※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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550 見えない女王

 朝の鍛練という名目の「遊び」を終えて、水晶宮の入口に着いた。

 マーズとエルミアを連れた一郎の姿を確認すると、ふたりの門衛の兵がさっと姿勢を正す。

 一郎など本来は部外者なのだが、ガドニエルとアスカの通達が徹底されており、すでに賓客扱いということになっている。

 それに、このエランド・シティでは、一郎は一応有名人だ。

 一郎の顔がわからない者は、ほぼいない。

 

「ご苦労さん、エルミアとマーズ。じゃあ、水晶宮に入ったら、それぞれの行動に移ってくれ。ブルイネンにもよろしくな」

 

 一郎は水晶宮の門の前でとまると、ふたりに向かって振り返り、さらに、エルミアに視線を向けた。

 門といっても、人間族の宮殿のような豪華な門があるわけじゃない。

 向こう側が見えない霧のようなものが門の代わりにあるだけだ。

 そして、水晶宮に入る資格のない者は、この霧に弾かれて入ることができないようになっているらしい。また、悪意を抱いて通過しようとすれば、それを察知して、そのまま霧に阻まれて拘束をされてしまうそうだ。

 まさに結界だ。

 

「すでにいつでも出動できます。それにクロノス様のおかげで、身ひとつで出るだけですので、こんなに楽な遠征はありませんし」

 

 エルミアが言った。

 そのエルミアは、ちょっと居心地が悪そうに、マーズの後ろに隠れるようにしている。

 マーズもそうだが、薄物の運動着の半ズボンは、まだ乾ききっていない放尿の痕でしっかりと濡れている。

 それを門衛に見られるのが恥ずかしいのだろう。

 だが、それでいて、そのちょっとした羞恥ですでにエルミアが股間を新たに濡らしているのを一郎は知っている。

 大したマゾだ。

 それに、なかなかに闘術の素質がある。

 しばらく、愉しくやれそうだ。

 

 ガドニエルが「特別親衛隊」と名付けたブルイネン隊三十名は、数日後に控えた「式典」とやらを終わらせたら、一郎とともに、ハロンドールに向けた帰国に同行することになっている。

 ハロンドールの不穏な状況については、スクルドの話やイライジャが少しずつ集めた情報で明らかになっている。

 つまりは、内乱の一歩手前という状況らしい。

 特に、王都の混乱は凄まじいようだ。

 まあ、どうやら、王都に残っている一郎の女たちの仕業っぽいが……。

 もしも、そうなら、あいつらどうしてくれよう……。

 

 いずれにしても、どうやら、一連の騒動の原因らしい、一郎への捕縛指示は継続している状況のようだ。

 だから、戻るにしても、一郎たちの安全を確保する必要もある。

 親衛隊は、その護衛役ということだ。

 

 場合によっては、向こうに永住することになる可能性もあると達しており、それを甘受できる者しか、そもそも希望はしていなかったはずだが、いずれにしても、三十名分とはいえ、当面の食糧と交換用の武具を含めた必要な補給品、さらに、兵士ひとりひとりの最低生活用具のような物品等まで一緒に持っていかないとならないわけであり、本来は数台の荷駄運搬用の馬車が加わらなければならない遠征隊になるはずだ。

 しかし、荷駄馬車に載せるような補給物質は全部、すでに一郎の亜空間に昨日のうちに収納している。

 だから、エルミアの言葉のとおりに、あとは装具と最小限の補給品だけを抱えて、いつでも、出動できるということなのだろう。

 

「わかった。じゃあ、行こう」

 

 一郎は門になっている霧を潜った。

 通り抜けると、水晶宮の内側の景色が出現して、樹木の点在する緑豊かな美しい前庭と、広い前庭の向こうにある荘厳な水晶宮の本殿が登場する。

 広い大路(おおじ)もあり、エルフ族たちが歩いたり、あるいは樹木の影に点在する長椅子に腰掛けて、話のようなことをしているのも見える。

 

