※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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551 新淫具性能試験

「もう一度、耳飾りをしたら、この場でスカートをめくれ。お前も散歩だ、エリカ」

 

 一郎は言った。

 

「なっ──」

 

 エリカが引きつった顔で絶句した。

 しかし、その顔は真っ赤だ。

 いつもながら、実にいい反応をする。

 だから、”エリカいじめ”はやめられない。

 

「いいから、耳飾りの魔道具を装着しろよ」

 

 一郎は強引にエリカに耳飾りを押しつける。

 そして、ガドニエルに振り返った。

 ガドニエルは、一郎にスカートを取りあげられて、上衣だけはまともだが、腰から下は細い貞操帯だけの姿だ。

 まだ剃毛はしていないので、黄金色の恥毛が股間に喰い込んでいる貞操帯の脇から完全にはみ出している。

 全裸よりも、余程に煽情的な格好だ。

 

「ご、ご主人様ああ……」

 

 ガドニエルは羞恥に顔を歪ませながらも、早くも調教の陶酔をしたような表情になり、甘えた声を出した。

 そして、ちょっと片側の腿を股間に引きつけるようにして隠しながら、両手で捧げ持つようにして、たったいままでガドニエル自身の股間に挿入してあった張形を一郎に差し出す。

 一郎の指示で魔道で抜いたものだ。

 張形は、ガドニエルの愛液が滴るほどにべっとりと濡れている。

 

「昨日からずっと挿しっぱなしだったからね。つらかったか?」

 

「い、いえ……。ご主人様と一緒みたいで光栄でした」

 

 ガドニエルはうっとりとしている感じで言った。

 挿入させていた張形は、一郎の勃起状態と同じ形状と触感のディルドである。

 相変わらず愉快な女王様だ。

 

 一郎は張形を受け取ると、底部の蓋を開いて内側に収納してあった細紐のリードを抜いた。

 さらに、そのリードの一端の金具をガドニエルの首に装着させている犬用の首輪の前側の金具につける。

 

「ああ……」

 

 ガドニエルがそれだけで、感極まったように膝を少し折って、甘い吐息を吐きだした。

 すでに、すっかりと淫情に酔った感じだ。

 

 それにしても、ここは水晶宮の前庭であり、それなりに人が多い。

 別に隠れている場所でもないので、本来であれば、女王の破廉恥な姿は大騒ぎになるはずだが、すぐ前を人が通り過ぎても、一郎たちに意識を向ける者はいない。

 まさに、羞恥責めのための魔道具だと思った。

 

「じゃあ、ディルドを戻してやるぞ。ガドにはずっと貞操帯の中で張形を挿入して暮らしてもらうからな。エルフ族の最高女王が俺の性奴隷である証だ」

 

「は、はい、もちろんです──。ガドはご主人様の性奴隷です」

 

 ガドニエルが心から嬉しそうに破顔した。

 一郎は笑ってしまった。

 だが、ガドニエルの笑顔も、これから始まる仕打ちには、苦痛で歪むはずだ。

 

 一郎は淫魔術を使って、手に持っている張形の表面に、たっぷりの媚薬が混ざった掻痒剤を覆った。

 それだけじゃなく、いままでリードを入れいていた内部の空洞部分にも同じものを充満させる。

 張形は淫魔術で好きなように動かすことができるが、この状態で振動をさせれば、それに応じて内部の掻痒剤がどんどんと張形の表面に沁み足されていくという仕掛けだ。

 さすがのマゾ女王様ももがき狂うはずだ。

 

「来い、ガド」

 

 一郎はガドニエルの首輪に付けたリードを長椅子の横の樹木の枝に結びつけると、ガドニエルを呼び寄せて、腰を抱いて抱き寄せるようにした。

 

「あっ、はい……」

 

「軽く脚を開け」

 

「は、はい」

 

 ガドニエルに足を開かせる。

 そして、貞操帯の股間に張形の尖端を近づけた。

 

