【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
397 国王名義の招待状
「園遊会? しかも、今日の夕刻ですか?」
アドリーヌは戸惑った。
まだ早朝といえる時間だが、執事が運んで来たのは、王家からの園遊会の招待状とのことだった。
丸められた羊皮紙であり、中心を幅広の布で閉じ、閉じた部分にハロンドール王家の紋章の蝋封が施してある。
紛れもなく王家からのものだ。
しかも、この紋章は国王しか許されないものであり、王自らの文書ということになる。
安価な羊毛紙ではなく、羊皮紙を使用していることからしても、これが王家からの正式の文書であることは明白だ。
しかしながら、父親のモンベール伯も母も、たまたま領地に戻っており、王都側の屋敷にいるのは、留守番役の十六歳のひとり人娘のアドリーヌだけだ。だから、執事もここに運んで来たのだろう。もっとも、領地といっても、本来は国王直轄領を代官として預かっているのであり、本来の意味の領主とは異なる。ただ、世襲であり、本当の領地持ちとも変わらない。この王都にいるのは、大部分がそんな代官領主の家だ。
「でも、こんな時期に王宮で園遊会をですか? しかも、今日の今日で夕刻というのは……。それで、使者のお方は、もうおられないのね?」
アドリーヌは執事に訊ねた。
運ばれてきた文書は、まだ封を切っていない状態なので、執事がその中身を承知しているのは、王家の使者が口頭で内容を伝えていたからだ。
また、王家の使者であれば、本来であれば、正式の文書を執事を通して渡すなどということはせずに、当主に直接に、あるいは、当主が不在のときには当主名代に手渡すものだ。今回の場合は、アドリーヌということになる。
そもそも、使者がこんな早朝に突然にやって来るなど異常であり、常識であれば、まずは王家の使者が来るということを報せる前触れがあり、そして、こちらで使者を迎える支度を整えたところで、正式の使者がやって来るという手順だ。
それが、いきなりやってきて、羊皮紙だけを置いて立ち去るなど、非常識もいいところだ。
ただ、文書だけは本物だ。
ちゃんと王家の蝋封が施されている。
「はい、使者の様子では、あちこちの貴族家に配らないとならないらしく、その文書だけを置いて、あとは口頭で伝言だけをして、立ち去られました。非常に急いでおられる様子でした」
執事も困ったように言った。
その様子から考えると、おそらく、彼も引き留めようとはしたのだろう。
「どんな伝言がありましたか?」
アドリーヌは文書を持ったまま訊ねた。
王家の使者からもたらされた文書なので、開封はしないとならないとは思うが、開封をしてしまえば、中身を見たという証拠になる。
この内容がどうあれ、逆らうことはできないだろう。
しかし、開かなれば、まだ、手違いでアドリーヌの手に渡らなかったという言い訳もできる。
その言い訳の余地を残したのは、時間を惜しんで直接に、アドリーヌに文書を手渡さなかった使者側の落ち度でもある。
とにかく、両親がいない以上は、アドリーヌが重要な判断をしなければならない。
なんとなくだが、これは大事な判断だぞ、という思いがある……。
いずれにしても、昨日のことは知っている。
まずは、昼過ぎに晒された二公爵の屍体──。
詳細はまだ情報が伝わりきってはいないものの、どうやら、同じく昨日の午前中に、二公爵の屋敷に突然に王兵が雪崩れ込み、公爵家の家族を連行して立ち去ったらしい。
こっちは家人には手はつけられていないが、家人たちには、即座に屋敷から退去するように、その場で通告があったそうだ。
一方で、連れされた公爵家の家族の行方はわからないものの、二公爵については、生きたまま素裸にされ、棒打ちのすえ、死ぬまでの晒し刑として、すぐに王都広場に磔刑にされたという。
アドリーヌは、その残酷さに、話を聞いただけで鼻白んでしまった。
