【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「戻ったよ」
四日ぶりの山小屋だ。
ここからエランド・シティを結ぶ転送術の紋様を使って、試験代わりに理力の充足を待ちながら連続で転送術を使って戻ってきたので、夜を跨ぐことになった。
もっとも、移動においては、妖魔も操った圧倒的な速度を発揮したので、これだけの時間で往復できたのだ。
常識であれば、こんなに短期間では往復はできない。
とにかく、いまは、ちょうど夜が明けたばかりであり、外はやっと太陽が顔を出したくらいの時間だ。
小屋の中に入ると、まだうとうとしていたらしいエマがノルズの帰還に気がつき、すぐに飛び跳ねるようにして、ノルズに抱きついてきた。
「ノルズお姉様、お帰りなさい──。大丈夫でしたか? どこかお怪我は?」
「ないよ。エランド・シティに行って、ただ戻っただけだ。なんにもあるものかい。エマこそ、大丈夫だったかい? この悪女の魔女様は、そりゃあ、女扱いは雑だからね。手酷い調教でもされたんじゃないか」
ノルズは、抱きついてきたエマの背中に回した両手にぎゅっと力を込めながら笑った。
どうやら、昨夜も遅くまでお愉しみだったのだろう。
着崩した上衣から覗く肌のあちこちに、アスカがつけたと思われる縄と口吸いの痕がある。
また、エマは上衣こそ身に着けているものの、下半身はなにも身に着けていないすっぽんぽんだ。
ノルズはもちろん、アスカもまだ、エマには上衣は許したが下半身を覆うものは下着一枚渡していない。
エマは可愛らしく恥ずかしがるのだが、記憶がまったくないために、アスカとノルズが、揃って性奴隷というのは、この格好が常識だと諭すと、顔を赤らめながらも、そういうものかと納得する表情を見せる。
だが、やはり恥ずかしいのだろう。
性愛ではないときには、ちょっとした動作をするあいだも、懸命に上衣の裾を引っ張って、股間を隠そうとする。
その仕草がなんとなく幼っぽくて可愛らしいので、アスカもノルズも結託して、まだそのままにさせている。
いまも、エマの下半身は、上衣の裾が辛うじて割れ目まで届いているくらいだ。
ノルズは背中に手を回した片手をエマのお尻に移動させ、尻たぶの割れ目の中に指を入れて、尻の穴をくすぐるように動かす。
「あんっ、ノルズお姉様──」
エマは声を上ずらせ、がくりと腰を砕かせて、ノルズにしがみつくようにしてきた。
四日前と同様に……いや、アスカの調教がさらに効果を及ぼしているのか、面白すぎるくらいに敏感すぎる身体である。
なにしろ、嗜虐癖で百合好きのアスカとノルズが、こうあるべきと話し合って造りあげた生きている人形だ。
当然に、反応もノルズ好みだ。
さらに、アスカの魔道で顔の造形も少し弄っている。
以前のエマよりも、ずっと幼顔であり、はっきりと言って面影はほとんどない。
ノルズは、すかさず、今度は手を入れ替えて、尻穴をいたぶっていた手で背中を抱くと、反対の手を前側から局部に移動した。
以前のエマにあったアスカの悪ふざけのふたなりなどない。それは無くさせた。
指を亀裂に添ってゆっくりと前後に動かしていく。
しっかりとした女の局部だ。
恥毛はない。
これについては、アスカと意見が分かれたが、顔を弄ってエマを幼顔にしたことで、やはり、陰毛はない方がいいだろうということで一致した。
だから、エマのは童女のそれのように、股間はつるつるだ。
「ふわああ……。ノ、ノルズお姉様……」
エマがよがりながら、さらにノルズに身体を預けてくる。
すぐに、内股が痙攣するように震えだした。
だくだくと愛液が垂れてくる。
まだ、ほんのひと触りだけだ。
だが、こんな風にほんの少しでも刺激を与えてやれば、瞬時によがり狂うような“ど淫乱”に改造してやっている。
新しいエマは、身体の反応でも、仕草でも、表情でも、ノルズやアスカがちょっとでもいたぶると、あっという間に発情して、たちまちに淫靡な様子を示すようにしているのだ。
この反応に飽きれば、アスカと協力することにより、ほかの性格や性質にも改良できるが、いまはこれが気に入っている。
