【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
不能……。
つまりは、こういうことか……。
一郎は舌打ちとともに嘆息した。
「相変わらず、後先考えずに、人に迷惑をかける娘だなあ、お前」
一郎は胡坐をかいたまま、ユイナに視線を向けた。
ユイナは、いまは五人のエルフ侍女の陰に隠れるように、少し後ろに下がっている。
そのユイナが一郎に勝ち誇ったような表情を向ける。
「解毒剤はわたしの頭の中よ。ベルルスにも、まだ教えていないわ。それがないと、あんたは、二度と勃起できないわよ。淫魔師の能力の源は類いまれな絶倫の力なんでしょう? 古代書にそんな記述があるのよ」
「古代書?」
「道具が役に立たなければ、あんたは力を振えないし、女を支配できない。どうやら、効いたようね。わたしの不能薬は──」
ユイナが破顔した。
してやれたのが嬉しそうだ。
だが、なんでこの娘は、一郎が絡んでくると素直でもなくなるし、常識も消えるのだろう。
人間族が嫌いというが、ほかの人間族の女たちに対する態度は、一郎に対するものほど酷くないように思うが……。
まあ、とにかく、ユイナが余程に一郎のことが嫌いなのか、あるいは、好きなのか知らないが、今回はやり過ぎだ。
よりにもよって、一郎の淫気を遮断するような行為をするとは……。
「ご主人様、一瞬で終わります。ちょっと、あの黒エルフの首を折ってきます。少々、お待ちください」
「駄目よ、コゼ。よくわからないけど、解毒剤がどうのこうのと、あいつは言っていたわ。胴体と頭は残しとかなきゃ……。それに、あれでもイライジャの被保護者よ。息の根をとめるのはイライジャに説明してからよ……」
「問題ありませんわ、エリカさん。即死でない限り、命は保たせてみせます。任せてください」
「あっそう? だったら、スクルド、いまから、あれの手足を切り離すから、傷口に回復術をかけてよ。死んだら困るの……。まだね……」
一郎の前で立ちはだかっているコゼとエリカとスクルドが物騒なことを言い合っている。
「ロウ様、どこかに異常が? 回復術は必要ですか?」
ミウだ。本当に心配していて泣きそうな顔だ。
「問題ない」
一郎は苦笑しながら、ミウの頭に手をのせた。ミウがちょっとだけほっとした顔になる。
また、イットも前に出た。
すでに、十本の指に長い刃物状になった爪を伸ばしている。
戦闘状態だ。
「ご主人様、命じてください。六人全部ですか? それとも、後ろの娘は残すんですか?」
イットが目の前の六人を睨んだまま、身体を低くする構えをした。
一郎がひと言発すれば、一瞬後には全員の首が飛びそうだ。
怖いねえ……。
一郎は苦笑した。
「落ち着けよ、お前ら……。話し合いがまだだ……。考えてみれば、まだあいつとは、じっくりと語り合ってなかったな……。へまをして奴隷にされて売り払われそうになっていたのを助けるために、遥々と買い付けに来てやって、そしたら、エランド・シティに連れていかれたというから、仕方なく探しに来てやって、そこでどうやら、拷問にかけられて奴隷にされていたから、大変な思いをしながら救出してやって、それでも、こうやって、俺に仇を返すようなことをするのは、きっと話し合いが足りなかったからだろう、ユイナ?」
一郎はユイナに言った。
さすがに、ユイナが赤面した。
一郎の嫌味に対して、羞恥を感じる気持ちはあるようだ。
「な、なに言ってんのよ。わ、わたしだって……。わたしがいたから、あのとき、地下牢から逃げられたんでしょう。あのままだったら、衛兵に捕らわれて、今度は二度と脱走なんてできなかったわ」
一瞬、なんのことを口走っているのか理解できなかったが、すぐに、パリスを殺した直後に、別の牢に隠れたときのことを言っているのだと悟った。
