【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
【ハロンドール王都・ラポルタ家の王都屋敷】
「うう、うっ、うくうううっ」
スカートを自ら両手でまくりあげたままのサキの身体がぶるぶると震えて、立ったままの全身が弓なりになる。
「ほらほら、さっきみたいに達してはだめよ。本当に堪えようのない身体ねえ。魔族女の全員があなたみたいに素直なの? それとも、淫乱なのはご主人様に躾けられた特別?」
テレーズはからかいの言葉を掛けながら、魔道を強くして振動を足していく。
差し棒はサキのもっとも敏感な場所から離れない。
刺激から逃げるなという命令を付け加えたので、サキはどんなに追い詰められても、大人しく振動を受けるしかない。
「しゅ、
サキがテレーズを睨む。
しかし、その顔は汗びっしょりであり、肌は真っ赤に上気している。口を開くと甘い声が混じり、それが艶めかしい。
肩幅に開いたまま踏ん張っている両脚が大きく震えている。
「愚弄なんてしていないわ……。尊敬しているのよ。あなた方みたいな強い女たちをあれだけ慕わせるなんてすごいわ……。ノールの離宮に追い出した王太女も王妃も、王都でうろうろと動き回っている冒険者ギルドのドワフ女も、女神殿長も、調べれば調べるほど、彼に夢中だものね……」
テレーズは笑った。
ロウという男には一度も会ったことはないが、調査してわかったことがある。
外見は平凡。特段に容姿が優れているわけでも、人並外れた武術の腕があるわけじゃないから、ぱっと見はどこにでもいるような普通の男ということだ。
若くもない。
女にもてる要素は少なく、惹き付ける雰囲気のようなものはないらしい。
それでも、不思議な術を遣うということはわかってきて、それは一流の魔道遣いを越えるものはあるようだが、派手さはないみたいだ。
ただ、冒険者としては超一流で、何度も特異点を発見して封印に成功している
ただ、これはパーティーの女が一流だからだという噂もある。とにかく、目立つ男ではない。
しかし、超一流の女たちが、彼のところに集まり、彼に尽くしている。
それが彼の力といえばそうなのだが、不思議にも能力の高い女ほど、彼に惹かれていっている気もする。
本当に何者だろう?
彼については、わからないことばかりだ。
いずれにしても、彼が王都にいなくてよかったとは思う。
テレーズの飼い主であるマーリン、そして、マーリンの主人であるタリオ公国のアーサー大公がロウを眼の仇にしていることはわかっている。
最初は知らなかったが、アーサーとどういう確執があるかということも知った。
だから、テレーズの立場からすれば、マーリンに指示されれば、そのロウと直接対決もしなければならなかった。
テレーズは彼らに飼われる「犬」だ。命じられれば拒むことは不可能だ。
しかし、そのロウが王都にいない以上、テレーズは彼と戦わなくていいのだ。
そもそも、アーサーがロウを攻撃する理由が実にくだらない。
すなわち、アーサーは、このハロンドールの王太女になったイザベラを正妻にしようと考え、まずは離縁したばかりのアン王女に近づき、そのアンを使って、イザベラに自分を惚れさせようと思ったらしい。
その動機も、手段も、テレーズにはいまひとつ理解もできないが、アーサーは持ち前の美貌から、女が自分を好きになるのは当たり前だと考えているところがあり、アンがアーサーに会えば、アンは自分に惚れ、そのアンがイザベラを紹介すれば、イザベラは簡単にアーサーになびくと思っていたみたいだ。
アーサーは、すでにハロンドールの第二王女のエルザを公妃として政略結婚しているが、そのエルザを返して、イザベラと交換することも、当初、アンに対して打診した婚約を途中でイザベラにすることについても、しっかりとした策があったみたいだ。
ところが、その前提となるところで、アンもイザベラも、アーサーを相手にせず、それどころか、ロウという男にぞっこんであることがわかり、さらに、それを目の前で見せつけられ、それで自尊心が傷ついたみたいだ。
なんという器の小さい男かと思ったが、現段階では。テレーズはそのアーサーたちの「犬」であるので、いかんともしがたい。