 そして、一郎たちが入ったすぐ正面の樹木の傍の長椅子に、黒いフード付きの薄い外套を身に着けているエリカとガドニエルが腰かけていた。

 一郎の指示に従って外に出て、待っていたのだろう。

 ふたりは一郎を認めると、ほっとしたようににっこりと微笑んで立ちあがった。

 また、いまはふたりとも顔にフードは被っていない。

 だから、ふたりがエルフ族特有の特徴のある耳の片側にしている青い色をした耳飾りがよく見える。

 一郎はふたりに向かって、口の前に指を立て、静かにしろという合図をした。

 ふたりがちょっと戸惑ったように口を閉ざす。

 

 一郎はそのまま、エリカとガドニエルの目の前までやって来て立ちどまった。

 ふたりは一郎たちの真ん前だ。

 だが、やはり、マーズたちがガドニエルたちに気がついた様子はない。

 実は、エリカとガドニエルはある仕掛けをしていて、マーズとエルミアには感知できないのだ。

 

「エルミア、じゃあ、今朝の鍛錬は終わりだ。ありがとう。汗を流してくるといい……。ところで、親衛隊規約第二条は?」

 

 一郎は笑いながら、エルミアに声をかけた。

 エルミアはさっと姿勢を真っ直ぐにする。

 それはともかく、一郎が規約をエルミアに訊ねると、ガドニエルがぱっと顔を明るくして、口を開きかけた。 一郎は慌てて、再び静かにしろと合図をした。

 

「は、はい……。ひとつ、特別親衛隊は、ご主人様に求められれば、いついかなるとき、どんな場所でも、ご主人様を受け入れます……です」

 

 さすがに人目があるので、大きな声じゃない。

 しかし、それを言わせると、エルミアの顔が真っ赤になった。

 一郎はほくそ笑んだ。

 

「そうだ。いつでも犯せるように、ちゃんと洗っておけ」

 

 一郎がお道化て言うと、さらにエルミアが真っ赤になる。

 身体の大きな筋肉の逞しい大柄の女が恥ずかしそうに顔を赤くするのは見ているだけで愉しい。

 

「は、はい、クロノス様──」

 

 エルミアが元気よく返事をした。

 そして、もう一度一郎に丁寧な挨拶をして、そのまま立ち去っていく。

 水晶宮の敷地内にある軍営の寮に向かっていった。

 

 最後まで、すぐそばにいるガドニエルには気がつかなかった。

 さすがは、女王家の魔道具だ。

 ちゃんと効果がある。

 

「お前もいいぞ、マーズ。縄を外してやる。マーズも先に戻って、身体を洗って来い」

 

 マーズに近づき、運動着の下に喰い込んでいる胸縄と股縄だけをそのまま亜空間に収納する。

 

「あっ」

 

 縄で圧迫されていた血が一気に流れて、マーズがちょっと身体を悶えさせる仕草をした。

 一郎はにんまりと微笑んでしまう。

 旅の直前に仲間に誘った闘奴隷出身のマーズだが、物心ついてから闘技の鍛錬だけの日々を送って来たような少女であり、ここまで淫らな身体ではなかった。

 この格闘少女をすっかりと感じやすい女の身体にしたのは一郎だ。

 そう思うと、ちょっとした征服感を覚える。

 少し息を荒くしたようになったが、マーズはすぐに姿勢を伸ばす。

 

「い、いえ……。絶対に先生をひとりにしないように、エリカさんに厳命されておりますので」

 

 マーズがはっきりと言った。

 一郎の護衛の責任を任じているつもりのエリカが釘を刺したのだろう。

 指で合図をして、エリカに耳飾りを一郎に渡すように促した。

 エリカがそれを外して一郎に手渡すと、マーズがびっくりしたように口を開いた。

 

「えっ、ええっ? エ、エリカさん、いつからここに──?」

 

 マーズは目を丸くしている。

 この耳飾りは、実はガドニエルに準備をさせたものであり、「認識阻害」の効果がある。

 決して見えていないわけじゃないが、見えてないのと同じように周囲に操心をかけてしまうそうだ。

 だから、目の前にいてもまったく知覚できず、マーズもエルミアも、すぐ目の前のエリカたちに気がつかなかったというわけだ。

 なかなかに興味深い魔道具だ。

 一郎はマーズの前で、エリカに手渡された耳飾りを自分に身に着けてみた。

 今度は、マーズも特段の反応はしない。

 

