【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「こ、こんなところでは、許してください……」
ニーナは恥ずかしさに、息さえも止まるのを感じながら哀願した。
四人掛けの席に腰かけるドルニカ夫人とその友人の四人にすっかりと囲まれるかたちで、ニーナはその中心に立たされていたが、すでに下半身は腰の括れの部分より下を完全に脱がされて素裸だ。上半身の部分だって、あちこちに切り込みを入れられて、いまや服というよりは単なる布切れをまとっているにすぎない。
そんな格好のニーナを乗せた馬車は、ことさらゆっくりと城郭の通りを移動していて、しかも両側の窓はカーテンを全部解放してすっかりと外が丸見えになっている。
すでに薄暗いので、外からでは馬車の中にいる者の顔まではわからないと思うが、座席の中央に立たされている半裸の女がいたぶられているということくらいは確実にわかると思う。
しかも、ニーナの両手は背中側で手錠をかけられているうえに、両脚は大きく開かされて、そのあいだに四人の貴婦人の脚がしっかりと挟まっている。ニーナは脚を閉じたくても閉じることもできないのだ。
そんなニーナを前側のドルニカ夫人ともうひとりの友人が肩を抱くようにしっかりとニーナの身体を固定しながら、ニーナの股間と肉芽をくすぐるように撫ぜあげてくる。
そして、後ろ側からも尻たぶを両側から引っ張られて、お尻の穴を指で弄られ続けている。
四人による六本から八本の手によって、前後から愛撫を受けているニーナの股間は、すでにすっかりと滴るような愛液を漏らしている。
ニーナは息も絶え絶えだ。
前だろうと、後ろだろうと、ちょっと愛撫を受ければ、あっという間に愉悦を感じるようにニーナの身体は調教されているのだ。
だが、窓がすっかりと解放された馬車で声など出すわけにはいかない。
ニーナは懸命に声を噛み殺しながら、か細い声で哀願をし続けた。
「お、お屋敷についたなら……い、いくらでも、ちょ、調教……をお、お、お受けします……。で、でも、こんな外では……」
ニーナは必死に言った。
「ふふ、さすがは、ドルニカの玩具ね。調教のおねだり? もちろん、たっぷりとドルニカの屋敷でも可愛がるわ」
「恥ずかしがる仕草が初々しくていいわね。遠慮なく声をあげていいのよ」
「でも、とっても気持ちよさそうね。感じているんでしょう? 正直にお言いなさい」
「まったくよ、ニーナ。こんなに股で涎を垂れ流しながら、お許しくださいもないものね。いつものような泣き声をお上げなさい」
ドルニカたちが次々にからかいの言葉をかける。
そして、ニーナはついに、ひいっと大きな悲鳴をあげてのけ反ってしまった。ニーナの身体を知り尽くしているドルニカが、膣に二本の指を挿し込んで、一番感じる部分を強く刺激してきたのだ。
慌てて口をつぐむ。
「本当に、この玩具は可愛いわ、ドルニカ──。さすがは、あなたの飼いネコだけはあるわね。本当にいやらしい身体……」
「そうでしょう……。でも、このところ、このわたしから逃げたいとか言っているのよね。それで、今回は“折檻”しようと思って……。それで、あなたたちに来てもらったのよ」
「ええっ、いいの? この歌姫はドルニカが、大事に置いておいた娘じゃなくて? もう六年も執着しているなんて、ドルニカにとっては初めてでしょう? それなのに、ついに“折檻”にかけるの? だから、わたしたちの自由にしていいということ?」
「いいのよ、徹底的に毀してやって。もう、そのつもりだから」
ドルニカが不気味なことを言った。
そのあいだも、四人の手はニーナの剥き出しの股間をまさぐり続ける。
もうニーナはどうしていいかわからずに泣き声をあげた。
さらにニーナは、いつのまにか、ドルニカ夫人の指にどろりとした半液状の潤滑油のようなものがたっぷりとついていることに気がついた。それを前側から、亀裂の周辺と内側や肉芽に塗り込められる。
ニーナは歯を食い縛って、その刺激に耐えた。
しかし、指が離れても、その液体を塗られた部分がどんどんと熱くなる。
おかしい……。
いや……。
これは異常だ。
ニーナはじっとしていられなくなって、自ら腰を激しく振り始めた。
すると、後ろ側の女たちがくすくすと笑った、
「あらあら、ドルニカ、あんた、この媚薬を原液のまま使ったでしょう? そんなことしていいの?」
媚薬──?