それもこれも、行き倒れて飢え死にしそうになったとき、たった一宿一飯と引き換えに、マーリンとの奴隷契約を結んでしまったテレーズの浅はかさがもとだ。
でも、あのときは、たった一杯の汁のために、なんでもすると考えた。
それだけ、追い詰められていたのだろう。
もっと人を見てから、飼い主を決めればよかったと思う。
「あ、ああ、い、いく、いきそうだ……」
サキが身体をくねらせながら言った。
身体を動かすなという命令を与えているので、こうやって悶えるのは、意思とは関係のないところでやっているのだろう。
同じように、マーリンから隷属で縛られているテレーズにとっては、参考になる現象だ。
「あら、いきそうなの? だけど達してはだめよ。命令なのよ……」
テレーズは真名を耳元でささやき、言葉に絶対支配の力を込める。
サキが歯を喰いしばる。
意思については、これでサキは絶頂することはできない。サキも全力で快感を我慢しようとするはずだ。
しかし、強力な媚薬をたっぷりと股間に浸けた。
下着をずらしたサキの股間は、かわいそうなくらいに真っ赤になっている。
媚薬の油剤と垂れ出ている愛液がまるでおしっこでももらしたくらいに、脚にまとわり伝っていて、開いた股の下の床で水たまりにようになっている。
我慢するなんて、不可能のはずだ。
だが、耐えている。
必死になって、絶頂寸前のところで留まっている。
また、サキがわざわざ達しそうだと口にするのは、身体が耐えられなくなったら、口に出せと暗示をかけたからだ。
さもなければ、気位の高いサキがテレーズにそんなことを口走るわけがない。
「んんんんんっ」
サキががくがくと震えた。
テレーズは、サキの肉芽に当てている差し棒の振動をずらして内腿に動かし、焦らすような刺激に変化させた。
絶頂を免れた……いや、またもやぎりぎりのところで強制的に寸止めにされたサキががくりと脱力する。
同じことをすでに五、六回は繰り返した。
何度もぎりぎりのところまで責めあげられて、絶頂寸前で緩められるということを繰り返し、サキも取り繕う余裕はなくなっているみたいだ。
テレーズにも、狂暴な女妖魔が淫靡に悶絶しそうになる姿を曝け出してくれるようになってきた。
いずれにしても、わかったのは、いくら真名の命令で縛っていても、身体が耐えられなければ、どうしても反応してしまうということだ。
サキには「絶頂するな」という命令をかけているのだが、あのまま続けていれば、やはり達しただろう。
真名に命じられたところで、絶頂してしまうこともあるということは、こうやって、寸止めを続ける前に、一度だけ軽く絶頂させてやったからわかる。
本当に、大いに参考になる。
「……ふう、ふう、ふう……。き、貴様……い、いつか、く、首をねじ切る……」
サキがテレーズを殺気を込めて睨みつける。
余人なら、これだけで恐怖で身体が竦んで動けなくなるかもしれない。
しかし、テレーズは、これだけの感情を正直にぶつけられるのが、むしろ小気味いい。
「無理よ……。真名で支配しているものね……。あたしを傷つけたり、殺したりするのは禁止……。わかったわね、リュンネガルト・ゴーテンバウム・サキュテスト……」
サキが口惜しそうな顔になる。
だれだけじゃなく、この強い雌妖のサキが涙目だ。
まあ、涙を浮かべているのは、強烈な寸止めを繰り返された結果かもしれないが……。
ところで、もうひとつ試してみるか……。
「……リュンネガルト・ゴーテンバウム・サキュテスト、あなたの全力の魔道を遣って、股間の貞操帯の魔道を解いてちょうだい。この棒を膣の奥に挿し込みたいの。あなたも、そうして欲しいでしょう? しくてれたら、絶頂禁止の命令を解いてあげるわよ」
テレーズはくすくすと笑いながら、膣の入口に棒を移動させる。
ブーンと振動音が鳴る先端を、すっかりと燃えあがっているサキの媚肉に押しつける。
しかし、愛液で濡れ光り、媚薬の影響で左右に割れてまでいる膣がまるで岩になったみたいに、棒の先端を防いでしまう。
これは、ロウに支配されているサキたち全員の女がされている刻印である、他者に犯されるのを防ぐ「貞操帯」の魔道とのことだ。
サキに告白させたところによれば、男の性器はもちろん、淫具でさえも、膣穴にも尻穴にも受けつけなくなるくせに、ロウはもちろん、ロウの女同士については問題がないとのことだ、
