【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふふふ、わ、わたしも変な気分になりそうです……。だ、駄目ですね……。わ、わたしも……、こ、このところ……、と、とても変で……。とにかく、ロウ様がいなくて……。ご、ごめんなさいね……。でも、わたしも、どうしてもロウ様のところに行きたいんです。お、大人しく、気絶してください……」
スクルドが訳のわからないことを口走りながら、ジャスランのズボンの腰紐を解いて、膝まで引き下ろし下着を露出させた。
さらに、その腰紐を縄代わりにして、ジャスランの両手首をまとめて縛り、頭上にあげさせて、そばの木の幹に括りつけてしまった。
「や、やめろ──。こ、殺す、ぞ──んふううっ」
顔面にこぶしを叩きつけて、抵抗しようと思うが、強引に服用させられた液薬のために、まったく力が入らない。
しかも、全身に虫でもたかっているかのようにくすぐったいし、触られる場所のすべてで得たいの知れない熱い衝撃のようなものが走り、そのたびにおかしな声が口から迸る。
しかも、抵抗しようとすると、さっきの振動する棒状の道具をぐいぐいとジャスランの股間に押しつけてくる。
そのたびに、電撃のような気持ち良さが襲い掛かり、ジャスランは痺れている身体を限界まで反り返らせることしかできなかった。
そのあいだに、スクルドに身動きできなくされてしまったのだ。
「気持ちいいですか……。さすがはロウ様の媚薬ですね……。ああ、こうやっているのが、ロウ様とご一緒だったら……」
スクルドがジャスランの膝の上に跨って、完全に体重を預けるようにしてきた。
普段の状態であれば、なんでもなく身体を跳ね返せるが、いまのジャスランはこれだけで身動きできなくなる。
「は、離せ、へ、変態──。お、お前、ば、ばかか──、あ、あああっ」
悪態を突こうとするが、振動のする棒を股間に押しつけられて、灼けるような感覚が舌先をはじめとする全身を痺れさせる。
それにしても、痒い──。
スクルドにいじられている股間には名状しがたい疼きとともに、猛烈な痒みが襲い掛かっているし、胸も千切れるほどに痒い。
お尻も──。
なんなんだ、これは──?
気が狂いそうだ。
「こ、こんなに濡れてますね……。ロウ様の媚薬は気持ちいいですよね……。わ、わたしも、何度もこれを飲まされて、ロウ様に抱かれたんですよ……。女の気持ちいいところがとても痒くなるんです……。とても敏感になりすぎて……。そんな風にして、ロウ様はわたしたちを抱くんです……。素敵ですよね……。さあ、ロウ様はおられませんが、どうか一緒に……」
スクルドはまるで酔っぱらっているかのようだ。
すると、馬乗りになっているスクルドが、今度は身体を覆いかぶさるようにして、ジャスランの全身をスクルドの身体全体で上下に愛撫する。
ただでさえ、熱かった身体が堰を切ったようにざわめく。
さっきの衝撃が再びせりあがってくる。
振動する棒がクリトリスにぐいと当たって、揉み動かされた。
「はああああっ」
ジャスランはまたもや気をやってしまった。
全身が脱力する。
気持ちいい──。
腰から背筋にかけて骨まで痺れきる。
蕩けだすような強烈な感覚に包まれる。
なにも考えられない。
快感で身体が千切れそうだ。
「ロウ様があらかじめ力を込めていたので、この淫具は魔道がなくても動くんですよ……。素敵ですよね……。でも、ロウ様だったら、もっともっと気持ちよくさせてもらえるんですけど……。だ、だから、せめて、ロウ様が一緒だと想像してください……。わ、わたしも、そうします。ああ、本当に気持ちいいですね……。ロウ様──、ああ、ロウ様──」
スクルドが全身を使った愛撫を継続しながら、上ずった声をあげ続ける。
それにしても──。
ジャスランは心の底から呆れてもいた。
なんなんだ、こいつは──。
さっきから、ここにはいないロウという男の名を呼び続けながら、完全に常軌を逸した感じだ。
想像だが、おそらく、こいつはジャスランを性的に責める一方で、自分自身も、ロウという男に責められているような気分になっているに違いない。
どうでもいいが、とんでもない変態巫女だ。
人間族の巫女というのは、敬虔な信仰心で心も身体も清らかにするものだと耳にしていたのに、この女は信じられないくらいに淫らでいやらしい。
「い、いいかげんにしろ……、あ、ああああっ」
しかし、スクルドの愛撫で、またもやジャスランは快感を暴発させられそうになった。
ジャスランは、噴き出している汗をまき散らしながら、白蛇のように身体をうねらせる。
そのときだった。
スクルドが淫具を持っていない側の手がジャスランの喉にかかったのだ。
そして、ぐいと喉を強く押された。
ジャスランの息がとまる。
「あがっ、がっ、あがっ」
ジャスランは身体を暴れさせた。
しかし、股間の愛撫は続いているので、力は相変わらず入らない。
息が……。
死ぬ──。
ジャスランに恐怖が襲う。
スクルドは喉を押し続ける。
完全に気道を押さえている。
もがくが手を外してくれない。
息ができない。
すっと意識が遠くなる。
殺すのか?