一郎は呆れてしまった。
「あれがそれほどの功績かよ。絶体絶命の状態から、次の絶体絶命の状況に移行しただけじゃないか。水晶宮から逃亡できたのは、ミウが地下洞窟に通じる抜け道を魔道で開けてくれたからだ。パリス一派の息のかかったエルフ兵の追っ手を振りきれたのは、イットが戦い、ミウが魔道を駆使し、そして、エリカやコゼにスクルド。さらに、ブルイネンが助けにきてくれたからだ。俺もお前も、ただ助けられただけだ。クグルスにもな」
それで思いついたが、どうして、クグルスに苛められていると思っていたユイナが、こうやって元気で、しかも、一郎に対する反撃のようなことをできたのかを一郎は理解した。
ユイナの眼に刻んでいる「眼球紋」だ。
そういえば、あいつは、目に鑑定術の魔道紋様を刻んでいるんだった。
これは、一郎の失敗だ。
ユイナは、その鑑定術を遣って、クグルスの真名を知ったのだろう。その証拠に、ユイナは、クグルスのことを真名で呼んでいた。
どうやら、真名で支配し、さっき投げつけた「不能薬」とやらを作りあげたに違いない。
クグルスには、可哀想なことをしたな。
「ご主人様、命じてください。まず、目の前のエルフ五人を殺します。あいつらは必要ないですよね。よろしいですね?」
イットがもう一度、声をあげた。
一郎はとりあえず、それを制する。
「それよりも、大丈夫なんですか? ユイナが毒を遣ったというようなことを口走りましたが……」
エリカが洞窟の隅にある自分の細剣を掴んで戻ってきながら言った。
武器を取りに、ちょっとだけ一郎の前から離れていたのだ。
戻ってきたときには、すでに鞘を抜いていた。
コゼの短剣も持っていて、それを渡してもいる。
短剣を受け取ったコゼも鞘を捨てた。
「ね、ねえ、エリカさん──。どうして、こいつの肩を持つんですか──? もう支配は抜けたはずなのに……。それにほかの人も……。あんたたちは自由なのよ……。解放されたのよ──」
ユイナが必死に叫んでいる。
多分、ユイナは一郎の支配から抜ければ、エリカをはじめとする一郎の女たちは、一斉に一郎を見限ってしまうと思い込んでいたのだろう。
確かに、いま、この瞬間は、一郎の支配から女たちは脱している。ユイナによって、一気に大部分の淫気を解放されてしまったので、エリカたちの支配のために繋がっていた淫気を瞬時に亜空間の維持に回したからだ。
さもないと、シャングリアとマーズが亜空間から抜け出してしまい、その瞬間に死の呪いが発揮されてふたりが死んでしまうところだった。
「はあ──? なにごちゃごちゃ言っているのよ、お前──。まさか、ご主人様とあたしとの繋がりを切ったの? もしも、そうなら、ご主人様がなんと言おうと、あたしはお前を殺すわ」
コゼが低い声で唸るように言った。
こんな怖ろしい口調のコゼは一郎も初めてだ。
ちょっとぞっとした。
「みんな、待て──。俺はユイナと話したい」
一郎はそれだけを言った。
全員が身構えたまま、一郎の前だけをすっと開くようにした。
一方でミウが小声で本当に解毒術が必要ないのかと訊ねてきたので、それは断った。
いずれにしても、ユイナの遣った毒術は、おそらく、禁忌の術に属するものであり、ミウが遣える解毒の魔道では対応できないだろうと思う。スクルドでも同様と思う。
それに、もう必要もない。
「あ、あのう、待ってください。まずは、この五人に話します。どういうつもりかを訊ねさせて……」
すると、横で待っていたかたちのガドニエルが口を挟んできた。
一郎はガドニエルに振り向く。
