※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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474 梟雄の遺産

「アスカ様を? ガドニエル様の実のお姉様ですよ──。ガドニエル様もそれを知っているはずでは?」

 

 カサンドラが心の底から驚いたように叫んだ。

 同時に、背後に侍っている五人の護衛たちに動揺が走るのも感じた。

 五人はエルフ族の若い美戦士の姿をしているが、全員がパリスの手の者であり、もともといたガドニエルの護衛たちを殺し、パリスの準備した変身の魔道具で入れ替わっている者たちだ。

 

 すでに、このエルフ族の女王の館であるイムドリス宮では、ガドニエルの周りにいた者たちのうち、近習と称することのできる立場については、こうやって、全てパリスの手の者に交代しているか、あるいは、この館に存在する地下結界の中に捕らえて監禁している。

 それとも、女王のガドニエルやその侍女たちのように、醜鬼獣(オーク族)に姿を変えて放逐したかだ。

 

 ガドニエルについては、可能であれば殺してしまった方がよかったのだが、この館については、女王のガドニエルが命を失うと、それに伴って、次の女王選びをするための族長会議の開催をナタル森林の全土に伝える魔道の仕掛けを始めとする様々な魔道が自動的に作動するようになっていた。

 その全部を解除するのは面倒であるし、あの時点では実際的には不可能だったので、オーク族に姿を変えさせるに留めた。

 できれば、そのまま、魔獣のまま監禁するつもりであったのだが、逃亡を許してしまったのは誤算だった。

 もっとも、今頃は呪術が進行して、エルフ族の女王だったときの記憶は消失し、心の底から完全にオーク族になり果てているに違いない。

 いまもって、姿を現す気配がないのがその証拠だが、もしかしたら、すでに一匹のオークとして魔獣狩りにでも逢って殺されているかもしれない。

 

 それなら、それでいい。

 あれから数箇月が経ち、このイムドリス宮は完全に掌握した。

 本来のガドニエルが死んだところで、もうそれに応じて、エルフ族の仕掛けが作動することはない。

 とにかく、もはやガドニエルについてはどうでもいいのだ。

 いまや、ダルカンの頭は、アスカのことだけだ。

 あの魔女を殺す……。

 ただ、死ぬだけでもだめだ。

 できるだけ、惨たらしく……。

 残酷にだ。

 それでパリスは復活する。

 

「カサンドラ、それがどうかしましたか?」

 

 ダルカンは、ガドニエルの口調をまねることに気をつけながら、無表情のまま言った。

 後ろにいるパリスの手下たちは、あのアスカがエルフ族の女王であるガドニエルと血が繋がっており、しかも、アスカがガドニエルの実の姉だったことは知らなかったはずだ。

 だが、ダルカンは知っていた。

 パリスから伝えられていたからだ。

 

 いや、そもそも、アスカについては、ダルカンも深く関与している。

 パリスに逆らうことのできない呪術をかけられているアスカの身体を、パリスに命令をしてもらって、犯したことは一度や二度ではない。

 自惚れるわけではないが、パリスとアスカの関係をよく知っている。それだけの信頼をパリスから与えられていたと思っている。

 だから、カサンドラの言葉にも、少しも動揺をしないでいられた。

 これから、なにをすればいいか、ダルカンは誰よりもわかっているつもりである。

 

「……それに、ラザニエルお姉様のことを言っているのであれば、彼女はもうずっと昔に死にました。生きていたとしても、女王家に生まれた者としての義務を放逐して立ち去った女など、我ら一族の者とはみなすことはできません」

 

「そ、そんな……」

 

「カサンドラ、お前は知る必要はないが、パリス殿を殺すように仕向けたのは、アスカというアスカ城にいた魔女です。いまはアスカ城から逃げて、どこにいるかわかりませんが、全エルフ族へ彼女の抹殺命令を出しなさい。いますぐにです」

 

 ダルカンはきっぱりと言った。

 ラザニエルというのは、あの女がまだこの避け谷で暮らしていた時代の名前である。

 そして、本来であれば父の死去とともに、女王の地位を継ぐはずだったにもかかわらず、女王の清廉潔癖な生活が嫌で貞節で優秀だった妹にその地位を押しつけて、エルフの里から出奔した。

