【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「んああっ」
「ううっ、はああ」
「あ、あああ」
二十人ほどの若い人間族の令嬢たちが嬌声と悲鳴をあげながら、いわゆる「しゃがみ歩き」というものをしている。
つまり、右の足首と手首、左の足首と手首をそれぞれに枷で密着させ、膝を曲げてしゃがんだ姿勢にして、その状態で大きな広間の往復を続けてさせているのだ。
もう半ノスになるので、全員が汗びっしょりである。
また、全身をすっかりと上気させている。
なかなかの仕上がり具体だ。
最初の調教の効果としては、サキは満足している。
人間族の令嬢たちの格好は腰の下着だけの半裸であり、乳房は剥き出しだ。
やらせているのは、ああやって下着一枚の人間族の令嬢たちを広間の端から端まで歩かせ、壁に到達したらすぐに反転して、反対側の壁までしゃがみ歩きをするという運動だ。
また、少女たちの喘ぎ声の原因は、苦しい運動を強要させられているだけではない。
あいつらの股間には、内側に大小の丸い突起がある特別な貞操帯を嵌めさせていて、それが魔道で動き回って女の股間に淫らな刺激を与え続ける仕掛けになっているのだ。
そんな貞操帯を嵌めさせられながら、腰を激しく動かすような不自由な運動をさせられるのだから、令嬢たちも否応なしに、恥ずかしい声を出さなければならないということだ。
体力のない人間族の若い女たちには、かなりの苛酷な運動かもしれないが、この連中は、人間族の中でもかなり地位が高く、他人に奉仕されるのが当然のような者たちだ。
その女たちに、性奴隷の矜持を叩き込むには、多少の無理は仕方がない。
サキは、広間を見渡せるように置かせた設置しているテーブルにつき、ゆったりと椅子に腰掛けながら、それを眺めていた。
テーブルの上にあるのは、火酒と生肉だ。
生肉は、
その生肉を「ソイの汁」という黒い調味料に浸して食べている。
テレーズがいなくなったところで、すべてをサキの仮想空間に収容して保管をすることにした。
ちょうどいいので、ほかの高級食材とともに、サキの仮想空間に放り込んだのだ。
テレーズが集めさせた高級食材は、それだけでこの国の国庫が傾くほどの値段と量なのだが、サキの仮想空間内であれば、時間経過をとめられるので、腐ることもなく永遠に新鮮なままで保てる。
全部をロウの帰還祝いに使うつもりだ。
いま、サキが口にしているものは、そのお裾分けということだ。
そういえば、そのテレーズはどうなったか……?
今朝早いうちに、ふたりの人間族の少女を連れて王都を出立したが、どこに向かうのかは口にしなかった。
まあ、どうでもいいが……。
それはともかく、金にあかせて集めた食材といえば、「ソイの汁」も同じだ。
以前、マアが遠国から取り寄せて、ロウが非常に喜んだということを耳にしたので、テレーズに言って、やはり国庫から大金を出させて、まとまった量を輸入させた。
いずれも、ロウが王都に帰ったら、是非食べてもらいたいと思っている。
きっとロウはサキを褒めてくれるだろう。
そして、ロウへの贈り物は、目の前で悲鳴をあげながら嬌声をあげて動き続ける令嬢たちこそ、サキの最大の贈り物だ。
人間族の中では最高級の地位にある高級貴族の若い美少女たちであり、こいつらをロウが戻るまでに徹底的に調教をして、ロウの性器に接するだけで股間から涎を垂らすくらいの淫乱に仕上げるというわけだ。
好色なロウのことだから、喜んでくれることは間違いない。
とにかく、ここにいる二十数名の若い人間族の女は、園遊会の名目で集めた上級貴族の女たちの中から、サキが自ら選んだ見目のよくて若い個体の者たちばかりであり、選りすぐった性奴隷候補生だ。
さらに、下級貴族や女騎士などからも追加を考えているので、最終的には三十人ほどになると思うが、それだけの性奴隷を準備したとなれば、絶対にロウはサキを褒めてくれる。