ここで殺されるのか──?
頭が白くなる。
息が……。
すると、喉にかかっていた手が緩んだ。
「ぐはっ、ぷはああっ、ごほっ、ごほっ、ああああっ、んはあああっ」
激しく息をする。
それとともに、身体が無防備になり、呆気なく三度目の絶頂をしてしまった。
「もう一度しましょう。苦しいけど、気持ちいいですよね……。もう一度ですよ……。ロウ様にされていると思って……」
絶頂の余韻も与えられないうちに、スクルドがまたもや喉を押して気道を遮断した。
どうでもいいけど、さっきから、ロウ様、ロウ様と──。
会ったこともないような人間族の男など、想像できるかと罵倒したいが、声は出ない。
いずれにしても、おそらく、この変態巫女にとっては意味のある言葉なのだろう。
どうでもいいが、息ができない。
苦しい……。
またもや意識が……。
一方で、股間の愛撫は続く。
気持ちいい……。
なにも考えられない。
なにかが襲い掛かる。
「んはああああ」
ジャスランは吠えた。
スクルドがジャスランの窒息の限界寸前で手を緩めたのだが、その瞬間に達していた。
頭が朦朧とする。
そして、気道をとめられる。
快感が昇ってくる。
「ああああっ」
呼吸の再開を許される。
またしても、絶頂をした。
同じことを五回やらされた。
ジャスランは音をあげた。
「も、もう許して──。ま、魔具を外す。外すから──」
息をとめられる寸前にジャスランは叫んだ。
スクルドが喉を押しかけていた手を脱力させるのがわかった。
ジャスランは気力を振り絞るようにして、制御していたスクルドの周りの魔道反射球から魔道を解除した。
魔具が亜空間側に引っ張られて収容される。
だが、代わりに手の中に別の球体を亜空間から出現させた。
小さくうずらの卵ほどの大きさであり、拳に握っていれば簡単に隠せる。魔道反射球と入れ替えだったので、スクルドもジャスランが新しくなにかを亜空間から取り出したのはわからなかったみたいだ。
訝しむ様子もない。
ジャスランはほっとした。
同時に、こいつは絶対に許さないと思った。
「やっとわかってくれたんですね。う、嬉しいです……」
スクルドが淫具を引きあげるとともに、ジャスランに馬乗りの状態のまま身体を起こした。
ジャスランはほっとした。
しかし、すぐにはっとした。
スクルドの愛撫がなくなった途端に、胸や局部の痒みが襲ってきたのだ。
知らず、ジャスランは右に左にと顔を振っていた。
あまりの痒みに身体が震える。
「あ、ああっ、な、なんだ、これ──」
ジャスランは暴れた。
「あらあら……。仕方ありませんね。ロウ様の媚薬ですもの……。愛撫をやめたら、死ぬほどの疼きと痒みが襲うんです。それから逃れるためには、気を失うまで感じ続けるしかないんです。ご、ごめんなさいね……」
スクルズが申し訳なさそうな口調で言った。
だが、ジャスランはそれどころじゃない。
死にそうなくらいに痒い。
ジャスランは悲鳴をあげた。
「あああ、ほ、解け──。て、手を解けええ、ああああっ」
ジャスランは身悶えした。
とめようと思っても駄目だ。
歯を噛みしめる。
その歯がかちかちとなる。
知らずに腰がうねる。
ジャスランは、首を限界まで振りながら、スクルドが喉にかけていた手に噛みついた。
思い切り歯を喰い込ませる。
「いたあああっ」
油断していたスクルドが手を押さえて絶叫した。
その血がぽたぽたとジャスランの顔や首に落ちる。
「解けって、言ってんだろう──。ほどけええっ、ああああっ」
ジャスランは暴れまわった。
スクルドがやっと身体がおりる。
「はあ、はあ、はあ……、では、わたしは行きます……。追いかけてはいけませんよ……。ジャスランさんの仕事は……モーリア男爵様の手兵を使って、ロウ様を出迎える態勢を作ることです。追いかけてきたら、サキさんの命令に背くことになりますからね」