時折は、ロウの女同士で愛し合うことさえあるとのことであり、真名で縛っているサキが嘘を言うことはないので、間違いないのだろう。
そもそも、わかってきたことだが、魔族はあまり嘘はつかないらしい。
平気で人を欺くのは、人族の血のようだ。
「そ、そんなことは……で、できん……」
媚薬でただれた股間に、激しい振動を受け入ているサキが快感で震える。
しかし、ロウの貞操帯を無力化することはできないみたいだ。
いくら待っても、膣が棒を受け入れるようにはならない。
「あなたをもってしても無理なのね。ロウって男は、大したものね」
テレーズは感嘆して言った。
少なくとも、ロウの術は、サキの魔道力よりも上ということだ。
マーリンも、アーサーも、ロウのことを過小評価しているようだが、この一点だけでも、それが間違いということはわかる。
ロウに手を出すのは危険だ。
テレーズは、改めて、それを確信した。
もっとも、それをマーリンに報告するつもりはない。
命じられていないからだ。
隷属の支配を受けている以上、命じられたことは、一字一句
また、禁止されていても、テレーズの意思にかかわらず、命じられた言葉そのものに逆らっていな限り、それを破れないことはない。
今日についてもそうだ。
テレーズは、マーリンから、テレーズがタリオ公国やタリオの者であるマーリンに支配されていることを誰にも悟られるなと命令されている。
それどころか、発覚すれば、その場で死ぬように、呪術をかけられてさえいる。
だが、テレーズがマーリンの部下だと口にしなければ、マーリンの傍にサキを連れていくことができた。
それらしいことを仄めかしても、呪術が発動することはなかった。
これも大きな発見だ。
「わ、わしの主殿は大したお、男なのだ……。王に相応しいな……」
サキが上気した顔で誇らしげに言った。
本当に面白い……。
こんなことをされているのに、ロウのことを褒められると嬉しいのだ。
その純粋さが羨ましい……。
「いいわ、達しても、我慢した分までいきなさい、リュンネガルト・ゴーテンバウム・サキュテスト……」
テレーズは笑いながら言った。
「いぐううっ、んぐううううっ」
次の瞬間、サキの痙攣が激しくなり、雄叫びのような声があがった。
そして、大きく身体をのけ反らして、さらに悲鳴をあげる。
「ああああああ、あああ」
髪を振り乱し、汗を飛び散らせて、サキは絶頂に昇り詰めた。
両手でスカートを掴んだまま、その場に膝まづいて崩れ落ちる。
姿勢を崩していいという暗示はかけていないので、無理矢理に寸止めにした分まで一気に快感が弾けて、腰が抜けたに違いない。
可愛いものだ。
テレーズは、サキにかけた真名を使った暗示をすべて解いた。
「い、いつか、殺す……」
サキがしゃがみ込んだまま、肩で息をしながら言った。
テレーズは軽く肩を竦めた。
「明日の昼にでも会いましょう。あなたのいる後宮に訪ねていくわ。スクルズの処置について、詳しいところまで詰めないとならないし……。グリムーン公と国王の秘密会談がどうなるのかも知りたいでしょう?」
「知らん──。勝手にせい──」
サキが怒鳴った。
まだ、絶頂の余韻が残っているのか、身体が怠そうだし、顔も赤い。
「あらそう? じゃあ、勝手にするわ。両方とも、こっちで進めておく……。ところで、王宮の後宮まで送ってくれる?」
テレーズの言葉が終わるとともに、テレーズの脚の下に、魔道紋が展開した。
移動術の紋様だろう。
身体が捻られるような感覚があり、次の瞬間、テレーズは後宮の一室に跳躍していた。
*
サキは魔道通信で、眷属であるラポルタに信号を飛ばした。
呼び出すのは久しぶりだ。
しかし、サキの眷属の中でも、ラポルタは飛びぬけて優秀だ。脳筋でこの手の仕事の役には立たない連中が多い中、ラポルタは十分に信頼できる。
だから、自由にやらせている。
「……お呼びでしょうか」
しばらくすると、ラポルタが現われた。
サキの命令によって、人間族の美女に変身している。
醸し出す妖気以外は、どこからどう見ても、人間族の女だ。
そのラポルタがサキの様子に接して、目を丸くした。
「サキ様、どうしたのですか?」
サキはさんざんにテレーズにからかわれた影響で、まだ腰が抜けた感じになっていて立てないでいたのだ。