 もう二十五年も前の話であり、それが、アスカと名を変えて放浪していた彼女がパリスと出逢う直前の物語である。

 

 ダルカンは、それを知っていた。

 パリスからも教えてもらっていたし、なによりも、アスカ自身から自分の生い立ちを寝物語として語られたこともある。

 それで思い出したが、そういえば、あの女の股も性技も絶品だった。

 できればもう一度、いや、二度か三度は味わいたかったが、いかなる手段を用いたのか知らないが、アスカ城にパリスが施していた仕掛けを破って、アスカ城から逃亡しているという。

 その知らせを耳にして驚いたものだったが、あるいは、存外、パリスの死にアスカは何らかの関わりを持っているのかもしれない。

 アスカが逃亡をしたのと、パリスが仮体とはいえ、命を奪われた時期がほぼ一緒である。

 

 パリスをアスカが恨む理由は山ほどあるし、あの希代の魔女には、能力的には、それができる十分なものがある。

 もっとも、アスカ城から逃亡できたしても、あの女に掛かっている呪術は生きているので、あの女にパリスを殺すいかなる手段もとることはできないはずではある。

 直接的にも、間接的にもだ。

 

 パリスは、あのアスカが絶対に自分に刃向かえないように、二重三重の呪術をアスカの身体に施していた。

 だから、パリスが死んだのは、パリスが最後に執着していた、ロウという男の仕業に間違いないのだとは思うが、やはり、なんらかの繋がりを勘繰りたくなる。

 

 まあいい……。

 

 いずれにしても、アスカは死ぬべきなのだ。

 いかなる手段を用いても命を奪わなければならない。

 しかも、残酷に死ぬ……。

 この世に恨みを残しながら……。

 それが、アスカが生かされていた理由……。

 

 それがダルカンに託されたパリスの遺言であり、万が一のことがパリスに遭った場合に、ほかならぬダルカンに、パリスの途方もない力が移譲するようにしていた友情の証なのだ。

 

 アスカが死ねば、パリスは復活することができる──。

 

 ダルカンはそれを知っていたし、パリスは不慮の出来事で自分が死んでしまったときに備えて、ダルカンだけに、それを教えて、アスカを殺すことができる魔道の力をダルカンに譲り渡すことができるようにしていた。

 いまダルカンの身体には、怖ろしいほどの魔道の力が漲っていて、自分でも信じられないほどだ。

 ずっと以前に、パリスがダルカンに、このことを託したとき、ダルカンは半分は冗談だと思っていたが、こうして本当にパリスの能力が譲渡されてきた。

 

 誰も信用していなかったパリスが、唯一ダルカンを信じていてくれていたということはこのことでわかるし、また、能力が移ってきたということ自体が、本当にパリスは殺されたのだということをダルカンに伝えてくれている。

 

 あの殺しても死なないはずの男が死んだ──。

 絶対に誰にも殺せるはずのなかった男が殺された──。

 それを成し遂げたのが、ロウという男……。

 かつて、ダルカンが小さなエルフの里でやっていた魔道石の横領工作を阻止した男……。

 

 本来は、パリスは死なないはずだったのだ。

 パリスは、自分を殺した者の姿と命を能力ごと奪うという特殊な能力があった。

 だから、誰もパリスを殺すことに成功しなかったし、パリスは自分を殺すことができた者をその都度、能力を奪って強くなっていった。

 それこそがパリスの秘密であり、パリスをして不死身と称えられるからくりだ。

 

 そのパリスが死んだ──。

 殺された──。

 それでいて、パリスを殺したロウは死んでいない。

 

 どうやったのか知りたい。

 

 アスカを殺せば、パリスは生き返るが、そのパリスに、今回のからくりを教えてやりたい。

 だからこそ、目の前のカサンドラに、ロウを生きて捕まえよと命じたのだ。

 ロウの周りの女を五体満足で連れて来いと言ったのは、まあついでだ。

 あのエリカというアスカの元の性奴は、実にいい女だった。

 あんな女を是非、凌辱したいものだ……。

 