原液のまま──?
その言葉で、ニーナはドルニカがニーナの股に塗ったのが、どんな媚薬であるのか思いついた。
しかし、まさか……。
ニーナが想像する媚薬はこれまでの調教で何度も使われたことがあるものだと思う。
この感触は、あの媚薬だろう……。
媚薬だと言われてみると、匂いからも間違いない……。
だが、これまでの「調教」では、十倍に薄めてしか使われていなかったはずだ。
それでもニーナは、それを一度塗られたが最後、ひと晩中淫具による刺激を求めてもがき狂い、それでも足りないほどの官能を燃え立たせられた。
まさかとは思うが、あの媚薬を本当に原液で使われたりしたのだろうか……?
「不満はないわよね、ニーナ──? もしかしたら、これが最後の夜になるかもしれないんだものね。最後くらい、思い切り狂わせてやりたいわ」
ドルニカは笑った。
「うん、興味あるわね──。これまで誰もこの媚薬を原液で使ったらどうなるか試したものはないはずよ。確かに、もしも使ったらどうなるか一度見てみたいものね」
ドルニカの女友人のひとりが賛同した。
「ドルニカ、もう一度訊ねるけど、本当に原液のまま使っていいのね?」
もうひとりの女がさらに訊ねた。
「もちろんよ。さっきも言ったわ──。今夜は、この娘を徹底的に毀すのが目的よ──。無論、文句はないわね、ニーナ──? まさかとは思うけど、お前の想い人はお前を受け入れたりしなかったわよね?」
ドルニカ夫人がくすくすと笑った。
とても意味ありげな口調だ。
「ト、トーイは、絶対にわたしを受け入れてくれます──」
きっぱりと言った。
ニーナはトーイのことを信じている。
そりゃあ、いまはあの“告白”のことが気にかかっているかもしれないが、誠意をもってわかってくれるように努力していれば、トーイはいつかニーナを受け入れてくれる。
ニーナはそれを信じている──。
いや、信じたい──。
もしも、それが的外れだとしても、ニーナは“信じる”という行為を続けることはできる。
もう、絶対にニーナはトーイと離れない。
そう決めた。
ニーナの心は、やはりトーイのところにあった。
それをいまは、はっきりと悟っている。
「まあ、トーイって男友達? 生意気ね──。こっちもちょうだい」
女のひとりが言った。
それを合図にするかのように、ニーナの股間と菊座を中心に一斉にその媚薬が塗り込められだす。
あっという間に、とてつもなく熱いものがニーナの股間から襲いかかってきた。
異常な火照りだ。
「さあ、これでいいわね。屋敷まではもうしばらくあるわ。ちょっと、ニーナの尻振り躍りを見物しましょう」
ドルニカ夫人のその言葉で、女たちの指が一斉に離れた。
「うう……」
ニーナは呻いた。
すでに怖ろしいほどの疼きがさっき媚薬を塗られた場所に襲ってきている。
そして、いままで受けていた愛撫を突然に中止されたことで、信じられないような刺激に対する飢餓感に苛まれた。
いくら歯を食い縛っても、どうしても甘い息とともに声が出てしまう。
ニーナは後ろ手の身体をがちゃがちゃと揺らしながら身悶えた。
じっとしていようとしてもできない。
そのとき、これまで女たちの指が触れていた肛門に冷たい感触が襲いかかった。
しかも、液体がどんどん注ぎ込まれてくる。
「な、なにをするのですか……?」
ニーナは思わず声をあげた。
「もちろん、浣腸よ。なにを慌てているの? 悪戯をやめたから退屈になったでしょう? 退屈凌ぎをあげるわ」
「そ、そんな──。い、嫌です。そんなことしないでください──」
ニーナは暴れて肛門に挿入されている嘴管のようなものを振りほどこうとした。だが、たちまちにほかの女たちに身体を固定されて身動きできなくされる。
「この嫌がりよう……。もしかしたら、この娘は浣腸の経験がないの?」
ニーナを押さえながら、ドルニカ夫人の隣の貴婦人が言った。
冷たい液体の感覚が襲いかかってきた。
それがちゅるちゅると、尻穴を通じて腹の中に注ぎ込まれていく、
さすがに、ニーナは鼻白んだ。
一方で媚薬を塗られた場所が狂うほど熱い……。
そうかと思えば、さらに、いきなり腹がよじれる苦しさもやってきた。
疼きと便意の傷み……。
それが一気に襲いかかる
「ええ、ないわ──。だけど、今夜から解禁よ。もう、特別待遇は終わったの──。この娘は、これまで育ててやった恩を忘れて、わたしのもとから去ろうとしてたのよ──。これは折檻しないとならないと思わない?」
「そ、そんな……。お、恩は、わ、忘れていません……」
ニーナは言った。
そのあいだも浣腸液は注ぎ入れられている。
最初の管はもう空になり、いまは二本目だ。
いったい何本、液体の入った管を準備しているのか……?
