【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
向かい側に座るパリスの手が白く光ったと思った。
「はぎゃあああ――、ほげえええ――」
次の瞬間、さっきパリスに話しかけた男は苦しそうに呻き声をあげてうずくまっていた。
パリスにつけられた六人の部下たちのひとりであり、ダルカンは、そいつをはじめとする全員に馬鹿にされていた。
なにしろ、大した能力もないのに、パリスと懇意であるというだけの理由だけで、エルフ離宮の乗っ取りとガドニエル女王との入れ替わりという途方もない陰謀のリーダー役をダルカンがすることになったのだ。
しかも、この陰謀工作のリーダーは、ダルカンということになっていて、六人はダルカンの部下というかたちだ。
面白くなかったに違いない。
そもそも、ガドニエル付きの侍女として、女たちの姿を乗っ取って入れ替わる役目になった六人たちは、ダルカンよりもずっと高い能力があるし、組織の中における功績度も高い。
連中からすれば、ダルカンの下につくことを命じられたのは、愉快なことではなかっただろう。
パリスの決めた人選と役割に、一番びっくりしたのがダルカンなくらいだ。
当然に、この連中はダルカンがリーダーであることに納得せずに、あからさまな不満を表にしていた。
その筆頭が、いま倒れた男だ。
このイムドリスの離宮の乗っ取りが成功してから、ずっとダルカンを小馬鹿にするような態度を続けていたし、ほかの男たちを扇動して、ダルカンを軽んじる振る舞いを続けていた。
実際のところ十分な能力も確かにあり、ほかの任務でも、かなりの功績をあげている。
ダルカン自身からしても、今回の人選であれば、そいつこそがリーダー役になるのが当たり前だろうとは思う。
だから、パリスを前にして、指揮官の交代を申し出るような暴挙に出たに違いない思う。
なんだかんだといっても、パリスはダルカンよりも、自分を買ってくれていると信じ切っていたに違いない。
だから、面と向かって、リーダー交代を直訴したのだと思う。
そいつがのたうち回っている。
なにをしているのかわからないが、おそらく、全身の痛覚を活性化しているのだろう。パリスは自分の部下になる者たちをなんらかの方法で支配している。
苦しめるどころか、瞬時に命を奪うことも簡単にできるのだ。
それにしても、余程に苦しいのか、大変な悲鳴だ。
部屋を完全防音にしているので、これが外に漏れることはないが……。
「死にてえなら、死にてえとはっきりと言いな。死にてえから、俺に向かって、たちの悪いたわ言を聞かせるんだろう? 俺の決めたことに文句を言うなんざ、そうとしか思えねえぞ、サロン」
サロン──。
そういえば、そんな名前だと思い出した。
大抵のことは勝手にやらせているので、名前も記憶していない。
実際のところ、このイムドリスの隠し宮の支配のために動いているのは、この侍女に扮している側の者たちだ。
ダルカンなど、ガドニエルの偽者を演じているくらいで、ほかにはなにもしていない。
だから、サロンのように増長するのだろうが……。
「んぎゃああ──。ひがああ──。お、お許しを──。ほげえええ──」
すると、サロンの全身が床の上で硬直して、あおむけの状態でまっすぐになり、次に四肢が一斉に関節で折り曲がった。
ただし、すべて関節の逆方向にだ。
サロンは白目を剥くとともに、股間に小便を漏らした。
まあ、男の失禁姿であれば、気持ちの悪い光景でしかないが、いまのサロンは人間族ではなく、ガドニエルの侍女のひとりであるエルフ美女に化けている。
だから、醜悪な姿というわけでもない。
どちらかというと、嗜虐心を刺激するものである。
性癖であれば、ダルカンはパリスと同じで、相手が女でも男でもいける。
「ちっ、気絶しやがった。仕方ねえ。処分するか」
だが、パリスが不機嫌そうに舌打ちした。
そして、さらに魔道を込める仕草をする。
殺すつもりだろう。
パリスは、能力のある自分の部下であろうと、その命になんの重きを抱かない。
一片の躊躇をするわけがない。
瞬時に殺さなかったのは、苦しめてから殺すつもりだったからだと思う。
しかし、ダルカンは、それを制した。
「どうした? お前を馬鹿にしやがった男だぜ。まさか、庇いだてしねえだろうな」
パリスはダルカンに視線を動かす。
ダルカンは微笑んだ。
