【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「上層にも行ってみようか、コゼ?」
イライジャは、夜の街並みを一緒に歩いてるコゼに声をかけた。
コゼは、首を竦めた。
「あんたに任せるわ、イライジャ。上に行くということは、あんたが“ご主人様”で、あたしが“従者”ということになるのかな?」
「奴隷でもいいわよ。性奴隷ね。ロウみたいに、道端であんたを調教しようかしら」
イライジャは笑って、すっとコゼのズボンの股に手を伸ばした。
エランド・シティの下層層と呼ばれる地域だ。
いま、歩いている地域は、その中でも庶民向けの酒場が並ぶ界隈であり、人並みは多い。ただ、酔客も多いので、多少の冗談は目立ちはしない。
「あたしのご主人様は、ロウ様ひとりよ。あ、あんたの責めを受け入れるのは、ご主人様が命じるからよ。勘違いしないでよね」
しかし、コゼが予想以上に憤慨した様子で、さっと身体を避ける。
イライジャは苦笑して、手を引っ込めた。
このコゼに鬼畜な百合責めをしたことは、一度や二度じゃない。
イライジャの悪戯に、泣き悶えるコゼは、心の底から可愛いと思う。
だけど、そんな痴態は、ロウがいるから受け入れるのだと、コゼは強く主張しているのだ。
その必死さが面白くて、噴き出しそうになった。
もちろん、ここでコゼに手を出そうなどというのは、本気じゃない。
だけど、可愛くて、被虐癖のある女の子を前にすると、どうしても手を出したくなるのが、イライジャの悪い癖だ。
まあ、自分でも困った病気だなあとは思う。
幼いころからの自分の淫乱体質を満足させたくて、少女時代は、半ば強引にエリカやシズを巻き込んで百合関係に仕立てあげた。
結婚をしたことで落ち着いたが、その夫が死に、ロウという淫魔師の集団に交わってからは、その忘れていた性癖がまたまた表に出てきたように思う。
でも、ロウのように、表と裏を使い分けずに、のべつ幕なしに淫乱なわけではない。
あの「ロウ軍団」の中では、イライジャなど、まともすぎる方だ。
イライジャは、真面目なときは真面目にやり、性行為などのときには、思い切り羽目を外す……というのが信条だ。
あの男のように、女を抱きながら、そのついでに「大切な仕事」をするような節操なしではない。
とにかく、イライジャとコゼがいるのは、宿屋で待っているロウたち仲間に、明日からの行動を決めるために必要な情報を集めることだ。
目的は、褐色エルフの里から拉致されたユイナを探すことある。
そして、そのために有益な情報を得るのは難しいことじゃなかった。
コゼと一緒に、エランド・シティの下層部分にある冒険者ギルドと、冒険者の集まりそうな酒場を数軒ほど回り、だいたいのことはわかった。さらに、占い師を称している「情報屋」のある裏通りの一角も訪問した。
冒険者の中には、情報屋と称する、文字通り、有益な情報を売って利益を得ている者もいる。その人物を探し出して、とりあえず、すぐに得られる情報を買ったのだ。
さらに、こっちの仕事に役立つ「情報」があれば、さらに金を出すとも言った。
おそらく、あの情報屋は、ユイナに関する情報を集めてくれるだろう。
それなりの仕事をするということをイライジャは、接していて感じた。
わかったことは、エランド・シティの主体である上層部への行き方だ。
まず、エランド・シティは、二重構造になっている。
これは、事前にイットに教えられていた通りだった。
下層地域は、労働者や農民、エルフ族以外の住民や訪問者のための地域であり、つまりは、上部地区で生活をすることを許されていない種族や階層の者の場所であるのに対して、上部地区というのは、いわゆる、上部地区だ。
エルフ族が主体となる「貴族地区」なのだ。
上部地区に行くのは、下層地区にある塔のような施設から向かうようだ。
塔の下側に魔道の扉があり、上層に向かう「資格者」であれば、上層地域に転移されて、そこに到達できるという仕組みらしい。
そして、大切なことは、上層地区に向かう「資格者」には、森エルフの住民のすべてが含まれているということだ。各地に点在するそれぞれのエルフの里の住民であるエルフ族には、立入資格があるのである。
つまりは、まだ正式には、ハロンドールに拠点を移していないイライジャには立入資格がある。塔の魔道は、イライジャを弾くことはないだろう。
また、侵入資格を持つ者については、その従者を帯同できる。
だから、イライジャを中心として、ほかの者を従者扱いにすれば、上層地区に入れると思う。
また、もっとも重要な情報は、ユイナらしき者が護送されて下層地区から上層地区に入っているということだった。
時期的には、褐色エルフの里からユイナが消えた時期に合致している。
外から上層地区に入るには、必ず下層地区からの塔を経由でなければ入れない。