「で、でも、ガドニエル様……。ラザニエル様は……」

 

 なおも訴えるように、カサンドラが悲痛な表情をダルカンに向けてきた。

 しかし、ダルカンは、ガドニエルの姿でそれを一蹴するように手を振る。

 

「命令です──。アスカの抹殺命令をすべてのエルフ族に出しなさい。アスカの居場所がわかれば、お前が率いる水晶軍のすべての力を使いなさい──。三公国、ハロンドール、エルニア、そして、沿岸諸国──。そのすべての王という王、領主という領主にアスカの処刑に対する助力を求めるのです。協力しなければ、その地域に卸すクリスタル、すなわち、魔道石の売買は差しとめると魔道通信で告げなさい──」

 

「えっ……」

 

「それだけでなく、このガドニエルの力を使って、すでにある魔道石の効果も失わせてしまいます。それを伝えなさい──。とにかく、この地からアスカが生きていける場所を消すのです──。すぐにやりなさい──」

 

 ダルカンはきっぱりと言った。

 カサンドラは蒼ざめている。

 いまは太守夫人として、病床の太守に変わってエランド・シティで力を振るっているカサンドラだが、元はといえば、アスカの侍女であり、まだ、ラザニエルだったアスカの「ねこ」だったことも知っている。

 しかし、カサンドラは、ガドニエルの命令には従うだろう。

 さもなければ、カサンドラは、夫ごと失脚して、その地位と権力のすべてを失うのだ。

 応じるしかない……。

 

 果たして、カサンドラは出ていった。

 命令に従うという意気消沈した様子で口にした言葉を残して……。

 

「ダルカン、お前、知っていたのかよ……」

 

 カサンドラがこの場から去り、ダルカンと護衛役五人だけになると、護衛役をしているパリスの手下のひとりが、訝しむ表情でダルカンに言葉をぶつけてきた。

 

「なにをだ?」

 

「アスカがこのエルフ族の女王家の女だってことをさ……」

 

「もちろん、知っていたさ。パリスに教えられていたからな。お前たちには知らされていなかっただろうがな」

 

 ダルカンは、できるだけ不遜な表情に映るように顔を作りながら、声をかけてきた男に視線を向けた。

 本来、この男たちとダルカンは、いまやっている工作については、同等の間柄である。

 それぞれパリスから、ダルカンはガドニエルに化ける仕事、そして、この連中はガドニエルの傍に侍る近習の役割を与えられているというだけの関係だ。

 それが本来のかたちだ。

 パリスがいて、ダルカンの立場を守っていたので、これまでダルカンは大きな顔をしてこれた。

 だが、そのパリスが死んだ以上、ここに関係は本来のかたちに戻る……。

 つまりは、その役割に上下関係はない。

 そういうことだ……。

 

 しかし、そうはいかない……。

 パリスを生き返らせるために、まずはここにいる連中を牛耳らないとならない。

 一時的とはいえ、パリスが死んだことで、これまでパリスが築きあげてきたものをタリス公国の山奥にある小さな城に集まっているだけの、皇帝家のろくでなしどもに奪われて堪るものか──。

 

「だ、だが、勝手なまねを……」

 

 その男は不満そうだ。

 勝手というのは、カサンドラを呼び出して、アスカの抹殺命令を出させたことだろう。

 ダルカンの指示通りに動けば、このナタル森林の森エルフだけでなく、三公国を始めとして、ハロンドール王国やエルニア王国までも大きく動揺する。

 エルフ族の女王というのは、ただの女王ではない。

 このナタル森林でしか作成することのできない魔道石を管理しており、その影響力は計り知れない。

 ナタルの森のそれぞれの里から人間族の国々に供給している魔道石は、彼らの暮らしにはなくてはならないものだ。

 あれがなければ、それぞれの大都市の機能のかなりのものが失われるし、王宮や王都の護りの力の源が停止してしまうのだ。

 そのような影響のある行動を皇帝家に無断で、カサンドラにやらせたということに、この男は抗議をしたいらしい。

 

