【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「おう、お帰り。その様子は愉しんできたみたいじゃないかい、ラザニエル……。飲むかい?」
ノルズは「椅子」に座ったまま、部屋に入ってきたアスカに声をかけた。
あれからアスカがどうなったかは知らないし、まだアスカもなにも喋ってないが、アスカの顔を見ればわかる。
しっかりとロウに抱かれてきたのだろう。
その顔には満足しきった女の幸福感が滲み出ていた。
数ノス前に、ここに現れたときには、ロウの準備した「下着」で与えられる掻痒感と焦燥感の苦しみに死にそうな顔をしていたが、いまはそれも解消してもらってきたようだ。
思わず洩れてしまっているような笑顔を浮かべている。
さっきはあれだけ苛めてやったから、場合によっては、仕返しでもされることは覚悟していたが、そんな感じでもない。
ものすごく幸せそうな顔だ。
それにしても、この女がこんな顔をするとはね……。
ノルズは微笑んだ。
「ああ、酒はもらうけど。準備は自分でするよ……。それにしても、変わった椅子だねえ。わたしも腰かけていいかい?」
アスカがそう言って、棚から自分で器を取ると、ノルズのところにやって来た。
ノルズは、「椅子」のお尻側に移動する。
アスカが、ノルズにほとんど密着するように「椅子」の頭側に腰掛けた。
「うっ、ぐっ」
すると、「椅子」が苦しそうな呻き声をあげた。
「こらっ、エマ、椅子の分際で声をあげるんじゃないよ。しっかりと手足を踏ん張ってな」
「は、はい……」
エマが苦しそうに返事をした。
だが、これまでノルズひとりだったのが、さらにアスカの体重までその背中に加わわったのだ。
さすがに、エマの四肢にぶるぶると震えが加わるのがわかった。
エマに強いているのは、四つん這いの姿勢で椅子になり、ノルズを背中に座らせるということだ。
もちろん、一糸まとわぬ素っ裸である。
ロウからもらった「木馬」に長時間乗せて、徹底的な焦らし責めに遭った挙句に、溜まりに溜まった性欲を発散させてもらうことなく、今度は「椅子」になれという命令だ。
エマは泣きそうになっていた。
それから、かなりの時間が経っている。
一度、小便をさせてくれと言ってきたが、まだ許してない。
その苦しみもあるようだ。
少し前から、腰をもじつかせるような動きもしてきた。
そこに、さらにアスカだ。
あと、どれだけもつのだろうか……。
身体を倒すのが早いか、小便を漏らすのが早いか……。
ノルズはほくそ笑んだ。
「ノルズ、キスしようよ」
そのとき、突然にアスカがノルズに抱きついてきた。
ノルズは唖然とした。
だが、そのときには、アスカの唇がノルズの唇に重なっていた。
舌が入ってきて、ノルズの舌や歯を舐めまわす。
体内に渦巻く法悦のうねりを掘り起こすような口づけだ。
ノルズは性感をくすぶらせずにはおかなかった。
「な、なにを……」
やっと唇が離れると、ノルズはそれだけを言った。
もしかして、酔っ払っているのか?
……とは思ったが、酒の匂いはしない。
酔っているとすれば、ロウとの性愛にか?
