【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ロウ様、どの女から縛りますか? も、もちろん、わたしでもいいのですよ。よ、よければですが……。どの女もロウ様には感謝申しあげているのです。もしも、ロウ様に助けていただかなければ、身体だけでなく、心まで魔物に成り果てて、なにもかもわからなくなって死んでいくしかなかったのですから……。もう半分、いえ、ほとんどそうなっておりましたわ。わたしたちは、心からロウ様に感謝しております……。それはもう……」
冗舌に語りながら、顔だけでなく全身まで赤く染めて、女王のガドニエルがさらにロウににじり寄る仕草をした。
一郎を中心にして、その一郎を囲むように、十一人の裸の美女たちが大きく円を作っている洞窟の中だ。
この洞窟の奥まった場所を一郎とのセックス場所とするため、一郎の女たちは、入り口側をカーテンで仕切り、地面に絨毯とマットを敷き詰め、大きな床式の寝台を準備し、さらに長くなるであろう愛の時間の途中で自由に口にできる食べ物や飲み物の支度まで整えた。
彼女たちがそうしたのは、淫気切れで一度は危機に陥った一郎を心配し、狭間の森で過ごす予定の十日に、万が一にも同じ事態がないように、一郎をセックス三昧にしようと企てた結果なのだ。
すると、それに自分たちも参加したいと、女王のガドニエルが自分の五人の侍女を引き連れてやってきたのである。
しかも、素っ裸で──。
それでいま、中心にいる一郎を囲むように、一郎の女を含めた十一人の裸の女が洞窟の壁に並ぶように座っているというわけだ。
しかも、どの女を指名してもいいし、さらに、どんな風に抱いてもいいというのだ。
これはこれで、なかなかの壮観な光景である。
「そうだね。じゃあ、最初はガドニエル様たちから抱かせてもらおうか。エリカたちはちょっと待機してくれ。まずは、お前と、お前……。さあ、こっちに……」
しかし、一郎は、あえてガドニエルではなく、五人のエルフ侍女の中から左側のふたりを最初に指名した。
ガドニエルは、まずはガドニエルたちから相手を選ぶと口にしたとき、一郎が笑ってしまうくらいに嬉しそうな顔になり、一郎が最初に選んだのが自分ではなかったことで、明らかに失望した様子を示した。
だが、一郎がそのふたりを選んだのは、そのふたりから、どことなく白けたような雰囲気を感じたからだ。
そのふたりが、別段に気に入ったわけじゃない。
また、その一方で、元々の一郎の女であるエリカたち五人は、達観した雰囲気で、一郎と一郎が指名したふたりとの性交を見守るような態勢をとる。
五人とも、これから十日近くも、一郎との性交が続くと思っている。
だから、最初でないことくらいで、さすがにがっかりしたような表情を示すことはない。
さて、ガドニエルたちを魔物化の呪術から救い出したことへの感謝の意を込めて、一郎に抱かれたいと申し出てきたガドニエルたちであり、最初こそ一郎の縄掛けの予告に、狼狽の仕草を示した六人だったが、すぐに六人の反応は別々のものになった。
最も積極的で熱い視線を向けてきたのは、驚いたことに女王のガドニエルだ。
ほかの五人の侍女には、一郎に対する明白な温度差があり、中でも一番醒めているという印象を抱いたのが、いま指名したこのふたりだ。
このふたりは、柔和そうではあるものの、どことなく微笑みがわざとらしく、こうやって一郎に裸体を晒していることや、さらに、これから抱かれようとしていることに、不本意そうな色が隠れていると思った。