いまから再会が楽しみで仕方がない。
サキは盃の火酒を飲み干すと、いまは給女役をしているラポルタに空になった盃を差し出した。
ラポルタは、サキの眷属の中では、もっとも気が利いて頭がいい雌妖であり、今回はタリオの犬どもの駆逐に役に立ってくれた。
その結果、テレーズも、テレーズを見張っていたタリオの間者たちも一掃され、人間族の王宮の支配をサキが譲り受けることになったが、そのテレーズに代わる役割をラポルタにさせるつもりだ。
だからいまは、いなくなったテレーズそっくりの姿形に外見を変えている。
人間族は、このラポルタをテレーズと思い込むはずだ。
「はい、サキ様」
ラポルタが酒瓶をとって、盃に注ぎ足す。
サキはラポルタに向かって、少し身体を傾けた。
「動けない者たちが出てきたな。だが、まだ動ける。限界まで身体を動かしたことがないだけだ。尻穴にでもなんでも電撃を打って、強引に歩かせよ。だが、本当に動けなくなるまで折檻したら、今度はわしが調教役の眷属どもを張り倒す。そう伝えろ」
「かしこまりました」
ラポルタが会釈をして、なにか口の中で呟いてから手を軽く振った。
サキの言葉を魔道で、調教師役をしている眷属たちに伝えたのだろう。
途端に、眷属たちの顔が真剣な表情に変化したのがわかった。
「それと一番不甲斐のない令嬢は、見せしめとして罰を与えよ。一罰百戒じゃ。それで、全員が明日からの調教に身が入るだろう」
サキは注がれたばかりの火酒で喉を潤すと、指を軽く動かして、テーブルの
ラポルタが抱えていた火酒の瓶を横の台に置き、箸で切り身を摘まんで、ソイの汁を軽くつけ、そのままサキの口に運んできた。
箸というのは、ロウが好む食事用の道具のようだが、二本の細い棒で物を摘まんで食べるという王宮で見かけることのないものだ。
だが、魔法王国エルニアなどでは一般的な道具ということであり、この国の北側の地方では使うようだ。そして、なぜかロウもそれを好む。
サキはうまく使えないのだが、器用なラポルタは、二本の短い棒である「箸」をうまく使いこなしている。
切り身が口に入る。
やはり、うまい。
火酒にも合うし、これは病みつきになりそうだ。
「ならば、あの金色に決まりですね。一定時間内に往復するどころか、片道も進めてません。ほかの令嬢と比べて、群を抜いて体力がない」
ラポルタがかすかに頬に酷薄な笑みを浮かべたのがわかった。
口調は丁寧だが、ラポルタの一族はかつての冥王戦争後の妖魔追放時代に、人間族に惨い目に合っていて、ラポルタはその末裔だ。
いや、ラポルタに限らす、サキが連れている眷属の妖魔たちは、人間族嫌いが骨身に染み込まされている者たちばかりだ。
サキがいるから大人しくしているが、放っておけば、次々に人間族を殺しまわるに違いない。
だから、本気で手を出せば殺すと、全員に徹底している。
それはともかく、ラポルタが示した不甲斐ない個体というのは、園遊会に先だってサキが引き取った公爵家の娘だろう。髪は金髪だ。
いまも、疲労で床に突っ伏したまま動かなくなっている。
ついている眷属が罵声を浴びせて、鞭を背中に叩きつけた。
まあ、あれは仕方がないだろう。
「公爵家から連れてきた娘だな……。名はエリザベスだったか?」
サキは思い出していった。
妙に生意気だった娘だ。平手を数発顔に叩き込んだら、それで大人しくなったのを記憶している。
「一号ですよ、サキ様。ここに集めた者に名前などありません。名乗りを許すのは、候補生が取れて、一人前の性奴隷と認めてからです」
「そうだったな」
サキは苦笑した。
性奴隷候補生の印である赤いチューカーをさせている者たちの右の乳房と太腿には、魔道によって、全員に一連番号の数字を刻み付けている。
調教するにあたって、名前など面倒なので、それで躾けるように申し渡していた。
ほかの令嬢よりも一日早く集めたエリザベスには、最初に刻印を刻んだので、エリザベスの右の乳房と太腿に“1”の数字が大きく刻印されている。