すでに切迫した便意が襲いかかっている。
「……それで決めたのよ。例の薬剤を使うわ。屋敷にたっぷりと準備してあるのよ。このニーナはあの薬剤で中毒にさせる。それで二度とわたしからは離れられないわ。なにしろ、あれを使われたら最後、定期的にそれを受けないと、気が狂ってしまうんだもの。あれをどこに使うか、いまそれを考えているのよ。せっかくだから、お尻にしようかしら。このニーナが毎日のように、お尻に薬を塗ってくれと吠えるのを想像するのは愉しいわ」
ドルニカが意味ありげに笑った。
なにを言っているのだろう……。
怖い……。
どうなってしまうのか……?
まさか、本当に恐ろしいことをするとは思わないが、今日のドルニカ夫人はいつもとは違う。
ニーナはそれを肌で感じていた。
「それは愉しみね。そして、仕方ないわね──。じゃあ、お前、我慢しなさい──」
「お、お腹が……」
ニーナは呻いた。
それでも、容赦なく尻から浣腸液をどんどんと流し込まれる。
結局、かなりの液剤を尻に注ぎ込まれてしまった。
下腹部が妊婦のように小さく膨れている。
ニーナはその苦しさに悲鳴をあげずにはいられなかった。
「さあ、着いたわ。降りるのよ」
そのとき、急に馬車が停まった。
扉が開く──。
ニーナは顔をあげた。
驚いた。
てっきり、屋敷そのものの玄関に到着するのかと思っていたのだ。
ところが、ここはドルニカの広い別宅の前庭の入口だった。屋敷までにはしばらくある。
しかも、大勢の奴隷たちが集められていて、こっちを見ていた。
「い、いやあ──。ドルニカ様──。こ、こんなところではおろさないで」
ニーナは悲鳴をあげた。
「来るのよ──」
しかし、無理矢理に馬車をおろされてしまう。
「いやあ──」
ニーナはほとんど裸の状態のまま、大勢の奴隷たちのいる庭に引き摺りだされた。
「さあ、しばらく、散歩するわよ、ニーナ──」
ドルニカが言った。
そして、そのドルニカがなにか合図をするような仕草をした。
すると、奴隷たちの数名が大きな首枷を運んできた。
大きな丸い木製の板だ。
その外周は、ニーナの上半身と同じくらいの幅がある。穴が三個あり、それぞれの穴に首と両手首を入れて丸い板上に固定してしまうようになっている首枷だ。
「な、なにをするんですか──?」
ニーナは声をあげた。
だが、ドルニカは奴隷に命じて、ニーナにそれを嵌めさせようとする。
抵抗することもできない。
後ろ手の拘束を解かれたニーナは、あっという間に巨大な首枷を両手首と首に嵌められてしまった。
「おいで、ニーナ──。厠はこっちよ」
ドルニカが意地の悪い笑い声をあげて歩き始めた。
しかし、ニーナはそれどころではない。
巨大な首枷が首と手首に嵌まり、あまりの重さで立っているのもやっとなのだ。
しかも、浣腸液を注ぎ込まれたために強い便意が襲いかかっている。
さらに、媚薬による荒々しい疼きだ。
とてもじゃないが、動くことなどできない。
「どうしたの? そんなところで垂れ流したいの?」
少し前を歩くドルニカが振り返って、容赦なく言った。
「少し気合いを入れてやりましょうか」
不意に後ろの女のひとりが言った。
ドルニカ夫人以外の三人はまだニーナの後ろにいるのだ。
「ひぎっ──」
尻に焼けるような衝撃が走った。
乗馬鞭で叩かれたのだとわかった。
激痛と衝撃で身体が倒れそうになる。
ニーナは慌てて脚を踏ん張った。
「もう一発よ」
また、鞭──。
今度は脇の下だ。
「あ、歩きます──。歩きますから──」
ニーナは首枷の重みで押しつぶされそうな身体に耐えて、懸命に足を前に進め始めた。
やがて、ニーナは庭隅の背の低い樹木が立ち並ぶ場所に連れていかれた。
乗馬鞭も身体中に十数発も浴びせられた。
