【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
大広間に集められた三十人ほどの貴族子女たちが、その中心で再生されている「映録球」による立体映像を押し黙って見つめている。
その周りを十人ほどの調教員たちが怒鳴りながら歩き、サキはさらにその調教員たちを離れた場所から椅子に座って監督している態勢だ。
赤色組を見に来るのは、一日ぶりになるが「調教」は順調のようだ。
すっかりと彼女たちが従順になっているのがわかる。
後宮の地下宮である。
以前は、アネルザがここに奴隷を集めていたというが、いまはこうやって赤色組奴隷の調教施設として使っている。
子女たちは、全員が素っ裸だ。
両手を頭の後ろに組ませて、脚を開き真っ直ぐに映像を見つめる体勢である。
拘束はなにもしていないが、ここにいる連中は、仮想空間で十日、現実に戻ってすでに五日過ぎている。
彼女たちの時間間隔では半月も調教をしてやっているということであり、そのあいだには心の底からの恐怖心を植え付けるような苛酷なことも少しやらせた。
だから、命令に逆らおうなんて気持ちなど完全に消滅しているはずだ。
あまり、乱暴はさせていないつもりはないのだが、多少は仕方ない。
人間族の中では貴族として、下級人間にかしずかれていたような連中だ。ロウの前に立たせるには、徹底的に牙を抜いて大人しくさせておく必要がある。
帰還したロウの前に性奴隷として差し出したとき、万が一にもロウに刃向かうような態度を示されてしまっては、サキの沽券にかかわる。
いすれにしても、定期的に気力を完膚なきまでに砕いておかないと、調教もうまくいかない。
そういう意味では、赤色組を任せたグーラはうまくやっているみたいだ。
いずれにしても、赤色組の待遇は、三個に分けた性奴隷の中ではもっとも好待遇だ。
最初の仮想空間の十日間の調教が終わってからは、服も着せているし、食べ物だって、寝る場所だって不自由はさせていない。
なのしろ、こいつらはただの奴隷ではない。
赤色組についてはロウの性奴隷集団の最有力候補だ。
補欠ともいえる黄色組や、ましてや、ルードルフを大人しくさせるためにだけ留めた青色組とは違う。
だから、扱いも変えている。
地下後宮を改装させた奴隷部屋は、王宮の客間に匹敵するような豪華な造りに変えているし、そこに三十人全員に個室を与えている。地下後宮内に限り、調教以外の時間は行動も自由だ。
黄色組と青色組は地上階部分であるが、与えたのは召使い用の部屋だ。
最下級の青色組など、一室に十人全員を押し込めさせている。
ロウの手つきがあったら昇格させるが、ロウは熟女も守備範囲のようなので、彼女たちのためにも、ロウが数名でも気に入ることを祈るばかりだ。
まあ、いずれにしても、ロウが戻ってからのことであるが……。
とにかく、見た限りにおいて、連中は十分におとなしくなっている。
人間族の貴族女たちの眼には、まったく抵抗の色はなくない。
その証拠に、今朝も、この広間に集めたとき、すぐに全裸になり、広間の中心に向かって、いまの姿勢を取れと命じると、顔に恐怖を浮かべて、争うように指示に従っていた。
これなら、早晩、完全なマゾ奴隷になるだろう。
もっと苦労するかと思ったが、思ったよりも簡単だ。
再生させているのは、昨日ルードルフが青色組の「人質」から三人ほどを選んで、同時に犯している映像だ。
女たちを犯すにあたっては、あのテレーズの「処置」により、ルードルフの心が残虐性の方向に傾いているので、あの男は抱く前にまずは冷酷に嗜虐しなければ、一物を勃起させることができない。
映録球の女たちについても、テレーズ扮しているラポルタから命を受けているふたりの女眷属から拘束され、その裸体を鞭打たれて泣き叫び、さらに、ルードルフによって、すりこぎのような電撃棒を股間や肛門に突っ込まれて、そこに迸る電撃に白目を剥いて絶叫している。
最終的には、そうやって動けなくなった女たちをルードルフが容赦なく犯したらしい。
映像の時間は、全部で一ノス半ほどの長さということだ。
いちいち中身は確認していないが、上の後宮側を任せているサキの筆頭眷属のひとりであるラポルタからは、そのように報告を受けている。
赤色組の監督長のグーラが子女たちに命じているのは、それを一心不乱に見続けて、手を触れることなく、想像だけで股間を濡らせという命令のようだ。
だが、今の段階でそれで股間を濡らすことができる「マゾ」は、まだ数名だろう。