 なるほど……。

 

 すでに認識をしている相手については、魔道具の効果が発現しないというわけだ。

 エルフ族の女王であるガドニエルを連れていくにあたって、この認識阻害の魔道具を準備させたわけだが、これなら使えそうだ。

 なにしろ、ガドニエルの神々しいまでの見た目の美貌は、あまりにも目立ちすぎる。

 だから、いちいち大騒ぎにならないように、これを普段は身につけさせようと思っている。それでいて、仲間内にまで存在が消えてしまうようであれば、それはそれで困るのだが、どうやら、一度認識してしまえば、その相手には認識阻害の効果そのものがなくなるらしい。

 だったら、不便はない。

 

「もういいわ。後はわたしがロウ様の護衛を引き受けるから……。あなたも身体を洗っておいで、マーズ。それにしても、また、ロウ様に意地悪な命令をされたのね」

 

 エリカがちょっと呆れたような視線をロウに向ける。

 ロウは苦笑して頭を掻いた。

 

「い、いえ、これも鍛錬のひとつで……。でも、じゃあ、行きます。先生、今日もありがとうございました」

 

 マーズが一郎に頭をさげてから、立ち去っていく。

 エリカとガドニエルの三人になった。

 周囲に通行人もいるのだが、特段の反応を示す者はいない。

 ガドニエルの前を素通りだ。

 だが、ぶつかるわけじゃない。

 姿は見えているのだ。

 

 うーん……。

 面白い……。

 

「今度は、エリカの姿は普通に認識されるけど、俺とガドの姿は周りにはわからないということか?」

 

 いま耳飾りをしているのは、ガドニエルと一郎だ。

 一郎はガドニエルに視線を向ける。

 

「そのとおりです、ご主人様」

 

 ガドニエルが嬉しそうに返事をした。

 このマゾの女王様は、一郎のことを「ご主人様」呼べるのが嬉しそうだ。

 あまりにもあからさまなガドニエルの表情に、一郎も笑ってしまう。

 

「話し声は?」

 

「姿を認識できないのと同じです。目の前で喋っても、周りは認識できません」

 

「じゃあ、こうやって、エリカと会話しているのは、周囲からすれば、エリカがひとり言を喋っているように見えるということか?」

 

 一郎の質問に対して、ガドニエルが首を横に振る、

 

「いえ、ちゃんとエリカ様が誰かと会話をしているというのは認識しています。ただ、誰と話しているか認識はしませんし、言葉は伝わりません。見えないとか聞こえないということではないのです。頭に認識できないのです。その意味では、逆にエリカ様の認識はできるのですが、この耳飾りをしている相手との会話については、認識阻害機能は作用して、エリカさんがどのような会話をしたかということも、認識は残りません」

 

「手を繋いだら?」

 

 エリカに手を伸ばして、手を握る。

 抵抗はしないが、明らかに怯えている。

 本当に面白い。

 そんなに期待されると、ガドニエルだけしか実験は考えてなかったが、やはりエリカも対象にすべきだろうと思い直した。

 

「おそらく、手を繋いでいること事態が気にならなくなるはずです。あえて注目させれば、誰かと手を繋いでいるなあと思うはずですが、それが誰かなのかは、口にしないと気に留めることができなくなります」

 

 ガドニエルがにこにこしながら説明する。

 本当に一郎に説明を求められるのが愉しそうだ。

 

「なるほど、実に興味深い」

 

 一郎は頷いた。

 そのとき、エリカがじっと一郎のことを見つめてきた。そのエリカと視線が合う。

 

「……ロウ様、なにを考えているんです……?」

 

 エリカが一郎を睨んだ。

 さすがに、長い付き合いになってきたので、エリカも、なぜ一郎が根掘り葉掘りとこの耳飾りの機能を訊ねているのかお見通しのようだ。

 だが、一郎はエリカを無視した。

 さらにガドニエルを見る。

 

「だったら、大きな声を出したり、暴れ出したりしたら?」

 

