【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
415 第六回新参者会合
エランド・シティにやって来るのは、十数日ぶりだろうか……。
そのときには、イットは、まだアンドレの奴隷であり、彼の隊商と一緒だった。
考えてみれば、あれから幾日もすぎていないのに、なんという変わりようだろう。
あの
そんな風に人生が転がるなんて、思いもしなかった。
さらに言えば、父親によってカロリック公国内の奴隷商に売られて以来感じることのなかった幸福感というのを味わっている。
とにかく、いまは新しい仲間がいて愉しい。
いまは、宿屋だ。
エランド・シティに入るのは面倒なことではない。
イットは、ロウたちとともに馬車でやって来て、なんの問題もなくシティに入ることができた。
もっとも、エルフ族の都と称されているエランド・シティは空中浮遊都市だ。
城郭そのものが、地上からずっと高い場所に浮かんでいて、エルフ族たちはその上層側で暮らしている。
ただし、上層部は下層側からは見えない。
エルフ族の不思議な魔道結界によって隠されているのだ。
イットたちが宿をとったのは、浮遊都市の真下になる「下層部」であり、そこでは、上層部で暮らすことができないエルフ族の貧民層とエルフ族以外の種族が下層都市を作っている。
イットたちが宿をとったのは、その下層部の中心になる。
上層部側は、いわゆる貴族街であり、冒険者程度では入ることはできない。
もっとも、最初に教えられて驚いたのだが、ロウは気さくな感じでイットにも接するが、ハロンドール王国で成功した
その肩書があれば、上層部にも問題なく泊まれるとは思うが、ロウはいまのことろその気はないらしい。
とりあえず、下層部に拠点を置き、もしかしたら水晶宮に連れられていったかもしれないユイナというエルフ族の少女を探すのだそうだ。
イットも深くは承知していないが、そのユイナを探すのが、この旅に同行をしているイライジャという褐色エルフの依頼とのことであり、ロウはそのために、はるばるとこのやって来たのだ。
また、水晶宮というのは、エルフ族の支配するナタル森林全体を治める行政機関であり、いわゆるエルフ族の女王の宮殿だ。
ただ、女王ガドニエルは、水晶宮にはおらず、そこからしか入ることのできないイムドリスという隠し宮で暮らしている。
ガドニエル自身は、滅多に人前に姿を示すことはなく、水晶宮で女王の代官とするのが、“太守”という地位のエルフ族になる。
いまは、正式の太守は病で伏していて、その妻のカサンドラという女性が太守の業務をしているはずである。
まあ、イットが知っているのは、それくらいのことだ。
ロウはエランド・シティの街並みに到着すると、下層側にある冒険者ギルドに顔を出し、そこに紹介された宿屋をとった。
その宿屋はふたり部屋しか扱っておらず、ロウはそれを四部屋とった。
イットを含めて、一行は八人だ。
だから二人部屋を四部屋ということらしいが、奴隷身分の自分も一人前に数えられているのは驚いた。
奴隷解放をされたとはいっても獣人族であるし、てっきり馬車の番を兼ねて、納屋かなにかを寝床にあてがわれると思ったのだ。
だが、イットもほかの女たちと同じように宿屋の中に部屋をあてがわれた。
そもそも、馬車そのものが消えてしまった。
あのロウの「亜空間」とかいう魔道のようだが、「いんまし」というのは、なんとも不可思議な存在だと思った。
また、不可思議なのは、ロウだけではなく、ロウの女たちもだ。