「だけど、もしも、ここで耳飾りを外したら、認識阻害の効果が消えて、大騒ぎになるのだろうな」

 

 ガドニエルの耳にふっと息を吐く。

 

「くっ」

 

 ガドニエルがくすぐったそうに身体を竦めた。

 

「ご、ご主人様のよろしいように……。ガ、ガドはご主人様に捨てられさえしなければ、なにをされてもいいです」

 

 ガドニエルは早くも荒い息を始めた。

 本当に、とことんマゾなのだと思った。

 

「わかった。その言葉を後悔するなよ。なにをされてもいいんだな?」

 

 一郎は、手に持っている媚薬をまぶした張形を一度仮想空間に戻す。

 次に、手のひらをガドニエルの貞操帯の底にぴたりとつけた。

 

「あんっ」

 

 この貞操帯は全ての外部の刺激を遮断するはずなのだが、一郎の手が触れるとガドニエルが反応して身体をくねらせる。

 まあ、精神的なものだろう。

 一郎が触れたと認識しただけで、実際には存在しない刺激を感じてしまうに違いない。

 ガドニエルの敏感な反応に嬉しくなりながらも、一郎は、さっき仮想空間に戻した張形を今度は貞操帯の内側に出現させた。

 

「んふうっ」

 

 いきなり股間に張形を出現させられたかたちになったガドニエルが、その刺激で今度は完全に膝を折ってしまった。

 

「んぐっ──。げほっ、げほっ」

 

 しかし、一瞬後には首輪に繋がったリードに阻まれて、思い切り首輪で首を絞められ、小さな呻き声をあげるとともに咳込む。

 

「ガド、今日は特別に二本足で歩くことを許すけど、雌犬調教には変わりない。そのつもりでいろ。リードになんか触るなよ。もちろん、俺のすることには絶対服従だ」

 

「も、もちろん、ガドはご主人様に服従します。で、でも、なんか……へ、変です……」

 

 早くもガドニエルが股間をすり寄せるように身体を悶える仕草を始めた。

 さっそく媚薬効果による股間の疼きが沸き起こったのだと思う。

 しかし、本格的な痒みが襲いかかるのは、もう少し時間がかかるはずだ。

 そういえば、ガドニエルをこうやって野外調教をするのも、掻痒剤責めを施すのも初めてだったと思う。

 このマゾ女王様がどんな反応をするのか愉しみだ。

 一郎はエリカに視線を向ける。

 

「さて、装着したな。じゃあ、スカートをめくれ。実験だ、エリカ」

 

 一郎は、片耳に耳飾りを付けたエリカの前に立った。

 すっかりと怯えている表情だ。

 しかし、なんだかんだで、エリカも最終的に一郎の鬼畜な命令を拒否することはない。

 結局は一郎を受け入れてしまうのがエリカだ。

 

 一方で一郎たちがいるのは、水晶宮に入る結界門のすぐ前なので、結構、そばを人が通過していく。

 一郎に気がついて、会釈などをしていく者も多いのだが、卑猥な恰好のガドニエルにも、エリカに対する反応もない。

 ガドニエルによれば、認識阻害の魔道具を耳に着けているエリカに話しかけた一郎の言葉も、周りには認識できないはずだ。

 だから、あえて、人が近くに寄ったときに普通の声でエリカに命じたが、ガドニエルの言葉通りであり、通行人が反応した様子はない。

 

「な、なんの実験なんですか、ロウ様……。もうやめましょうよ……」

 

 エリカが哀願するように、一郎に上目遣いの視線を向けた。

 

「だから、ガドの準備した認識阻害の魔道具の性能実験だ。どこまで過激なことをしても問題がないか確かめないとな。さっさとしろ」

 

 一郎は少し強めの口調で言った。

 エリカが、一郎の口調と表情に諦めたようになり、一度深く吐息をつくと、すっと両手をスカートの裾に持っていった。

 だが、認識阻害の効果があるとはいえ、こんな人通りのある場所でスカートをめくるなど不安なのだろう。

 スカートの裾を持っただけで、なかなか上にあげない。

 