ステータスを覗く。
ヒルエン=サンデル──。
ギルリーズ=エーデル──。
そうあった。
魔道遣いとしてのレベルも出るのだが、侍女としてのレベルもステータスには現われていて、ヒルエンが最も侍女ランクが上だった。
おそらく、侍女としては、彼女がもっとも格上なのだろうと思う。
身分も上級貴族とある。ほかの三人も同様だが……。
「よろしくお願いします、人間族の方……」
「魔物になっているをのお救いくださって、わたくしも、心から感謝しています」
ヒルエンとギルリースのふたりが前に出てきて、一郎の前に正座で座った。
「まずは、裸をじっくりと見せてもらおう。手や脚で隠しているものを見せるんだ。どんな道具を持っているのか、確認する」
一郎は、一度放った縄束を拾い直して、手で誇示するように示しながら言った。
目の前のふたりは、両手で乳房を覆うように抱き、正座をしている腿をぴったりと密着させて、裸体を隠すような体勢だ。
すると、一郎の前のそのエルフ女たちがくすくすと笑った。
一方で、愉快なのは、エリカたちと同様に壁際で待機するかたちになったガドニエルだ。
一郎が持っている縄束にうっとりとした視線を向けている。
明らかに欲情しており、本当にエルフ族の最高の王かとからかいたくなる。
だから、ガドニエルは、ヒルエンとギルリーズという自分の侍女には意識を向けていない。
「あら、女にそんなことをおっしゃるものではありませんわ。女の抱き方の作法をご存知ないのかしら?」
「無知ならばお教えもしますけどね。とにかく、女というものは、性技そのものよりも、優しい口説き言葉や、紳士的な女扱いに酔うものなのです。できれば、もっと優雅に振る舞ってはいかが? そのような無粋なものを使わずにね……」
ふたりが、ガドニエルには見えないように、ちょっと小馬鹿にするような視線を一郎に向けた。
その物言いにも、どことなく、優雅な口調に隠しているものの、一郎に対する蔑みのような感情がこもっているようだった。
淫魔術で彼女たちが抱く感情を読む。
軽視……。
蔑視……。
侮り……。
そういう感情が大きく締めている。
一郎は、改めてエルフ族というのが、非常に誇り高く、ほかの別種の人族を軽視する傾向がある種族だということを改めて思い出した。
エリカといい、イライジャといい、シャーラといい、一郎の周りのエルフ女は、人間族への傲慢さの傾向がないので、エルフ族たちが、本来そういう種族だということを忘れていたのだ。
オーク化しているところを一郎に救われたとはいっても、ただそれだけで、他種族を蔑視する傾向の性質が消失するわけじゃない。
おそらく、エリカやガドニエルのような態度の方が珍しく、目の前のふたりは、一般的な当たり前のエルフ女の反応なのだろう。
そう考えて、改めて、五人の侍女の観察をし直した。
すると、一郎に対する思慕のような感情を隠そうともしないガドニエルに対して、五人の侍女はどちらかといえば、ガドニエルに引っ張られて仕方なくこうしているという気配であることに気がついた。
目の前のふたりほど極端ではないが、残りの三人の侍女にしても、ガドニエルほどの積極的な態度は感じられない。
そんなことを考えていて、ふと、ユイナのことも思い出した。
エルフ族の選民思想を色濃く持っているといえば、あいつだろう。
そういえば、ユイナは、まだ、クグルスと一緒のはずだが、まだ戻ってこない。
随分と時間がかかっているが、まだクグルスは、ユイナに悪戯をしているのだろうか?
