【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
激しく叩かれるノックの音がした。
午睡のまどろみから目を覚ましたラジル=ポリニャックは、身体を起こして顔をあげた。
他の女たちも一斉に身じろぎをする。
青組部屋と呼ばれている貴族夫人の「人質」の部屋だ。
もともとは、後宮に住み込む召使い用の部屋だったらしく、部屋には四個の粗末な寝台が置かれている。
侯爵夫人のラジルにとっては、屋敷に住ませている侍女用のひとり部屋ほどの広さしかない。
そこに、十人の女が押し込まれていた。
寝台については、ルードルフ王に凌辱をされて戻った者が優先的に使うことを取り決めたので、いまラジルは、裸体を毛布に包ませて床に横たわっていた。
同じように隣の床で寝ていた夫人もだるそうに顔をあげる。
ここにいる十人は、あの「園遊会」と称する拘束劇のときに、その場にいた王の寵姫のサキに青色のチョーカーを指示された者たちだ。
人質として、王宮に留め置かれた百人ほどの令夫人や令嬢のうち、年齢が五十歳近い高齢寄りの女たちだ。
ほかに、赤色組と黄色組の集団がいて、黄色組はラジルたちよりも少し若い世代の者たちであり、監禁されている上級貴族女たちのいる後宮の全ての家事労働を命じられている。
赤色組は若い令嬢たちの集団なのだが、青色組の世話を含めた家事労働をしている黄色組とは異なり、地下に監禁されているので、彼女たちがどう過ごしているのかの情報は乏しい。
地下後宮の世話をしに行った黄色組の女を通じて、ほんの少しの状況を知ることができるだけだ。
それによれば、性奴隷用の奴隷女同然の淫らな仕打ちを受けているらしい。
まあ、性奴隷扱いということであれば、ルードルフ王の伽を交代で行うことを命じられているラジルたち青色組こそ、そのものであるが……。
いずれにしても、あの園遊会のとき、集められた上級貴族の女のうち、こうやって後宮に残された者と、他言無用を言い渡されて放逐された者の二つに分かれた。
ラジルには、最初はその違いがわからなかったが、いまはだんだんと理解できたと思う。
残されたのは、集まった貴族女のうち、若い令嬢はもちろん、年齢が高めでも、女としての見た目がいい女たちだと思う。
そういえば、同じ五十代以上は多くが帰宅を許されたが、平素から美容には気を使ってたラジルは残された。ラジルもこの中では年長になる五十一歳なのだが、化粧をすれば三十代にも見えるという自負がある。
おそらく、テレーズやサキが後宮に留める女の基準にしたのは、ルードルフ王の性の相手をできるかどうかのことであり、階級に関係なく、器量のいい者については後宮に監禁されたのだと思う。
それで監禁組に回されたのだ思うと、なにが人生の災いになるのかわからない。
「また、国主が伽の女を所望です」
鍵が外側から外されるに続いて扉が開き、女官長のテレーズ=ラポルタが姿を現した。
地方貴族の女だが、女官長として王に侍るようになると、瞬く間に寵姫として取り入り、いまや国王の権力を使用して、やりたい放題の姦婦だ。
いまの王都の混乱は、この女ひとりの原因で起こっていると言っていい。
そのテレーズが、酷薄な笑みを浮かべてラジルたちを睨みつけるように扉の位置で立っている。
彼女の後ろには三人ほどの近衛兵の女兵がいた。
部屋に閉じ込められている女たちが、改めてのそのそと身体を動かして姿勢をただす。
ラジルを含めて、全員が裸だ。
ただ、股間に喰い込む革製の貞操帯を嵌めさせられている。内側に張形があり、女たちの股間を二本挿しで貫き、さらに内側の突起物が常に女の股間を責め悩ますような構造になっているものだ。
一日のうち、ルードルフ王の伽のとき以外には外されることもなく、指一本でさえも、貞操帯の内側に入れることはできない。
おそらく、魔道のこもったものであると思う。
外から加わる一切の刺激を遮断しているようだ。
それもまた、ラジルたちを苦しめているもののひとつだ。
とにかく、こんなものを自分たち上位貴族の女たちに装着させるなど、信じられない屈辱であり、王宮の暴挙であるのだが、それはここに集められている女たちの地位を否応なしに自覚もさせている。