「ほら、早くしろ、エリカ」

 

 一郎は恥ずかしがる目の前のエルフ美女の姿を堪能しながら言った。

 エリカがスカートの裾をやっとあげた。

 しかし、腿の半分が露出したところで、手が止まってしまった。

 エリカはちらちらと周囲を見ている。

 どうしても、気になって仕方がないのだろう。

 一郎は笑った。

 

「ほらっ」 

 

 一郎の強い言葉で、エリカがびくりと一度震え、さらに手があがる。

 やっと下着が見えるくらいまで裾があがった。

 真っ白なエリカの下着が垣間見えた。

 

「こ、これで……お許しを……」

 

 エリカの手はすでに震えている。

 顔は真っ赤で、早くも汗をかいている。

 羞恥で身体がかっとなっているのだ。

 そのくせ、ステータスで垣間見えるエリカの身体は、一郎の強要する恥ずかしい姿で、どんどんを興奮が高まっているのがわかる。

 見ていると、少しだけ覗いている下着の底の部分に、分布液の丸い染みが拡がっている。

 しかも、だんだんと染みが拡大するような……。

 

「もっとだ、エリカ──」

 

 一郎は一喝した。

 

「ああ……」

 

 エリカがさらにスカートを捲りあげた。

 やっと完全に下着の全部が露わになる。

 

 そのときだった。

 

「ひいっ、ひっ、ひんっ、か、痒い──。か、痒いです──。ご主人様──」

 

 隣のガドニエルが悲鳴をあげた。

 それだけじゃなく、両手を貞操帯の股間に当てて、激しく揺するような動作を始めた。

 もちろん、刺激を遮断する貞操帯なので、一切の刺激は消失するが、勝手に痒みを癒そうとしたのは、懲罰ものだろう。

 

「こらっ、ガド──。痒いのはわかっている──。しかし、これが調教だ──。勝手に動くな。じっとしてろ。それとも、俺の調教を拒否するのか?」

 

 わざと少し冷たい物言いをした。

 ガドニエルが慌てて手を貞操帯から離す。

 一郎に叱られて、ちょっと意気消沈したような顔だ。

 しかし、太腿だけはかなりの激しさで擦り合わされている。

 意識しているのかどうかわからないが、少しもじっとしていられないに違いない。

 

「も、申し訳……」

 

 ガドニエルが泣きそうな顔で言った。

 一郎に叱られてしゅんとなっているのか、あるいは、股間の痒みの苦悶に泣きそうなのかはわからない。おそらく、両方なのかもしれない。

 

「謝罪はいい。しかし、調教の進み具合はまだまだだな……。手を腰の後ろで水平に組め。手を使いたくても使えないようしてやる」

 

「は、はいっ」

 

 ガドニエルが身体をくねらせながら、両手を背中に回した。

 一郎は亜空間から、革帯を出して両腕をまとめて包んだ。一郎の淫具や拘束具には、すべての魔道に対抗できる魔道封じがかかっている。

 これで、ガドニエルは手は使えない。

 一郎は軽くガドニエルの頬を平手で打った。

 

「ひんっ」

 

 しかし、ガドニエルはそれでも衝撃を受けたようだ。

 その目が大きく見開いている。

 一方でガドニエルの露出している肌からは、面白いくらいにどんどんと汗が滴っている。かなりの痒みということだと思う。

 また、いまでも、太腿を懸命に擦り合わせるのをやめようとしない。

 

「ひん、じゃない──。堪え性のない雌犬のガドのために、わざわざ両手を拘束してやったんだ。お礼はどうした?」

 

「あっ、も、申し訳あり、あっ、いえ……」

 

 とっさに謝ろうとしたガドニエルの頬をさらに一郎は打つ。

 通りがかりの男エルフの二人組がちょっと反応したかと思った。

 しかし、すぐに何事もなかったかのように、一郎に挨拶をして過ぎていく。

 