しかし、ロウについては、早ければ半月もすれば、国王として王都に戻って来るかもしれない。
それまでに、この三十人については、徹底的にマゾとして仕込んでおかなければならないだろう。
時間がない……。
いずれにしても、こいつらは、ロウへの王位就任祝いとして選んだ人間族の身分の高い三十人のマゾ奴隷候補だ。
王宮に集めた百人くらいの中でも選りすぐりの者たちであり、若くて綺麗どころというだけでなく、サキの勘で、いかにもマゾ奴隷に染まりやすそうなのを選定したつもりだ。
つまりは、百人の中から選抜した、約三十名のロウの好みのマゾ性奴隷候補ということだ。
それが赤いチョーカーの女たちだ。
ロウは大喜びするはずだ。
ただ、本当に時間がない。
馬力をあげさせる必要があるかもしれない……。
また、性奴隷候補の格付けとしては二番目になるのが、黄色のチョーカーをさせている召使いの連中だ。
こいつらについては、徹底的に身体を淫乱化させる調教を続けている。
召使いとして仕事をさせながら、貞操帯の振動で股間を愛撫し続け、四六時中発情状態にさせているのだ。
実はこの女たちが口にする食べ物や飲み物についても、少しずつだが媚薬を含めさせている。
それでいて、貞操帯で封印して、性行為や自慰を禁止しているので、ロウが戻る頃には、ロウがいつでも気分次第で突っ込むことができる厠女が大勢できあがるということだ。
まあ、そうやって様子を見ながら、素質のある者がいれば、赤チョーカーにあげてもいいと考えたりしている。
現に、昨日の段階で、黄色組から数名については赤にあげている。
また、試しに新たに連れてきた童女についても淫乱調教をしてみた。ルードルフの名を使って強制出頭させたのだ。
いつの間にか、王都から貴族が大量にいなくなっていたので、手頃な「物件」を探すのに苦労したが、領地を持たない法服貴族の二家ほどの子爵家にいいのがいた。
テレーズに化けさせているラポルタに近衛兵を動かせて連行させたのだが、国王の人気が最悪からさらに下落したと笑っていた。
知ったことではないが……。
もっとも、これについては失敗した。
人間族の場合は、あれくらいの年齢では淫乱化は難しいようであり、一日で元の家族のもとに放逐した。
そして、三番目のグループがルードルフのいる後宮に送った青色チョーカー組だ。
基本的には年増を回している。
本当はルードルフになどに女を回すつもりはなかったが、ロウに相応しい性奴隷を吟味しているうちに、明らかに不合格というのは、ルードルフに回してもいいのではないかと思い直した。
扱いは、貞操帯で封印して淫乱化処置の黄色組と同じだが、ルードルフの相手もさせるということだ。
また、ちょうどいいから「教材」作りもさせることにした。
ここにいる性奴隷候補たちに見せて、ほかの女が嗜虐されているところを眺めるだけで、股間を濡らすくらいのマゾに仕上げるための「教材」だ。
さっそく、こうやって使わさせている。
基本的には毎朝の調教開始の前には、必ず見せて、股間の乾いている者についてはちょっときつめの調教をし、たっぷりと濡らす者については、出来上がりに近い素材として、仕上げの段階に移行するという具合に進めていこうと思っている。
「二十五番、眼を逸らすな──」
「八番、動くな──」
「十二番、背を伸ばせ──」
全裸の子女たちの周りを電撃鞭を持って回っている女兵の恰好の調教員が子女たちの周りを動きながら怒声を浴びせている。
とりあえず、奴隷宮に連れてきて、監督長のグーラに渡している「調教員」は十人ほどだ。
女兵たちの見た目は人間族だが全員がサキの眷属であり、人間族の女に化けているだけである。
最終的な人選には悩んだが、こういうことをやらせれば、抜群の能力を発揮する能力を持っている連中たちを集めた。
短期間で全員をマゾ奴隷に仕上げろと厳命している。
ほかに、この地下奴隷宮には、黄色チョーカー組のうち、半分ほどをこっちに連れてきている。
赤色チョークの世話をさせる必要があるので、いろいろと便利に働かせているというわけだ。
もちろん、貞操帯の振動により微弱の刺激を延々と続けながらである。
ほかの人間族はいない。
後宮からは完全に人間族の王兵も追い出した。
それだけでなく、もうかなりの妖魔を人間に化けさせて、王兵に紛れ込ませた。
もともとの王兵も、ピカロとチャルタが喰い漁って洗脳をしまくっているし、テレーズの施した操心具の影響も受け継いでいるので、もう王宮は完全にサキの支配状態にある。