いい加減に許してやればいいのに……。
そんなことが、ふと頭をよぎった。
「お、お前たち──」
彼女たちの態度に、やっとガドニエルが気がついたようだ。
明らかに気分を害した気配で声をかけた。
しかし、一郎は、淫魔術でさっとガドニエルの感情を
別段、一郎に抱かれたがっていない女を無理に抱きたいわけじゃない。
だから、ガドニエルに、目の前のふたりを叱ってもらう必要はないのだ。
ここには一郎を慕う女たちが揃っている。
まあ、ときには、こういう高慢な女を鬼畜に抱き潰すのもいいが、今日はなんとなくそんな気分にはなれない。
「目の前の女性に魅力を感じれば優しくもなるし、扱いも丁寧になる。まあ、俺のやり方だけどな……」
一郎はわざと言った。
ふたりがむっとした表情になった。
「わ、わたくしたちに魅力がないというのですか──」
「わたしはエーデル家の一門の長女、こっちはサンデル家の血を引く名門なのですよ。いくら恩人といえども、些か無礼なものを感じますね。本来であれば、失礼ながら、あなたのような……」
ふたりが不機嫌そうに言った。
今度こそ、ガドニエルが怒りの表情で立ちあがりかけるが、一郎はまたもや、それを淫魔術で感情を宥めて制する。
いずれにしても、“えーでる”だか、“さんでる”か知らないが、エルフ族の有名な家名を知らない一郎には、意味をなさない言葉だ。
それに、家名を名乗ったくせに、このふたりは、いまだに、一郎に対して、自分の名前を口にしない。
ガドニエルが名を呼んでいるし、また、ステータスを読んだりしていることで、このふたりが「ギルリーズ」と「ヒルエン」だということはわかっているが、もしかしたら、取るに足らないと感じる一郎に、自ら名乗るつもりはないのだろうか。
一郎はだんだんと面白くなくなってきた。
そのとき、舌打ちがふたつほど同時に聞こえた。
ガドニエルたちと一郎を挟んで反対側の壁にいるコゼとエリカだ。
一郎に対するふたりの態度に、かなり怒っているようだ。
ちらりと視線を向けると、ふたりだけでなく、ミウもイットもむっとした顔をしている。
さすがのスクルドも、微笑みが消えて不満顔だ。
だが、ガドニエルとは異なり、一郎の女たちが、口に出して激昂したりしないのは、こういう女を鬼畜にいたぶるのが、一郎が好きなことを知っているからだろう。
だから、一郎が、これからふたりになにかをするだろうと予想し、とりあえず大人しくしているに違いない。
しかし、すでに一郎は、ふたりに対する興味を完全に失っていた。
淫魔術で逆らえなくして強引に犯してもいいけど、そこまでしたくはないというのが本音だ。
精の刻みは終えているので、その気になれば、ふたりが抱いている一郎に対する感情を劇的にまで変化させるのも一瞬だが、そうまでするほどの興味をふたりには持てない。
実際のところ、この五人の侍女はもちろん、ガドニエルについても淫魔術は刻んではいるが、やはり心の支配はしていない。
また、ブルイネンも、ここに来るまでは一郎に対する好感情を抱くように心に細工をしたが、ガドニエルの救出に成功してから……、いや、処女を奪ってから、ブルイネンの真実の心が極端に一郎に傾いたので、すでに一郎の支配は最小限にしている。
一郎は、そもそも女の心を縛って無理に抱くというのが性に合わないのだ。
善人を気取っているわけではなく、心を操って抱くというのが、純粋に性癖に合わないからだ。
好きなのは、鬼畜に調教をして被虐の性癖を身体に刻み込み、一郎から与えられる徹底的な快楽により、心が一郎から離れられなくして支配することだ、
時と場合にもよるが、手っ取り早く心を淫魔術で操っても愉しくない。
いずれにしても、目の前のふたりをここで抱くのは、もう面倒さしか覚えない。
「もういいよ。萎えたかな…。服を着ていい。これだけの女が揃っていて、魅力を感じないあんたたちを抱く理由もないし……」