どうして、いきなりそんなことになったかはわからないが、二公爵家についても、少し前に行われた商業ギルド員の一斉摘発についても、この最近の王命による処分は非常に過激だ。
商業ギルド員の処断は、突然に行われ王都のギルド系の大商人が一度に摘発されて、謀反の疑いという嫌疑で処刑と財産没収がなされたのだ。
これにより、王都に食糧などが入りにくくなり、王都は物価高で貴族平民を問わす、大変に困窮を極めているみたいだ。
そのため、治安も一気に悪くなった。
そして、極めつけは二公爵の晒し刑に次いで実施された第三神殿長のスクルズの晒し刑だ。
もっとも、こっちは二公爵とは異なり、晒されたのは屍体だ。
すでに死んでいる屍体を全裸にして、王都広場に建てた柱に縛りつけて辱めたのだという。
だが、商人たちや二公爵では起きなかった、晒し刑に対する抗議の大暴動が発生し、警護兵に襲いかかったのだという。
その騒動で王軍兵にも、群衆にも犠牲者が出ている。
晒されていて、まだ生きていた二公爵も、巻き込まれて群衆に踏みつぶされて死んだそうだ。まあ、生きたまま死ぬまで晒されるより、残酷ではないとは思ったが……。
ただ、スクルズの屍体については行方不明だ。
大きな光に包まれて、昇天するのをはっきりと見たという話もあり、どういうことなのかわからない。
しかし、これも噂なのだが、スクルズが処刑されたのは、ルードルフ王に重税施策に対する諫言をしたからだと言われているし、あるいは、ルードルフ王がスクルズを呼び出して、毒杯を仰ぐか、身体を許すかを迫り、追い詰められたスクルズが毒杯を呷ったのだという話もあった。
いずれにせよ、王都が大変なことになっている。
アドリーヌは領地にいる両親に、どうしたらいいのかと対応を訊ねようと、長距離の魔道通信ができる魔道遣いを探させようとしていた矢先だった。
魔道遣いなら、このモンベール伯にも数名いるが、とてもじゃないが、領地に魔道通信を飛ばせるような魔道遣いはいない。
第二神殿の筆頭巫女のベルズだったら、簡単にできるだろうから、伝手を使って頼めないかと、昨夜のうちに神殿に連絡をしてみたのだが、ベルズもまた行方不明になっているというのが、第二神殿からの返事だった。
本当にどうなっているのか……。
とにかく、それが昨日のことであり、今度は早朝から慌ただしく、配達された国王主催の園遊会の招待状だ。
ただの園遊会ではないだろうということは、アドリーヌではなくても、子供でもわかる。
「使者殿は、今回は女子だけの園遊会であり、男性のエスコートはご遠慮してもらいたいということでした。御者さえも男は許されないということでございます。また、侍女については同行は許可されるが、園遊会の会場そのものには入れないそうです」
「そうですか……」
奇妙な指示だ。
アドリーヌはしばらく熟考したが、とにかく王家からの文書を開くことにした。
文書を読む。
中身はやはり、国王主催の園遊会の案内状だった。連名で女官長のテレーズの名もある。
女官長となったばかりの地方伯爵の女領主だが、ルードルフ王に気に入られて、たった数箇月で大変な権勢を振るうようになった女性貴族だ。
園遊会の時間は本日の夕刻――。
急のことであるので、軽装で構わないとある。男子禁制の園遊会であることも記入されている。
ただ、最後に付け加えられているのは、欠席は許さないということだ。
出席しないことは、二公爵同様に謀反の念ありと見なすと、強い言葉で記されていた。
アドリーヌは溜息をついた。
これは出席しないわけにはいかない。
二公爵でさえも、あんなことになったのだ。
猜疑心の塊のようになっている今の国王だったら、園遊会ごときであっても、それに参加しないことで、はっきりと謀反の疑いを向けることは考えられる。
あるいは、そうやって、忠誠を確認することが、園遊会の目的なのだろうか?