「庇うつもりはないさ、パリス。いや、どうせなら、こいつへの罰を提案させてくれないか。さっきの態度でわかるとおり、こいつは結構、プライドの高い男でな。だから、死ぬよりも相応しい罰があると思ってね」
ダルカンは、パリスに耳打ちした。
すると、パリスが噴き出した。
「そりゃあいい、じゃあ、そうするか──」
パリスが床のサロンに手を向けた。
エルフ族のガドニエル女王付きの侍女姿だったサロンが人間族の若い女の姿に変化する。
パリスの見た目が変わったのは、ダルカンが提案したものだ。
まだ、イムドリスの支配は完全に整ったというわけではない。
ガドニエル親衛隊のブルイネン以下の者たちは手付かずだし、ほかにも闇魔道が浸透していなくて、操りが完成していない者が半数以上いる。
パリスが事前に仕組んだイムドリス支配の術式は、ダルカンを核にして拡がるようになっているので、大元のダルカンの魔道力が低いために、支配できるのが一定の能力以下に限られてしまうのだ。
サロンがパリスに訴えたことは、実は本当のことだったのだ。
「ほらよ。お前が命じな、ダルカン」
パリスが亜空間から取り出したものをダルカンに手渡した。
銀色の金属の首輪だ。
隷属の魔道紋が刻んである。
いわゆる『隷属の首輪』──。すなわち、人族を奴隷化する魔道具ということだ。
ダルカンは、その魔具の首輪を呆気にとられて無言でいる残っている五人のひとりに放り渡す。
この連中は、ダルカンとパリスが昵懇なのは耳にしていたとは思うが、ここまで仲がいいとは思っていなかったのだろう。
なにしろ、この組織の事実上の頂点に立つパリスと、昼行燈のような無能者という評判の定着したダルカンとでは違いがありすぎる。
「そいつは、いまこの瞬間から、パリスが連れてきた人間族の奴隷女のサロンだ。別室に連れていって、心を折って奴隷化しろ。全員が必ず、そいつを犯して一度以上の精を注げ。それ以外はどんな方法を使ってもいい。隷属化したら、俺が支配を引き継ぐ……。さあ、連れていけ」
ダルカンは言った。
男たちは少しのあいだ唖然としていたが、やっと指示の内容を理解したのと、どうやら自分たちには咎めがないということがわかって相好を崩した。
ダルカンがパリスに提案したのは、「無礼」を働いたサロンへの罰として、このまま女体化を定着して、しかも、女奴隷としてダルカンの慰み者にすることだ。
サロンは、ダルカンにつけられた部下ということになっている六人の中でもリーダー格だった。
それが女として、ほかの男たちに犯され、しかも、隷属された後でダルカンに犯されるのだ。
まあ、せいぜい、鬼畜にいたぶってやろう。
目の前のアルオウィンのように、四肢を切断するのもいいかもしれない。
「わ、わかりました、ダルカン様」
「もちろん、言いつけのとおりに……」
「任せてください」
男たちが媚びを売るような笑みをダルカンに向ける。
現金な連中だ……。
さっきまでサロンに扇動されて、ダルカンなどいない者のように馬鹿にしていたくせに、本当にパリスと仲がいいのだとわかった途端に、手のひらを返した。
まあいい……。
これで、やりやすくなるだろう。
どっちにして、ダルカンが無能者で、イムドリス乗っ取りの陰謀をやり抜くなどということなど難しいというのは事実だ。
こいつらに働いてもらわないとならない。
男たちが、いまだに気を失っているサロンを抱えて出ていく。
隷属化の最初においては、口先だけでなく、心から目の前の相手に屈服するという手順が必要になる。
だから、意識を失わせた状態では隷属は完成しないので、一度起こしてから、それから拷問などをして、隷属を誓わせる必要がある。
パリスのことだから、姿を人間族の女に変化させた時点で、サロンの魔道能力は消失させているはずであり、それを屈服させるのは、それほど面倒なことではないだろう。
「さて、ダルカン、話だ」
ふたりきりになると、パリスが当たらためてダルカンに向き直る。
そして、口を開く。
「……ガドニエルの親衛隊は連れていくぜ。当分、イムドリスには返さねえ。カサンドラの婆あには、お前への嘆願を改めて示させる。ちょっとした捕り物があってな。もうすぐ、ある人間族の男がこのエランド・シティに来るみたいだ。エルフ軍の全軍を使って捕らえさせる。ちょうどいいから、その名目で親衛隊は追い出すといい」
どうやら、パリスはイムドリスの闇支配が完成していないことを承知し、それがブルイネンをはじめとした親衛隊の能力が高すぎて、ダルカンでは闇支配できないことが原因であることを認識していたみたいだ。