自分たちは、王宮に貴族が逆らえないようにするための人質であり、王の獣の性欲を満たすための奴隷ということだ。
「さて、どれを連れていきましょうか……。まったく、さかりのついた獣のように性欲だけは十人前の人間族の男ですよ……。まあ、とうが立っているとはいえ、まだまだ見た目のいい熟女の人間女たちですし、好色男の食指が動くのもわかりますけどねえ……」
テレーズが女たちを見渡すようにしながら言った。
十人の女たちだが、起きあがっているのは八人だけだ。
寝台をもらって休んているうちのふたりについては、意識がなく眠っている。
そのふたりが今朝方に呼び出された伽役のふたりだ。
ルードルフ王は、普通にはラジルたちを抱かない。
犯す前に拷問のような行為をしてからしか女を犯さないのだ。よくわからないが、女を痛めつけてないと男根が勃起しないということであり、すでに二度その洗礼を受けたラジルも、宙吊りにされて滅茶苦茶に鞭打たれ、半死半生のようにされて動けなくなったところを犯されるということなどされた。
今朝のふたりについては、電撃の浴びせられる魔道具でいたぶられながら、三角木馬というものに座らされたと言っていた。
一応は、伽が終わった後に魔道で治療をしてもらえるのだが、疲労困憊のふたりは戻ってきてからまだ目を覚まさない。
ところで、こうやって女たちを連れ出すのに、直接にテレーズがやって来たのは初めてだと思う。
いつもは、その意を汲んでいる女将校がやって来る。
それはともかく、いまのテレーズの物言いには、まったく王に対する敬意のようなものを感じない。
ここにいないとはいえ、王に対して、「さかりのついた獣」などと言いたい放題だ。
ラジルはちょっとびっくりした。
まあ、ルードルフ王の狂った性癖については、その言葉のとおりだと、ラジルたちこそ、そう罵りたいところだが……。
朝、昼、晩に異なった女を呼びだし、さらに夜もだ。
それが毎日……。
一度に呼び出されるのは複数なので、まだ五日目だが、すでに三廻り目になっていた。
「ラ、ラポルタ殿……こ、こんなことは許されるものではありません。わ、わたしくたち上位貴族の者にこのような仕打ち……。せめて人間らしい扱いを求めます。股間の淫具を外して服を……」
ラジルは全員を代表するように、テレーズに話しかけた。
いい機会だと思ったのだ。
実のところ、テレーズのラポルタ家とラジルのポリニャック家とは姻戚関係にある。しかも、侯爵家のポリニャック家が格上だ。
地方貴族のラポルタ家と王都貴族のポリニャック家なので、直接の面識も多いとはいえなかったが、少なくとも以前はテレーズは、ラジルに対して敬意ある態度をとってくれていた。
ほかの女たちのためにも、なんとか、この境遇の改善を図れればいいと思った。
どうやら、このテレーズがサキとともに、この後宮を牛耳っているのは確かのようだ。
「生意気言うんじゃないよ、人間が──」
だが、次の瞬間、火を当てられたような激しい平手がラジルの頬を張り飛ばしていた。
あっという間のことであり、扉のところにいたテレーズが、ラジルのところまでやってきたのも目に入らなかった。
ラジルは吹っ飛ばされ、横の寝台の脚に頭を打ちつけてしまった。
「きゃあああ」
「ポリニャック夫人──」
「ひいい、お、お待ちください、テレーズ様──」
女たちが一斉に悲鳴をあげたり、倒れたラジルを助け起こしたりする。
それを邪険な仕草で払いのけたテレーズがラジルの前にすっくと立つ。
「……いい根性だことね……。じゃあ、今日の昼の伽はお前だけにしてあげますわ、ラジル……。五十を過ぎた身体じゃあ、国主の性癖を一身に引き受けるのはつらいかもしれませんが、お前は今日は、昼と夕と夜の務めを連続でしなさい。ばてることは許しません。薬剤を使ってでも意識を保たせます。心臓がとまらないように頑張るのですね」
ラジルが酷薄な笑みを浮かべて言った。
部屋に入ってきた女兵がラジルの身体を両側から引き起こす。
そのとき、ふとラジルの頬にテレーズが手を触れた。
温かいものが身体に入ってきて、打たれた頬の痛みが消失する。
魔道?
驚いた。
少なくとも、ラジルの知っているテレーズは、魔道など遣えなかった。ましてや、いまのは「治療術」ではないのか?