「昼過ぎに出発します。今日の予定はすべて取りやめです。侍女長に連絡をしてください。すぐに準備をしなければ……」
「しかし、お嬢様、ちょっと不穏なものを感じます。病気ということにしては……? 幸いにも使者は、お嬢様に直接には会っておりません。実は、使者殿には、お嬢様については、昨夜から体調が悪いということを仄めかしておきました」
執事もまた、突然の王からの呼び出しについて、昨日の今日だけに、奇妙だぞという予感はあるのだろう。
だが、病気ということで欠席し、王家に目をつけられてしまっては、モンベール家のような一介の伯爵家など、すぐに潰されてしまう。
あの二公爵家でさえ、当主が処刑されて死体が晒されるという憂き目にあったのだ。
少なくとも、両親がいない以上、モンベール家の浮沈に関わるような重大な決心はできない。
「顔だけ出して、王陛下とテレーズ様に挨拶だけをしたら、すぐに戻ることにします。飲み食いもしません。これだけの強いご指示です。無視するわけにはいきませんから」
アドリーヌははっきりと言った。
「かしこまりました」
今度は執事も反論はしなかった。
承知したということを深々と頭をさげることで意思表示をするとともに、そのまま足早に部屋を出ていった。
*
馬車が王宮に到着すると、強引に侍女とも離され、アドリーヌだけが、まるで連行されるように、王兵によって控室に案内された。
そこには、六人ほどの貴族の令嬢たちがいた。
ボードワール侯爵家のランジーナ夫人、サンドベール伯爵夫人のテルミナとサンドベール家の長女と次女のエミールとカミール、あとは名前はわからないが、十代前半のまだ大人になりきっていない令嬢がふたりだ。顔が似ているから姉妹だろう。
なんだろう、この組み合わせは?
普通の場合であれば、控室はひとつの家に一室が基準だ。
伯爵家であるモンベール家ならそのくらいが当然の対応であり、ましてやボードワール侯爵ほどの家であれば、ほかの家と一緒の控室などあり得ない。
また、名前のわからない少女たちは、衣装から判断して、そんなに格式の高い家柄ではないように思う。
とにかく、慌てて侯爵夫人のところに向かい挨拶をする。
侯爵夫人は、サンドベール夫人と椅子を寄せ合って深刻そうに会話をしていた。
「ごきげんよう」
侯爵夫人も不安そうな表情で言葉少なく挨拶をしてくれた。
全員がそうだが、とても不安そうな表情だ。
続いて、サンドベール伯夫人──。
「ごきげんよう、アドリーヌ、メイヤはモンベール伯と一緒に領地だったわね。不安よねえ……。連絡はできた?」
サンドベール家とは家同士で仲もよく、夫人とも知古だ。だから、アドリーヌも夫人とは気軽に話す間柄である。
また、メイヤというのは、アドリーヌの母親の名だ。
「いえ、結局、魔道遣いがいなくて……」
園遊会への出席準備をする一方で、ぎりぎりまで領地と連絡をとる努力をしていた。
しかし、やはり、モンベール伯の領地と王都とは距離があるので、そこまでの魔道通信の遣い手となると、半日足らずで探すのは無理だった。
冒険者ギルドへも、執事が連絡をしてみたのだが、どうやら、冒険者ギルドを仕切っていたミランダというドワフ族の女が行方不明であるらしく、また主要スタッフもいなくなっていて、ほとんど機能していない状態らしい。
「なら、辺境侯のことは耳にしていないわね……」
サンドベール夫人がアドリーヌの耳元に口を寄せた。
「辺境侯……ですか……?」
辺境侯というのは、ハロンドールにはひとりしかいない。
ハロンドール王国の北側のエルニア魔道王国やタリオ公国と国境を接する広大な土地を領土に持つ、アネルザ王妃の実家であるマルエダ辺境侯である。
しかし、王妃のアネルザが国王命令で監獄塔に収監されたりしており、それ以来、マルエダ家はずっと沈黙していた。もともと、国境警備のために辺境侯自体は領土からあまり離れないのだが、王妃捕縛のあと、いつの間にか王都屋敷からも、ほとんど家人がいなくなっているという話すらある。
その辺境侯がどうしたのだろう?