なによりも、このエマは悪意の欠片もなく、一切の記憶や人生の経験も消滅していて、こういう性愛でも、普通の生活でも、アスカやノルズへに接する態度でも、ひとつひとつのすべてがまっさらで純粋だ。
自分たち好みの「玩具」を作りあげていくという作業が、ノルズたちの征服欲と被虐欲を刺激するのだ。
「あっ、ああっ、あっ、ノ、ノルズお姉様あああっ」
愛撫を続けると、たったいま起きたはずにも関わらず、エマはノルズでも引いてしまうような勢いで身体を反応させ、息を弾ませて、どんどん愛液を垂れ流し続けた。
しばらく、エマの敏感すぎる反応を愉しむ。
そして、次にノルズは、エマの両手を背中側に水平にさせ、収納空間から取り出した革帯で腕部分をまとめて覆ってしまった。
これでエマは背中から両手を動かせない。
「ああ……、お姉様……」
ノルズがエマから手を離すと、エマはいまの愛撫ですでに脱力したらしく、腰が抜けたみたいにへなへなと座り込んでしまった。
そんなエマの姿を愉しみながら、ノルズは一本の布を収納空間から取り出す。
エマは、なにかを期待するように、紅潮した顔をうっとりとノルズに上目遣いに向けている。
「そんなに物欲しそうな顔をすんじゃないよ、エマ。エランド・シティのお土産だ。エルフ族の都に行くんだしね。そんな下半身丸出しで行けやしないだろう。だから、これさ」
「ほ、本当ですか? お股を隠させてもらえるんですか。嬉しいです。これが女性奴隷に相応しい格好だとはわかっているんですけど、恥ずかしくって……」
「これを身につけることで、恥ずかしくなくなるとは限らないけどね」
ノルズは布をくるくると巻いて一本の紐状にしていく。
エマは、ただの長い布が紐になって巻かれていくのを眺めて、きょとんとしている。
「……女扱いが雑とはお前に言われたくないね、ノルズ。エマをぶち毀して、こんなにしてしまった女にね……。なんだい、朝っぱらか」
すると、横になっていたアスカがむくりと身体を起きあがらせて笑った。どうやら、ノルズとエマのやり取りをずっと聞いていたらしい。
「朝っぱらからは、酷いじゃないかい。こっちはエランド・シティから四日ぶりに戻ったんだ。少しは、エマを堪能させてくれてもいいじゃないか。あんたはそのあいだ、たっぷりとエマを可愛がったんだろう?」
「はっ──。変われば変わるもんだねえ。あんなに殺すような勢いだったのにねえ。それどころか、外から戻った途端に、エマに触らないと我慢できないくらいに、エマがすっかりと気に入っちまったかい……。まあ、確かにお前がいないあいだ、エマと乳繰り合ったさ。愉しくね。だが、面影がなさすぎるよ。可愛すぎてまるで別人さ」
アスカが声をあげて笑った。
「あんたが頼んだから、命までは奪わないでやったんだ。これくらいの人格改造はしたっていいじゃないか。だけど、前のエマよりも千倍ましさ。これくらい可愛ければ、昔のエマも優しく扱ってやったんだけどね」
「嘘つくんじゃないよ。最初から毀す気満々だったじゃないかい。自分の舌を切り取らせ、さらに眼球を自分で抉らせたりして、しかも、喰わせるなんてね……。それじゃあ、どうか、毀れてくださいと言っているようなもんじゃないか。お前のは雑を通り越しているよ」
「おかげで、毀れた人格を処分して、あたしら好みの雌にできたじゃないかい。別人格だけどね。だけど、童顔で一見純情無垢だけど、実は被虐好きの羞恥責め好きのど変態だ。それでいて、ちゃんと恥ずかしがるように反応設定もした。なかなかに愉快な玩具さ」
「まあ、わたしも気にいっているね。おかげで、お前がいないあいだも、全く退屈しなかったよ。ここでエマ三昧さ」
アスカがまた笑った。
エマは後手に拘束されたまま、その場に座り待つような体勢だったが、ノルズとアスカの会話に首を傾げている。
「あ、あのう……。なんのお話ですか……? もしかして、わたしが記憶を失っていることと関係が……?」
エマが交互にノルズとアスカの顔を見る。
しかし、ノルズはにっこりと微笑んで首を横に振った。
「いや……。なんであっても、お前があたしとアスカさんの性奴隷だということには変わりないさ。ほら、こっちに来て、もう一度立ちな。脚を少し開いてな。これを身に着けるには、こつがいるんだ。おいで」