「なにが悪いのだ。パリスは生き返ってもらわねばならない。アスカを殺せば、パリスは生き返る。それを知っているはずだが……」

 

「そ、それは当然だ。パリス様には生き返ってもらう……。しかし、まずは、皇帝家か、マハエル家にお伺いをたてるべきだ。パリス様がいないいま、それ以前とは状況が違う……」

 

「パリスから俺は後事を託されていた。俺の言うことに従え」

 

 ダルカンはそれだけを言った。

 男がむっとしたように、顔色を変えた。

 

「なにを偉そうに……。パリス様に引き立てられていただけの能無しの道化の分際で……」

 

 男が舌打ちをした。

 ダルカンは即座に、男に向かって魔道弾を放った。

 

「うぎゃあああ──」

 

 放った魔道弾は小さいものを四つだ。

 男は咄嗟に魔道壁を作ったが、ダルカンが放った魔道弾は、それをすべて突き破り、男の四肢を引き千切った。

 血だまりの中に、手足を失った男が絶叫してのたうち回る。

 

「ひいっ」

「うわあっ」

「ひゃああ」

 

 静観をしていただけの四人が悲鳴をあげて絶句した。

 ダルカンに魔道弾を放たれた男だけでなく、ほかの者も驚愕したことだろう。

 なにしろ、たったいま放ったような攻撃魔道は、ダルカンは不得手だったはずだからである。

 

 そもそも、ダルカンにはこれほどの魔道力はなかった。

 ダルカンの評判というのは、魔道王国エルニアで失敗してパリスに救出され、ナタル森林の小さな里における魔道石の横流しの工作を任されたものの、そこでも失敗して、顔に刺青をされてエルフ族の世界から追放されてしまったような役立たずだ。

 昔からパリスと親しかったということがなければ、この連中がダルカンに敬意を払うはずのない小者なのだ。

 そのダルカンが不意を突いたとはいえ、苦痛の呻き声をあげている男を魔道で圧倒したことに驚いている。

 この男は五人の中では別格に魔道に優れていた。

 だからこそ、パリスがいなくなったことで、後ろ盾を失ったと思ったダルカンに、大きな顔をしたのだ。

 

「お前たちはどうする? 俺に従うのか? それとも、ここにはいない皇帝家の老人に従うのか……?」

 

 ダルカンは四人を睨んだ。

 冥王を復活させて、その力を利用して既存の国を滅ぼし、そこに失われた帝国の権威を復活させる──。

 

 パリスが準備した絵空事に踊っている皇帝家や、皇帝家に仕えるマハエル家は、ダルカンを始めとしたここにいる者やパリスを含めたずべてのパリスの組織の主人である。

 だが、ダルカンには、もう何十年も前から、滅びかけている皇帝家への忠誠心など皆無だし、あの連中のために、冥王を復活させて、人間族の国を滅亡させるという企てに協力する意思はなかった。

 

 ダルカンが加わっているのは、パリスのためだ。

 パリスがいたから、パリスがやろうとしていることを手伝いたいと思ったにすぎない。

 能力は遥かにパリスに劣り、謀略の知恵も度胸も皆無のダルカンだったが、ずっと昔から、パリスとは退廃的な享楽を愉しむ遊び仲間だった。

 ダルカンが心から信頼したのはパリスだけだったし、パリスも同じだったに違いない。

 だからこそ、あれほどの梟雄は、自分の危難に備えて、自分の能力という遺産をダルカンに遺したのだ。

 その信頼に応えなければ、失敗ばかりで馬鹿にされ続けたダルカンを、いつも笑って引きあげ続けてくれたパリスの恩に報うことはできない。

 

「お、俺たちは……も、もちろん……」

 

「パリス様を生き返らせる……。そのことに異存はない」

 

 顔色を変えている男たちが口々に言った。言葉を発しない者も、ダルカンに飲まれたように大きく首を縦に振っている。

 

「ならばいい」

 