心の底からの憎悪が、あの女に対して込みあがる。
「わ、わしのことはよい。ところで、手筈はどうだ? テレーズについている手の者については特定したか?」
ラポルタに命じているのはふたつ……。
そのひとつがテレーズ工作だ。
サキはテレーズを殺せない。
殺せと命じることもできない。
すべて、真名の支配で封じられているからだ。
また、そのテレーズは、ロウに危害を加えることに繋がることを命じられている。テレーズもまた、隷属の支配をされているのだ。
誰が、どのようにテレーズを支配しているのか……。
ラポルタに指示したのは、それを明らかにすることだ。
それで、事態も変えられる可能性がある。
だが、今夜のことで、はっきりとわかった。
テレーズは、説明することなく、サキをテレーズの影に潜ませて、テレーズとマーリンの関係を暴露してみせた。
テレーズについているのは、タリオの魔道師マーリン──。
これがわかった。
「十七人……。全員とも、ここの人間族の王宮に入り込んでいる異国の間者ですね。すべてに監視をつけていますが、いまのところ、それ以上は増えません。王宮内にいるのはそれだけかと……」
「十七人か。多いのか少ないのかわからんな。お前の部下を張りつかせていると言ったな?」
「はい」
「わしが命じれば、首を刈れるか? 全員同時にだ。ひとりでも残ると、どんな反撃をされるかわからん」
「すぐにでも……。刈りますか?」
「まだよい……。ところで、人間族の魔道師のマーリンだ。マルリスと名乗っているようだ。この人間族の王都内に隠れておる。探して出して、同じように周りを洗え。ただし、気づかれるな。人族にしては魔道が高い。用心深くもあるらしい。下手な者だと悟られる」
「あたし自ら当たります。お任せください」
ラポルタは言った。
こいつなら、問題ないだろう。
サキは頷いた。
「……失敗するな。絶対にだ──。よいな──」
「わ、わかりました」
ラポルタに緊張が走るのがわかった。
「……それで、もうひとつについてはどうだ?」
サキは訊ねた。
そっちについては、チャルタとピカロの二匹のサキュバスに工作させている。これを王都から仕切っているのも、ラポルタだ。
「順調ですが、まだ時間はかかります。王妃アネルザと王太女イザベラが飛ばした檄が、よい具合に人間族の諸侯を焚きつけております。王妃の父親の辺境候という男は、戦う気満々で武器や人や兵糧を集めさせています。ただ、それなりの大軍になりそうで、どうしても時間がかかるようで……」
「わかった。しかし、わしが指示すれば、すぐに戦に駆り立てよ。こっちの王都の兵も操っておく」
こっちについてサキが考えているのは、この王都情勢を利用して、この国に戦を起こして、共倒れさせることだ。
そして、両方をうまく動かし、最終的にはロウには、乱を収めた英雄となって、王都に帰還してもらう。
かなり手間がかかるが、乱を起こさねば、人間族の王がまったく別の他人にとって変わるなんてことはないし、必要なことだ。
どうせ、いまの王は、ロウに捕縛命令を出したくらいであり、これを倒さねば、ロウの居場所は王国にはない。
だから、戦を無理矢理に引き起こして、ロウを英雄として勝利させ、新しい王にさせるのだ。
ロウは喜んでくれるだろう。
そして、サキを可愛がってくれると思う。
早く褒められたい。
「わかりました」
ラポルタが再び頷いた。
サキはさらに、二、三の指示をして、ラポルタを去らせた。
やっと、腰に力が戻ったので、なんとか立ちあがる。
股間がべっとりと濡れて気持ち悪い。
とにかく、身体を清潔にしたい。
サキは、王宮に戻るための転送術を刻んだ。
そのとき、ふと頭によぎった。
そういえば、王国の二公爵とマーリンの会話をテレーズの影の中から傍受しているとき、南域に武器を集めさせているとか言っていたか?
まるで、サキがサキュバスたちを使って扇動している戦支度のような……。
しかし、辺境候は「西」だ。
「南」ではない。
これがどういうことなのか考えようとしたが、すぐに面倒くさくなった。
まあいい……。
知ったことか……。
サキは転送術に乗って、自分の身体を跳躍させた。
(第21話『王都の悪人たち』終わり、第22話『兇王の疑心』に続く)