【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
498 偽物女王の性宴(その2)
「ああ、ダ、ダルカン様……。も、もうご堪忍を……。ひ、ひどいですわ……。こ、こんな風にアルオウィンを放置するなんて……」
痒み液の染み込んだ縄で股縄をされているアルオウィンは、ダルカンを認めて恨みしそうに言った。
ただ、顔はダルカンに媚びを売るような演技をしている。
そして、演技であることに、ダルカンも気がついていた。
「それは悪かったな、ちょっとした処置があってな」
外の広間と異なり、この部屋にはダルカン以外に入る者はいない。
だから、アルオウィンとふたりきりだ。
ダルカンは、少し離れた場所に胡坐で座った。
「そ、そんな……遠いですわ……。どうか、もっと近くに……」
アルオウィンが誘うような口調で言った。
まだ生きていたパリスがここにアルオウィンを連れてきて以来、悪態と反抗の態度を続けていた彼女が、一転してダルカンに服従の態度をとりだしたのは、このイムドリス宮の完全占拠に踏み切った十日近く前だったろう。
しかし、最初はそれを喜んだダルカンだったが、さすがに、あれから数日もすぎれば、これが演技であることには気がついた。
おそらく、ダルカンがアルオウィンの妹のセリアをこのイムドリス宮に連れてきていることを仄めかしたからだろう。
だから、妹を守るために、このアルオウィンがダルカンに屈服したふりをしたということのようだ。
まあ、気がついたが、そのままにしている。
そっちの方が面白そうだからだ。
「這ってこい。こっちまでくれば、セリアの様子を教えてやろう。上に行くついでに牢を覗いてきたところだ。妹のことを知りたいであろう?」
ダルカンは言った。
セリアの名を出した途端に、アルオウィンの目つきが変わった。
憎しみをむき出しにした視線だ。
なかなかの眼だ。
ダルカンは満足した。
おそらく、これだけの仕打ちを受けて、いまだに、これだけ激しい感情を保持できる気丈な女はまずいないだろう。
アスカ城で諜報活動をしていたところを捕えられたアルオウィンは、パリスの命令により手足を切断されて、魔物の苗床にされていたのだが、その払い下げをパリスに強請ったときには、この女が必要になるということは考えていなかった。
単純に、ダルカンの性的な「愉しみ」のために連れてきたのだ。
「ま、まあ、セリアのことなんて……。そ、そんなことを言わないで……。あ、あたしがダルカン様を奉仕します。お、お待ちください……」
少しのあいだ憎悪の表情を浮かべていたアルオウィンがはっとしたように、それを引っ込めた。
さっきのように、ダルカンに媚びを売る女の顔になる。
ダルカンはにやりと微笑んでしまった。
改めて、アルオウィンが屈服など程遠く、いまだにダルカンに憎しみを抱いていることを確認できたからだ。
ほんの十日前までは、アルオウィンがダルカンに堕ちることを望んでいた。
しかし、いまは違う。
事態は刻々と変化をしている。
この女が必要になる状況が近づいている。
だから、屈服したと思っていたアルオウィンが、実はそれは妹を守るための演技だとやっと悟ったときにはほっとした。
従って、利用できる「駒」のひとつとして、アルオウィンも確保することを決めた。
アスカが見つからない可能性も考えると、このアルオウィンもに必要になってくるかもしれない……。
だったら……。
「ならば、すぐに来い。さもないと……」
「ああ、お、お待ちください……」
妹の名を仄めかしてあおってやると、演技をしているつもりらしいアルオウィンが荒い息とともにダルカンに無理矢理の笑顔を作り、芋虫のように身体をくねらせてこっちにやってくる。
ダルカンはそれを見守った。
「あ、ああ……」
四肢のないアルオウィンが股縄のかかった腰を惨めに動かしながら、懸命にダルカンに向かって這い寄ってくる。
ダルカンはそれを見守っていた。
一方で、扉の向こうでは狂ったような性宴だ。
いまは防音処置をしていないので、その喧噪はこっちの部屋にも響いている。
それにしても、こんな馬鹿げた乗っ取りがいつまで続くか……。
ダルカンは、まったく警戒らしい警戒もせず、こんな乱痴気騒ぎを続ければ、いつかそれが破綻するだろうということには気がついている。
だが、ダルカンはそれでも、あえて、イムドリスを占拠した者の全員がこうやって性宴に狂うことを許している。
いずれにしても、パリスを復活させないと……。
まずは、それが第一……。
このイムドリスの乗っ取りに成功し、本物のガドニエルに代わって、イムドリス宮という名のガドニエルの居城を奪い取ったのはパリスだ。
世間で知られている者の中で、おそらく最大の魔道力を持っていると考えられるエルフ族の女王のガドニエルの居城を乗っとるなど、おそらく誰も考えつかなかっただろう。
その誰も想像もしなかった偉業を成し遂げたのがパリスだ。