「声程度なら認識はできません。でも、暴れたりして、相手が身の危険などを覚えれば、認識をしたのと同じになります。阻害機能は失われます」

 

「わかった。じゃあ、実験をしてみるか」

 

 一郎は言った。

 

「実験……ですか?」

 

 ガドニエルはちょっと首を傾げただけだ。

 しかし、エリカは目に見えて動揺を示した。

 

「や、やっぱり──」

 

 すでに顔が引きつっている。

 一郎は笑った。

 

「ガド、そのマントを寄越せ」

 

 一郎は、エリカを無視して、ガドニエルに手を伸ばす。

 いまだにガドニエルはなにをされるのか理解していないらしい。

 不思議そうに外套を脱いで一郎に手渡す。

 一郎は受け取ったものを亜空間にしまう。

 

 外套を脱いだガドニエルは、エリカと同じようなどこにでもいる女冒険者の出で立ちだ。服装も派手なものではない。

 しかし、エリカもそうなのだが、ガドニエルが身に着けると、その平凡な服までもが非凡な装束に見えてくるから不思議だ。

 また、お約束でスカート丈は短い。

 しかも、エリカたちに競ってか、さらに丈を短くしている。

 腿の半分どころか、三分の二を露出している。

 一郎の前の世界であれば、どうということのないミニスカートだが、さすがにこの世界では娼婦並みの淫靡さだ。

 さらに、首には犬用の太い首輪までしている。

 これが周りの者の目に留まらないのはなんとも惜しいことだ。

 それについては、改良をさせるか……。

 そんなことを思ったりした。

 

 それはともかく、一昨日から昨日にかけて、やっと王都の情報がいくらか入ってきたのだ。

 もっとも、集められたものは、スクルドから事前に聞かされたものに大差はない。

 むしろ、大きな動きはないというのが現状だろう。

 

 とにかく、王都はほとんど機能停止状態だ。

 

 商業ギルドの解体──。

 

 三公爵家のとり潰しと公爵の処刑――。

 

 王都内の貴族令嬢や貴婦人の強制的な後宮監禁──。

 

 主要な貴族の王都からの逃亡──。

 

 暴動が発生していないのが不思議なくらいだが、例のスクルズ処刑のときには、実際に暴動が起きかけていたらしい。

 

 まあいい……。

 いずれにしても、いまは、ちょっと息抜きだ。

 それに、事を起こす前に、淫気を溜めるのも一郎には必要なことだし……。

 一郎は、出動を前にして好色の虫が騒いで仕方がない自分をそう納得させた。

 

「とにかく、少し実験をするか」

 

 一郎はガドニエルのスカートに手を伸ばして、亜間術でさっとスカートを没収し、ガドニエルの下半身を剥き出しにさせた。

 

「わっ、あっ、そ、そんな」

 

 ガドニエルがびっくりして、咄嗟に手で股間を覆った。

 そのガドニエルの股間には、細い貞操帯がしっかりと喰い込んでいて、しかも、その縁から漏れている愛液で内腿などびっしょりだ。

 かなり感じ続けていたようだ。

 

「ガド、股間に挿入している張形を魔道で出せ。紐で繋がれて散歩だ。女王様の羞恥散歩だぞ。しばらく、人のあいだを歩くからな」

 

 ガドニエルに貞操帯を装着したのは一郎だし、その貞操帯内の股間にリードを内側に収納した張形を挿入させたのも一郎だ。

 一郎はガドニエルに手を出した。

 

「あっ、は、はい――。か、かしこまりました……」

 

 ガドニエルは顔を真っ赤にして強張らせたものの、手で貞操帯の前を隠したまま、命令のまま魔道を刻みだす。

 

「やっぱり……」

 

 横でエリカが深く嘆息をした。

 一郎は、そのエリカに視線を向ける。

 余程に好色な顔をしていたのか、エリカの顔もひきつった。

 

「わかってるだろう、エリカ? エリカも実験に参加だ。もう一度、耳飾りをしたら、この場でスカートをめくれ。お前も散歩だ。エリカはスカート没収は勘弁するが、紐は愉快な場所に結びつける」

 

 一郎は、自分の耳の耳飾りを外してエリカ渡しながら、鬼畜に言った。

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