立ちあがったスクルドが服装を整えながら言った。さっきの傷は、すでに治療しているみたいだ。
しかし、言葉の半分も入ってこない。
痒みはもう痛いまでに襲い掛かっている。
毒消しの魔道を──。
ジャスランは自分の身体に毒を抜くための魔道をかけた。
しかし、効果がない。
ずきんずきんと身体の芯を突きあげる痒みは、強烈にジャスランを襲い続ける。
「ふふふ……、ロウ様の媚薬に魔道は通用しません。どんな毒消しの薬液も……。ロウ様の媚薬は、ロウ様にしか癒せませんよ……。これが媚薬を抜くロウ様の薬液です。ここに置きますね」
スクルドが液剤らしきものが入った小さな瓶をジャスランの身体から少し離れた場所に置いた。
まさかとは思うが、こいつこのままで……?
ジャスランは総毛だった。
両手はまとめて木の幹に括られ、ズボンは膝までさげられている。そして、露出している下着は何度も気をやったせいでぐしょぐしょだ。
この恰好で放置など、ふざけるなと思った。
「ま、待てええええ」
ジャスランは叫んだ。
だが、次の瞬間、スクルドの身体は、遥かな遠方に移動して小さくなっていた。
縮地の術だ。
そして、次の一瞬で完全に見えなくなった。さらに先に進んだのだと思う。
「あ、あの女ああああっ、あああっ、か、痒いいいい、死ぬううう──」
ジャスランは暴れまわった。
やがて、かなり苦労して腕を解き、小瓶を手に取って一気に飲み干す。
騙しているのではないかと顧みることもできなかった。
もう限界だったのだ。
液剤が喉の奥に入っていくと、嘘のように身体が楽になる。
ジャスランはやっと落ち着くことができた。
「……ぜ、絶対、いつか同じ目に……」
ジャスランは激しく息をしながら、手に隠していた「洗脳球」を表にした。
スクルドに嬲られて気をやりながらも、スクルドの魔道波をこの洗脳球に染み込ませるということをやっていたのだ。
これはいわゆる闇魔道の魔道具であり、魔道遣いの波動を覚えて、遠隔でその魔道遣いの身体に勝手に命令を与えることができるという操り具だ。
人族であろうと、魔族であろうと、身体を動かす指示を出しているのは、頭の中にある「脳」と呼ばれる部位であるらしい。この洗脳球は、本来の脳からの指示を遮断して、この球体から出される指示を頭からの指示のように変えて、相手の身体に送り込むという道具なのである。
そして、スクルドの魔道波を球体に染み込ませた。これで、あいつを人形のように動かせる。
今度遭ったら、必ずこれを使って、仕返しをしてやる。
「殺す──。いや、半死半生に……。あいつも、あいつの仲間も……どいつもこいつも……殺してやる……」
ジャスランは怨嗟の言葉を呟きながら、まだ残っているスクルドの血を洗脳球に擦り付ける。
血を洗脳球に覚えさせるのが、最後の仕上げだ。
洗脳球が完全にスクルドの波動を覚えた。
これで完成だ。
あの変態女め……。
必ず仕返しを……。
ジャスランは立ちあがり、びしょびしょになった下着を替えるために、ズボンとともに下着を足首から抜いた。
*
「……よくわからないけど、そのジャスランという魔族女がご主人様をナタル森林の出口で兵を連れて待っているということね?」
コゼは言った。
エランド・シティの下層地区にあり一軒の空き家だ。
コゼとイライジャとスクルズ改め「スクルド」は、その空き家でお互いの情報を交換し合っているところである。
コゼたちがどういう状況であるかは、簡単にスクルドには説明した。
……といっても、ロウたちがいま現在、どうしているのかという情報はコゼは持っていない。
ただ、あれだけ騒がしかったエルフ兵の捜索隊が、いまはまばらな状態にまで減っている。
ロウやエリカたちは、もしかしたら捕らわれている可能性がある。