 ダルカンはそれだけを言うと、出血と恐怖で朦朧としている胴体と頭だけの男に向かって、魔弾を放った。

 今度は最大出力だ。

 パリスは闇魔道の遣い手であるものの、攻撃魔道についてはここまでではなかったが、パリスが与えてくれた力は、大したものではなかったダルカンの元々の魔道だって、大きく引きあげてくれたらしい。

 魔弾を受けた男は、悲鳴をあげることなく、消し炭になって死んだ。

 さらに魔道を放ち、床の血と灰になった屍骸を消滅させる。

 まるで何事も起こらなかったかのように、床にはなにもなくなった。

 

「皇帝家の老人たちには、なにも伝える必要はない。どうせ、末端の構成員のひとりが死んだところで気にもしない。パリスの死についても教えなくていい。アスカさえ殺せば、パリスは生き返る。老人たちが知るのは、すべてが片付いてからでよい」

 

 ダルカンは言った。

 なんだかんだで、組織の中ではパリスにいい感情を持っていない者も多い。

 パリスが失敗したことを知れば、どんな対応をとるかわかったものじゃない。

 なにしろ、皇帝家の復活より、また、その皇帝家をないがしろにして権力を奪って閉じ込めている三公国に酬いをあたえることよりも、組織内の足の引っ張り合いが大切な者たちばかりなのだ。

 パリスのことを邪魔されたくない。

 

「ならば、来い。俺に従う限り、いい思いをさせてやる」

 

 ダルカンは言った。

 当惑している四人の足元に魔道の紋を展開すると、ダルカンは移動術でイムドリス宮の地下に跳躍した。

 ガドニエルの姿を手に入れることで入手した能力であるが、ここは館のほかの部分とは完全に隔離されて、誰にも見つけることができない絶対的な場所である。

 重鎮や側近を入れ替えたとはいっても、親衛隊を始めとして、避け谷の館のすべての者を入れ替えているわけじゃない。

 ここは、そういう連中にも、見つからないようにしているダルカンの秘密の場所だ。

 出口はなく、この大広間に出入りするには、魔道以外の手段はない。

 

「おう」

 

「これは……」

 

「へえ……」

 

「おう……」

 

 四人の男たちは、目の前に拡がった光景に、一斉に声をあげた。

 男たちの視線にうったのは、この半年で少しずつ集めてきた館で働いてきた十人ほどのエルフ族の美女たちだ。

 ただ、全員が裸であり、両手を後ろ手にして革帯で包んでいて、すべての女たちに貞操帯を嵌め、貞操帯の内側にある二本のディルドにたっぷりと媚薬をまぶして、前後に穴に挿入をさせている。

 さらに、もう半日以上もディルドは、淫らな蠕動運動でエルフ美女たちを責め続けているのだ。

 

 どの女も完全に熟れきっていて、男たちに媚を売るように虚ろな視線を向けている。

 すでに誰ひとり立っていることができず、汗びっしょりで呻き声のような嬌声を出し続けているだけだ。

 無理矢理に事前に服用させたたっぷりの媚薬がすっかりと利いているようである。

 

 この館にいる大勢の女たちの中から、これはと思う者をひとりひとり罠をかけて、ここに監禁してきた。

 表向きには、解雇されて里に返されたり、病の治療などのために一時的に館を去ったりしていることになっているが、実際には、ここに連れてきて以来、女たちはずっとここでダルカンによる淫らな調教を受け続けている。

 ガドニエルに扮しているダルカンには、狙いを定めたエルフ女を騙してここに連れてくるのは簡単な作業だ。

 寸間を惜しんで行った調教も愉しい作業だった。

 いまや、十人が十人ほど、男に犯してもらうのが気持ちよくて仕方がない淫らな淫獣である。

 無論、魔道も封じている。

 ここにいる女たちが逃げ出す手段は皆無だ。

 

「どの女でも抱き放題だぞ。淫具も揃っている。好きなようにしていい」

 

