※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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514 クロノスの裁定

「ほらほら、もっと我慢しなよ、ラザニエル」

 

 粘性体で床に土下座体勢で貼り付けらた状態での、ロウの足による愛撫が続いている。

 我慢しようとは思うが、それを突き破る圧倒的な快感が突き抜けた。

 

「い、いくうっ」

 

 息の音もとまるような痛烈な快感だった。

 我慢しようと思ったものの、できると考えたのも一瞬にすぎなかった。

 股間を嬲るように動き続けるロウの足の指は、アスカの矜持や自尊心や自信といったものを、嘲笑しながら木っ端みじんに粉砕するかのように、アスカの気持ちのいい場所を刺激し続けた。

 強烈な甘美感が電撃のように股間から頭の芯に連続で貫き、ロウに包まれるような被虐の性に真っ逆さまに落ちていくような錯覚とともに、アスカは思わず、絞り出すように声をあげてしまったのである。

 

「もうか? 俺に性技を披露してくれるんじゃないのか?」

 

 ロウが足の指をアスカの股間で動かしながら、くすくすと笑った。

 しかし、もうとまらない。

 

「ふくううう」

 

 アスカは、ぶるぶると太腿の筋肉を痙攣させて、土下座の姿勢のまま顔をのけ反らせた。

 そして、がっくりと自失してしまう。

 ほとんど瞬時といってもいいくらいの時間でしかなかったと思う。

 後にも先にも、これ程に簡単に自分が達したのは初めてだ。しかも、なまじ耐えようとした分だけ、絶頂感も凄まじかった。

 まあ、大して耐えてはいないが……。

 

 とにかく、それがたった一本の足の指なのだ。

 これが本格的な愛撫になれば、どれくらいの快感になるのだろう。

 アスカは本当に怖くなってきた。

 

「呆気ないな、ラザニエル。そんなに簡単に達したら、後がもたないぞ。まあいい……。俺の股間を舐めてくれ。俺の精を出すことができたら、寝台にのぼらせてやろう。そしたら開始だ。その代わり、足の指で達するごとに、あんたから一枚脱がせてもいく。あんたが俺から精を絞りとるのと、あんたが全裸になってしまうのと、どっちが早いかな?」

 

「いくごとに一枚?」

 

 アスカは快楽の頂点を極めた余韻に浸りつつも、ロウの言葉に眉をひそめた。

 

「あっ」

 

 そのとき、股間に冷気を覚え、もう、びっしょりと濡れている股間の下着がさっと消滅したのを感じた。

 ロウが消したのだろう。

 

 それにしても、ロウが淫魔師だというのは、アスカ城からこいつが逃亡を計ったときに知ったことだが、アスカとしては、淫魔師などといっても、結局は性技が上手だというだけの能力のことだと思ってもいた。

 こんな風に、魔道遣いと同等のことができるというのは驚きだ。

 そもそも、こいつはアスカの魔道を、道具もなしに一時的に封印したと言っているし、実際にそうなっている。

 だが、それはかなりの魔道力に差がないとできないことなのだ。

 

「ほら」

 

 ロウがアスカの両脇を抱きかかえるようにして、自分の股間にアスカの顔が密着するようにさせる。

 床に密着して離れなかった手足が、嘘のように抵抗なく床から剥がれたのだが、ロウの手がアスカの両脇からなくなったときには、今度はロウの腰を抱く体勢で、腕を水平に並べるようにして、ロウの向こう側で再び粘着体で密着してしまっていた。

 しかも、今度は一瞬してロウの服が消滅した。

 これも、怖ろしいほどの魔道だ。

 アスカは唖然とした。

 

「お、お前、本当に淫魔師というだけなのかい? それとも、わたしに感知ができないだけで、実は凄い高位魔道遣いじゃないのかい?」

 

 思わず言った。

 ロウが声をあげて笑った。

 

「そんなものは遣えないよ。そういうことも言う女もいるけど、俺の能力は性技限定だ。そして、俺はちっともすごくないし、できるのは、相手をしてくれる女性に快感を極めさせてあげることだけさ。もっとも、俺はそれ以上に愉しんでいるけどね。それよりも、ほら」

 

 ロウが股のあいだの男根をアスカの唇に押しつけるようにしてきた。

 アスカも意を決して、ロウの性器の尖端に口づけをする。

 決めたのは、自分が達する前に、絶対にロウから精を抜いてやるということだ。

 こいつが淫魔師で、この二年のあいだに女扱いに手慣れたとしても、アスカの性経験の多さはロウの数十倍もあるだろう。

 負けて堪るか──。

 