白魔道と称される高等魔道だ。
そして、ふと思った。
ラジルのことなど、まったく知っていないような素振り……。以前のテレーズとは全く異なる口調……。
本当に、あのラポルタ女伯爵のテレーズか?
ラジルの中に疑念が湧いた。
「あ、あの、ひ、ひとりでなど……。それにラジル様は……そ、そのう……失礼でありますがご年齢も……。わ、わたくしが参ります……。年少ですので……」
「わたくしも……。すっかりと休ませていただきました……」
声をあげたのは、十人のうち年齢の低い層になるコラリーヌ=ディスタンス夫人とティア=マイネス夫人だ。いずれも伯爵家の夫人だ。また、この集団の中では年少ということでは間違いないが、ふたりとも四十代の半ばになる。年若いとはいえない。
「いいのです……。奴隷根性を身に着けていない者に、身の程を覚えさせるのも躾のうちなので……。お前たち準備しな──」
テレーズがラジルを扉に近い場所に引っ張り立たせる。
狭い部屋に十人がひしめき合っているので、空いている場所がそこくらいしかないのだ。
女将校のひとりがラジルが嵌めている貞操帯の後ろに手をかざすと、がちゃりと音がして貞操帯が外れる。
「うっ」
張形が抜かれるときの刺激で、思わず恥ずかしい声が出た。
羞恥に顔が赤くなるのがわかった。
「これはお前たちで掃除をしなさい。仲間の世話をするのも勉強です。そうやって、もう人間族の貴族だという恵まれた立場でないことを思い知りなさい」
喰い込まされていた刺激によって、ラジルの体液にまみれている貞操帯が女たちに向かって放り投げられた。
最初はそんなものを他人に見られるのは戸惑ったが、毎日のことであり、慣れてしまった。
さっきのふたりがそれを受け取って、干してあった布で貞操帯を拭き始める。
「生意気のご褒美に、用便の時間はなしよ。縄掛けするので腕を背中に回して、足を軽く開きなさい」
テレーズが言って、ラジルの生尻をぴしゃりと叩いた。
ラジルは顔をしかめつつ、言われた恰好になる。
一緒にいた女兵が慣れた手つきで、ラジルに縄をかけだす。
また、用便の時間というのは、いつもなら伽の直前に許される排便のことだ。
ラジルたちは、日常において貞操帯を装着されているので、外してもらわない限り、用便をすることもできない。
だから、ルードルフ王の伽をする前には貞操帯を外すので、それに合わせて別室で排便を許可されることになっているのだ。
回転の激しい伽の順番はすぐに回って来るので、それだけで困ることはない。
しかし、ラジルは今日は起きてから最初の伽だったので、ちょっと尿意が溜まっていた。
テレーズの意地の悪い仕打ちに、少しばかり歯噛みをした。
背中に回した腕に縄が巻きつき、背中側で組んだ状態で胴体に緊縛されていく。乳房の上下にも縄が食い込む……。
それにしても、言葉遣いは丁寧だが、このテレーズはラジルたちに対する心の底からの軽蔑の感情がいつも垣間見える。
また、いままで考えなかったが、テレーズは時折、“人間族の女”と不思議な言い回しをする。そういえば、ルードルフ王のことも、“陛下”ではなく、“国主”という。
国主という呼びかけは、それだけで不敬罪になるものであり、家臣が呼んでいい言い方ではない。
もしかして、本当に目の前の女は、あのテレーズではない……?
