車で寝静まってしまうのを待って、襲撃しろとか言い出すのか思ってましたよ。そのセビウスの石があれば、いつでも向こうの奴隷たちを無力化できますしね」
「それはしない。俺と同じように、万が一のために、
「譲渡の契約? 正式の手続きをさせるということですか?」
「当たり前だ。そうじゃないと、あとで売り飛ばすのも面倒だ」
「なるほど、じゃあ、あの魔道封じの結界付きの馬車の中に、あの男を招いて、そこで脅すということですね?」
グラフがにやりと微笑んだ。
「そういうことだ」
アンドレも微笑み返した。
「そういうことなら、女奴隷たちはアンドレさんに譲りますが、礼金代わりに持っていかれた馬を取り返してくださいよ。ついでに、あいつらの馬車も馬ごとください。持っていかれた馬は予備馬の中では一番だったし、あいつらの連れている馬もなかなかの上等なものですよ」
グラフが言った。
実は、礼金はイットだけでいいと最初に申し出てきた男だったが、アリアが避難させていた馬を連れて戻ってくると、礼金として馬を二頭、寄越せと追加で要求してきた。
避難させていた馬は、馬車を曳かせるための馬だが、そのほかに普通に騎馬にしている馬も何頭かいる。
まあ、確かに、死にかけの女奴隷一匹では、ほぼ無償も同様なので、馬の二頭くらいだったら、応じるしかない要求だ。
しかし、実際には、馬は警護隊長のグラフの持ち物なのだ。
優男に譲った分は、アンドレから相場の代価で補填してやったが、グラフはまだそれが気に入らない様子だ。
「わかったよ。俺が興味があるのは女奴隷だけだ。ほかは共犯の片棒を担ぐ代わりにくれてやる。だが、どっかの大貴族のどら息子かもしれないんだぜ。その馬で足がつくようなことになるなよ」
「冗談じゃない。馬の見分けなんかで、ばれるわけがないですよ。アンドレさんこそ、奴隷を汚い手段で奪ったなんてわかったら、もう商売はできなくなりますよ。商業ギルドからも追放されるだろうし」
「それは、うまくやるさ。これまでと同じに、これからもな」
アンドレは声をあげて笑った。
グラフも同調するように笑い声をあげる。
しかし、すぐに、グラフは何かを思い出したように、表情を戻した。
「だけど、そういえば、あのエロいエルフ女が気になることを言ってませんでした? あの獣人娘を奴隷解放したとか……。もしも、それが本当なら、そのセビウスの石じゃ、無力化できないですよ。あの獣人が本気で暴れたら面倒ですよ」
「確かにな」
アンドレは頷いた。
わざわざ、手に入れた奴隷をいきなり解放するなど、あり得ないとは思うのだが、まあ、調べる必要はあるだろう。
そうだとしても、いくらでもやりようはあるのだが……。