「い、いえ、堪え性のない雌犬のガドに、躾をありがとうございます、ご主人様」

 

 ガドニエルは完全に欲情しきったような表情で一郎に言った。

 頬を叩かれて、被虐の淫情に火がついたのだ。

 さっきの二人組に対しても、ガドニエルは気にしている様子がないというよりは、本当に気がつかなかったかもしれない。

 

 多分だが、おそらく、いまのガドニエルには、もう一郎しか見えていない……。

 まあ、こののめり込みの深さが、ガドニエルの欠点であり、長所なのだろうが……。

 

 一方で、二人組が反応したように見えたとき、スカートをめくりあげさせたままのエリカは、明らかに息を大きく飲むような声を出し、震えるほどに緊張した感じだった。

 だが、それでも、一郎の言いつけに背かずに、スカートをあげたまま下着を露出し続けたのはさすがだ。

 

「まあいい。せっかくの認識阻害の魔道具だ。悲鳴でもなんでも大声で叫べ、ガド。それで気が紛れるならな」

 

 一郎は痒みで苦しみ始めたガドニエルに言った。

 だが、ガドニエルがびっくりしたように首を横に振る。

 

「そ、そんなことをすれば、魔道具の効果は、な、なくなります……。あまりにも不自然な行為や音は、この魔道具の効果の外です。ふ、普通の口調ならともかく、絶叫だなんて……」

 

 ガドニエルが言った。

 なるほど、そういうものなのだと思った。

 だから、さっき平手の音に通行人が反応したのかもしれない。

 

「ふうん……。だったら、我慢しろ、ガド……。それと、これも言っておくけど、認識阻害の実験に失敗して、女王が調教を受けていることが周りにばれたら、罰として、ガドは十日間セックスなしだ。いいな」

 

「そ、そんなあ──。十日もご主人様に愛されないなんて、ガドは死んでしまいます」

 

 ガドニエルが声をあげた。

 しかも、その表情が必死の形相だ。

 一郎は噴き出してしまった。

 

「十日程度のセックスなしで死ぬものか。十日間、しまくるなら別としてね……。とにかく、そういうことだ。それと、これはさっきの罰だ。勝手に痒みを癒そうとしたな」

 

 一郎は、淫魔術で、ガドニエルに強い排便の欲求と尿意を送り込んだ。

 

「あっ、くっ、うううっ」

 

 ガドニエルの顔が引きつった。

 今度は痒みだけでなく、激しい便意と尿意が重なったのだ。

 ガドニエルの歯が喰いしばるようになった。

 一郎は、ガドニエルの下顎に手をやり、上を向かせた。

 

「じゃあ、ガド、こうやって口づけをするのは、認識阻害の効果の外か……? それとも範囲内か?」

 

「そ、それくらいなら……」

 

 ガドニエルの言葉を聞いて、一郎はガドニエルと唇を重ねて舌を差し入れる。

 すぐにガドニエルはむさぼるように一郎の舌に舌を絡ませてきた。

 唾液を注ぎながら、ガドニエルの口の中の性感帯を思う存分に蹂躙する。

 ガドニエルの身体がだんだんと小刻みに震えてきたのがわかった。

 

「いまのはご褒美の前渡しだ、ガド……。旅の途中でも、ハロンドールに戻ってからも、雌犬調教は続くぞ。どんどんと過激にもなる。完全な雌犬に成り下がりたくなければ、いまのうちにやめることだ」

 

 一郎はガドニエルから口を離しながらささやいた。

 ガドニエルはとろんとした顔をしている。

 一方で内腿だけが激しく擦り合わされているのが愉快だ。

 

「ガ、ガドはもうご主人様の……徹頭徹尾に、ご主人様の雌犬です……。ど、どうか、思う存分にご調教をお願いします……」

 

 ガドニエルがうっとりと言った。

 ご調教か……。

 一郎はほくそ笑んだ。

 

「……さて、何度も中断して放っておいて悪いな、エリカ」

 