だから、塔を使ったのだろうと思うが、人目を引くエルフ少女が、エルフ憲兵が周囲を囲むように連れていかれたということで、それを目撃した者は記憶に残っている者が多かったようだ。
いずれにしても、ユイナが上層地区に入った可能性はかなり高くなった。
事前の情報のとおり、上層地区から、さらに転移門で隠し谷に入ったということも間違いないかもしれない。
「まあ、とにかく、行ってみようか。イライジャを主人役にして、あたしを従者設定にするだけで、塔が弾かないかどうかを確認する必要もあるしね」
コゼが言った。
イライジャは頷いた。
教えてもらった道を進んで、一番近い「塔」の前に立った。
それは下層地区にある広場のひとつにあったが、塔を見上げても、どこかに通じているという感じはなく、塔の先端は、そんなに地面から離れていないところで終わり、その上は普段と変わらない夜空である。
今夜の月は三個だ。
広場はかがり火もあり、月の光もあるので十分に明るかった。
あちこちにベンチもあり、そこに腰掛けて談笑している者も多く、あるいは立ち話に興じている者もいた。
広場の両側には屋台も並んでいて、立ち食いのできる食事や飲み物も売っている。
下層地区なので、エルフ族は少なく、人族の集団が目立った。
「行ってみようか」
イライジャはコゼとともに、塔の前に立った。
すると、イライジャの目の前で、壁全体が隙間に陥るように消滅して、そこに小さな空間が出現した。
中には、なにかの装置を操作している人間族の男がいた。
「ふたりか?」
「上にわたしの泊まっている宿屋があるのよ。わたしが主人で、こいつは人間族の侍女よ。それとも、なにかの証明書が必要?」
イライジャは言った。
「いいや。あんたは森エルフのようだな。エルフの森の加護を帯びている。塔の魔道があんたを弾かなかった。それで、上層部のどこに向かう?」
「宿屋地区に」
上層部にも、下層地域と同じように、宿屋もあれば、酒場もあり、商店の並ぶ場所もあるとは知っていた。ただ、下層地域とは全く異なる別世界だとは耳にしていた。
「おい、待ってくれ」
そのとき、五人ほどの集団が中に乗り込んできた。
五人ともエルフ族の衛兵だった。
その衛兵たちのひとりの男が、先に乗っていたイライジャとコゼを一瞥して、すぐにイライジャの顔をじっと凝視してきた。
なんだか気味の悪い笑みが浮かんでいる。
居心地の悪さを覚えて、イライジャは部屋のぎりぎり奥まで後退した。
「閉めるぞ」
案内人の男がぶっきらぼうに言った。
外に通じる扉が消滅する。
そのときだった。
「イライジャ、さがって──」
突然にコゼが叫んで、イライジャの前に立った。
なにが起きたかわからなかったが、イライジャ以外の全員が短剣を抜いていた。
「ぐっ」
コゼが呻き声をあげて、その場に崩れた。
脇腹の左右から短剣が突き刺されている。
血が床に流れ落ちている。
「コゼ──」
イライジャは悲鳴をあげた。
コゼを抱き起こそうとした。
しかし、身体が金縛りになったように動かない……。
はっとした。
ひとりだけいる人間族の若者が、なにかの魔道をかけている……。
コゼが呆気なく刺されてしまったのも、このためだ。
「従者の女はいい。どうせ大したことは知るまい。最小限の治療だけはして、とりあえず、水牢に入れておけ。訊問は先に、エルフ女からする」
命令をしたのは、エルフ族の衛兵のうち、もっとも若そうに見える男だ。
その男の指示があると同時に、イライジャはエルフの衛兵たちによって、両側から腕を掴まれてぴったりと身体を密着された。
とっさに魔道で抵抗しようと思ったが、すぐに首に魔道を封じる首輪を嵌められた。
さっと左右から手が伸びて、魔道の杖も武器も奪われる。
恐ろしいほどの早業と連携だった。
「どういうことよ?」
イライジャ声をあげた。
そして、慌てて、コゼを見た。
横腹を突き刺されたわりには、それほどの出血はないように思えた。
ただ、なにかの魔道のかかった短剣なのか、コゼはすでに意識がない状態だ。
「大人しくしろ。お前は逮捕されたんだ」
若者がイライジャの額に手をかざした。
その瞬間、イライジャの意識は、兆候もなく完全に途切れてしまった。
*
気がつくと、窓のない広い部屋にいた。
イライジャは両手と両足を真っ直ぐに伸ばして、宙に浮かんでいた。
首は動く。
部屋を見渡す。
正面にイライジャとコゼを捕らえた男が椅子に座っていた。
ほかに部屋にいるのは、五人ほどのエルフ男だ。
とっさに、イライジャたちを捕らえた衛兵だと思った。
しかし、いまは彼らは、あのとき、身につけていたエルフの衛兵の恰好はしていない。だから、彼らが本物の衛兵かどうかは判断できないでいた。
そもそも、捕らわれたのはなぜか……。
頭をよぎったのは、ロウやエリカを追っているというアスカという魔女のことだ。
ロウたちは、そのアスカという魔女とその手の者をかなり警戒していた。
もしかしたら、その一味か……?