「……国王打倒の決起の檄をあちこちに呼び掛けているというわ。いま、ボードワール夫人と話を聞いたの……。魔道通信でどんどんと叛旗を呼び掛けていると……。あのスクルズ殿をむごたらしく殺した話は、すでに全土に飛び交っているそうよ。その顛末も……。それで、ずっと沈黙していた辺境侯がね……」
「えええっ?」
大きな声をあげてしまい、慌てて口を閉じる。
内容が内容だ。
こんなところで、口にしていい話題じゃない。
「
ボードワール侯爵夫人が口を挟んで、溜息をついた。
戦争──?
まさか……。
本当に……?
「……あ、あのう……。ご挨拶だけさせてください、お姉様……。あっ、いえ、は、伯爵家のお嬢様」
すると、部屋の隅で所在無げにおとなしく座っていた姉妹がアドリーヌのところに寄ってきて、頭をさげた。
「リンツ男爵家のご令嬢だそうよ。彼女たちも、王家の使者に呼び出されたんだって……」
すでに、挨拶を終わっていたらしいサンドベール夫人がふたりのことを紹介してくれた。
リンツ男爵家……。
領土持ちの家だが大きな男爵家ではない。
アドリーヌも夜会などでリンツ家の者と接したこともないはずだ。
もちろん、この子たちとも初対面だ。
おそらく、ここでの会話に聞き耳を立てていて、アドリーヌが伯爵家の娘だということを知ったのだと思う。
「初めまして、モンベール伯家の長女で、アドリーヌと申します。お姉様で結構よ」
アドリーヌはにっこりと微笑んだ。
このふたりがもの凄く緊張しているのがわかったからだ。
すると、ちょっとだけ、ふたりともほっとしたような表情に変わった。
「リ、リンツ家のコ、コニーです」
「サリアです」
ふたりちょっと顔を赤らめるとともに、急いで覚えたのだとすぐにわかる仕草で挨拶をした。
こういう社交に、この子たちが全く不慣れなのは明らかだ。
アドリーヌもなんだか、初々しいふたりを微笑ましく思ってしまった。
話を聞くと、アドリーヌと同じように、両親が
年齢は、十二歳と十歳だそうだ。
ふたりは不安そうどころか、泣きそうな顔になっている。
やはり、彼女たちは王宮にやって来たことさえ初めてだという。
王宮の正門までは男執事と一緒に来たのだが男は駄目だと追い返され、御者も王兵と交代させられて、ふたりだけがここまで連れて来られたようだ。
アドリーヌのときもそうだった。
門のところで待ち構えていた王兵に、いきなり馬車を開けられて内部を点検され、侍女だけだとわかると通過を許された。御者は指示があったので、侍女のうち御者ができる者にあらかじめやらせていた。
だが、その侍女たちとも、すでに離された。
彼女たちがどこに連れていかれたのかは不明だ。
「アドリーヌ、ねえ、この集まり不自然よね……」
一連の挨拶が終わるとすぐに、サンドベール家の長女のエミールが声をかけてきた。
ふたつ下の妹のカミールもついてきている。
エミールとは同じ歳で幼馴染であり、気心の知れた関係だ。
何度もお互いに泊まり合ったことさえあるので、エミールだけでなく、カミールとも仲がいい。
それはともかく、エミールの言いたいことはわかる。
侯爵夫人とふたつの伯爵家、しかも、サンドベール伯爵夫人とただの令嬢のアドリーヌでは、同じく伯爵家でも貴族としての格付けが違う。
挙句の果てに、今日初めて王宮に来たのだという男爵家の姉妹と同室だ。
どういう基準で控室を割り当てられたのだろう。
しかも、侍女は追い返されている。
「……どうやら、単純に王宮に到着した順番で機械的に控室を割り当てて押し込んでいるみたいよ。わたしも、さっき気がついたんだけど、あの男爵家の子たち、わたしたち、そして、アドリーヌとは、ほとんど到着した時間が同じみたい。多分、侯爵夫人も……」
順番……?