ノルズは準備しかけていた布をしごく。
「は、はい」
エマが立ちあがって、ノルズの前でおずおずと足を開いた。
ノルズがまずはエマの腰に紐状になった布をひと巻きしようとすると、アスカがやって来て、それをエマの股越しに手に取って掴んだ。
「もしかして、“ふんどし”かい? それをエマに巻かせて、シティに連れていこうというのかい?」
アスカがにやりと微笑む。
「おっ? さすがだねえ。よく知ってんじゃないかい。シティの下層地区の酒場でたまたま席が近くだった好色じじいと話が合ってね。なんでも、海の向こうの大陸側の小さな島国の風習らしいさ。そこでは、れっきとした正装だというじゃないかい」
「正装なものかい。ただの下着だよ。しかも、男用だ。どうでもいいけど、お前、シティでなんの情報収集してきたんだい? まさか、ふんどしの話だけを持ってきたんじゃないだろうねえ」
「少なくとも、エランド・シティに手間なく乗り込めるように、転送術の移動紋をあちこちに刻みあげてきたよ。あたしだと、理力を回復待ちが必要だから、丸一日かかったけど、あんたなら、そのまま行けんじゃないかい。あたしとエマを連れてね」
「そりゃあ、ご苦労だったね」
アスカがエマの股間を通すように持っていた布の紐をぐいと持ちあげた。
なにをしようとしているかわかったノルズも、悪戯心のまま、アスカに合わせて布を持ちあげ、エマの股間にぐいと喰い込ませる。
「あっ、な、なんでしょう、お姉様方──」
エマが狼狽えて声をあげた。
ノルズはエマの向こうにいるアスカに、にやりと笑いかけて目で合図をする。
アスカも悪戯っぽく微笑んで小さく頷く。
「せえの──」
お互いにエマの股間に喰い込んでいる紐状の布の根元を持ち、交互に激しく引っ張り合う。
「あっ、いやああっ、お、お姉様方あああ──。ああああっ」
エマが必死につま先立ちになりながら、悲鳴をあげた。
構わず、アスカと一緒に笑いながら、勢いよく布を前後させ続ける。
恐ろしく感じやすくされているエマは、すぐに腰が砕けたようにがくりと脱力するのだが、そうすると布がもっと喰い込むになるので、懸命に身体を伸ばす。
しかし、その姿勢を保つことができずに、また脱力し……。
それを繰り返した。
「あはあああんんん」
そして、身体を弓なりにして、呆気なく達してしまった。
ノルズは、エマの醜態をアスカと笑い合いながら、アスカに支えさせてエマを立たせ、今度こそ、“ふんどし”をエマに施していく。
「エマ、これがふんどしの儀式だ。奴隷女がふんどしを身にまとうときには、こうやって、せんずりしてから着けるのさ。覚えておきな」
「は、はい……、アスカお姉様……。た、大変なのですね……」
アスカが適当なことを喋っているが、エマは疑う気配もなく、切なげに嘆息しながらも、真剣に頷いた。
なにしろ、このエマは生まれたての赤ん坊のようなものであり、アスカとノルズが事前に刷り込んだことを除いて、一切の常識がなく、さらに少々非常識でも、ノルズとアスカの言葉を疑わないように、操り術まで施している。
どうやら、素直に信じたようだ。
ノルズは、アスカに支え立たされているエマの腰の前に最後に垂らす部分を確保してから、まずは紐状の布を股間に垂らす。
そして、一度エマの股にあてがい、場所を測ってから三個の結び目を作っていく。
「そんなふんどしの作法があるものかい」
アスカがエマの後ろで笑った。
構わずノルズは、にやりとアスカに微笑みかけ、結び目の付いた布をエマの腰の前後で持つようにして、そのまま布で持ちあげるような感じで股間にぐっと喰い込ませた。
「あっ、これは」
エマがやっと結び目の意味に気がついたらしく、狼狽えた声を出す。
「しっかりと当たっているようさ」
アスカが股越しにノルズから布を受け取る。今度はノルズがエマの身体を支えた。
感じすぎるエマは、こうやって持ってやらないと、もう立っていられない感じだ。
アスカが力任せに、さらにぐいぐいと結び目付きの布を喰い込ませてから、腰回りに巻きつける。
そして、最初に余していた前側に垂らす部分の上から巻いて、再び尻側に戻った布を尻側に戻し、縦割りの紐部分に交差をさせて結びつけた。