「こ、ここはどこよ……。わ、わたしの従者は無事なの──?」
声をあげた。
次の瞬間、身体がものすごい勢いで回転を始めた。
上下、左右、斜め、とにかく滅茶苦茶に高速回転をする。
「ああっ、いやああ、いやあああっ」
ものすごい恐怖だった。
魔道で固定されているのは手足のみのようであり、四肢や首の根元から身体が引き千切られるような苦痛が発生した。
また、回転に従って、身体が左右に揺れたり、上下に飛び跳ねたりして、そのたびに大きな衝撃がイライジャに襲い続けた。
「やあ、やめてええっ、お、降ろして、おろしてええ」
絶叫した。
しばらくすると、回転が不意にとまった。
イライジャは脚と上にした状態で静止させられた。
短いスカートは胸まで捲れ落ち、下着が露出した。
イライジャは、屈辱に歯噛みした。
「質問するのはこっちですよ……。ああ、それと人間族の女護衛は無事です。まだね……。とにかく、向こうは、向こうで訊問をしています。まあ、あなたが心配することじゃない」
質問をしたのは、若いエルフ男だ。そして、集まっているのは、イライジャたちを捕らえた者たちの顔と一致したような気がする。
質問をした若者が笑った。
そして、指をさっと動かす。
再び、身体が高速で回転を開始する。
「いやあああ、あああああっ」
回転を受けながらイライジャは堪らず叫んでいた。
しばらくすると、またもや唐突に回転がなくなった。
今度は完全な横向きだ。
イライジャは完全に脱力していた。
「ロウ・ボルグという男とエリカの居場所を知りたい。正直に教えてくれれば、こんなことは終わりにします」
若者が立ちあがって、イライジャに近づいてきた。
その若者の合図で、壁際に待機していたエルフ男たちも近づく。
しかし、これでわかったのは、この男たちが本当の衛兵であるか、否かに関わらず、彼らが追っているのは、やはり、ロウとエリカだということだ。
つまりは、彼らは、アスカという魔女の手の者である可能性が高い。
「うわっ、いやああ」
若者が前に来たとき、またもや、不意に身体が激しく回転を開始した。
かなりの回転を繰り返してから、やがて、を上にした体勢に戻った。
「教える気になりましたか、イライジャさん?」
若者がにやりと笑った。
背に冷たい汗が流れる。
イライジャのことを知っているということは、それなりに事前に調査をしていたということだ。あるいは、このエランド・シティの下層部で網を張っていたのかもしれない。
少なくとも、イライジャやコゼの顔を知られていたのは間違いないだろう。
情報収集をしようと動いたために、まずは最初に、イライジャたちが彼らの情報網に引っかかってしまったのかもしれない。
しかし、まさか、こんな風に網を張られているとは思わなかったので、そんなに身を隠すような行為はしていなかった。
ロウたちが入っている宿屋だって、冒険者ギルドの紹介で受けた宿屋をそのまま利用している。
だが、逆に考えれば、それにもかかわらず、こうやって訊問をして、ロウの居場所を探ろうとしているのは、彼らは、それほどの情報は持っていないだろう。
だから、なんとか隠し通せば、ロウたちに時間を与えることができるかもしれない。
また、耐えていれば、イライジャたちが戻らないことで、ロウは危機を知ってくれる。
出立する前に刻まれた「見えない貞操帯」というものも、そういえば、ロウがイライジャたちを見つける手掛かりになるのだと口にしていた気がする。
「し、知らないわね……。そのロウって、誰よ──」
荒くなった息の下から、イライジャは言った。
言葉が終わると同時に、またもや身体が回転を開始した。
今度は、前の三回に比べて遥かに速かった。
そして、長かった。
永遠に続くのかと思う時間のあと、やっと回転がなくなった。
もう目を開けていられなかった。
気を失う代わりに、頭が朦朧とした。