歩き始めた場所から大して離れてはいなかったが、ここまでやってくるだけで、ニーナは鞭によるみみず腫と汗でびっしょりになってしまった。
到着した場所には、薄気味の悪い黒い一本の縄が、樹木を使って、奥の方に向かって真っすぐに張ってある。
「出て来なさい」
ドルニカが合図した。
すると、物陰からぞろぞろと五人ほどの男奴隷が現れた。
「きゃあああ」
ニーナは驚愕して悲鳴をあげた。
男奴隷たちは、みんな裸だった。
しかも、股間には勃起した性器がそそり勃っている。
「ふふふ……。彼らは、お前のためにわたしの女友達たちが準備してくれた男奴隷たちよ……。じゃあ、ゲームのルールを説明するわね、ニーナ」
ドルニカが愉しそうに語り始める。
ゲーム──?
なにを言っているのだろう?
ニーナはぞっとした。
「この庭には、たくさんの趣向を凝らした幾つかの障害が準備してあるわ。それを全部通過して厠に行く。それだけよ。ただし、途中で洩らしてはだめ。簡単でしょう? 罰ゲームは彼ら。お前が汚いものを尻から洩らした瞬間に五人の奴隷が汚物まみれになったお前を犯すわ──。どう? 面白そうでしょう?」
ドルニカと女友達たちが笑った。
ニーナは、便意の苦痛と媚薬の疼きに襲われている全身が一斉に総毛立つのがわかった。
「そ、そんな、あ、あんまりです、ドルニカ様──。ほ、本当ではないですよね?」
五人の男奴隷の怒張を前にしてニーナは総毛立った。
そして、恐怖した。
これまでの六年間のドルニカ夫人との愛欲の日々において、ニーナは確かに数限りない辱めと苦痛を受けてきた。
しかし、それはしっかりと閉鎖された密室のことであったし、局部を犯されることはあっても、それはドルニカ夫人やそのほかの女友人たちの操る淫具に限られたことであり、ただの一度も男に犯されたことはない。
そして、夫人による嗜虐の淫獄が終われば、夫人はそれまでの態度は「プレイ」を盛りあげるための演出だったと微笑んでくれ、いつもニーナを屋敷の湯船に入れて、優しく鞭痕のついた身体を擦ってくれた。
そんなドルニカはとても優しかった。
だから、夫人の求める「プレイ」がどんなにきつくても、ニーナはそれを恐れることなく済んだ。
それはあくまでも「演出」だとわかっているからだ。
だが、大量の浣腸液を注がれたうえに、粗相をすればすぐさま男奴隷たちに犯させるなど、「演出」の範囲を大きく逸脱している。
ニーナの控え目な抗議の言葉に、ドルニカ夫人をはじめ三人の女友達は大きな声で笑った。
「本当に決まっているでしょう、ニーナ──。この五人の男奴隷たちは、特別な薬剤で女を犯さないと勃起が収まらないように発情させているのよ。彼らを見なさい。お前を犯したくて狂いそうになっているわ。わたしたちが、ひと言、許可を与える指示を出せば、汚物まみれであろうが構わずにお前を犯しまくるでしょうね」
夫人は酷薄に笑った。
ニーナはその夫人の顔を見て、これは嘘でも冗談でも、「演出」でもないことを悟った。
本当に犯される。
ニーナは媚薬に苛まれて火照りきっている全身に、一瞬だけ冷や水を浴びたような感覚を覚えた。
「それだけじゃないわ。五人揃って犯した女を孕ませやすいように精の質が濃くなる処置もしているわ。だから、頑張って厠まで辿り着くのよ、歌姫さん──。彼らは精を外出しするような芸はないわ。ただ、獣のように犯して、あなたの子宮にたっぷりと精を注込むだけよ。男奴隷の子供なんて孕みたくないでしょう? だったら一生懸命に排便を我慢するのよ」
ひとりが笑った。
「でも、この娘もサビナ草くらい服用しているんじゃなくて?」
ほかのひとりも笑いながら口を挟んだ。
「もちろん、その処置も準備してあるわ。サビナ草の効果が消滅する薬を飲ませるつもりよ。さらに、逆に受胎しやすくなる薬もね──。男奴隷の子を孕んでしまえば、いくらなんでも昔の男のところに戻りたいなんて思わなくなるでしょうしね」