 ダルカンは貞操帯を外す鍵束を四人の前に放り投げた。

 この場所に到達したときに、ダルカンはガドニエルの変身を解いて、男の姿に戻っている。

 そういえば、どんな姿にも姿を変えられるパリスは、女の姿になって、性愛を愉しむということもしていたが、ダルカンにはそんな趣味はない。

 洒落で絶世の美女になり、パリスが抱き合うかと言ってきたときには、ダルカンは慌ててパリスを拒否したものだ。

 

「よ、よし、俺はこいつだ」

 

「ありがとう、ダルカンさん──」

 

「すげえ美女たちだ。たまらねえ」

 

「俺はふたり、いや、三人でいいですか、ダルカン殿?」

 

 遠慮なく愉しんでくれと告げると、四人の男たちは一斉にエルフ美女たちに群がった。

 四人のうち、ふたりが変身を解いて人間族に戻った。

 残りのうちひとりも変身を解いたが、そっちは獣人族だ。

 残ったひとりは、エルフ族のまま女を抱くようだ。

 どの男もあっという間にズボンを脱いで、勃起した股間を露出させている。

 

「はああっ」

 

「んひいいっ」

 

「あああ」

 

「あっ、あああっ」

 

 男に捕まったエルフ族の女たちは、すぐに貞操帯を外され、どろどろになっている股間を愛撫されて、さっそくあられもないよがり声をあげ始めた。

 まだ選ばれなかったエルフ女たちも、やって来た男たちに媚びを売るように男たちが始めた乱交の向かって、這い動いていく。

 パリスの手の者の心を握るために、昨夜から女たちを媚薬と玩具で仕込んでいた。

 女たちはすっかりと追い詰められ、もう誰でもいいから犯してもらうことしか考えられないに違いない。

 それに、そうなるように淫らな身体に調教もしてやっている。

 

 その乱交の光景を横目で見ながら、ダルカンは、乱交の大広間を通り過ぎ、さらに別の一室に向かった。

 そこには、ダルカンが特別に飼っている女がひとりいる。

 もともとは、パリスがアスカ城で捕えて、魔族の苗床にしていたのをパリスにねだって下げ渡してもらったエルフ女……つまりは、アルオウィンだ。

 ダルカンは、最初にガドニエルと入れ替わったとき、その女をちらりとだけ見る機会があり、そのときすっかりと気に入ってしまった。

 一度、パリスがこのイムドリスに様子を見に来たとき、ダルカンがそのことを告げると、笑ってアスカ城から連れて来てくれたというわけだ。

 それ以来、アルオウィンはここにいる。

 ダルカンの玩具として……。

 

「おう、元気だったか? ちょっとばかり忙しくてな。しっかりと眠れたか?」

 

 ダルカンは床に横たわっている肉塊の横に胡坐をかいて座った。

 アルオウィンがダルカンを睨みつける。

 ただし、手足は付け根から切断されて、あるのは胴体と美貌の顔だけの姿である。

 やったのはパリスであり、ダルカンが受け取ったときにはこうなっていた。

 パリスは手足を戻そうかと言ってくれたが、こんな片輪女を嗜虐するのも面白そうなので、そのままにしてもらった。

 

「……ね、眠れるわけ……」

 

 アルオウィンが歯軋りをする。

 その憎々しげな表情がダルカンの嗜虐欲を刺激する。

 

「犯して欲しいなら、そう口にするんだな、アルオウィン」

 

 ダルカンは笑った。

 このアルオウィンは、親衛隊長のブルイネンと並んで、ガドニエルの側近中の側近であり、まだ入れ替わる前のガドニエルの指示を受けて、アスカ城に対する諜報活動をしていた女である。

 だが、パリスが仕掛けた侵入防止の罠に嵌まり、あっという間に捕えられていた。

 それをもらい受け、こうやってダルカンの玩具として、ここに監禁したということだ。

 

 ただ、パリスから受け取ったときには、舌を切断されていて、言葉が喋れない状態だったが、それは復活させた。

 そのままでもいいかとは思ったが、やはりこうやって悪態を突かせるのも愉快だ。

 パリスは見せしめとして、魔獣の苗床にしただけなので、うるさいのが気に入らずに舌を切断したままでいたみたいだが、ダルカンとしてはこの女の調教を愉しみたいので、やはり言葉が話せた方がいい。