パリスは凄い──。
ダルカンは、パリスほどの男にはいままで出会ったことはない。
パリスこそ、この世界のすべてを支配すべき男だと、ダルカンはずっと思っていた。
しかも、パリスはダルカンの親友だ。
あんなにすごい男が大して取り柄もないダルカンを友として扱ってくれる。
ダルカンを……。
しかし、そのパリスは殺された。
本来は、パリスを殺すことは誰にもできないはずだった。
なにしろ、パリスは、自分を殺害しようとした者の魂と姿を奪ってしまうという闇魔道の持ち主であり、いかなる存在であろうとも、パリスは殺せないと思われていた。
しかし、パリスを殺すことに成功したロウという男はパリスを殺害して逃亡し、パリスの闇魔道も発現することができず、いまだにパリスは「死」の状態のままだ。
そして、十日近く……。
パリスが死んだままの状態という信じられない事態が、いまだに継続している。
こんなときのために、パリスの「命の欠片」を入れていたアスカも、ほとんど時期を同じくして、アスカ城から逃亡されてしまっている。
これが偶然のものなのか、あるいは、仕掛けられた大掛かりな策によるものなのかはわからないが、いずれにしても、このままではパリスの「死」が、本当の死に近づいていく。
時間が経てば経つほど、パリスが用心深く準備した復活の手段が意味を成さなくなってしまうのだ。
つまり、パリスが本当に死ぬということだ。
それを防ぐには、一刻も早く、パリスの命の欠片を保持している生命体を殺して、パリスを復活させなければならないが、厄介なことに、パリスの復活の闇魔道は、憎悪を介在させて殺害をしないと発現しない。
闇魔道……。
パリスの扱う闇魔道は、正確にいえば、通常の魔道とは異なるものだ。
ダルカンは、パリスから詳しいことを教えられていたのでわかっているが、通常の魔道が「理力」を力の源にすることに比べれば、パリスの闇魔道は人の抱く悪感情、特に「憎悪」のようなものを力の根源にする。
だから、パリスの闇魔道を発生させるには、大きな憎悪の感情が必要なのだ。
例えば、アスカにあるパリスの「命の欠片」からパリスを復活させるとして、アスカが自殺をしても、パリスは生き返らない。
殺されるアスカ自身、あるいは、アスカを殺害する者が「憎悪」を抱いて、アスカを殺すことで、初めてパリスは復活する。
アスカも自分が死ねば、パリスが復活して自分の身体が乗っ取られることは知っていても、この複雑な闇魔道の「からくり」についてまでは承知していないだろう。
もっとも、承知していたとしても、あの女がパリスの復活の芽を潰すために、自ら命を絶つとも思えないが……。
かつて、このエルフ女王国の王女だったアスカがナタルの森から出奔する原因を作ったのは、オデッセイというエルフ男に化けていたパリスだ。
当時は、アスカは、ラザニエルと名乗っていた……。
オデッセイという旅のエルフ青年にやつし、王女のラザニエルに接近して、ナタルの森の王女だったかつてのアスカに愛を説き、
しかし、すでにアスカから、オデッセイだったパリスに対する慕情が完全に消え去っているのは間違いない。
いまは、自分を騙したパリスに対する悪意しか抱いていないと思う。
アスカを自分の命の欠片の保管場所にすることを決めたときに、この闇魔道のからくりの必要性から、パリスはアスカを騙して逆らえない立場にし、あらゆる辱しめをして、アスカがパリスを憎むように仕向けたのだ。
パリスの復活のための「入れ物」は、パリスを愛する者ではなく、憎む者でなければならないからだ。
だから、アスカはパリスを憎んでいる。
いま、アスカがパリスの復活を目論む手の者に殺されれば、自分を復活の生贄に陥れたパリスに対する憎悪とともに、アスカは死ぬだろう。
それで、パリスは復活するはずだ。
しかし、もはや、それも望み薄いかもしれないのだ。
パリスの仮体の死から、すでに十日に近い時間がすぎている。
アスカを縛っていた呪術が弱まっているはずだ。そもそも、あのアスカ城は、アスカの本来の力を制限して、アスカをパリスの手の者が言いなりにできるように、結界を刻んだアスカの檻だったのだ。
そこを抜け出し、しかも、これだけパリスの仮体が死んで時間が経てば、おそらく、いまのアスカは、ずっと封じられていたパリスの手の者に対する攻撃も可能であると思う。
能力を解禁されたアスカに、パリス以外の手の者がかなうとも到底思えない。
なによりも、パリスの死から時間が経つにつれて、パリスの仕掛けた闇魔道も薄くなっているのだ。
アスカはまだ知らないだろう。
だが、ダルカンは知っている。
もっと憎悪の感情を集めないと……。
激しい憎悪……。
もっとだ。
もっと……。
この性宴も、そのためにあるといっていい……。
犠牲になっているエルフ族のダルカンたちへの憎悪……。
これがイムドリス宮に充満すれば……。
それもまた、パリスが復活する材料のひとつになる。
それにしても、なぜ見つからないか?