ドルニカ夫人がそう言って、手で合図をした。
周りにいる女奴隷のひとりがさっと近寄ってきて、緑色の液体の入ったグラスを夫人に手渡す。
あらかじめ準備してあったもののようだ。
ニーナは恐怖に包まれた。
サビナ草というのは、巷に流通している絶対の避妊薬であり、まだ結婚をしていないニーナも若い女の嗜みとして定期的に飲んでいる。それを常用していれば、万が一強姦をされても、妊娠することはないのだ。
だが、ドルニカ夫人はそれの効果を帳消しにするだけでなく、逆に妊娠しやすくなる薬物をニーナに与えるのだという。
いやだ──。
絶対にいやだ──。
トーイ……。
助けて……。
ニーナはここにはいない想い人の名を心の中で叫んだ。
だが、女友達のひとりの指示で、さっきの男奴隷たちがニーナの首枷の周りに集まり、ニーナを一度跪かせる。
それだけでニーナはお尻から液剤が迸りそうになった。
だが、なんとか耐えた。
それよりも、男たちの勃起した性器から匂ってくる強い精の香りが、ニーナの肌を粟立たせる。
「いやああ──。そ、それだけはやめてください──。後生です──。そんなのは許して──」
ニーナは絶叫した。
ドルニカ夫人が薬剤の溶かされたグラスを持ってニーナに迫る。
ニーナの首枷は後ろに倒されるようなかたちになっている。ニーナの顔はやや上を向いていた。
「許さないわ。これまで優しくしてやっていたから、わたしへの恩を忘れて、男のところに戻りたいなどと言うんでしょう? だから、もう優しくするのはやめたわ。奴隷の子を孕むといい。そうすれば、男のことは諦めるしかなくなるわね」
「わ、わかりました。もう言いません。歌も続けます。だから──」
しかし、ドルニカ夫人は、もうニーナの哀願など無視して、グラスを口元に寄せる。
ニーナは必死で口をつぐむ。
「口を開けなさい」
ドルニカ夫人が、そのニーナの鼻を摘まんだ。
だんだんと息が苦しくなる。
首を振って鼻を摘まんでいる手を払いたくても、首は枷のために動かせない。
ついに、強引に口を開かされた。
グラスに入ったものの大部分を流し込まれる。
それがすっかりと喉に流し込まれてしまうと、ニーナは泣き声をあげた。
「さあ、じゃあ、さっそく始めましょう。最初の障害は触手ペニス渡りよ。その縄を跨ぎなさい」
夫人が離れた。
ニーナは男奴隷たちによって再び立たされる。
すぐそばには、黒い一本の太い縄が樹木から樹木に渡されている。その長さはちょっとした寝室ふたつ分くらいの幅はあるだろう。張られている高さはニーナの股よりも少し高いくらいだ。それを跨げば縄全体がニーナの股間を抉るのは間違いない。
「お、お願いです。苛めないでください……。か、厠に……」
ニーナは無駄とわかっている許しを乞うた。
すでに便意は切迫している。
強烈な媚薬に疼く身体もつらいが、いまは便意の苦しみが遥かにそれを凌駕していた。
ニーナは下肢の付け根からお尻の中心にかけて、必死になって筋肉を引き締めている。
それは一度緩めたらそれが最後である筋肉の引き締めだ。
これは便意が終わるまで──、つまりは、一体全体なにを準備しているかわからない夫人たちの用意した「障害」というのをすべて通過し、最終的に拘束を外されて厠に行くまで、絶対に緩めてはならない力だ。
ニーナは重い木枠の枷を押されて、黒い縄が張ってある場所まで移動させられた。
男奴隷たちがニーナの片脚を掴んで強引に縄を跨がせる。
「ひいいっ──」
縄が股間に喰い込んだ。
ニーナはそのおぞましさに声をあげた。
男奴隷たちが離れていき、ドルニカ夫人たち四人が縄を跨いでいるニーナを囲む。