コゼは焦っていた。
しかし、イライジャがまず先に情報交換をすべきというので従ったのだ。
まあ、確かに、もしも、ロウが捕らわれているとすれば、ちょうどいいときにやって来た、この変態巫女の魔道の力が必要だ。
コゼひとりが捜しまわっても、捕らわれて終わりだ。
だが、この魔女がいれば、大抵のことはできる。
「そ、そうですね……。ちょっとした諍いもありましたが、まあ、最終的には円満に別れてきました。サキさんのご命令で、ロウ様の身柄を早く確保したいということで、兵を動かすことになったんです。国王がロウ様の捕縛命令を出してますから……」
スクルドが言った。
あのルードルフ王がロウの捕縛命令を出したというのは、真実だということは、いまスクルドの口から教えられた。
驚いたが、それに反対しているアネルザとイザベラが王の指示で王宮から出されたということも知った。
あの無能の王がそんな過激なことをするというのがぴんとこなかったが、まあ、スクルドが言うのだから、真実なのだろう。
だが、なんとなく、この女は大切なことを隠しているような気もする。
「だけど、なんでそんなことに? それと、王妃様や王太女様は大丈夫なの?」
イライジャが口を挟んだ。
コゼもイライジャも、スクルドが予備で持っていた服を貸してもらい、いまはやっと身なりを整えることができている。
そうでなければ、ずっと半裸で動き回らなければならないところだった。
「とりあえず、問題ありませんね。皆さま、ノールの離宮に避難しておられます。あっちは問題ないかと……」
スクルドがにこにこと微笑みながら言った。
だが、スクルドとも長い付き合いになりかけているので、この女の微笑みの下のわかり難い感情も、コゼには少しはわかる。
なにかを隠している……。
そう思った。
さっきも、「ちょっとした諍い」という言葉だけで、ジャスランと袂を分かったことについて説明したが、もしかしたら、なにかやったんじゃないだろうか。
褐色エルフの里で情報を集めたときのことも、ちょっと頼んで詳しく教えてもらっただけだと言ったし……。
だが、あの排他的そうなエルフの里が人間族のスクルドを普通に相手するわけがない。
きっと、そこでもかなり強引なことをしたのだと思う。
まあ、想像だが……。
「それで、ご主人様に捕縛命令が出た理由は? ご主人様が王妃様や王太女様を性奴隷にしているのがばれたの?」
ロウに捕縛命令が出たとすれば、理由はそれくらいだろう。
コゼの言葉にスクルドは大きく頷いた。
「そういうことになるのでしょうか……。きっかけは、イザベラ様とアンさんが妊娠したことがわかって……」
スクルドが言った。
「妊娠──?」
コゼはびっくりした。
「ええ、ええ……。それで、ちょっと長い話になるのですが……。とにかく、色々とありまして……」
「ロウの子供? 驚いたわ──。本当のこと?」
イライジャも口を挟んだ。
「本当です。それで怒った王陛下が……。まあ、だけど、どうやらその怒りもタリオ公国の謀略による洗脳魔道によるものだったみたいですけど……。それがきっかけに、アネルザ様とサキさんが政変で国王を失脚させようともくろみ、ミランダは逮捕されてギルドから追放され、わたしは死ぬことになり、だけど、ベルズとサキさんが園遊会のことで大喧嘩して……。とにかく、ややこしいので、ロウ様の前でご説明します。いずれにしても、ロウ様を見つけましょう。ロウ様に会いたいですし……。きっとお怒りになると思いますから、わたしに折檻を……。ああ、愉しみです……ふふふ……」
すると、スクルドが早口で喋り出した。
コゼはまったく意味がわからなくて首を傾げた。
(第29話『【追跡行】女魔道遣いの旅』終わり、第30話『捕らわれた淫魔師』に続く)