 苦しめて、この気丈な女に哀願をさせるためだ。

 自殺については、奴隷の首輪で禁止したし、死ねば妹のセリアを殺すと告げている。

 アルオウィンには、実は隠していた妹がいて、ダルカンが見つけて、ガドニエルの名を使って、このイムドリス宮に隔離している。 

 妹を責めると脅せば、アルオウィンは最終的には、なんでもやる。

 ダルカンは、それで愉しんでもいる。

 

「げ、下衆が……」

 

 不自由そうにダルカンに顔を向けると、アルオウィンはダルカンに向けて唾を吐きかけてきた。

 しかし、与えられ続けている責め苦のために力のなかったアルオウィンの吐き出したものは、ダルカンに届くことなく、その手前の床に飛んだだけだ。

 ダルカンはその姿に嬉しくなった。

 広間の女たちのように完全に屈服して、雌になりきった女たちもいいだのが、アルオウィンのようにいつまでも堕ちない女はもっといい。

 

「辛そうだな。本当に、なにもして欲しいことはないのか、アルオウィン?」

 

 ダルカンは言った。

 胴体と首だけのアルオウィンが、悲痛な顔をして歯を喰い縛る。

 

「我が儘を言って、俺を愉しませてくれようとしているのか? 別にいいがな。次に来れるのはいつかわからんぞ。二日後か……、三日後か……」

 

 ダルカンはわざとらしく立ちあがる気配を示してやった。

 すると、アルオウィンの顔が絶望的な表情になる。

 ダルカンはにんまりとした。

 

 この女に仕掛けてやった責め苦は簡単なものだ。

 昨夜、離れる前に、この女の股間と乳房に、たっぷりと掻痒剤を塗りたくって放置してやっただけである。

 この部屋には調度品はなく、壁も丸くなっていて、どんなに暴れても、手足のないこの女には、股間を掻く方法はない。

 おそらく、のたうち回ったことだろう。

 部屋中に汗と体液が擦られまくった痕があり、それがこの女の苦しさを物語っている。

 

 ただ、この女はアスカ城で捕えられたあと、パリスの命令で手足を切断されて、魔獣に種付けを受け、魔獣の卵を産む苗床に二箇月ほどされた女だ。

 それほどのことをされても、発狂もせず、心も折れずに、正気を保ち続けていたそうだ。

 パリスにから譲渡されたとき、魔獣に犯され続けていたような女でいいのかと言われたが、そのような仕打ちを受けてもまだ気丈さを保ち続ける心の強さこそがいい。

 心からの感謝をパリスに送ったのを思い出す。

 

「ま、待って──。待ってよ……」

 

 アルオウィンが悲痛な声をあげた。

 本当に放置されるかもしれないと思ったのか、赤い顔が今度は心なしか蒼くなっている。

 余程につらいのだろう。

 

「なにか言いたいことがあるのか、アルオウィン?」

 

「ああ、お願い……。もう苦しめないでくれ……。犯して……犯してください……」

 

 アルオウィンが心の底から口惜しそうな表情でそう呻いた。

 ダルカンはほくそ笑んだ。

 

「いいとも……」

 

 ダルカンは魔道で自分の身体から衣類を消し去って全裸になるとともに、アルオウィンの身体をうつ伏せにして尻側から股間に向かって引き寄せた。

 しかし、犯すのは、アルオウィンが痒みで灼けただれるように疼いている股間ではない。

 

 尻だ。

 

 アルオウィンには見えないが、たったいま、ダルカンは自分の股間に魔道で出した潤滑油を塗りたくって準備を終わった。

 菊門に怒張の先端を当てる。

 気がついたアルオウィンが悲鳴をあげる。

 しかし、その絶叫と抵抗を愉しみながら、ダルカンはゆっくりと男根をアルオウィンの尻穴に沈めていった。

 

「おおおおっ」

 

 するとアルオウィンが獣のような声をあげて、全身を痙攣させた。

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