カサンドラにも、アスカ捕縛を命じてはいるものの、あの淫乱太守夫人は積極的に動いているのか?
あれほど、パリスの言いなりだったカサンドラが、うまく動かせないとすれば、これも時間が経つにつれて、パリスの支配が弱まっている兆候なのかもしれない。
とにかく、アスカが見つかったとしても問題はある。
どうやってアスカを殺すかだ。
一応は手を打ってはいるものの、ダルカンにできるのは、せいぜい餌を撒くくらいだ。
アスカの力を弱めていたアスカ城という檻がなくなったいま、アスカを殺す手段があるだろうか?
また、パリスがいなくなって隷属が弱まっているなら、ダルカンがアスカにかなわないだろう。
パリスが置き土産代わりに、ダルカンの能力の増幅をしてくれたが、それでもアスカの本来の能力には程遠い。
どうやったら、パリスを復活させるためにアスカを殺せるか……?
ダルカンが考えているのは、いまやそれだけだ。
ほかの誰の身体と能力を手に入れるよりも、パリスはアスカの能力を欲していた。パリスには、相手を殺すことで、あるいは殺されることで、相手の身体と能力を乗っ取る力があった。
それをずっとしなかったのは、アスカに瘴気の発生体としての使い道があったからだ。
しかし、この状況になった以上、パリスが生きていれば、間違いなく、アスカを殺して、その身体と巨大な魔道の能力を自分の力にする……。
パリスをアスカの身体に復活させてやりたい。
だが、自分はパリスの腰ぎんちゃくと思われていて、パリスがいないければ、なにもできない小者だ。
その評判が正鵠を突いていることを誰よりも、ダルカン自身がよく知っている。
自分になにができるだろう……。
「あ、ああ……。き、来ました……。な、なにをしましょう……。ご、ご奉仕でも……。さ、さあ……」
アルオウィンが目の前に到達した。
ダルカンに媚びを売るように、口を開いて胡坐のダルカンに寄ってくる。
口で奉仕でもしようということだろう。
「そうだな。俺の股間を奉仕してもらうか。そうしたら、それを外して、お前の好きな珍棒を股にやろう」
「は、はい……。あ、あなたの……ち、ちんぽを……な、舐めさせて……ください……」
ダルカンの座る場所まで辿り着いたアルオウィンが顔をあげて、ダルカンに言った。
「俺の性器は服の下だ。いつものようにやれ。もっと這ってこい。股間まで辿り着いたら、口で下着を噛んで俺の一物を出すといい。手伝ってはやらんが、邪魔もせん」
ダルカンは笑った。
毎回決まってやっている嫌がらせだ。
一瞬だが、アルオウィンが顔を歪めるのがわかった。
だが、観念したように、もそもそとアルオウィンが這い寄ってくる。
アルオウィンの股間にしているのは、猛烈な痒み成分の汁が発生し続ける特別製の縄であり、それを股間に締めつけられているアルオウィンは、いまではのたうち回るくらいの掻痒の苦しみに襲われているはずだ。
その醜態を晒さないのは、この女の気丈なところだ。
いずれにしても、妹のことがあろうとなかろうと、この縄を外してもらい、ダルカンに犯してもらって痒みを癒してもらうには、この最初の奉仕を終わらせることが必要だ。
そうしつけている
アルオウィンも、十分にそれがわかっているから、どんなに怖気が走っても、ダルカンに強請って性器を奉仕させてもらうしかない。
アルオウィンがダルカンの股間まで辿りつく。
ガドニエルには変身していたが、服装はズボンだ。
そのズボンの股間部分に、アルオウィンの歯がかかる。
「いや、やはり、待て」
ダルカンは声をかけた。
口でズボンを引き下ろそうとしていたアルオウィンが、頭をあげて訝しむ表情を向ける。
ダルカンに屈服している演技をしているアルオウィンは、いまは口で奉仕するくらいのことは進んですると思う。
もっと、こいつの嫌がることをやらせないと……。
そして、さっきラザニエルと名乗っていた時代のアスカのことを思い出し、そのラザニエルにやらせた仕打ちのひとつが記憶に甦った。
「ちょっとした趣向を思いついた。そこで腰を振って自慰をしろ。その手足のない哀れな姿でも、それなら、自慰が可能なはずだ」