「じゃあ、最初の障害は、この触手ペニスの縄を渡ることよ。一番最初だから、クリア条件は簡単にしておいたわよ、ニーナ……」
夫人が縄を掴んで一度大きく揺すった。
「ひうっ──」
ニーナはそれだけで恐慌に見舞われた。
だが、次の瞬間、ニーナは目の前に出現したものに目を見張った。
なんの変哲もなかった縄の上面の部分に、いきなり十本ほどの男性器そのものの物体がにょきにょきと生えたのである。
触手ペニス──。
まさに、そうだった。
魔道──。
ニーナはいま跨いでいるのが魔道が刻まれた淫具であることを悟った。
夫人がさっきから言及している「触手ペニス」──それはニーナの恐怖を煽るように、うねうねとうねり続けている。
「ニーナ──。それを一本一本、股で咥えて触手の先から白濁液を噴出させなさい。白濁液を出させれば、触手ペニスは消滅するわ。全部のペニスを失くせば、縄は下に落ちる。そうすれば、次の障害の場所に案内するわ。ぺニスから白濁液を出させる方法はこうよ──」
夫人が真ん中付近の触手を無造作に掴んで、指で側面の部分を強く擦り始める。
振動が縄に伝わり、ニーナは歯を食い縛った。
夫人が十回ほど擦ったところで、かなりの量の白濁液が先端から飛び出してペニスが消滅した。噴出した白濁液はまったく男の精そのもののように思えた。
「でも、白濁液も、本物の男奴隷から採集した本物の精なのよね──。これを十本も受け入れれば、男奴隷に犯されるまでもなく、しっかりと孕むかもしれないわね。白濁液が出そうになったら、さっとペニスから股を出すといいわよ」
「そんなのは無理でしょう──」
周りの女たちが愉しそうに嘲笑った。
「……ただし、いっては駄目よ──。ペニスを擦っているあいだにちょっとでも達すれば、それを縄が感知して全部のペニスが復活するわよ。そうしたら、今度は後ろに進みながらやり直すことになるからね、ニーナ」
「ああ……」
ニーナは呻いた。
やるしかないのだろう……。
ニーナは最初の触手ペニスを股で咥えるために、縄を擦りながら進みだした。
いつの間にか、ニーナは慟哭してしまっていた。
媚薬で爛れきった身体では、縄を擦り渡るだけですぐにでも昇天しそうだった。
しかし、これから十本近くもある触手ペニスを一本一本跨いで腰を振り、全部から白濁液を出させなければならない。
すでに限界に達している状態のいま、そんなことが可能だとは到底思えなかった。だが、やらなければここで大便をまき散らすだけでなく、男奴隷たちに犯されて妊娠をしてしまう……。
そんなことになれば、もうニーナはトーイに会うことなどできなくなる。
だが、この触手ペニスについても、噴出する白濁液は本物の男の精だという。
もう、ニーナはどうしていいかまったくわからないでいた。
最初の触手ペニスの前にやってきた。
「さあ、始まるわね……」
「頑張ってね、歌姫さん」
ドルニカ夫人をはじめ、女友達たちはニーナの真横にいて、愉しそうに見物している。
「ああっ」
ニーナは声をあげて身体を突っ張らせた。
半ば挿入しかかっていた触手ペニスがいきなり勢いよく動いて、ニーナの膣を深々と貫いたのだ。
しかも、激しくうねっている。
「ひっ、ひいっ、ひいい──」
ニーナは枷を嵌められた首を大きく突っ張らせた。
あっという間にニーナは絶頂してしまっていた。
強烈な媚薬を飲まされてしまったニーナの身体は、自分でも信じられないくらいに敏感な状態になってしまっていたのだ。
ニーナは恐怖に包まれた。
昇天した瞬間に、お尻の筋肉が緩みかけたのだ。
だが、なんとか耐えられた。
ニーナはとりあえず安堵した。
「あら、たったそれだけで達してしまったの? これじゃあ、先が思いやられるわね──。本当に十本のペニスを消滅させられるのかしら」