「舐めるんじゃないよ。今度こそ、お前の腰を抜かしてやる」

 

「舐めるのは、ラザじゃないか」

 

 ロウが声をあげて笑った。

 

「な、なんだい、“ラザ”ってのは――」

 

「ラザニエルなんて長いからね。ちゃんと名前を呼んで欲しければ、俺を性の技で圧倒してくれよ」

 

「言ったねえ。腰を抜かすんじゃないよ」

 

 苦笑しつつも、アスカは本格的な刺激を与えるために、大きく口を開いてロウの怒張を飲み込んでいく。

 それはともかく、なぜか愉しい……。

 そういえば、こんなに軽い気分で男と寝るのはいつぶりくらいだろう?

 いや、こいつが意図的に軽口を繰り返して、重くない雰囲気を作ってる?

 まあいい。

 いずれにしても、セックスでアスカが人間男に負けるなど、沽券にかかわる。

 すると、ロウの足の指が立膝をしている太腿の裏当たりをすっすっと動かした。

 

「んんっ」

 

 なんでそんなところを刺激されるだけで──。

 唖然とするほどの疼きが走り、それによりアスカの全身がぶるりと震える。

 

「そんなに、俺の足の指が気に入ったか、ラザ?」

 

 ロウが笑いながら、足の甲側でくすぐるように、アスカのスカートの中の双臀の亀裂を上下した。

 

「くうっ」

 

 思わず口を離して、身体をのけ反らせる。

 本当に信じられない。

 なんのことはない足の指による刺激だ。

 ロウ自身が言う通り、もはや愛撫ともいえないだろう。

 それにもかかわらず、激しすぎる快感が迸る。

 

「愛撫をやめちゃあ、だめじゃないか、ラザ」

 

 ロウが寝台に腰掛けたまま両足をあげるようにして、片側の足では尻を後ろから愛撫しつつ、もう一方の足では、足の裏全体で前側の股間を揉むように動かしてきた。

 

「んふうっ」

 

 アスカは身体をのけぞらせかけた。

 しかし、必死に耐えて、ロウの怒張を咥え直す。

 このまま、翻弄されるだけなんて冗談じゃない。

 希代の魔女と言われ、パリスに仕立てあげられたとはいえ、何百人もの性奴を性の技でたらし込んでやったアスカだ。

 それが、淫魔師とはいえ、なすすべもなくやられるなど……。

 

「あっ、あああっ」

 

 しかし、本格的に腰の前後でロウの足が動き出したかと思うと、凄まじい勢いで快美感が駆けあがり、またもやアスカは呆気なく絶頂を極めてしまった。

 嬌声をあげたことで、口からロウの一物がこぼれ出た。

 

「口ほどでもないなあ……。満足に舐めることもできないのか? とにかく、二枚目だ」

 

 アスカの胸がすっと解放された感じになる。

 今度は胸を締めていた胸当ての下着だ。

 それが消滅させられた。

 

「くっ、ちょ、ちょっと待ってな。ちゃんと気持ちよくしてやるよ」

 

 アスカは慌ててロウの股間を頬張る。

 

 だが、結局、そんなにはもたなかった。

 ロウの一物に愛撫らしい愛撫もできず、今度は股間と胸を足で刺激されて、またもや、ロウへの奉仕を満足にできないまま絶頂して果てた。

 

「んぐうううう」

 

 アスカはがくがくと身体を震わせて昇天した。

 

「じゃあ、罰だ。あとがないぞ」

 

 さっと、スカートが消滅する。

 

「はあ、はあ、はあ……。こ、今度こそ……」

 

 激しい連続絶頂で呆けそうになった自分を叱咤して、アスカはロウの一物を咥え直す。

 ふと見ると、ロウが愉しそうに微笑んでいた。

 

「はあ、はあ、はあ……、い、いや、ちょっと待っておくれ……」

 

 アスカは、その余裕に忌々しいものを感じてしまって、ちょっと口を離した。

 ロウが愛撫のために、あげていた足をおろして、アスカを見下ろす。

 いずれにしても、アスカとしても、態勢をとりなおすために、時間が必要だと思い直したのだ。

 ここまで連続絶頂をさせられると、身体が敏感になりすぎて、どうせ、すぐに絶頂させられるだけだ。

 少し、時間を離して回復させないと……。

 すると、ロウが突然に笑い出した。

 

「な、なんだい?」

 

 アスカはその笑い声がちょっと大きかったので、怪訝なものを感じて顔をあげた。

 