ロウの女たちは、どの女も自分のことを「奴隷」だと口にするが、誰も奴隷扱いされていないし、奴隷のようにはロウには接しない。
イットからすれば、奴隷などではなく、ロウの寵を争う六人の愛人という感じだ。
どうやら、奴隷と口にするのは、この関係の中の「戯れ」のようなものだと思うのだが、「本当」の奴隷であるイットに対しても、誰ひとりとして奴隷扱いをしない。
いや、実際には、イットはすでに奴隷解放をされて、「自由人」だった。
自分が奴隷以外になることなど、夢にも思わなかったので、いまだに戸惑うことが多い。
とにかく、イットはほかの女たちと同等に扱われている。
人族の中でも蔑視されている獣人族にもかかわらずだ……。
すべて同じ……。
さまざまな小間仕事も……。
ロウに対する性奉仕も……。
そして、ロウへの性奉仕は激しい。
一応の伽の順番のようなものはあるのだが、それはあってないようなものだし、夜だけでなく、昼間でも朝でも、ロウの気紛れで、それこそ死ぬほどに愛される。
ロウは絶倫であり、異常なほどに性愛が上手だ。
イットはずっと性奴隷だったので、これまでの人生だけで何人もの男に奉仕をしてきたが、ロウ程の床上手の男は存在しなかった。
死ぬほどの快感……。
それがロウの女に対する愛し方だ。
いずれにしても、ロウはイット命の恩人だ。
あのとき、ロウがいなければ、イットは間違いなく、前の主人であるアンドレに殺処分されていた。
命をくれた人……。
ロウの愛し方は、かなり特殊だが、驚くべきことに、七人もいる連れの女を一日の間に、最低一巡以上は抱く。
一度にひとりだけのときもあれば、複数を同時に抱くこともある。
幾度も繰り返したくなるが、とにかく、絶倫だ。
また、たくさんの女性を侍らせるだけあり、イットが、ロウとふたりきりになれるということは少ない。
抱かれるときも、大抵は、ほかの女と一緒だ。
ほかの女たちの前で、抱かれることには、さすがのイットも当初は抵抗はあったものの、すぐに慣れてしまった。
なにしろ、ほかの女たちもそうしているのだ。
そういうものかと、受け入れてしまう。
……というわけで、それほどの日数が経ったわけじゃないが、イットも、ロウの奴隷になってからは、少なくとも、一日に一回以上、精を注いでもらっている。
命の恩人である人に求められ、愛され、認められ、そして、躾けてもらえる。
まさに、無情の悦びだ。
そんな風に思考してしまうのは、ロウにいわせれば、イットが「まぞたいしつ」であるからだそうだ。正確にはよくわからないが、雰囲気で意味はわかる。
あたしは、「まぞたいしつ」だ。
また、ロウの愛人になってから、変化したことがもうひとつある。
恐ろしいほどに、身体が軽くなり、以前とは比較にならないほどに戦えるようになった。
これもまた、ロウによるもののようであり、信じられないが、ロウに精を注がれた女は、誰も彼もなにかしらの能力が飛躍的に向上するのだと教えられた。
そんなこと信じられるわけもないが、事実であることは、イット自身で味わっている。
本当に不思議な人だ。
もちろん、これはロウの愛人仲間のみの秘密だ。
それが公になれば、大変なことになるのは、イットでもわかる。
だが、それと引き換えにイットの中に現れた別人のイット……。
いまだに理由は不明だが、何度かイットは、まるで他人がイットの中に生まれたかのように、身体を乗っ取られるということがあったのだ。
ロウの愛人になってからのことであり、ほんの少しのあいだだが、イットは恐怖してしまった。
このところはもうないが、なんだったのだろう、あれは?