いずれにしても、こうやって眷属の調教係も偉そうに令嬢たちに威張っているが、調教が進まなければ、サキからの懲罰が待っていることを知っているので真剣だ。当然ながら、責任者のグーラも同様である。
サキはこうやって、調教係の眷属たちが令嬢をしごいているのを、少し離れた場所から椅子に座って見守っているだけだが、グーラたちが必死にやっているのは、見ていてわかる。
この調子なら、ロウが戻る頃には、ちゃんと仕上げられると思う。
ただし、基本的に赤色組を調教をしていいのは、午前中はいまの「朝礼」のほかに二ノス、午後に二ノス、夜に一ノスだ。
それ以外は休ませる。
人間族は弱いので、やり過ぎると、すぐに毀れてしまうということを徹底している。
それに、赤色チョーカーはロウの性奴隷候補なのだから、ただマゾになるだけではなく、見た目の美しさも保持させなければならない。
だから、こいつらに与える食べ物などについては、ルードルフに回すものよりも、上等のものだ。
調教後の身体の手入れの手段についても整えさせた。
一方で、生活全般にはマゾ奴隷としての躾がついて回る。徹底的に恥辱的に扱うのだ。
まあ、公平に見て、かなりの好待遇をさせているつもりだ。
だからこそ、調教の時間だけは、厳格にやらせてもらう。
「ほら、ほら、しっかりと見ろ。そして、自分がやられていると想像して、しっかり股間を濡らすんだぞ。おいっ、七番──、いま、完全に明らかに眼をつぶっていたな──」
グーラが怒鳴り、ひとりの調教係が十六歳くらいの令嬢のところに駆け寄った。
さっきから番号で呼んでいるのは、令嬢たちの右の乳房に、魔道で番号の刺青を刻んでいるのだ。
いちいち、貴族女の名を覚えておられない。
要領よく調教を進めるための工夫だ。
サキは逆らって目をつぶったという令嬢を見た。
そして、小さく噴き出した。
理由がわかったからだ。
遠目だが、妖魔であるサキの眼には、その令嬢の股間がすっかりと濡れ、びっしょりと愛液が垂れ始めているのがわかった。
どうやら、この令嬢は最初からマゾ化ができあがっているようだ。
それで、じっと見ていると、自分の身体が異常に疼くのがつらく、眼を逸らしたということのようだ。
サキはほくそ笑んだ。
「ひぎいいいっ」
その七番がひっくり返った。
調教係が電撃棒で胸に電撃を浴びせたのだ。
「ア、アドリーヌ、大丈夫──?」
すると、同じ世代くらいの横の娘が悲鳴のような声をあげた。
「勝手に喋るな──」
別の調教係がその女の脇腹に電撃を喰らわせる。
「ぎゃおおおお」
がくんとその令嬢が床に崩れ落ちる。
「そら、立て──。今度、目を逸らしたら、もっとひどい懲罰が待っているよ。ほかの者もだ──」
調教係が怒鳴りあげた。
令嬢たちに緊張が走るのがわかった。
そのときだった。
転送でラポルタが現われた。
もちろん、見た目はテレーズだ。
「サキ様、いつもの手紙です。昨日の分です。早朝に届けられたものも含んでいます」
くすくすとラポルタが封印された四通の手紙をサキに差し出した。
サキは、一通目の差出人の署名を一瞥して、大きく嘆息した。
「またか、しつこいのう……」
これで何度目だ?
内容はわかっている。
差出人は、ロウの女のひとりで、ベルズという巫女だ。
園遊会という名目で貴族女たちを集めた後、しばらくして、最初に通信球が来た。
開くと、この園遊会のことを猛烈に怒っていて、すぐに女たち解放しろという内容だった。
なんという無礼な通信球だろうと腹がたったが、相手はロウの愛人のひとりだ。
無視するだけで済ませるとともに、通信球の伝送を遮断した。
後宮には、通信球が送って来れないように処置したのだ。
すると、今度は翌日に手紙が来た。
とりあえず中身を開いたが、最初の通信球と同じ内容だった。
ロウはこんなことを許さず、激怒するに違いないということが付け加えてあった。
そんなことがあるものかと思った。
好色のロウだ。
貴族女の性奴隷のハレムを作って出迎えれば、サキのことをたくさん褒めて、たっぷりと愛してくれるに違いない。
もしかしても、こいつは嫉妬しているのかと考えた。
その手紙も無視した。
しばらく、すると、翌日また来た。
今度はそのまま内容を確認せずに、封をしたまま突き返させた。
もう内容を読んでないということが、これで向こうにわかるはずだ。
すぐに、また手紙が来た。
突き返したものと同じものだった。
それが戻ってきたのだ。
だから、また返した。
そんなのを繰り返し、この二日間は手紙を送って来なくなった。
やっと諦めたかと思ったら、今朝になって、たったいま、再び手紙が来たのだ。
しかも、四通だと?