一郎はふたりを追い払うように片手を振った。
「なっ」
「ちょ、ちょっと──」
ふたりが激昂する様子を示した。
さっきまでは、裸になったことで羞恥に真っ赤になっていたが、いまは怒りで顔を赤くしている。
「お、お前たち、もうさがりなさい──。すぐにです──」
そのとき、ガドニエルの大きな声が洞窟に響いた。
一郎はガドニエルに視線を向けた。
彼女は、ふたりの侍女の態度に怒るというよりは、一郎が示した不快感を恐れるような表情をしている。
これはこれで、独特の反応だ。
そして、一郎は、だんだんと、このガドニエルのことがわかってきた気がする。
おそらく、言葉は悪いが、彼女はかなり独りよがりのタイプだと思う。
他人の心の機微を見抜くのは得手ではないのだ。
一郎が魔物化していた彼女を救出したことで、彼女自身が一郎に極端な好意を持ってくれたというのは、淫魔術を駆使するまでもなくわかった。
しかし、一郎に恩を感じるあまり、ガドニエルは同じように一郎に助けられた五人の侍女も、当然に一郎に思慕を寄せているはずだと決め込んだ気配だ。
そもそも、一郎は、彼女たちの呪いを解呪するために、精を注いでおり、そのやり方もガドニエルは認識している。従って、男女の仲になることについて、自分の侍女も躊躇うはずがないと思ったみたいだ。
だから、侍女たちが本当はどう思っているのだろうかと考えることなく、一郎に抱かれるために裸になることを強要したのだと思う。
しかし、ガドニエル自身とは異なり、五人の侍女は……少なくとも、目の前のふたりについては、明らかに一郎に抱かれることを嫌がっている。
ガドニエルが強要するし、一郎に助けられたのは事実なので、仕方がないとも思っている気配だが……。
つまりは、自分の部下のことをよくわかっていないのだ。
それでよくエルフ族の女王がやっていられたとは思うが、ブルイネンにしろ、五人の侍女にしろ、女王であるガドニエルのことについては無条件に慕っていて、このふたりも、本音でいえば気が進まない人間族の一郎に対して身体を許すことさえ承諾するほどに、ガドニエルに忠実であるようだ。
そんな忠誠心のある者たちが、寄ってたかって、ガドニエルの足りない部分を支えているのだろう。
いずれにしても、そういう身の回りの者の心の機微に疎い部分をパリスに利用され、高い魔力を持つ魔女でありながら、魔物化のような闇魔道の罠にかかったりしたのではないだろうか……。
一郎はガドニエルのことをそんな風に評価した。
「もういい、ガドニエル──。ほかの三人も一緒にさげさせろ──。無理矢理に女を抱くつもりはない──。俺は俺を慕っている女が抱ければ、それでいい。俺の仲間の女は全員、俺を慕ってくれている。俺には勿体ないことだけどね……。いずれにしても、ガドニエル──。お前は勝手なことをした──。俺に抱かれようとしていない女を抱かせようとして、俺に不愉快な気持ちを抱かせるとはね──」
一郎はあえて、ガドニエルを呼び捨てにし、意識して乱暴な物言いをした。
「な、なんという口のきき方」
「無礼な――」
五人の侍女が、一郎の態度に顔色を変える。
抗議の声を出したのは、やはり、目の前に座っているヒルエンとギルリーズだ。
ただ逆に、ガドニエルは反応が異なった。
一郎が、罵詈雑言のような物言いをガドニエルに向けたとき、彼女の裸身に浮かんでいる赤いもやが、ぱっと局部で真っ赤に色濃く灯ったのだ。
赤いもやは、一郎だけの能力のひとつであり、一郎は女の抱く性欲の強さや性感帯の場所をそうやって視覚的に感じることができる。
つまりは、一郎に冷たく罵られたことで、ガドニエルは思わず欲情してしまったようだ。
もちろん、一郎がガドニエルにそんな失礼な口調で怒鳴ったのは本気でもない。無論、侍女たちの態度には、苛立つものがあるが、それをガドニエルに怒るつもりはさらさらない。