いずにしても、目の前でやっているのは拷問ではない。
必要な躾だ──
つまりは、肉体の体力だけでなく、貴族令嬢としての矜持も誇りも完全に削ぎ落とさせるための「加工」だ。
従順な「性奴隷」になるための調教の第一歩というわけである。
それを監督させているのは、十人ほどの魔族の女たちだが、全員が人間族の女兵の恰好に化けさせている。
これが床を這うように動いている令嬢たちを鞭で追い立てている。
まだ半ノスがすぎたばかりだが、どれも体力のない連中ばかりであり、電撃の恐怖だけでは、動きが悪くなってきている。
だから、鞭や怒声で追い立てることも必要な状況になってきているみたいだ。
「ぐずぐずするんじゃない──」
「ひゃうう」
「さっさと進め、奴隷ども──」
「きゃあああ」
あちこちで調教師役の眷属の放つ甲高い罵声が飛んでいる。眷属たちに持たせているのは革鞭だ。
もっとも、実際に当てるのは、二十回に一回くらいだと申し渡している。しかも、かなりの手加減を厳命している。
ここはサキの仮想空間内なのだから、いくら令嬢どもの柔肌を切り裂いたところで、現実世界に戻るときには、なにもなかったように戻せるのだが、眷属たちが本気で鞭を震えば、それだけで人間族の若い女は動けなくなってしまうだろう。
肉体的に動けなくなっては調教にならない。
洗脳をして、ロウとの性愛のことしか考えられない従順な「雌」を作るのが目的であり、そのためには、体力も心もぎりぎりのところで留め残しておく必要があるのだ。
とにかく、いまやらせていることに、大きな意味はない。
ただ、自分たちは、調教される「奴隷」だということを心と身体に染み込ませるための苦役ということだ。
両側の壁には、人数分のベルが吊ってあり、一定時間内に口でベルを鳴らせなければ、首に巻かせているチューカーを通して、死ぬことはないが、死ぬかと思うほどの電撃が流れることになっている。
最初は真剣さが足りなかったように思えたしゃがみ歩きだが、一度味わったところで、それぞれの令嬢たちが必死の形相で床を這うように歩き出した。
まあ当然だろう。
チョーカーから流れる電撃は、身体能力の高い魔族でさえも、一発で恐怖を染み込まされる苦痛を伴うように細工をされたものだ。
たかが人間族の少女ごときに耐えられるわけがない。
ましてや、この連中は「令嬢」と呼ばれている普段は、侍女や侍従にかしずかれているような上級貴族の者たがちだ。
こんな仕打ちなど受けたことなどないのだから、もう数ノスもやらせれば、高貴な血筋の誇りなどというものなど、すっかりと消滅しきるに違いない。
「いずれにしても、この最初の躾が終われば、後宮の地下で性奴隷の修行をさせながら、日常をすごさせることになる。だが、そのときには、わしもお前も、こいつらにかかりきりというわけにもいかん。誰か監督官の候補者はいるか?」
監督官は、後宮に集めさせた令嬢たちや、その調教師役の眷属のすべてを束ねる役目ということになる。
サキは適当な眷属を思いつかなかったので、ラポルタに推薦させることにした。
「グーラはどうでしょう? なかなかの好き者です。普段も彼女自ら十匹ほどの雌奴隷を飼育してます。性調教の技術には長けています。それに、人間嫌いなので手加減をすることもないでしょうし、一方で、人間を傷つけるなと命令に逆らうほどの気概もありません。強い者に媚び、弱い者をいたぶる性質ですし、人間族の監督には適当かと……」
「それが適当か?」
サキは言った。
あまりいい人選とも思えなかったが、人間族に甘い妖魔を探す方が難しい。
しかし、性調教の技能に長けているというのはいいようだ。
まあ、うまくいかなければ、監督官を変えれば済むことか……。
「まあいい、じゃあ、そのグーラを呼べ」
ラポルタに言った。
すると、ラポルタが魔道を発し、すぐに身体の大きな雌妖がやって来て、サキの前で直立不動の姿勢で立った。