だが、それでこの奇妙な組み合わせの控室に納得がいった。
おそらく、それが正解だろう。
しかし、そうだとすれば、この園遊会は全く貴族の格式とか、慣習とかいうものを無視した集まりということになる。
「ちょっと、王宮の雰囲気が不自然みたいよ……。やっぱり、来ない方がよかったんじゃないかなあって、お母様と話してたの。なんか、嫌な感じなのよね」
「嫌な感じ?」
アドリーヌは首を傾げた。
それに、あの王家からの園遊会の招待の文書からすれば、参加についての選択肢などない。不参加は、即、謀反と判断するという通告だ。
「……昨夜から王都を脱走する家が続出しているわ……。ここに来る直前に耳にしたんだけど、コジリー家、ハンブル家、ジントニー家。わたしが知っているだけでも、昨夜から今日にかけて、一斉に王都を抜けたわ……。実をいうと、園遊会が終わったら、サンドベール家も夜闇に紛れて領地に戻ることになってるの……。悪いことは言わないから、あなたも王都を逃げた方がいいかもね……」
アドリーヌは心から驚いた。
両親が不在のせいもあり、そういう機微な情報には、この数日疎かった。
だが、サンドベール夫人たちが口にした、反国王の決起の情報──。
そして、王都から主要な貴族がどんどんと逃亡をしているという情報……。
この両方を繋ぐことで導きだせる結論は多くない……。
しかも、いま脱走をしたとアドリーヌが名を出した貴族名は、王都所在の貴族の中でも親王派で知られる家だ。
そういう家まで王都から逃げた……?
いずれにしても、情報に機微に敏感になり、常に先手先手で動く──。
生き残るための貴族の常識だ。
そんな貴族たちが、続々と王都を脱走しようとしている。
つまりは、彼らはいまの王都に危険なものをはっきりと感じているということだ。
王都でなにが起きているのだ……。
そのときだ。
いきなり、控室の扉が外側から、声をかけられることなく、突然に開かれた。
「時間だ──。全員、廊下に集合せよ。その前に、こっちが指示するチョーカーを首にしてから出ていけ。まずは、お前、前に出よ」
入ってきたのは数名の男の王兵を従えた身なりのいい女だった。
怖ろしいほどに美しく、さらに威厳のようなものを強く感じさせる人間族の女だ。
それにしても、あまりもの乱暴な物言いだ。
全員がその場で硬直したようになった。
「あ、あなたはサキ様。これはどういうことなのですか? このような扱いは、王家といえども許されるものではありませんよ。しかも、チョーカーをせよというのはどういうことです──?」
立ちあがって怒鳴ったのは、ボードワール侯爵夫人だ。
また、彼女の言葉で、目の前の女性が誰なのかをアドリーヌは知った。
サキといえば、テレーズの前に、ルードルフ王の寵姫として有名だった女性ではなかっただろうか?
確か、遥かな遠国の王家に繋がる家系の姫だという触れ込みだったと思う。
「チョーカーで不満なら、言い換えてやろう。“性奴隷の首輪”だ。全員、わしが渡させた色の首輪をつけよ。お前らの性奴隷階級を示すものだ。文句があるなら、ルードルフとテレーズに言うがいい」
サキが高笑いした。
「性奴隷の首輪ですって?」
ボードワール侯爵夫人が唖然とした口調で声をあげた。
アドリーヌも驚いてしまった。