「どういうつもりかなんて訊ねる必要もない、ガド。そんなのは明白だ。こいつらは、俺とガドが仲がいいのが気に入らないのさ。卑しい人間族の分際で神聖なエルフ女王であるガドを汚しているからな。それで、ユイナと結託して、俺を追い詰めようとしたんだ。多分、魔物になっていたのを助けた礼だろうよ」
一郎は今度は五人の侍女を嫌味たっぷりに睨んだ。
それぞれに一郎の言葉に反応したが、真ん中のヒルエンというエルフ女は、一郎に怒りの表情を向けた。
「分をわきまえろ、人間族の男──。その方はエルフ最高女王様なのだぞ。本来であれば、お前が近づくこともできないような……」
「黙りなさい、ヒルエン──」
そのとき、絶叫のような怒鳴り声が洞窟に響いた。
ガドニエルだ。
素っ裸のまま立ちあがって憤怒の顔を五人の侍女に向けている。今度は明らかに侍女たちが怯んだ。
「な、なぜです、ユイナ殿──。どうして、ガドニエル様の支配が抜けていないのですか。ユイナ殿は、さっきの薬玉で、女から淫魔師の支配を無効化できると……」
ヒルエンが焦った様子でユイナに振り返る。
そのヒルエンにガドニエルは、さらに怒鳴ろうとしたが、一郎はそれを制した。
「それよりも、ガド──。俺のちんぽを舐めろ。あいつのせいで、一時的とはいえ、淫気を一度解放されてしまったんだ。補充が必要だ。エルフ族の女王様が俺の性器を舐めてくれるなら、きっと淫気もあっという間に溜まり直して、すぐにまた、お前らを隷属させられる」
「は、はい、ロウ様」
面白いことに、ガドニエルから一瞬にして憤怒の態度が消滅し、満面の笑みを浮かべて、一郎に寄ってきた。
一郎から卑猥な命令をされたのが心の底から嬉しそうだ
目の前に侍女たちがいるのを気にせず、一郎の股間の前に跪き、すぐに口で一郎の性器を頬張った。
五人の侍女たちが悲鳴のような声をあげた。
「ユ、ユイナ殿──。ど、どうして、ガドニエル様はなぜ……」
再び、ヒルエンがユイナに叫んだ。
この女は女で、ガドニエルが一郎に懐いたのが、一郎の支配だと信じ込んでいたのだろう。だから、ガドニエルの言葉に逆らうことになろうが、ユイナによって、一郎の支配が無効になった瞬間に、ガドニエルが正気に戻ると信じていたに違いない。
しかし、ガドニエルは最初から正気だ。
まあ、こんなんだが……。
「……ガ、ガドニエル様は支配されてない……。エリカさんも……。ほかの人も……。でも、こいつに逆らわないみたいです……」
ユイナが言った。
ほんの少し目を細くする仕草をしているので、眼球紋で鑑定術を遣っているのだろう。
ユイナも扱う一般の鑑定術では、一郎の淫魔術の影響を受けている女は「奴隷化」の鑑定が出てしまうらしい。
「それよりも、ユイナ。お前、なにをしたのかわかっているのか? 俺の淫気を消すということは、シャングリアとマーズを殺すことになるんだぞ。俺の能力であいつらの命を辛うじて繋ぎとめているのを知っているだろうが──」
一郎はユイナに怒鳴った。
しかし、ユイナは一郎の言葉にはっとしたような表情をした。
どうやら、それは頭になかったらしい。
「そ、そうだった……。そ、そこまでするつもりはなくて……。わ、わかった。解毒剤を作る。ベルルスを呼んでよ……。あいつに処方箋を教える。さっき、追い返しちゃったのよ……」
ユイナがしょげ返った様子で項垂れた。
本当にそれを考えていなかったのか……。
呆れてしまった。
「ま、待って──。それよりも、もう一度さっきの薬玉をもう一回破裂させてください、ユイナ殿──。予備があったはずです」
ヒルエンがユイナのところに詰め寄った。
そうなのだ。
ユイナは、さっき破裂させた“不能薬”とやらの薬玉をもうひとつマントの裏に紐袋かなにかで隠している。一郎はそれを知っていた。