人間族の女に変身し、女兵の服装をしているが、横にも縦にも大きい。
大きな乳房がなければ、巨漢の人間族の男兵にしか見えない。
「サキ様、お呼びでしょうか?」
グーラが緊張した口調で言った。
サキは手を振った。
途端に、グーラの服装が女兵から、近衛兵の将校の服装に変化する。
「いまからお前は近衛兵の女将校だ。令嬢たちの躾を任せる。調教師役の眷属たちもそのままお前の部下につける。こいつらを一流の性奴隷にし立てろ」
「は、はい、サキ様から直接に命を受けるというのは、身に余る光栄──。この一身に変えまして……」
「御託はいい。それよりも、わかっておるな?」
サキはグーラの返事を遮って言った。
睨みつけられたことで、グーラの顔が蒼くなる。
「あっ、は、はい……。いえ、わかっているとは……?」
「集めた性奴隷のことだ。調教をさせるが、実際の立場はお前らよりも遥かに上だ。わしの
「は、はい──」
グーラが身体を固くする。
「お前らなど取り換えのきく道具のようなものだ。それに比べれば、あの連中は主殿に仕えることになる大切な贈り物になるのだ。痛めつけるのはいいが、あくまでも躾のためだけだ。動けなくして、調教に参加できないということがないようにせよ。ましてや、殺すようなことがあれば、わし自ら調教師役の首をねじ切ってやる。だが、お前も一緒にだ。部下につける者には徹底せい」
「は、はい。絶対にやりすぎません。殺しません。全員に徹底します──」
グーラが真剣な表情で数回首を縦に振った。
サキは満足した。
「細かいやり方は任せる。時々見に来る。性などまったく縁のなかった者たちばかりだ。それを徹底的に淫らな身体にせい。だが処女は破るな。一方で尻穴については、性交のできるように調教しろ。口吻の技もたたき込め。よいな──」
「はい──」
「牙は抜け。しかし、なにも考えない人形はいらん。心は砕くが潰すな。心は残せ。気の抜けた肉殻を主殿は抱かん」
「肝に銘じます」
「行け──」
サキは手を振った。
グーラが戻っていく、
ラポルタもサキに軽く頭をさげてから、調教をしている現場に向かう。
グーラが長になったことをほかの眷属たちに伝えにいくのであろう。
サキは背もたれに深く身体を預けて、様子を見守る。
ラポルタが調教師役の眷属を集め、なにかを告げた。
続いてグーラが言葉を発し、再び眷属たちが散る。
ラポルタが戻って来る。
調教の怒声がますます激しくなった。
「ほら、遅くなったよ──」
「しっかりと進まないか──」
罵声が次々に起きる。
サキはその光景を肴に、火酒をぐびぐびと呷った。
「お待たせしました」
戻ったラポルタが頭をさげる。
サキは火酒を置いて立ちあがった。
「一度、現実側に戻るか。こっちはグーラに任せよう。黄組と青組を見にいくぞ。育て方は違うが、実際にはあれらも性奴隷候補には違いない。料理の仕方を変えているだけだ。万が一、主殿が気に入れば、すぐに性奴隷になるのだ」
「そうですか……」
「まあ、黄色までだがな。さすがに青組の年寄りには、主殿も食指を伸ばすまい。だから、ルードルフを静かにするために、あてがっているというわけだ」
「では、そのつもりで対応します」
ラポルタが言った。
サキは頷いた。
「ところで、外ではお前はテレーズだからな。わしのことは呼び捨てにせよ」
サキは言った。
すると、表情など変えたことのないラポルタが、目に見えて焦った表情になる。
「そ、そんな……。そんなことできませんわ」
顔を蒼くして首を横に振った。
その慌てたような姿にサキは吹き出してしまった。
「いいから、言う通りにせい──。だが、テレーズの姿でそんなに態度を小さくしてくれると嬉しくなるな。本当にあの人間族の女は生意気だったからのう……。とにかく、命令に従え、テレーズ様」
「か、かしこまりました、サキ様……。いえ、サキ……」
ラポルタが困ったように言った。
サキは大笑いした。