ロウも調べようとはしてくれたが、結局わからなかった。
とにかく、エランド・シティに入って一夜目となる今夜の伽は、シャングリアとエリカが指名された。
いまは、ふたりはロウの部屋だろう。
イライジャとコゼは、ユイナというエルフ少女の情報を集めるために、夕食が終わると、すぐに宿屋を出ていった。
みんなに言わせれば、情報集めであれば、そのふたりの右に出る者はいないそうだ。
イットはそのコゼと相部屋だったので、夕食後はひとりでいた。
すると、ミウに呼び出されて、いまは、ミウとマーズの部屋に一緒にいる。
なにか大切な相談があるそうだ。
向かい合っている寝台の片側にミウとマーズ、反対側にイットが顔を突き合わせているかたちだ。
「改めて、歓迎いたします、イット。では、第六回目の新参者集会を始めます」
ミウが宿屋の主人に頼んで準備してもらったという果実酒がそれぞれに配られると、まず、ミウが芝居じみた強い口調で言った。
果実酒のほかに、テーブル代わりに寝台と寝台のあいだに置かれた木製の椅子の上に拡げられた紙に載せたクッキーもある。
訊ねると、その代金は、旅の路銀として、ミウが個人的に持ってきたものだそうだ。
これひとつでも、ミウが本当は奴隷身分でないことは確かだ。
奴隷は個人資産など持てないし、勝手に飲み物や菓子を買うなど許されることではない。
ミウは、十二歳になったばかりの可憐な少女であり、栗毛でツインテールがよく似合っている可愛らしい女の子だ。
最初は、彼女は、自分は「性奴隷」だと自己紹介した。
だから、当初は鵜呑みにしたのだが、実はとんでもない魔道遣いだった。
野宿のときにも、馬車一台分を軽く覆ってしまう結界を張ってしまうし、イットたちが襲撃されたあの死霊体を浄化したのもミウらしい。
ミウはいままで接した魔道遣いの中で一番にすごい。
そのミウの宣言めいた言葉のあと、追従するようにマーズが拍手をした。
マーズは、小柄なミウやイットとは対照的な、肩までの黒髪をした、大柄で筋肉がとても逞しい少女だ。
年齢は十六歳というが、とても、イットの一歳上とは思えない。
彼女は、闘戦士なのだという。
もともと闘奴隷だということだったが、いまはロウによって、開放されたようだ。
とにかく、イットも慌てて拍手をした。
しかし、新参者集会とはなんだろう?
ミウに引っ張られて、この部屋に入ってきただけなのだ。
なんの説明も受けていない。
「では、この集まりの目的を説明します。先日、イットは、ロウ様の性奴隷のひとりとして、あたしたちの仲間入りしましたので、この新参者集会に少しでも、早く加わってもらいたいと思っていました。なかなか、三人で集まれる機会がなかったので、今夜まで伸び伸びになってしまいましたが、ともかく、イット、改めて歓迎します。仲良くしてください」
ミウがにっこりと笑った。
イットは慌てて頭をさげた。
「で、でも、これ、なんなんですか、ミウさん……?」
イットは困惑しながら訊ねた。
「イット、丁寧な言葉遣いはやめてくださいよ。いつも言っているじゃないですか……」
すると、ミウが溜息をつく。
そのとき、横でマーズがぷっと噴き出した。
「ミウ、まずは、ミウがイットに砕けた物言いとするといい。そうでないと、イットは気楽にできない。あたしにしてくれたように、まずは、ミウの方から言葉遣いを改めたらいい」
ミウは困った表情になった。
「だって、イットさんは、歳上だし……」
「あたしとほとんど同じ歳だぞ」
マーズが笑った。
ミウの頬がやっと緩んだ。
「うう……。そうね…。じゃあ、改めて、あたしたちと仲良くして、イット……。あたしたちは団結をしなくちゃいけないわ」
一転して砕けた口調で、ミウが言った。
「団結?」
「そうよ、イット。あたしたち三人は団結をして、先輩お姉様たちから、少しでもたくさんのロウ様の寵を確保しなければならないわ。そのために、こうやって集まっているのよ」
「新参者派閥だそうだ、イット。派閥の親分はミウだ。ちなみに、言い出したのもミウだ。まあ、諦めろ。あたしは、もう五回もこれに付き合っている」
マーズが笑った。
「付き合っているというのはひどいよ、マーズ。あたしたちは、協力しなければならないわ。さもないと、ロウ様に遊んでいただく時間がどんどんと短くなるのよ。コゼ姉さんなんか見てよ。あのくらいしなくちゃ」
その屈託のないミウの笑顔に、イットはつい顔が綻ぶのがわかった。