「あっ、そっちも前側と同じように垂らしてくれるかい。そっちの方が服らしいだろう?」
「こうかい?」
ノルズのいる前側は最初に余していた布は、股間がぎりぎり隠れるくらいの長さにしてあるが、後ろ側も一度結んでから、先端を拡げるようにしてもらった。
酒場で教えてもらったやり方とは少し変形だが、垂らす布部分が前後にできる感じだ。
「こんなものかな。なかなか、いいじゃないかい、エマ」
最後に、ノルズはほんのとちょっと魔道で細工し、エマの股の敏感な場所に当たっている三個の瘤に魔道をかけ、エマが身じろぎするたびに動くとともに、布が収縮するようにする。しかも、勝手に緩んだり、解けたりしないように、結び目にも魔道をかける。
「これで終わりだ。ちょっとひとりでは身に着けられないだろう? これからも、あたしとアスカさんで手伝ってやるさ」
ノルズはエマから手を離す。
そのままエマは、がくりと腰を落としかける。
「ノ、ノルズお姉様、ア、アスカお姉様──。こ、これ……。お、お股と……お尻に喰い込んで……。あっ、あああ……んんんっ……ひいっ」
だが、腰を落としたことで、股縄のようになった紐状の布の瘤が効果を及ぼし、ぐんと股間を刺激したらしく、エマは甘い悲鳴をあげて身体を逆に伸びあがらせた。
「ひんっ」
そして、その動きでも布瘤で刺激を受け、今度は腰を引くようにする。
しかし、ここで最後にかけたノルズの魔道が責めを発揮する。
ぐっと締めつけているはずの布瘤が、エマが腰を動かすことで、まるで愛撫をするように上下左右にちょっと動くのだ。
「ああん、こ、こんなの刺激が強すぎますううう」
膝をがくりと崩したエマは懸命に身体を真っ直ぐに伸ばそうとしたが、どんな風に動こうとも、そのたびに布瘤が淫らに動くので、立つこともできず、そうかといって身体を曲げることもできず、ついに、座り込んでしまった。
だが、その動きでも、またもや強く股間をぎゅっと締めつけられたようであり、そのままぶるぶると身体を痙攣させたように震わせて達してしまった。
ノルズとアスカは、エマの狼狽えぶりが愉しくて、ふたりで爆笑してしまった。
「じゃあ、わたしも魔道をかけることにするかねえ。濡れると布が縮むようにするさ。エマ、あんまり感じまくると、もっとつらくなるよ」
アスカがふんどしに魔道をかけたのがわかった。
「なるほど、それで最初にせんずりさせたのかい」
ノルズは、またもや笑ってしまった。
「こ、こんなの……動けません──」
エマが涙目でノルズたちの顔を見あげて訴えた。
「それを我慢するのが調教さ。ほら、腕を自由にしてやる。立ちな」
ノルズはエマの後手を拘束していた革帯を外す。
エマは顔を真っ赤にしながら、ゆっくりとした動作で立ちあがっていく。
「で、でも……こ、布の瘤が……。ああっ」
だが、静かに動けば布瘤に悩まされないというような生易しい仕掛けはノルズはしない。
激しく動けば激しく、ゆっくりと動けばじわじわと刺激が加わるだけのことだ。
「う、ううう……」
エマが歯を喰いしばって、疼きに耐える仕草をしている。
その姿が、なんともノルズの嗜虐欲の琴線に触れて可愛らしい。
さて、エマがこんなに性格が激変して、可愛らしい女になったのは、ほかでもない。
ノルズの責めに屈して、あの女は呆気なく気が触れてしまい、人格が崩壊して、ぶっ毀れてしまったのだ。
大したことはしていないと思うのだが、まあ、ちょっとばかり過激に拷問をし、さっきアスカが言葉に出したように、自分の眼球をさじで抉らせたり、一本ずつ指を切断させて、火で焼いて無理矢理に喰わせたりしていただけのことだ。
それと、局部と尻の穴に鉄の棒を深々と突っ込んで、外側に出ている反対側から火で焼き、じわじわと内側から内臓を焼いたりもしたかもしれない。
なにをしたところで、ノルズの妖術師としての能力でも、アスカの魔道力でも、即死さえさせなければ身体を回復させて戻せるので、心置きなく遊んでいたところだった。
ところが、そんなことをしていると、よくわからないが、エマはあっという間に発狂して、全ての刺激に対して完全に無反応になってしまったのだ。
アスカの例の時間術を使ってのことであり、体感時間では三日程だと思うが、実際の時間では数ノスのことだ。