「なんじゃ? ほかの差出人はベルズではないのか。ミランダとマア? エルザだと? マアが戻ったのか? エルザというのは誰じゃ?」
サキは首を傾げた。
「エルザというのは、タリオ国の大公とに嫁いでいたこの国の第二王女のようですね。サキ様がご存知のマアという人間族と一緒に帰国したようです。ドワフ女のところにいるようです」
「ほう?」
そういえば、エルザというのが、あのアーサーのところに嫁いでいるというのは聞いたことがあった。
いまは無視させているが、テレーズが王宮を支配していたとき、イザベラをアーサーがめとるという話が持ちあがっていて、その代わりに離縁をして戻すということになっていた王女だったと思う。
年齢はアンと同じだったと記憶している。
マアも戻ったということであれば、一度くらい顔を見て置ておくか?
このまま無視してもいいが、そうすると、ずっと手紙に追いかけまわされるだろう。
引導を渡してやるか……。
ロウへの贈り物の準備をこれ以上邪魔されて堪るものか──。
「おい──」
サキは、監督長のグーラを呼びつけた。
「はい、サキ様──」
令嬢の調教をしていたグーラが瞬時に、サキの前にやってきて直立不動になる。
「調教は順調のようだな。このまま進めよ。だが、手を抜くな。しかし、やり過ぎもするな──。わしの大切な
「はい」
グーラが顔を蒼くして、大きな声をあげた。
「一連の映像を見せ終わったら、濡れている者と濡れていない者に分けろ。濡れていない者には、懲罰として全員がひとりずつみんなの前で排便だ。浣腸をしてでも必ずさせろ。人間族の若い個体はそういうのを一番嫌がるらしい」
「はい、わかりました」
「排便は高い台の上でやらさろ。全員に下から見物させるんだ。もしも、ちょっとでも眼を逸らす者がいたら、気絶するまで鞭打て。ただし、すぐに回復させて、次の調教には参加させろ。ちゃんと濡れている者については、正規の厠を使わせてよし」
全員に朝起きてから、まだ排便どころか排尿も許していないはずだ。
いま、こうやっていても、尿意を覚えている者が半分近くはいるのがわかる。
しかし、垂れ流しでもすれば、折檻だと申し渡しているので、腰をもじつかせながら我慢している感じだ。
そうやって、排泄さえも管理されることを覚えさせて、奴隷の心を作りあげるのだ。
「そして、最初の調教はフェラ練習だ。壁に主殿と同じ形ものを作って、何度も繰り返し練習させろ。そうだ。全員の股間に痒み剤を塗れ。射精に成功すれば、痒みを癒してやれ。それで練習に熱が入るだろう」
サキはにやりと笑った。
「徹底的にしごきます、サキ様」
目の前の妖魔が直立不動で応じる。
サキは満足して頷いた。
そして、ふと思い付いたことがあった。
ルードルフの退位に役に立つことだ
今度はラポルタの方を向く。
「それと、ラポルタ、用途の終わった映録球は、自然なかたちで王宮外に流出させろ。スクルズの時と同じ手で、再生可能の状態にし、十個ほど複製して適当にばら蒔くのだ。王の粗暴に反対する王宮内の者による抗議行動にでも装え。ルードルフの人気はがた落ちになる」
「言われたことを実行いたします、サキ様」
ラポルタが慇懃な態度で頭をさげる。
サキは頷き、グーラについても元の位置に戻らせる。
そして、サキは久しぶりに通信球を送った。遮断はしているがこっちからは送信できる。
あの監獄塔の最上階で会おうという連絡だ。
アネルザはもういないものの、話し合いの場所はそこと決めているのだ。
「しばらく出る」
「わかりました、サキ様」
ラポルタが応じる。
サキは自分の身体を転送させた。