かつて、パリスのご相伴で、パリスへの隷属の支配に陥ったアスカに、ダルカンにも逆らえないようにしてくれたとき、ダルカンはあの魔女に、そんな命令をしてみたことがある。
それをなんとなく、思い出したのだ。
アルオウィンの顔は見ものだった。
すでに痒み縄による股間縛りの苦しみで、身も世もなく悶え、さらにダルカンに屈している演技だったのに、ダルカンの新たな命令に、きっと鋭くダルカンを睨みつけてきたのだ。
憎しみに溢れた顔で……。
だが、どんどんと怒りで赤くなる顔の一方で、アルオウィンはなにも喋らずに、しばらくぐっとなにかを我慢している表情になっていたが、やがて、顔を緩めて諦めたように小さく嘆息した。
「また、わたしを感じさせようというのですか……? もう十分です……。そ、それよりも、精をちょうだいな。そして、また犯してよ……」
半分恨みっぽくダルカンに言った。
同じように気が強い女でも、反応は違うんだな。
ダルカンは、昔のアスカと比べて思った。
アスカに同じことを命じたとき、アスカは哀れそうに涙を滲ませて、勘弁してくれとダルカンに哀願をしたっけ……。
気の強いあの女が泣きながらダルカンに、そんな惨めなことを命令するのは、やめてくれとすがったときは、心の底から喜悦が沸いたものだったな。
まあ、当時はアスカも、まだラザニエルという名であり、性格もかなり違っていた。
いわゆる、悪堕ちする前だ。
昔の話だ……。
ダルカンもまだまだ若かったし、アスカも若かった……。
百年以上も前だ……。
もっとも、そのあと、一連のいたぶりが終わって、犯したときには、ダルカンも形無しだった。
その女の膣の性技の前に、あっという間にダルカンは精を抜かれてしまったのだ。
責める側の男が責めている女にしてやられては、折角の嗜虐の遊びも形無しだ。
ダルカンは、それを苦笑とともに思い出してしまった。
それが、あの女……つまりは、アスカとの最初の性交だ。
アスカを犯すのは、いつもパリスの目の前だった。
その後もダルカンは、パリスの許可を受けて、数回アスカを犯したが、あの性技には歯が立たず、いつしか、手を出さなくなった。
まあ、アスカとの関係で一番興奮したのは、性技の格の違いを思い知らされたとはいえ、最初のときなのは間違いない。
ナタル森林の女王の後継者でありながら、オデッセイを名乗った美貌のパリスに惚れ抜き、
やっぱり、あのアスカは最高だったな……。
パリスがいなければ、ダルカンがアスカを嗜虐して抱くなどあり得もしなかった。
ダルカンとパリスは、皇帝家の手の者としては長い付き合いであり、同じ性癖を持った愛好家同士で親交を深めていて、うだつのあがらないダルカンをパリスは友情を持って付き合ってくれたものだった。
あのときだって、パリスが見つけてきたとっておきの「獲物」のラザニエルを、ダルカンがこんないい女を抱いてみたいものだと思わず口に出したところ、騙して交わしたばかりの隷属契約を使って、ラザニエルだったアスカに、ダルカンへの絶対服従を命じて、ダルカンに貸し与えたのだ。
そのときにも、アルオウィンと同様に、前戯代わりにアスカに縄瘤自慰をやらせた。
いまのアスカからでは、とても考えられない
パリスとは本当にいい思い出ばかりだ。
そして、助けられてばかりいた。
本当にパリスは、ダルカンによくしてくれた。
パリスは優秀過ぎる男であり、組織に加わるや、すぐに重鎮に取りあげられて出世もしたが、どんなに格があがっていっても、パリスは、皇帝家の手の者の中では、エルフ族ということで疎外されていたダルカンをなにかと引きあげては助けてくれた。
へまをしてダルカンが捕らわれて拷問を受けていたときにも、必死に潜入して救出してくれた。
今回だって、魔法石の工作のために、里長として潜りこんだ小さなエルフ里で失敗し、額に刺青まで刻まれて追放されてきたダルカンを、パリスは笑って出迎えて刺青も消してくれ、さらに、イムドリス工作のもっとも重要な役目にダルカンを抜擢してくれた。
パリスには、負って負いきれない、返そうにも返せない、大きすぎる恩があるし、義理もある。
そのパリスが死んだ。
いや、まだ本当には死んではいないが、このまま手をこまねいていては、その死が本当になってしまう。