また、意外に砕けているという印象はマーズに対しても感じた。これまでのマーズの印象は、怪力で武術の腕はすごいが、朴訥で大人しいという印象だった。
だが、目の前のように、あんな表情もするし、明るく喋れるというを知った。
ミウについても、すごい魔道遣いだというのは認識しているが、やはり、無邪気で可愛らしい少女だ。
とにかく、ロウにべったりのコゼと争うように、ロウにくっついていくのは、ちょっと微笑ましい。
確かに、この三人というのは、ちょっと安心する気がする。
一年以上前からのロウの愛人であるエリカ、コゼ、シャングリアという三人は、ちょっと割り込めないロウとの絆の強さを感じるのだ。
なんとなく、ロウに対する立ち位置が同じような気がして、ほっとする。
だが、それで思い出したが、そういえば、エリカはやたらとイットにくっつきたがる。最初は戸惑ったが、やっと慣れてきた。まあ、性奉仕には抵抗はないので、ロウさえ問題なければ、相手をするのもやぶさかではないものの、エルフ族の美女のエリカが獣人のイットに、身体を求めるのは驚きでしかない。
「あたしは、言われたとおりにしているぞ。伽の番のときには、なるべく、ミウを指名するようにしているだろう」
マーズがまた笑った。
なんのことかと思ったら、夜の伽というのは順番があって、自分の指名のときには、パートナーとなる女を好きなように一緒に参加させることができるらしいのだが、そのことのようだ。
ロウは絶倫だ。
ひとりで相手をすれば、ロウを満足させる前に、女の方が倒れてしまう。
だから、ふたり、三人と複数で相手をすることにしたそうだ。
つまりは、この集会は、それぞれが伽の順番のとき、なるべく、お互いを招き合う約束をするためのことらしい。
ほかにも、ロウの寵を分けることができる機会があれば、ほかの者よりも、この三人を優先しようということもあるらしい。
とにかく、ミウから、しばらく話を聞き、その健気さに、なんだか笑ってしまった。
「わ、笑わないでよ、イット。そんなことでもやっていかないと、大変なのよ。ロウ様には何人の愛人様たちがおられると思っているのよ。なんにもしなければ、ずっとお相手をしてもらえないかもしれないわ」
イットが笑ったのを、馬鹿にしているとでも勘違いしたのか、ミウが憤慨したように頬を膨らませた。
しかし、イットは意外な言葉を聞いた気がした。
なんとなくだが、ミウの物言いは、ここにいる女以外にもロウの相手がいるという響きだ。
「もしかして、ほかにも愛人……、つまり、ロウ様のお相手はいるの?」
訊ねた。
すると、ミウより先に、マーズが口を挟んだ。
「そうだな。あたしもちゃんとは知らないんだ。一度、教えて欲しかった……。ねえ、ミウ、もしかしたら、王都を出立するときに集まった女の方々が全員、ロウ様のお相手なのか?」
「そうよ……」
ミウが大きく頷く。
「……あそこにいた全員。多分だけど、あれだけじゃないわ。スクルズ様の任官式のとき、国王の寵姫様のことをスクルズ様とベルズ様がお話をしているのを立ち聞きしたことがあるの。きっと、そのお方々も、ロウ様の愛人様なのだと思うわ、マーズ」
「えっ、国王の寵姫がロウ様の愛人?」
イットは驚いて、横から声をあげてしまった。
「イット、そんなことで驚いてはいけないわよ。ハロンドール王国の王太子のイザベラ姫様、その姉様のアン様、そして、アン様のお母様のアネルザ正王妃様も、ロウ様の性奴隷よ……。あっ、でも、それは口外するのは禁止だから……」
ミウの言葉に度肝を抜かれた。
ハロンドール王国の王族──?
正王妃に、王太子の王女?
まさかとは思ったが、ミウの表情だけでなく、マーズの態度も、冗談を喋っている気配はない。
本当のことなのだろうか……。
イットは唖然とした。
すると、ミウは、ロウの愛人だという女性の名を次々に語りだした。
それは信じられない人物ばかりだった。
ハロンドールの王都の冒険者ギルドのミランダ──。
その名は、イットも知っていた。
王都ハロルドの副ギルド長をしているらしいが、伝説の
会ったことはないが、少女のような顔立ちをしたドワフ族のはずであり、たったひとりで二千人の大盗賊団を討伐したことがあるという逸話の持ち主である。
ほかに名が出たのは、ミウの師匠だというスクルズという神殿長──。
ベルズ、ウルズという女神官──。
さっきの王族に加えて、その女部下や侍女、国王の寵姫──。
ほかにも女冒険者の名もある。さらに女豪商……?