たったそれだけの時間で、とは思ったが、エマが毀れてしまったのは明らかだった。
なんという心の弱い女だと悪態もつきたくなったが、いくらアスカやノルズでも、欠損した身体を治せても、毀れた心までは魔道では復活できない。
それで、アスカと相談して、破毀されて用を成さなくなった本来のエマの人格の代わりに、アスカとノルズ好みの新しい人格を作ってしまうことにしたのだ。
つまりは、人格改変だ。
新しい人格の核となる部分は、毀れて反応のなくなったエマの人格だが、そこにノルズの妖術師の力で呼び出した適当な憑依魔族を五、六体放り込み、混ぜこぜにしてひとつの人格に繋ぎ直して、さらにアスカの操り術と回復術を駆使して、性格形成をするというやり方で合作したのが、いまのエマである。
記憶も完全に消滅しているので、アスカとノルズに対する悪感情が皆無になっているし、ふたりの慰み者の性奴隷だと擦り込み、さらに、常識改変もさせて、ノルズとアスカの語ることを「常識」として受け取るように軽い操り術もかけてもらっている。
加えて、ノルズとアスカから与えられる破廉恥な性愛に対し、そのことに幸せしか感じないようにするという具合に性格も作り込み、身体の部分部分もあちこちを改造し、顔だって作り変えて、最後に全身が性感帯になるように、超敏感な肉体にもした。
そうやって、ふたりがかりで、実に丁寧に丁寧に新しい心と身体を作り込んだのだ。
ここまで心を改造すれば、人格改変というよりは、まったくの別人だろう。
しかし、この別人が、思いがけずに、本当に可愛い性格と反応だったので、アスカもノルズもすっかりと気に入ったというわけだ。
なにしろ、どんなことでも逆らわずに従うくせに、羞恥心は人一倍強く、それでいて、絶対に逆らわないし、そのうえ、なによりも、気持ちいいことが大好きで、嫌がりながらも、身体は苛められることに強い悦びを感じてしまう……。
ああだこうだと言い合いながら、ふたりで最高の玩具として作っただけの価値があった。
また、アスカとは、この「エマ造り」の作業を通じて、完全に打ち解け合った。
どうやって作り込むかという意見交換のために、好みの「雌犬」の話し合いをしながら、お互いの身の上話について語り合ったのだ。
おかげで、すっかりと仲良くなった。
希代の悪女で淫乱体質の変態かと思えば、この女は笑うことに、実は、エルフ族の女王家の嫡女であり、かつては貞節で真面目だと評価されていて将来も嘱望されてもいたが、くだらない男に惚れたばかりに身を持ち崩し、調教されて淫乱体質に変えられてしまった挙句、人生を無情に感じるような仕打ちを繰り返し受け、全ての希望を失って、いまや、すっかりと悪堕ちしてしまったということらしい。
同情するのも馬鹿らしいくらいの阿呆な人生だ。
いずれにしても、目の前のエマについては、もう以前のエマではなく、同じ身体に入っているだけの別人格なので恨みを覚える理由もないし、なによりも、いたぶり苛めるために存在しているようなこの反応は実にいい。
ふたりとも、もうすっかりと気に入ってしまって、当初の予定では、ふたりの気が済めば、廃処分にするか、どこかの評判の悪い奴隷商人にでも売り払うかと考えていたが、できあがってしまうと手放せなくなってしまい、こうやって飼うことにしたというわけだ。
ノルズは、この新しいエマで一日遊んだだけで、エランド・シティに向かうことになったが、アスカはここでずっとエマと遊んでいたはずだ。
実に羨ましい。
だから、戻ったら、この“ふんどし”で苛め抜いてやろうと、愉しみに戻ってきたのだ。
「さあ、立ちな、エマ。さっきも言ったけど、それは遠い島国の正式の服装らしいよ。つまりは、我が家の性奴隷の正式服装だ。その恰好で歩かせるし、城郭にも入る。刺激にも恥ずかしさにも慣れときな。これは朝飯だ。外で作って来い」
ノルズは、エマの拘束を外すと、収納空間からエランド・シティで買ってきた豚肉の包みと野菜をエマに押しつけた。
前のエマは、食事を含めて家事の一切が駄目だったが、憑依妖魔の能力が足されて、このエマは結構上手に食事を作る。
これだけでも、このエマが別の人間だということがわかる。