「だ、だめですよ──。もう無駄です。それに、さっきあいつが言ったでしょう。あいつの力で女ふたりを死なないようにしているんでした。女王様の光魔道で解呪してもらうまでは、あいつの能力が必要だったんです。忘れていました」
ユイナは首を横に振る。
しかし、ヒルエンがさっとなにかを懐から取り出した。
石の刃物だ──。
まだ魔物化していたこいつらが、果実を切るのに使っていたものだ。
それをユイナに向ける。
「渡しなさい──。すぐに──」
「ひっ」
ユイナが驚いて目を丸くしている。
それでも、さっとマントの上から手で覆って、薬玉を渡すまいとした。
シャングリアたちのことをどうでもいいと主張すれば、本当にみかぎってやろうと思ったが、少しだけ安心した。
一方で、突然の修羅場に一郎もちょっと驚いたが、もっと驚いたのはガドニエルだ。
喧噪は耳に入っているはずなのに、一郎の性器を奉仕することをやめないのだ。
こっちはこっちで、苦笑したくなる。
とにかく、ガドニエルにとっては、一郎の言葉がすべてにまさる最優先事項であり、あとは女王としての矜持や部下に対する責任とかいうのは、遥かに劣る些末事項のようだ。
これはこれで、徹底しているな。
一郎は思った。
「ロウ様──」
エリカが判断を委ねる……というよりは、殺害の命令をしてもらうことを乞う視線を一郎に送った。ほかの女たちも一郎の指示をじっと待っている。
一郎は小さく首を振った。
「それよりも、あんたら、自分たちがなにをしたのかわかっているのか? 俺の淫気を消滅させて、本当にそれでいいと思ったんだな? あんたらに掛かっていた魔物化の呪術は解呪したんじゃなくて、俺の淫魔術で上書きするように覆っただけなんだぞ。あんたらも、本当に解放されるには、まだまだ処置が必要なんだぞ」
一郎はヒルエンを含む五人の侍女に声をかけた。
五人が一斉に一郎を見てきょとんとする表情になる。
「どういうことですか……?」
口を開いたのは、ヒルエンではなく、別の侍女だ。
名は忘れた。
「本当に解呪するほどのことはしていないということだ。繰り返し繰り返し、俺の精液を浴びるように吸収すれば、解呪できるとは思うけど、いまは、ただ応急処置として、魔物化の呪術の影響を俺の淫魔術で遮断しただけだったんだ」
「えっ?」
ヒルエンがユイナに向けていた刃物を持っていた手を下に落とした。
困惑した表情で一郎を見る。
「ユイナの毒玉で淫気を遮断されたとき、俺も咄嗟の処置として、あんたらに渡していた淫気を引き抜いて、亜空間の保持のために回させてもらった。あらかじめ空間に隠していたものもあるし、それでなんとか保持はした……。まあ、なにを喋っているかわからないと思うけど、つまりは、あんたらを魔物から解呪した俺の淫気は抜き取ったということだ」
「抜き取った? すると、どうなるんです……?」
別の侍女だ。
やっと、どういう事態が起きるのか理解したみたいであり、顔を蒼ざめている。
しかし、もう説明は不要だ。
そろそろ影響が表れ始めている。
五人の女たちが、膨れあがりだした。
手足が太くなり、服が破け……。
「ギャ、ギャギャッギャ──」
「グギャ、ギャギャギャギャ」
「ヒギャア? ギャアア?」
「ギャア、ギャギャギャ」
「ギャギャギャ」
一郎の淫魔術の影響のなくなってしまった五人の侍女たちが魔物に戻った。
侍女たちに言ったことは本当だ。
女たちについては、一郎の淫魔術により、まだ一時的に魔物化の呪術から解放されていただけだったのだ。
だから、魔物化の呪術を完全に解呪していない状況で、それを阻んでいる淫気を抜いてしまえば、すぐに魔物に戻ってしまう。
当然の理屈だ。
「殺さなくていい。追い払え」
右往左往して一郎に駆けよろうとした魔物になった侍女たちに対し、一郎は女たちにそれだけを言った。