ドルニカ夫人たちと女友達がニーナの横で爆笑した。
ニーナの視界には、さっきドルニカ夫人が擦って消滅していたペニスが再び復活するのがはっきりと映った。
「とにかく、始めなさい──」
夫人が怒鳴った。
そして、無防備な腹を思い切り乗馬鞭で引っ叩かれた。
「んぎいっ」
ニーナは苦痛の声をあげたが、いまはこの激痛がありがたい。
痛みのおかげで、異常なほどの全身の火照りから少しだけ解放される。それは束の間だけのことだが、それでもニーナにはそれが必要だった。
「も、もっと、鞭をください──。もっと、ぶってください──」
ニーナは訴えた。
「まあ、鞭をおねだりするなんて、はしたない歌姫ねえ」
「さすがはドルニカに躾けられたマゾ娘ね──」
女たちが左右から一発ずつの鞭を浴びせた。
ニーナはそれで身体の疼きを押さえて腰を前後に振り、なんとか触手ペニスを十回ほど膣に入れたまま擦ることに成功した。
子宮に向かって白濁液が勢いよく飛び出すのがわかった。
そして、触手がニーナの胎内からなくなる。
「さあ、次ね」
ドルニカ夫人が笑った。
ニーナは息も絶え絶えになりながら、それを続けた。
永遠とも感じる地獄の時間がすぎる。
激しい便意を耐える苦痛……。
荒れ狂っている身体の疼きを我慢し、いきそうになりながら快感を制御するつらさ……。
お尻の筋肉を締め続けながらも、膣に触手ペニスを自ら挿入させ、暴れまわるペニスを腰を振って擦る……。
それを狂うほど火照りきった局部でやるのだ。
あまりにも残酷な仕打ちの強要だ。
とにかくニーナは、必死でそれらをこなした。
なんとか半分ほどの触手ペニスを失くす。
だが、まだまだ残っている。
「も、もっと打って──。お、お願いです──」
ニーナは懸命に訴えた。
便意も強烈になっているが、媚薬の火照りもまたニーナを追い詰めている。
擦れば擦るほど、当然のようにニーナの身体の疼きは膨れあがる。
快感の制御ができなくなる。
だが、達するのは許されない。
一度絶頂してしまえば、消した触手ペニスがまた復活してしまう。
もう同じことをやるのは無理だ。
そして、快感を耐えようとするには止まるしかない。
しかし、じっとしていてても、怖ろしいほどの便意がニーナを苦しめ続ける。
そうかといって、前に進んで触手を咥えるのも地獄だ。
ペニスは一度入ると、すぐに嫌がらせのようにニーナの中で蠕動運動を仕掛けてくる。昇り詰めそうになり、腰の動きを止めても、それだけでいってしまう。
それを耐えて昇天しないようにし、なおかつペニスを膣の内側で十回以上も擦りあげるなど、もう至難のことになっていた。
「お、お願いです。む、鞭で打ってください。もっと痛めつけて──」
ニーナは繰り返した。
「ほほほ……。鞭で快感を誤魔化そうしているのね──。もう終わりよ、ニーナ──。あとは自力で耐えなさい──。それとも、ここで諦めて排便する? 大便をひり出しながら男奴隷に犯されるという貴重な体験ができるわよ」
「もちろん、一度だけで終わらないわよ。お前が確実に孕んだとわかるまで、毎日、男奴隷に犯させるわ。どうやら、ドルニカはお前を妊娠させたいようだからね」
夫人たちが笑う。
ニーナは泣き声をあげた。
とにかく、次……。
ニーナは進んだ。
触手ペニスのある場所まで到達すると、それが鎌首をもたげてニーナの股間に侵入し、うねうねとうねる。
ニーナは快感で眼の前に火花が飛ぶのさえ感じながら、必死に官能を抑えて腰を振って触手ペニスを擦っていった。
しかし、これ以上の気力は出ない。
快感を耐えるのも……。
便意に耐えるのも……。
限界──。
ニーナは股間の中で荒々しく暴れる触手ペニスに呻きながらそう思った。
トーイ──。
ニーナは泣きながら腰を振り、心の中で必死にその名を叫んだ。