国王に仕える近習が得体のしれない誰かと入れ替わっている可能性があるということに、ラジルはだんだんと怖くなってきた
「うっ」
そのとき、ラジルは新しい股間の刺激でぶるりと身悶えをしてしまった。
腕の緊縛に続いて、股間に股縄をされて、その結び瘤がクリトリスを刺激したのだ。
さらに、ヴァギナに喰い込み、アナルにも……。
たちまちに甘い刺激が襲い掛かり、知らずラジルは身体をくねらすように動かしてしまっていた。
「口を開けなさい。いつもの薬です……」
テレーズが白い丸薬をラジルの口元に持ってきた。
ラジルは顔が引きつるのがわかった。
必ず伽の前に全員が飲まされる丸薬だ。
そして、それこそが、この凌辱の日常において、ラジルたちを貞操帯ととともに苦しめている要因だ。
「あ、ああ……」
股縄の疼きに嘆息しながら、ラジルは口を開けた。
舌に丸薬が乗せられ、あっという間に唾液に溶け込んでいく。
これは、魔道のこもっているものであり、一定時間、女から絶頂感覚を取りあげてしまうという魔道薬だ。
拷問のようないたぶりの後は、ルードルフ王に激しく犯されるが、この丸薬のために絶頂することはない。
快感はあるのに、絶頂だけがないのだ。
昇天する寸前のもどかしい感覚のまま、王に犯されて精を受ける。
すると、身体の洗浄をされて、貞操帯を嵌めなおされる。
薬の効き目が終わったときには、股間を貞操帯で封印されてしまっている。
こんなのが五日続き、ルードルフ王の伽の前の拷問以上に、ラジルたちをそれが苦しめている。
「夜までだからね……。丸薬を追加です。朝までは快感を極めることはできなくなりますわ」
さらに丸薬をふた粒飲まされた。
ラジルはそれを受け入れた。
「行きなさい」
背中をどんと押される。
足を前に出すと、股間に喰い込む縄がぐっとさらに締めあげる。
ラジルは小さく呻いて眉をしかめてしまった。
しかし、容赦なく歩かされる。
あっという間にラジルは息も絶え絶えになった。
「も、もっと、ゆっくりと……」
ラジルは無駄だとわかっている哀願をした。
すると返事の代わりに、首にさせられている青色のチョーカーの前側にある小さな金具に細い鎖を繋がれた。
首を鎖で引っ張られる。
歩みが早くなり、ラジルは歩きながら嬌声をあげてしまった。
しばらくして、やっとのこと王の待つ部屋に到着する。
部屋の真ん中にある寝台に上体を起こして座っている上半身が裸のルードルフ王が縄をかけられて連れて来られたラジルを見て、好色そうに顔を緩ませた。
「おう、今度はポリニャックのところのラジルか──。いつ見てもなかなかの熟女ぶりだな。いつまでも美しいのう」
ルードルフ王が嬉しそうに笑った。
「あ、ああ、陛下……」
そのときには、ラジルは股縄の刺激でその場に崩れ落ちそうになっていた。
監禁部屋からここまでの距離だけで、ラジルは完全に情欲に追い込まれていたのだ。股間から垂れている愛液は、発散できないこの五日間の焦燥もあり、股間からくるぶしまでじっとりと垂れている。
「さて、今度はどのような趣向を……?」
テレーズが訊ねた。
首の鎖が外される。
「そうだのう。この前にやった床を走らせるというのはどうだ? 魔道で床を動かして、その場で走らせるのだ。電撃の流れる囲いをしてな」
「仰せのままに……」
テレーズの言葉が終るとともに、ラジルの経っている周りの床だけのの色が変化し、突然に後ろに動き出した。
倒れそうになり、慌ててラジルは脚を前に出す。
気がつくと、周囲を細い金属線で囲まれてしまっている。
それにしても、やはり魔道?
「その線に触れると、強い電撃が流れますよ、ラジル。痛い思いをしたくないなら、走り続けなさい」
テレーズがそう言うと、さらに床の動きが速くなった。
「あ、ああっ、そ、そんな」
ラジルは悲鳴をあげて、緊縛された身体をその場に走らせた。
だが、激しい股縄の刺激で全身を貫く快感の槍が襲う。
前にもやったと言っていたが、ラジルは初めてだ。
これは……。
「ひぎいいっ」
そのとき、激痛が尻に走った。
後ろの線に尻が触れたらしい。
ラジルは股縄の疼きに耐えて、懸命に脚を走らせる。
「さすがに美女で名高いポリニャックのところの奥方だのう。乳房を揺らして走る姿は、なかなかの風情だ。とりあえず一ノスだな。たっぷりと汗をかけ。股間からもな」
ルードルフ王が下半身に布だけを巻いて立ちあがった。
いつの間に先に鳥の羽根のある長い棒を持っている。
それを電撃線のあいだから差し入れて、ラジルの乳房をさわさわとくすぐり出す。
「ひゃあああ、お、おやめください──。ご、後生です──。ああああ」
避ける手段もなく、ラジルはすでに荒くなった息とともに、股間に加えて加わる淫らな刺激に悲鳴をあげた。
全力に近い駆け足を強要されながら……。