回転のあいだは満足に息ができなので、静止した瞬間からイライジャの身体は呼吸を求めて必死に胸を喘がせた。
「教える気になった? あまり、時間をかけたくないんだよね。ロウとエリカはどこ?」
「い、い、言ったでしょう……。そんな者たちは……知らない……」
「仕方ないねえ。じゃあ、本格的に拷問を開始するか」
若者の手がイライジャの上衣に伸びた。
力任せに胸元を引き千切られる。
「あうっ」
朦朧とした苦痛の中で、イライジャは裸にされる恥辱と羞恥を意識しないわけにはいかなかった。
若者が少し離れて、エルフ男たちに入れ替わった。
彼らは、びりびりとイライジャの着ているものを引き破り、ただの布切れに変えて床にどんどんとまき散らしていく。
イライジャの乳房が露わになった。
エルフ男たちの手が残っていたスカートと下着に伸びる。
「や、やめなさいよ──」
イライジャは声をひきつらせた。
あっという間に、イライジャは生まれたままの姿になった。
「とりあえず、これを塗るか。少しは、まともな態度を取れるようになるはずさ」
訊問をしている若いエルフ男がほかのエルフ男たち小瓶を渡す。
それが男たちの手をに渡り、次々にイライジャの身体に伸びてきた。
なにかの油剤が一斉に全身に塗りたくられる。
乳首──。
剥き出しになった股間とお尻……。
肉芽にも……。
「ああっ、い、いやっ……し、しないで……そんなこと……」
黙って耐えるには、あまりもの恥辱感だった。
だが、男たちの数名が違和感を覚えたように、戸惑ったのがわかった。
「ジェロフさん。指が奥に入りませんよ。なにかの力で遮断されています」
エルフ男のひとりが言った。
それでわかったが、最初に質問をしていた正面の若者は、ジェロフというらしい。
そのジェロフが、眉をひそめてイライジャ近づいた。
無造作にイライジャの股間に指を突っ込もうとする。
だが、すぐに舌打ちをした。
「くっ、あり得ませんよ──。俺に解けない結界なんて……。そんな生意気なこと許可できるわけないじゃん。誰だよ──。お前の股に妙な結界を張ったのは──」
突然にジェロフが苛立ったように叫んだ。
唖然とするほどの変わりようだが、少しだけ溜飲が下がった。
「見えない貞操帯」とかふざけた名称の結界を刻んだのはロウだ。どうやら、このジェロフは余程に自分の魔道に自信を持っていた気配だが、目の前のロウの結界が解けずに、かなりの苛立ちを覚えたようだ。
「だったら、やり方を変えてやる。指や性器を受けつけないなら、こっちはどうだ」
ジェロフが舌打ち混じりに言った。
すると、お尻の中にひんやりとした液体が逆流する感覚が襲ってきた。
「な、なに──? なにをしたの──?」
思わず悲鳴をあげた。
「おう、挿入は駄目だけど、転送は受け付けるんだね。いまのは、浣腸液をあなたのお尻の中に転送してあげたんですよ。外から受け付けないけど、内側から出すのは普通なんでしょう? じゃあ、ちゃんとした厠で排泄したくなったら教えてください。その前に、ロウとエリカの居場所を喋ってからになるけどね」
ジェロフがほっとしたように笑った。
再びエルフ男たちは離れていく。
しかし、イライジャは自分の顔が蒼ざめるのがはっきりとわかった。
そして、さらに愕然とすることが起きた。
全身を激しい掻痒感が襲ったのだ。
さっき薬剤を塗られた場所から沸き起こる強烈な痒みだった。
「ああ、な、なにを塗ったの──。ああっ」
すでに四肢は感覚を失っているが、それでも暴れなければいられない猛烈な痒みだ。
イライジャは狂ったように、身動きできない身体を暴させた。
「ああ、さっきのは、拷問用の薬剤だよ。本当は薄めて使うものだけど、特別に原液のまま塗ってもらったんだ。君が正直になれば、助けてあげられるんだけどね」
ジェロフが言った。
指がぱちんと鳴り、尻の内部にさらに浣腸液が転送されたのがわかった。