「は、はい……。で、でも……城郭をこの格好だなんて……。そ、それに、これ……」
エマが羞恥に泣きそうな顔になって、すがるような眼をノルズに向けてくる。
だが、ノルズが睨むと、助けを求めるようにアスカに視線をやった。
だが、アスカは、ふんとわざとらしく鼻で笑った。
「まさか、ノルズの命令がきけないって言うんじゃないだろうねえ、エマ。だったら、わたしからの命令だ──。エランド・シティに入ったら、まずは一番賑やかな城郭の広場のような場所に連れていく。そしたら、その恰好のまま小便をしな。まあ、したくなくても、魔道で尿意を与えてしまうけどね。覚悟しておくんだね」
アスカがけらけらと笑った。
エマは真っ蒼になったが、このアスカは本当にそれをやるのだろう。
ノルズは無理矢理にエマを追い立てて、食材を持たせて小屋の外に出ていかせた。
エマが、股間のふんどしの刺激に苦悩しながら、腰を引くようにして外に出ていく。
「なかなか、愉快な玩具さ。なんといっても、いつまでも初々しいのがいいねえ。いまから、城郭で羞恥責めが愉しみさ。なにしろ、ここには、わたしたちしかいないからね。辱めるのも限界がある」
エマが出ていった小屋の扉に視線をやりながらアスカが笑った。
ノルズは、アスカににたりと笑いかけた。
「気に入ってなによりさ。でも、あんただけの玩具じゃないからね。あたしだって、手を加えてんだ。あたしにも権利があるんだよ。忘れないでおくれ。あれを苛めるのは、ふたりの同等の権利さ」
ノルズが言うと、アスカが「わかってるよ」と笑った。
「……ところで、エランド・シティはどうだった? まさか、ふんどしの話を仕入れるだけで、戻って来たんじゃないだろうねえ」
だが、ひとしきり笑うと、アスカは急に真面目な顔でノルズに視線を向ける。
ノルズはアスカを促して、小屋の真ん中に腰をおろした。
「まあ、わからない……というのが実際かな……。確かに怪しい……。エランド・シティを事実上支配しているカサンドラ太守夫人は、これだけナタルの森全体で魔物が大発生しているのに、なにか動くという気配もない。それは、女王のいるイムドリス宮でも同じだ。あんたが言う通りに、パリスの一派がイムドリス宮を乗っ取って、カサンドラまでも支配しているのかもしれない……。だけど、そんなことは調べようもないさ。いま、言えることは、怪しいということだけだ。白じゃないとは思うけど、黒ともいえない」
ノルズは言った。
エランド・シティにノルズが向かっていたのは、ふたつの目的だ。
ひとつは、アスカが密かに掴んでいた情報から、もしかしたら危機に陥っているかもしれないエルフ族の女王家について探ることだ。
つまりは、いまの女王のガドニエルがどうしているかを確認することである。
もうひとつは、転送術の扱えるノルズが、この山小屋からエランド・シティを結ぶ転送術の道筋を作るために、転々と転送術の移動紋を刻んでくることである。
移動のための魔道紋を点在して刻みさえすれば、それが消し去られない限り、理力を溜め直す必要はあるものの、転送を繰り返すことで、一気にエランド・シティに入ることができる。
それをしてきたのだ。
「まあいい。とにかく、乗り込むだけだ。ガドニエルが元気であれば、それでいい……。警告するとともに、すでに伸びているパリスの一派を叩き潰してナタルの安全を守る──。パリスの手がすでに及んでいて、万が一にも、ガドニエルになにかがあったとすれば、とりあえず、イムドリス宮をパリスの手の者から取り返して、ガドニエルを救い出す。それだけのことだ」
アスカは言った。
ノルズは軽く肩を竦めた。
「それがあんたの償いかい? オデッセイだったかねえ? 馬鹿じゃないかい。次期女王っていう皆の期待を一身に背負っておいて、ただひとりの男にうつつを抜かして出奔かい? 間抜けな話じゃないかい」
ノルズはアスカをからかった。
「ふん──。命の恩人に報いたいとか、行儀のいいことを言っておいて、よくよく話を聞けば、結局、最初の男にのぼせているだけのお前に言われたくないね。しかも、肝心の相手の男はお前の健気な働きをまったくご存じないときたもんだ。お前の方が間抜けさ」
アスカが、皮肉たっぷりにノルズに言い返してきた。