「本当に面白いと思ってね。ガドは、とても情熱的で一生懸命で一途だけれど、ラザもまるで同じだと思ったんだ。短絡的でちょっと思慮足らずで、思考が浅いことがね」

 

「し、思考が浅いって、なんだい?」

 

 さすがに、アスカもむっとして言い返した。

 ロウがにやりと微笑む。

 

「だって、いま、目的を忘れてるだろう? これはラザがかけられているパリスの呪いを解呪するための行為なんだぞ。だけど、いつの間にか、俺との性技勝負のような気になっていたんじゃない」

 

「なっ」

 

 ロウの指摘に、アスカは自分が絶句して、顔を赤らめるのがわかった。

 まさに、そうだったからだ。

 

「あんたは俺との性交に溺れるのを懸命に抵抗しようとしてるみたいだけど、溺れていいんだよ。それが解呪に必要だし……。それに無駄だし……」

 

「む、無駄って……」

 

 言い返そうと思ったが、確かに、それを主張していいくらいの性技の上手さがある。

 すると、また、ロウがくすりと笑った。

 

「な、なんだい……?」

 

「もう、忘れてる……。まあ、いいや。いずれにしても、ガドにも、あんたにも、助けてくれる者が必要だね。お互いを支え合うといいよ」

 

「お、お前に言われなくても……」

 

「そうか? とにかく、ガドは百年間もこのナタル森林の女王として、それなりに振る舞ってきた。女王は女王だ。だけど、実際にはイムドリス宮にとじ込もっていただけで世間知らずに近い。助ける者が要る」

 

「そりゃあ……」

 

 もちろんそのつもりだ。

 ガドニエルには、本来はアスカが負うべきだったエルフ族王家の嫡女としての責任や義務を押しつけ、長く出奔して、ひとりにさせ続けたという負い目もある。

 これからは、アスカの力を尽して、あいつを支えていこうとは思っている。

 

「今回の失敗は、イムドリス宮という閉鎖空間に女王が留まり、施政機関である水晶宮から完全に離れていたことによるものだよ。ガドにもそう言ったんだけど、長いあいだの慣習なんだってね。そうやって、女王が隠れて姿を見せないことで、エルフ族王家の神秘性を高めて、権威を保つ方策ということなんだってね」

 

「ま、まあ……ね……」

 

「しかし、今回は分かれていることを、パリスのような一派につけいられてしまい、あまつさえ、女王は入れ替わってということが長くわからなかったという失態を招いた。これがほかの王国なら考えられないことさ」

 

「そ、そうかもしれないけど……」

 

 アスカはとりあえず言った。

 これについては、ロウの言う通りだろう。

 そもそも、エルフ族王家は、現存するどの人間族の王国よりも長く存在していて、その起源は古代時代の神話にまで遡る。

 

 そもそも、もともと存在していたのは、イムドリス宮という異空間のような場所に存在するエルフ族王家であり、ナタル森林に拡がるエルフ族やそのほかの種族の里との繋がりなどなかったし、エランド・シティのような城郭も存在せず、ましてや、行政機関である水晶宮もなかった。

 ただ、森とイムドリス宮という世界があっただけだ。

 

 それが、魔法石というほかの土地では生産できない魔法鉱石の出現により、経済的な繋がりや活動が活発になり、もともとの種族以外の人口も増大し、施政機関として役割も果たさなければならなくなり、エランド・シティが建設され、水晶宮という施政機関が整備された。

 ただ、イムドリス宮はイムドリス宮であり、エルフ族の王はそこに留まるものとされ、現在のような二重構造になったのだ。

 ロウの言葉の通りに、パリスや皇帝家につけいられたのは、それが遠因だろう。

 

 水晶宮のカサンドラはパリスに洗脳されて堕ち、イムドリス宮のガドニエルはパリスの準備した魔道で魔物化して、イムドリス宮そのものを占拠されるという失態をしたが、それぞれ独立に起きたことだ。

 もしも、もっと連携した状況であれば、ましな対応ができた可能性はある。

 しかし、なんでそんなことをロウに言われなくてはならないのか。

 また、どうして、そんなことを語りだしたのだろう。

 

「もうイムドリス宮は閉鎖しなよ。いい機会だ。水晶宮を支配する女王の存在するイムドリス宮はいらない。水晶宮そのものが、施政の場所であり、執政機関であり、意思決定機関でいい。あんたが水晶宮の太守でいいんじゃないか」

 

 ロウが淡々とした口調で言った。

 アスカはびっくりした。

 

「な、なんでお前にそんなことを言われなきゃならないんだい――」

 