パリスが本当に夢見ていたことが何であるかは知っているが、それにはかかわりなく、パリスはダルカンの友人だ。
かけがえのない友人だ。
どんな代償を支払ってでも、生き返らせなければならない男だ。
そして、ダルカンのような無能な男とは比べ物にならないくらいの有能で優秀で、なによりも、大きな野心と、それに見合う能力を持った存在だ。
パリスのような男は絶対に死んではならない。
なんとしても、生き返らせて見せる。
なんとしても……。
ダルカンは、目の前の手足のない女体を眺めた。
こいつも、ダルカンが準備している大切な「餌」のひとつだ。
「言われたとおりにしないのなら、お前の役割を別の女に変えるぞ。お前はそれをずっと見物する役目にしてやろう。この部屋の隅に首輪で繋いでな」
ダルカンはにやりと笑った。
「別の女? あっ、待って、待ってください。やります。やりますから──」
アルオウィンははっとして、急に必死の口調になった。
別の女というのが誰のことかわかるだろう。
もちろん、妹のセリアのことだ。
「ならば、早くやれ。縄で自慰だ。その後で外に連れていく。全員の前で糞便をしろ。浣腸はしてやらん。準備した皿に、自分の力で大便をするんだ。三日ほどさせてないからな。やろうと思えば出るはずだ。拒否すれば、代わりにセリアに同じことをさせる」
ダルカンは大笑いした。
アルオウィンが真っ蒼になる。
しかし、この女は、どんな命令にももう逆らえない。
アルオウィンにとって、セリアという年の離れた妹が、どんなに大切な存在なのかということはわかっている。
「い、妹なんて……。ダ、ダルカン様には、あたしがいるじゃないですか……」
アルオウィンが捨て鉢になったように、縄掛けをされている腰を揺さぶりだした。
なんだかんだで、長く施されてきた痒み縄は、アルオウィンをすっかりと追い詰めていたのだろう。
腰振りを始めると、すぐにアルオウィンの顔は恍惚とした表情に変わっていき、やがて、酔いしれたような喘ぎ声を出し始めた。
ダルカンはその姿を眺めながら、さっき外で指示をした男に「言玉」で指示を放った。
命じたのは、これから目隠しをさせて、アルオウィンを連れていくので、監禁しているセリアに、声を出せないように処置をしてから、大皿を持たせて待たせよ、という指示だ。
実のところ、アルオウィンには黙っているが、とっくの昔にセリアには手をつけていた。
セリアを牢から出して輪姦したのは、ダルカンの指示ではなかったが、広間の騒動の延長で、連中が勝手に連れ出して、あそこで玩具にしてしまったのだ。
まあ、一時はセリアには手を出さないで待機させようと思っていたが、アスカの居場所が判明しそうにないことで状況も変わったというところもある。
ダルカンとしても、もっと「憎悪」を集める必要ができてきたし、丁度よかったかもれない。
だから、セリアをそのまま、凌辱して毀すように指示をした。
これが五日前……。
さっき、カサンドラにアスカ探索の発破をかけに行ったついでに、牢にいるセリアを見に行ったが、薬物と凌辱の衝撃ですでに半分狂っており、連れてきた当初とは見る影もなかった。
ここに入る直前に、部下の男のひとりを呼びとめて頼んだのは、そのセリアを広間に待機させることだ。
あそこに連れてくれば、誰彼と勝手に犯すに決まっているので、今頃はまたもやダルカンの部下になった男たちの餌食になっていることだろう。
狂っていようが、犯すのに支障はない。
アルオウィンには、いまやらされている股縄の自慰のあと、外の連中の前で、目隠しをしたまま大便を皿にすると思うが、その皿を持っているのが、すでに媚薬と媚香と、そして、繰り返された凌辱に、すっかりと頭がおかしくなってしまったセリアだと知ったら、どんな反応をするだろうか。
きっと、演技のことなど吹き飛び、およそ考えられないような憎悪をダルカンに燃やすに違いない。
そのアルオウィンの目の前で、セリアを犯してやろう。
多分、さすがのアルオウィンも、号泣すると思う。
そして、たっぷりの「憎悪」を溢れさせる……。
ああ、愉しみだ。愉しみだ……。
本当に愉しみだ……。