ノルズが転送術でガドニエルにアスカを引き渡してから、その後、ロウに抱かれたのは間違いなく、おそらく、その足でここに来たのだとは思う。
だが、やっとわかったが、ただ機嫌がいいだけじゃなく、怖ろしいほどに上機嫌だ。
「お礼だよ」
アスカが白い歯を見せた。
ノルズは噴き出した。
「な、なんの礼だい? 後手に縛り、スカートを剥ぎ取り、木馬に乗せて責めなぶったやった礼かい?」
ノルズは笑いながら言った。
「色々さ……。わたしは幸せなんだよ──。それもこれも、お前があのアスカ城からわたしを連れ出してくれたおかげだからね。とっても、いい気持ちなのさ」
アスカがくすくすと笑い出した。
なにかが面白いというよりは、幸せ過ぎて頭が飛んでいるような笑い方だ。
ノルズは呆れた。
「頭に蝶々でも沸いているような顔をしているよ。そんなに、三人がかりで苛められたのが愉しかったのかい。あんなんがよければ、またやってやるよ」
ノルズは
「のぼせるんじゃないよ。あんなんに礼なんていうものかい。わたしの礼は、あの小僧に再会させてくれたことさ。山小屋では、お前が小僧にのぼせあがっているのを笑ったけど、いまじゃあ、笑えないね。あの男はいいねえ」
アスカが笑みを浮かべたまま、卓の瓶に手を伸ばして、持ってきた空の器に自分で注ぐ。
卓にはノルズがちびちびと呑んでいた酒瓶が、運ばせた魚と肉と香草の料理とともに置いてあるのだ。
アスカがぐいと酒を呷った。
「つまり、あんたも、ロウ様に溺れてしまったということかい」
ノルズはくすりと笑った。
まるで、生まれて初めて恋をしたような少女の顔をしている。
面白い女だ。
ノルズも酒を飲もうと、手を器に伸ばす。
そのときだった。
「あっ、あっ、だ、だめ……。だ、だめです──。も、申し訳──」
ぐらりとエマの身体が揺れたかと思うと、そのまま床に倒れ込んでしまったのだ。
当然に、その背中に乗っていたノルズとアスカも一緒になって、床に倒れ込んでしまった。
「ああっ、ご、ごめんなさい──。も、申し訳ありません。す、すぐに拭きます……。片付けます」
エマが半泣きで謝る。
ノルズはまだ手に持っていなかったが、アスカは酒の入った杯を持っていたので、服と床が酒で濡れてしまったのだ。
だが、アスカが、エマが布を持って来ようとするのを引きとめた。
「いいよ。今夜のわたしは上機嫌だ。この服は脱ぐから、後で洗濯しておきな。それよりも罰だ。これを半分塗りな……。半分以上は塗るんじゃないよ。残りはノルズのだ。塗り終わったら、寸止め自慰だね。まずは二十回だ」
アスカが魔道で取り出したのは、小さな器に入っている掻痒剤だ。
いつもエマの調教に使うものであり、容器を見ただけで、エマはなにであるのかわかったのだろう。
顔色を変えている。
しかも、命じたのは寸止め自慰だ。
つまりは、絶頂直前で自慰をやめて、少し待って再び自慰をするというのを繰り返すのだ。
半日も、木馬の焦らし責めに遭い続けたエマには、いま一番つらい責めだろう。
「ああ……。わ、わかりました……。で、でも、せめて、おしっこを先にさせていただくわけには……」
エマが目に涙を浮かべていった。
本当に被虐の似合う娘だ。
ノルズは嬉しくなった。
「小便? そんなものは後だよ。まずは掻痒剤……。次は寸止め自慰二十回だ。小便はその後だ。わかったら、さっさとやりな」
アスカがぴしゃりと言った。
こいつも、エマの姿を見たら、嗜虐の虫に火がついたようだ。
しかし、それはともかく、さっきアスカは聞き捨てならないことを口走らなかったか……?