エリカ、コゼ、イットが武器で脅すと、今度は奇声をあげて、洞窟の外に逃げていった。
まあ、あいつらをどうするかは、また考えよう。
一郎はユイナを見た。
ユイナは真っ蒼になっている。
「いろいろあるだろうけど……いまは解毒剤を作らせて……。困らせようとは思ったけど、誰かを危険に合わせるつもりまではなかったのよ……。とにかく、あの魔妖精を……」
「そうなんだろうな……」
一郎は苦笑した。
後先考えないのが、このユイナの性質だ。
この娘の喋ったことは本当なのだろう。
もしも、一郎から淫気を遮断してしまえば、シャングリアたちがどうなるかわからないと思いついていれば、不能薬とかいうものは作らなかったと思う。
それにしても、不能薬か……。
一瞬とはいえ、一郎の淫魔術を破る毒薬がこの世に存在するとは……。
改めて、一郎はある意味でユイナを見直した。
「とりあえず、手足を切りましょう、ロウ様……。頭だけあれば、解毒剤はできます」
エリカがユイナに剣を向けて冷たく言った。
ユイナが震えあがった。
「ま、まさか、冗談ですよね、エリカさん……?」
「なんで冗談だと思うの?」
エリカが真面目な顔のまま唖然とした表情になる。
「やめろよ。必要ない。淫魔術が消滅したのは一瞬だけだ。一瞬後には回復して戻っている。そもそも、俺の一物は勃っているぞ」
一郎は笑った。
ガドニエルがいまだに離さない一郎の性器は、すっかりと勃起して、隆々とガドニエルの口の中でそびえている。
淫魔術だって、すぐに復活していたし、だから、淫気も集め直すことができた。
「あれっ」
「本当ですね」
「まったくです」
「よかった……」
「はあ……」
エリカ、コゼ、スクルド、ミウ、そして、イットが一郎とガドニエルの周りに集まって、一郎の股間を覗き込んだ。
それぞれに安心したような表情になる。
「それにしても、下手だな、ガド──。修行しなおしだ。ミウ、代われ」
一郎はガドニエルの頭をぽんと叩いた。
あれだけ敏感な身体に調教されていたのだから、さぞや性技も鍛えられているのだろうと思ったが、舌技は稚拙もいいところだ。
もしかしたら、フェラ調教は一度も受けていないのだろうか?
「あっ、お待ちなさい、ミウ。わたしが代わりましょう」
すると、スクルドが強引にミウを押しのけようとした。すぐに、呆れた顔のエリカとコゼにとめられたが……。
「はい、ロウ様」
一方で、ミウが嬉しそうに、ガドニエルに交代した。
ガドニエルは悲しそうな顔をしている。
「ああ、申し訳ありません……。わたし、初めてで……」
やっぱり、初めてだったか……。
ガドニエルは泣きそうな顔になっている。
だったら、もう少し、エルフ族の女王の初フェラを味わえばよかったかなという気になった。
ついさっきまでは、エルフ族の女王のガドニエルに遠慮する気持ちもあったが、なぜかそんな気持ちも消滅している。
もう俺の女だ。
そう決めたことで、なにかを吹っ切った感じだ。
「だったら覚えろ。ミウだって、まだ覚えたてだから、半分は修行中だ。それでも、毎日一生懸命に、ほかの女の技を勉強したりして、いまはかなり上手だ。ガドもそうしろ」
「はい、勉強します──。と、ところで、侍女たちは……。そ、それと、わたしの身体……」
ガドニエルが不安そうな顔で、やっと魔物に戻ってしまった侍女たちのことを口にする。
「さすがにもう助ける気にはなれん。ガドの魔道が復活すれば、光魔道をかけてやれ。それで解除できると思う。だけど、そのあいだ、ここに近づいたら追い払う。この狭間の森にいる限り、安全は確保できるはずだ。食い物もある」
一郎は肩を竦めた。
それまで十日ほどだ。
そのくらいでは、まだ心までは魔物には戻らない。
危険はない。
そのあいだは、魔物に戻ったことに怯えてもらう。