 怒鳴った。

 しかし、ロウはにこにこと微笑むだけだ。

 

「まあ、聞きなよ。とにかく、あんたが水晶宮で事実上の女王として、ナタルの森のことを仕切ればいい。ガドについては、もう解放してあげなよ。それに、俺はもうガドについては、ハロンドールに連れていくと決めている。あんたやエルフ族たちが反対すれば奪うだけさ。俺とガドがその気になれば、あんたにもとめられない。そうしたら、どっちにしても、ラザが女王をするしかない」

 

「と、とにかく、そんなことできるわけないだろう」

 

 しかし、一方でロウが本気になれば、それと阻むことはできないだろうと思った。

 なぜかわからないが、ガドニエルの魔道は、いまのアスカの能力を遥かに上回っているし、ロウの淫魔術は女を奴隷にする技である。

 ロウがその気になれば、アスカは操られて、阻止しようとする意思そのものを消失させられるかもしれない。

 ロウは悠々と、ナタルの森の女王をさらっていくだろう。

 

「わかっているよ。だから、双方が納得する方法を考えようということだよ。施政をする場所としても、最高意思決定者の存在するという位置づけのイムドリス宮はもう必要ないと言っているだけだよ、俺は。イムドリス宮の存在を無くしてしまえと主張しているわけじゃないんだ。そんなことをすれば、エルフ族社会の混乱と騒乱を生むだけだ。イムドリス宮は残すのさ。むしろ、今後はさらに閉鎖を強めて、女王は滅多には外には出ないことにする。謁見もなしだ──。これまでガドが果たしてきた表向きの役割は、すべて水晶宮の主人としてのあんたがやる。ガドは表向きはイムドリス宮に存在し、権威の象徴としての役割に徹する」

 

「表向き──? お前、イムドリス宮にガドニエルがいるということにして、実際には空っぽにして、あいつをハロンドールに連れていこうと言っているのかい──」

 

 驚いて声をあげた。

 しかし、ロウは微笑みながら首を横に振る。

 

「いや、俺が考えているのは、イムドリス宮そのものをハロンドールに移すということさ。うちに、古代魔道に異常に詳しい娘がいてね。そいつが言うには、そもそも、エルフ族のイムドリス宮という空間は、亜空間魔道と呼ばれる系統のものであり、水晶宮との連接についても、別にこの空間における距離的なものとは無関係なものらしい。まあ、それなりの処置は必要だけど、イムドリス宮をハロンドールに移して常設し、必要なときのみ、魔法石に魔道増幅の補助をさせて、水晶宮と繋げるということはできるそうだ。通信のみの連接なら、もっと簡単らしいけど」

 

「イムドリス宮そのものをハロンドールにだって──?」

 

 驚いたが、アスカの知識でも、確かに不可能ではないと思う。

 もともと、イムドリス宮というのは、空間としては、現実空間にはどこにも存在しない魔道的な場所だ。

 いわば、収容魔道の拡大変形とも称することができるものであり、亜空間であるので、通常の移動術に比して、距離的な制約は極限するし、そもそも、移動術にしても、アスカはナタルの森の外縁部からエランド・シティまで連続跳躍で一気に移動してきた。

 

 同じ移動紋をハロンドール内にも繋げれば、理論的にはハロンドールの王都からでも一気跳躍はできる。

 もっとも、それには巨大な魔道力が必要だが、アスカを上回るガドニエルなら、それもできるだろう。

 イムドリス宮を移すということについては、それよりも簡単だ。

 ただ常設の出入り口をどっち側に繋げるかということであり、ハロンドール側に常設すれば、そっちとの出入りは簡単になり、水晶宮に繋げるときには、それよりもちょっと大きな魔道が必要になる──。

 そういうことになるだけだが、頻繁な水晶宮との人間の出入りがなければ、問題がないというよりは、誰も気がつかないかもしれない。

 無論、イムドリスに留まり、ガドニエルの世話をする者たちはわかるが、そいつらが黙っていれば、イムドリス宮がいつの間にか、ハロンドールに繋がっていたとしても、ほとんど問題はない。

 

「……なるほどね……。だけど、まずはイムドリス宮に残ってガドニエルを世話をする侍女や護衛をする親衛隊については騙しおおせない。そいつらの口を封じることが必要……。もうひとつは、ハロンドール側の受け入れだ。公にしなくても、イムドリス宮のある空間がハロンドールに移ることにより、理力波の大きな変異が王都に発生するはずだ。こっち側については、わたしがいるからうまく対処できるが、ハロンドール側については、誰にも知らせずに、イムドリス宮を繋げることはできないよ。バロンドール王の認可が必要さ」