「……なあ、アスカ、もしかして、さっき痒み剤の残りの半分は、あたしだとか言ったかい……?」
訊ねた。
アスカは軽く肩を竦めた。
「当然だろう──。このわたしに、あんなことをしたんだ。ただで済むわけないさ。たっぷりと仕返しを受けてもらうよ。とにかく、お前も同じ目に遭ってもらう──。ノルズ、今夜は寝れると思うじゃないよ……」
「はああっ?」
「エマはさっさとやりな──。言っておくけど、塗りながらいくんじゃないよ。いきそうになるのはいくらでもいいけどね…。それと、小便を途中で洩らしたら承知しないからね。そんな粗相をしたら、今度は浣腸をして、シティの広場に足を貼りつけちまうよ」
「は、はい……」
アスカに一喝されて、泣きべそをかきだしたエマが、器から塗り薬を指に乗せて、掻痒剤を股間に塗り始める。
極限までに性感を膨れあげさせられたエマは、それだけでも、かなりつらいようだ。
しかも、尿意まで我慢しているのだ。
自分の指が股間にあたると、すぐに身体を振るわせて、つらそうな甘い声を出し始めた。
「……仕返しって……。ロウ様に愛してもらって、幸せな気持ちになったんじゃないのかい」
「それとこれとは別だよ。ほら、お前も服を脱ぐんだよ」
アスカが自分で服を脱ぎ始める。
まあ、そうは言っているが、確かに機嫌はいいようだ。
ノルズは下着姿に一枚ガウンを羽織っていただけなので、それを脱ぐだけで下着姿になる。
しかし、アスカはそのまま下着も脱ぎ始めたので、ノルズもそれにならった。
ふたりで素っ裸になる。
一方で、エマは自分の指で悶えながら、まだ必死になって薬剤を股間に塗っている。
「早くしな、エマ──。股間で使い終わらなければ、尻の穴にもねじ入れな。乳房は駄目だ。乳首だけならいいけどね。それと、肉芽はちゃんと皮をめくって、最低十回は重ね塗りだよ。お前が終わったら、ノルズが同じことをするんだ。さっさとしな」
「は、はい」
言葉の内容は冷酷だが、その顔には笑顔が消えていない。
だから、不気味な怖さがある。
エマも顔を引きつらせている。
しかし、ノルズにはわかる。
あれは、純粋に上機嫌なだけだ。
「……まあ、責めるならそれでもいいねどね。その代わり、途中で交代だ。きっちりと二ノス。そしたら、今度はあたしが責めだ。それなら調教を受けるよ」
言ってみた。
どういう反応をするかと思ったら、さらに満面の笑みを浮かべてノルズに顔を向けてきた。
「だったら、勝負でもするかい? お前とわたし……。性の勝負をしようかい。勝った側が今夜は責めだ。交代はなし。それで手を打とうか」
アスカが笑った。
本当に機嫌がいいのだろう。
ちょっと、気後れするほどにアスカは陽気だ。
だが、性で勝負?
百戦錬磨で経験の多いアスカと、ノルズがまともに性愛の勝負をして勝てるとも思えない。
それがわかっていて、勝負をもちかけてきたのだろう。
だが、やろうと思った。
面白い。
「いいよ。その代わり、エマが使い終わった薬剤は半分分けだ。お互いに半分ずつ塗る。それで勝負の開始にしようよ」
「いいだろう。かかってきな。一本勝負だ。早く達した方が負けさ」
アスカが白い歯を見せた。
自信満々の笑みだ。
まあ、掻痒剤くらいどんなに塗ろうとも、アスカには解毒の術が遣えるので、すぐに効果を打ち消せると思っているのだろう。
さもなければ、掻痒剤の塗りっこなんて受けるわけがない。
そんなことをすれば、勝負に勝っても大変なことになる。
だが、そうはいかないのだ。
アスカは知らないと思うが、実は、こっちにはロウから預かっている、アスカの魔道を封じる腕輪があるからだ。
パリスの処断を早めなければならなくなったために、万が一のために、アスカの足止めを頼まれたのだが、そのときに、念のためにと渡されたのだ
実際には、ロウの下着だけで魔道封印状態になっていたので、必要はなかったが……。
それをいきなり使ってやる。
魔道を封じたアスカなど、なにも怖くない。
勝負の話など、知らないふりをして、連続絶頂で動けなくしてやろう。
それから、じっとくりいたぶってやる。
ノルズはほくそ笑んだ。
それに、逆に、こっちも解毒の術くらい遣える。
アスカには、泣きべそかかしてやる。
「もしも、わたしに勝ったら、これをやるよ。ロウ様命のお前だ。あいつの持ち物なら、なんでも欲しんじゃないかい? 預かり物だ」
すると収納術でさっとアスカが白いものを取り出した。
ディルド?
アスカが出したのは、男根に模した張形だ。
「あっ、そ、それ」
しかし、ノルズは、それがなんであるかがわかって、声をあげた。
これはロウの持ち物そのものだ。
それを完全に再現したものだ。
間違いない。
「欲しいだろう、ノルズ? わたしに勝ったらやるよ」
アスカは高笑いした。
ノルズは唾をのみ込んだ。
欲しい……。
欲しい……。
ロウ様の男根のディルド……。
絶対に欲しい……。
「あ、あんたを泣かせればいいんだね?」
ノルズは収納術で、アスカ用の魔道封じの腕輪を取り出すと、さっと背中に隠した。