イットは絶句した。
もしかしなくても、どうやら、とんでもない男の奴隷になった気がする。
王妃や女王太子を愛人にしている……?
それって、ものすごい犯罪じゃないのか……。
背に冷たいものが流れた。
いずれにしても、なんという顔ぶれだろう。
それにイットが加わるなど、やっぱり、冗談ではない。
「そ、そんな……。だったら、やっぱり、本当は奴隷のあたしが同じような愛人のひとりとしてなんか、お仕えできない」
イットは心から叫んだ。
「なにを言っている、イット。あたしもだんだんとわかってきたけど、先生……いや、ロウ様は、奴隷だとか、王族だとか、まったく気にされない方だ。ロウ様自身が貴族様だけど、ちっとも、そんな素振りをお示しにならないだろう? そもそも、あたしも奴隷だし、コゼ様も奴隷あがりだ。気にするだけ、おかしい」
マーズがきっぱりと言った。
イットはまたもや絶句した。
奴隷あがりに……、王族に……、伝説の女冒険者に……、高位神官に……。
そして、神官のひとりは王都の神殿長のひとり……。
とても、本当のことをとは思えない……。
「そうよ。それよりも、あなたは、どんな枠でいくの、イットさん?」
ミウが訊ねた。
「枠?」
意味がわからず、イットは首を傾げた。
「枠よ。イットはなにをもって、ロウ様のご興味をもってもらうかということよ。例えば、あたしはやっと十二歳だけど、同じくらいの女の子よりも小柄で幼いから、童女枠で行けると思うわ。ロウ様がちょっとおっしゃったけど、“ろりこん”っていうそうよ。もっとも、この世代でいられるのは、あと数年のことだから、それからどうするかをこれから考えないといけないけど……」
「えっ?」
ミウが語りだした内容についていけずに、イットは思わず問い返した。
しかし、ミウは構わず話し続ける。
「……マーズは、これでも、毎日、一緒に調練をして、調練をしながら嗜虐されるという『ぷれい』でロウ様を愉しませているわ。そんなアイデアって、思いつかなかったわ。マーズも狡いと思う。とにかく、ロウ様にたくさん愛されるためには、そのために工夫したり、努力したりしないといけないということよ。マーズみたいに……」
「あ、あれは、強くなるための修行なのだ。べ、別に、おかしなことを企むわけでは……。まあ、確かに、先生は、調練のときに、あたしをお抱きになることが多いけど……」
マーズが真っ赤な顔で言った。
イットは、ミウが口にした“ぷれい”というのが意味がわからず、首を傾げたが、口を挟むのは躊躇った。
「エリカ姉さんは、あんなにお綺麗で、真面目で、一途で、それでいてお強いけど、とても身体が敏感なの。ロウ様に悪戯されると、いつも本気で恥ずかしがって、抵抗しようとするから、ますまず、ロウ様は、エリカ様にちょっかいをお出しなさるのよ。あたしは羞恥系マゾと分析しているわ……。コゼ様は尽くしマゾね。とにかく、どんなことでも受け入れるマゾ女枠よ。シャングリア様は、実は苦痛系マゾなの。アン様は依存系マゾで、スクルズ様は積極的なマゾの路線で、時々、ロウ様の悪戯を手伝ったりして、ロウ様のお気に入りの立場を守られている……。ああ、あたしって、これから、どの系統でロウ様に気に入られたらいいんだろう……。ねえ、イットさん、とにかく、ぼやぼやしちゃだめなの──。奴隷だから、待っていればいいなんて、通用しないんだから──」
ミウがまくしたてた。
だが、イットはただただびっくりした。
喋っていることの半分も理解できないが、とにかく、ミウが、ロウの性癖について研究して分析し、一生懸命に寵を得る努力をしようとしているということだけは理解できた。
確かに、ぼやぼやなんてしてはいけないのかもしれない。
イットは改めて、そう思った。