これをもって、連中への罰とする。
一郎としては、あの五人には興味はないし、改めて淫魔術で支配したいとも思わない。
もう、冗談じゃない。
「お慈悲に感謝します……。あれでも、ずっと仕えてくれた者たちなのです」
ガドニエルがほっとした顔で言った。
「その代わり、今度こそ、俺のことを邪魔に思わないようにさせろ。ガドを俺の女にすると決めた以上、ガドの周りはうるさくなる。あいつらは絶対の味方に仕上げろ。必要なら、洗脳でもなんでもしろ」
「言われたとおりにします」
ガドニエルが懸命に大きく首を上下に振る。
その仕草が本当に雌犬のようで、一郎は笑ってしまった。
「それとガドについては問題ない。さっきフェラをさせたが、あれだけでも、噴き出すような淫気を発散していたぞ。それだけあれば、失った淫気を補って、魔物化の呪術の再発を防げる。それに、十日もあれば十分だ。俺が責任をもって本当に解呪してやる。お前については光魔道はいらん。躾をしているあいだに、解呪も終わる」
「は、はい、躾けてください──。ありがとうございます──。そ、それで、ちょっとミウさんの見学をしてもいいですか? もっと勉強したいんです」
「おう、勉強しろ」
一郎が言うと、ガドニエルは一郎の股間にうずくまっているミウの横に同じようにうずくまり、横から眺める体勢になった。
じっとそれを眺めて、見よう見まねで空中で同じように舌や口を動かして真似している。
本当に女王様か?
一郎は噴き出した。
「さてと……」
一郎はいまだに立ち尽くしているユイナを見た。
ユイナは立ち尽くして震えていた。
「それよりも、ご主人様、さっき、あたしたちの支配が解除されたということをこいつが言っていたと思うのですが、どうなっているんですか?」
コゼが口を挟んだ。
きっと、コゼは一郎との繋がりが断ち切られるのが、心の底から嫌なのだろう。
「まあ、淫魔術で繋がろうが、そうであるまいが、俺たちの関係に変わりはないけどね。もう、大丈夫だ。すでに復活している」
一郎は言った。
いずれにしても、すでにユイナの不能薬の影響はない。
一時的に影響は受けたが、一郎の淫魔術が強くて、あっという間にその効果は消滅していた。
淫気も戻っているし、さっき隷属を復活させている。
とりあえず、それをしていないと、「淫魔師の恩恵」によって向上していた女たちの能力を低下させてしまうのだ。
ロウ=ボルグ(田中一郎)
人間族(外来人)、男
冒険者
ハロンドール王国子爵
年齢36歳
ジョブ
クロノス
淫魔師(レベル120)[限界突破]
戦士(レベル5)
生命力:50
攻撃力
30(素手)
使徒(1)
イット(勇者)
支配女(32)
エリカ
コゼ
シャングリア=モーリア
ミランダ
スクルド(スクルズ)
ベルズ=ブロア
ウルズ
シャーラ=ポルト
イザベラ=ハロンドール
アネルザ=マルエダ・ハロンドール
マア
ラン
トリア=アンジュー
ノルエル
オタビア=カロー
ダリア
ヴァージニア
クアッタ=ゼノン
ユニク=ユルエル
セクト=セレブ
デセル
アン=ハロンドール
ノヴァ
ビビアン
シズ
ゼノビア
イライジャ
マーズ
ミウ
ブルイネン=ブリュー
ユイナ
ガドニエル=ナタル
支配眷属(5)
クグルス(魔妖精)
シルキー(屋敷妖精)
サキ(妖魔将軍)
ピカロ(サキュバス)
チャルタ(サキュバス)
特殊能力
淫魔力
魔眼
ユグドラの癒し
亜空間収納
粘性体術”
ステータスも確かめた。
淫魔師レベルも戻っている。
問題ない──。
ユイナの隷属も復活だ。
「さて、どうするかな? どんな罰を受けたい?」
一郎は、ミウに股間を奉仕させたまま、ユイナに微笑みかけてやる。
ユイナがまるで蛇に睨まれた蛙のように硬直した。