しかし、一郎がわざとガドニエルに冷たい口調で怒鳴ったのは、実のところ、オーク化していたときの彼女の身体の反応を思い出したからである。
オーク化していたガドニエルだったが、そういえば、かなりのマゾっ気を示していた。
しかも、どちらかといえば、真性に近い。
真性マゾといえば、いまは亜空間で保護しているシャングリアだが、シャングリアが肉体上の責めに弱いのに対して、このガドニエルは、多分精神的な責めに弱い……。
ちょっとしか接してはいないが、おそらく間違いない。
この手のことで、一郎の勘が外れることは、まずあり得ない。
そして、女王のガドニエルをそんな風に扱った男はいないはずだ……。
従って、ガドニエルは自分のそんな性癖を癒す相手なしにずっと生きてきたかもしれない。
心に眠る被虐の性癖を癒す男もなく……。
いままでは……。
「あっ、も、申し訳ありません……。お前たちもさがるのです──。全員です──」
ガドニエルが慌てたように叫んだ。
一郎の権幕に泣きそうな顔になっている。
そのガドニエルの表情に、一郎はすっかりと嗜虐の虫が騒いでしまって、思わずにやりとしてしまった。
また、そのとき、ふと視線がコゼやエリカたちと合った。
ふたりとも、くすりと笑っている。いや、スクルドもだ。
残りのふたりは、一郎が腹をたてたふりを受け、恐々となった感じだが、そっちの三人は一郎が愉しんでいることを見抜いたようだ。
三人にこっそりと微笑みを返す。
エリカもコゼも、生暖かい目線を一郎に送ってくる。スクルドはやや羨望の色があるように思ったが……。
「ガドニエル……。いや、ガドにしよう……。悪党の罠にかかって、魔物にされてしまうような無能者のお前には、ガドニエルなどと大層な名は分不相応だ。犬で呼ぶような短い名にしてやる。今後、俺の前では、ただのガドだ──。じっくりと躾け直してやるぞ──。犬のようにね……。とにかく、こっちに来い。さっそく、躾けだ──」
ガドニエルに向かって怒鳴り散らす。
いきなり口調の変わった一郎に、ガドニエルは当惑し、顔を蒼くさえしている。
しかし、やはり愉快なのは身体の反応だ。
次々にガドニエルの裸身のあちこちに赤いもやが浮かび、なにもしていないのに、その色がみるみる濃くなっていく。
ステータスに示す『快感値』も、どんどんと数値が下がっていく。
完全に欲情している……。
思った通りだ……。
エルフ族の女王のガドニエルは、苛められれば苛められるほど欲情をする真性のマゾ……。
間違いない……。
「二度も言わないと、わからないのか、ガド──。俺はなんと言った──?」
さらに怒鳴りあげる。
ガドニエルがびくりと身体を震わせた──。
「は、はい」
一郎の暴力的な言葉に、ガドニエルはむしろうっとりと呆けた感じだった。
それですぐには動けなかったみたいだ。
ガドニエルが、焦ったように立ちあがり、一郎に寄ってくる。
すかさず淫魔術を駆使して、ガドニエルの股間のクリトリスに、指で握りつぶすような激痛を送る。
「ひぎゃああ──」
ガドニエルがひっくり返る。
「ガド……。俺が呼んだら、お前を犬のように躾をすると言っただろう……。そんなこともわからないのか……? 犬は二本脚で歩くのか?」
一郎は教え諭すような口調で、ガドニエルにゆっくりと話しかけた。
「は、はい……。申し訳ありません、ロウ様……」
しかし、四つん這いに姿勢を変えたガドニエルの顔は、まるで美酒に酔ったかのように、ぼうっとした表情を浮かべている。
ガドニエルは、ずっとこんな風に扱ってくれる男を待っていたに違いない。
少なくとも、彼女の隠れた性癖の中では……。
一郎は、また、一郎の女たちに目が合った。
五人とも、いきなり始まった一郎とガドニエルの芝居のようなやり取りに、呆れたような、それでいて、ちょっと嫉妬するようなそんな複雑な表情をしている。