 

「うまくやるよ……。それから、侍女や護衛の女親衛隊については、新しい人選はいらないからね。ここで囚われていて、頭をやられた者は俺が全員回復させるから。ガドも魔道じゃあ難しいと言っていたけど、やってみたら、治療できたから」

 

 ロウがあっさりとした口調で言った。

 しかし、アスカはびっくりした。

 おそらく、ダルカンによって、媚香で頭を狂わされた女たちのことだろう。

 しかし、彼女らについては、アスカはアスカの魔道でも完全な回復は不可能と諦めていた。

 魔道の治療術は、気の狂った者を治せないのだ。

 

 だが、治療ができた?

 そもそも、いつ?

 

「なに言ってんだい? ここで囚われていた女たちのことを言ってんのかい?」

 

「そう言ったよ。アスカとかガドがばたばたしてるときに、ブルイネンにたまたま教えられたかね……。あのアルオウィンという可哀想な女性の妹さ。セリアだったかな? その娘だというんで、試してみた。淫魔術を注ぐことで簡単に正気に戻せたよ」

 

 アスカは唖然とした。

 同時に淫魔術の凄さを思い知るとともに、それならば、是非ともお願いしたいし、ガトニエルとロウに対する多くの心酔者を手に入れられると思った。

 とにかく、びっくりした。

 しかし、いつの間に……。

 

「それだけじゃなく、俺はガドと正式に結婚をするつもりだ。子爵で不足なら、さらに高い爵位でも手に入れる。もう、ガドと約束したんだ」

 

 ロウがきっぱりと言った。

 アスカは肩を竦めた。

 

「ふん――。だったら、王にでもなるんだね。形式だけの婚姻ということにでもすれば、人間族との王との婚姻関係だったら、族長会議は認めるかもしれない。過去にそんな例は数回ある。だけど、ただの一貴族に、ナタルの森の女王が嫁ぐなんてありえないよ」

 

「王か……。公爵くらいで勘弁してくれないかなあ」

 

 ロウが頭を掻いた。

 アスカは笑ってしまった。

 

「吹くねえ──。そうかい、公爵になるのかい──。だったら、公爵になったら、族長会議への説得も協力するさ。だが、百年以内くらいには実現しておくれよ。あいつも待ちくたびれる。それまでは、身体の関係だけで我慢するんだね」

 

 アスカは言った。

 ロウはにやりと笑った。

 

言質(げんち)はとったよ。じゃあ、かなり休んだし、また始めようか。全裸になるまでに、せめて、一回くらいはいい気持ちにさせてくれよ、ラザ。実をいうと、俺は百回は問題なく精を連続で出せるんだよ」

 

「百回──?」

 

 嘘だろうと思ったが、ロウの足が無造作にアスカの股間に動いた。

 

「いひいっ」

 

 アスカはたちまち感じさせられてしまい、すべての思考が吹き飛んでしまった。

 

「ちょ、ちょっと待って……、く、口で……」

 

 しかも、足だけでなく、手による愛撫まで加わった。

 慌てて、こいつの股間をしゃぶろうとするが、粘性体で姿勢を固定されているので、うまく届かない。

 

「いや、俺を性の技で圧倒するなんて、あんたでも無理さ。とになく、そろそろ寝台にあがりな。本物のセックスをしようよ」

 

 ロウが笑いながらアスカの全身をまさぐる。

 触れている場所の全部で快感が爆発する。

 こんなの耐えられるか――。

 

「あはあああっ」

 

 あっという間に絶頂した。

 なにがなんだかわからない……。

 

「さあ、あがっておいて、ラザ」

 

 がくがくと身体を震わせてのけ反るアスカにロウが言った。

 気がつくと、最後の一枚の服も失っていて、粘性体も消滅していた。

 しかし、かっとなった。

 こんなひとり敗けは、アスカの矜持が許さない。

 

「はあ、はあ、はあ……、ま、まだだ。負けてないよ――。こ、この髪留めがある。こいつで、もうひと勝負だ。こ、股間を向けな」

 

 アスカは自分の髪から装飾具を外して怒鳴った。

 

「本当に似た姉妹だなあ……。じゃあ、勝負をしてあげるよ。ただし、次に負けたら両手を拘束して、俺とセックスしてもらう」

 

 ロウが苦笑したのがわかった。

 

「ほう? なら、わたしが勝てば、お前が縛られるんだね?」

 

「いいとも」

 

「やってやるよ。そうなればこっちのものさ」

 

 アスカは高笑いした。

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