「助かる……。きっとお前の役に立ってみせる。今度こそな」
ダルカンは言った。
パリスは笑って手を軽く一度振った。
「役に立っているさ。それよりも、面倒な話は後でしようぜ。宴といこう。さっそく、このエルフ女を犯したらどうだ? 久しぶりに遊ぼうぜ。俺はそれを愉しみに来たんだ」
パリスが足元に転がったままのアルオウィンの髪を掴んでテーブルの上に載せた。
「はがっ……がっ、あが……」
アルオウィンが抗議の仕草を見せて全身を暴れさせる。
相変わらず、口からは風が洩れるような音しか出ない。
ダルカンは、アルオウィンを裏返してうつぶせにすると、自分の長いスカートを捲って自分の股間を露出させた。
外観は完全にガドニエルになっているが、股間だけはダルカンのままにしてもらっている。
だから、ガドニエル姿のダルカンの股間には、勃起した男根がそそり勃っている。
まずは、アルオウィンの股間に貼りついている触手生物を剥がす。
それだけで、愛液の塊をアルオゥインは股間から噴き出した。
片手でアルオウィンの背中を押さえつけ、もう一方の手でアルオィンの股間を愛撫しはじめる。
パリスによって全身の感度をあげられる淫乱処置を施こされているアルオウィンが、口惜しそうな表情ながらも、たちまちによがり出す。
「んあ、はあっ、はあ……」
アルオウィンの裸身があっという間に真っ赤になる。
ほんのちょっとの刺激なのに、まるで尿でも洩らしたかのように愛液が噴き出てきた。
「相手が魔獣でもよがり狂うからな。いい玩具になるぜ。飽きるまで可愛がってやれよ。そして、飽きたら殺しな。別にもうこいつに用はねえしな」
椅子に座ったままのパリスが笑った。
ダルカンは勃起した男根をアルオウィンの股間に貫かせた。
すると、早速、絶頂の動作を示した。
「はふううう……」
声は大きくないが、明らかに欲情した嬌声をアルオウィンが口から迸らせる。
「淫らすぎるな。もう少し、我慢せんか、アルオウィン」
ダルカンはガドニエルの声と口調で言った。
アルオウィンががくがくと身体を痙攣させ、その後、悔しそうに顔を歪める。
ますます、股間の一物が固くなるのがわかる。
抽送を始める。
アルオウィンがよがり始めた。
「パ、パリス、と、ところで、宴の趣向に、あ、あるエルフ女を、新しい、じ、侍女として、イムドリスに、い、入れている。よかったら、相手を、するか?」
ダルカンはアルオウィンを激しく犯しながら言った。
アルオウィンは口惜しいのだろう。
欲情しながらも、眼に涙を浮かべている。
これでなければ面白くない。
ダルカンは満足した。
これで準備した趣向も愉しめそうだ。
「おっ? なんだ? そういうことについては、いつも俺はお前にはかなわねえ。なにを連れて来てくれるんだ?」
パリスが言った。
「な、なに……こ、この、アルオウィンが……か、隠していた、実の、妹だ。まだ、まったくの……て、手つかずだ……。このアルオウィンを見せて……、そして、ここで調教するのはどうだ?」
ダルカンは言った。すると、律動を続けていたアルオウィンの膣がぎゅっと締まった。さらに、大きく背中をのけ反らす。
「んがああ──」
ダルカンの言葉が耳に入った途端にアルオウィンが全身で暴れ出す。
どこにそんな力が残っていたかと思うような暴れぶりを示すもする。
もっとも、ダルカンの一物は完全にアルオウィンを貫いていて、しかも、四肢のないアルオウィンに大したことができるわけでもない。
ダルカンは魔道でアルオウィンの身体を押さえる。
これくらいのことなら、ダルカンにもできる。
「ははは、そりゃあ、面白そうだ。だから、お前が好きだぜ、ダルカン──」
パリスが手を叩いて笑った。
ダルカンはアルオウィンの股間に精を注いでから、ガドニエルの声で「言玉」を作り、ひそかにここで働かせることにしたアルオゥインの妹、すなわち、侍女のセリアを呼び出した。
いまだに、ダルカンに股間を貫かれて、二度目の射精を受けようとしているアルオウィンが必死の表情でダルカンに首を振り、なにかを訴えるようにぼろぼろと涙をこぼした。
(第27話『悪党どもの宴』終わり)
*
これからというところですが、ひとまず主人公の視点に戻ります。
・男の心を持ったままの女体サロンへの凌辱による心のへし折り
・アルオウィン、セリア姉妹のダブル調教
書こうか、跳ばすか迷いましたが、跳ばして話を続けることを選びました。