「ま、まあ、ロウ様……。ご主人様……」
いや、ひとり我慢できなくなったように、両手でぎゅっと強く股間を押さえる仕草をした女がいた。
スクルドだ。
いまにも、四つん這いになりたそうに、そわそわしはじめた。
それにしても、前から一郎の前では性欲を隠さない傾向があったが、神殿長という肩書きを捨ててからは、一郎への求愛のような態度が特に顕著になった気がする。
いずれにしても、ガドニエルに向ける女たちの視線は、あの侍女たち向けたような余所者に対するようなものではなく、どことなく温かみを感じる仲間意識さえも感じさせるものだった。
どうやら、一郎の女たちは、ガドニエルを女王ではなく、一郎の性奴隷仲間として認めてきたようである。
「お、お前、ガドニエル様になんという無礼な口を──。しかも、さっきはなにかをガドニエル様にやったのですか――?」
そのとき、金切り声が響いた。
顔を向けると、最初に一郎が追い払う行為をしたエルフ侍女のヒルエンだ。
まだ、裸のままであるが一郎に驚愕と憤怒の顔を向けている。
また、今度は、ヒルエンとギルリーズだけだなく、ほかの三人も同じように一郎への非難の態度を示している。
「お前ら、まだいたのか? いまからは、この女王様の調教の時間だ。邪魔だから消えてくれ」
一郎はそれだけを言った。
「ちょ、調教――?」
ガドニエルが全身を赤くしてびくりと震えた。
しかし、顔にははっきりとした熱情が浮かんでいる。
本当に罵られたり、乱暴に命令されるのが好きなんだな……。
一郎は内心でほくそ笑んだ。
「ガド、五人を戻せ。命令だ――。いや、この洞窟から出せ。さっき、俺のイットに見張りをさせろとか口にしてたな。いいだろう。お前の侍女には、俺たちの淫行がひと段落するまで、洞窟の外で見張りだ。全員で性愛に耽るのもあれだしね」
一郎はわざと、ギルリーズの物言いを真似て皮肉を言った。
五人全員の顔が鼻白む。
「お前たち、ここはいい。早く行きなさい。命令です──。洞窟の入り口で見張りをしなさい。わたしはロウ様に恩を返すのですから、ロウ様に少しでもいい気分になってくれるのであれば、大満足です。いいですか──。よいというまで、戻るのではありません――」
ガドニエルが強く言った。
侍女たちが呆気にとられた感じになりながらも、それ以上はなにも言わずに絶句した感じになる。
しかし、もう一郎は、すでにそっちを見ていない。
四つん這いになったガドニエルに、亜空間から取り出した首輪を放り投げた。
「犬の首輪だ。それをしろ、ガド。しつけてやる」
一郎の言葉に、ガドニエルがさらに恍惚の表情を浮かべ、その首輪を捧げ持つように両手で拾いあげた
「お前たちは来い。全員後ろ手になれ。そして、俺の全身をどこでもいいから舐めろ。宴を始めるぞ」
一郎は胡座をかいたまま怒鳴った。
五人の一郎の女たちが一斉に両手を背中側で水平に組む。一郎はすぐさま、粘性体を飛ばして、女たちの手を拘束してしまう。
すると、女たちが争うように一郎を包み込んで舌を這わせてきた。
「ガドは首輪をしたら、膝を曲げたまま股を拡げ性器を晒せ。両手は頭の横だ。これが“ちんちん”のポーズだ」
一郎は勃起した股間にコゼとエリカ、左右の乳首にイットとミウ、後ろ側から首や肩にスクルドの舌を受けつつ、ガドニエルに言った。
完全に情欲に酔ったような感じのガドニエルが一郎の命じるままの破廉恥な格好をする。
一郎の女たちが奉仕をする姿を眺めさせられるエルフ族の女王の股間はすっかりと淫らに濡れ、さらに新しい愛液が湧き出て、ぽたぽたと滴り始め出していた。
*
【エルフ族女王】
〇ガドニエル=ナタル(瞬堕ち)
【親衛隊長】
〇ブルイネン=ブリュー(完堕ち)
【諜報員】
〇アルオウィン(行方不明)
【エルフ五人侍女】
〇ヒルエン=サンデル
〇ギルリーズ=エーデル
〇マリレンド=?
〇イザベリアン=?
〇ロルリンド=?