 一郎はエリカに振り返る。

 しかし、実際のところ完全に放っておいたわけじゃない。

 ずっとスカートを捲らせたままの格好であるが、背中越しにだが、エリカが羞恥にどんどんと欲情を昂ぶらせていることはわかっていた。

 ふと見ると、下着の染みがすごいものになっている。

 ほんの短い時間なのに、まるでおしっこでも漏らしたようになっていて、内腿にべっとりと愛液が滴っている。

 

「相変わらず、感じやすくていいな、エリカは……。すごいぞ、下着が……」

 

 一郎はエリカの前に立って言った。

 

「……も、もういじめないでください、ロウ様……」

 

 エリカが半泣きの顔で言った。

 その羞恥の表情が一郎の嗜虐心を刺激する。

 時々だが、このエリカはわかっていて、煽っているのではないかと思うことがある。

 それくらい、羞恥に顔を歪めるエリカは美しくて煽情的だ。

 

「さて、じゃあ、実験開始だ」

 

 一郎は、仮想空間からまずは赤いチョーカーを取りだして、エリカの首に巻く。親衛隊の女たちにさせているのと、ほとんど同じものだ。

 だが、首の前部分に小さな金属の輪っかがついている。

 その輪っかにガドニエルに装着したのと同じリードを通した。嵌めるのでなく、輪っかの中に紐を通したのだ。その紐の先をエリカの上衣の下に上から軽く突っ込んだ。

 とりあえず、置いたという感じだ。

 

「な、なにを……?」

 

 スカートをめくらされたままのエリカが怪訝そうな表情になる。

 なにをされるのかわからずに不安そうだ。

 一郎は構わずに、さらに亜空間から今度は金属製の極細の糸を出現させ、エリカの股間に嵌まっているクリピアスに淫魔術で結びつけた。

 その糸は、エリカの下着の中であり、上半身のすべての服の内側を通過して、上衣の首部分の外に出ている。

 

「ひんっ」

 

 クリピアスに繋がった糸の先が、エリカの首の上にある一郎の手の中に出現したことで、クリピアスを上に引っ張られるかたちになり、エリカが思わず悲鳴をあげた。

 しかし、エリカは慌てて口をつぐんだ。

 大きな悲鳴は、認識阻害効果を失わせるというガドニエルの言葉を聞いていたのだろう。

 一郎はさっき上衣に突っ込んだリードをもう一度出して手に取ると、クリピアスに繋がっている糸の尖端と紐の尖端をしっかりと結んだ。

 これでできあがりだ。

 一郎は、クリピアスと糸で繋がっているリードをぐっと引いた。

 

「んぎいいっ」

 

 さすがにエリカはちょっと大きな声をあげた。

 すぐに、必死の様子で口を閉ざしたが……。

 

「スカートをおろしていい」

 

 一郎はそう言うと、エリカの下着を仮想空間に消してしまった。

 これで、エリカは股間を糸で結びつけられたノーパンだ。

 

「ああっ……。ロ、ロウ様、やめて……」

 

 エリカは思わずという感じで、両手でスカートとともに引っ張られる糸を掴もうとしたが、その手が宙で停止した。

 さすがに、一郎と過ごして長いエリカなので、調教には逆らわない癖が身についているのだ。

 一郎は枝に結んでおいたガドニエルのリードを解くと、ちょっと短めに二本まとめて手に握る。

 

「じゃあ、雌犬散歩だ。エルフ女王とエルフ美女の羞恥行進だが、まずは、これで周囲の反応がないかどうか実験だ。お前たち、あまり声を出すなよ。認識阻害効果が解けて、恥ずかしい思いをしたいのなら別だけどね」

 

 一郎は二本のリードをぐいと引っ張る。

 

「あんっ」

「んぎいっ」

 

 ガドニエルとエリカがそれぞれに声をあげた。

 構わずに、結界門と水晶宮の正門を繋げている大路(おおじ)にふたりを連れていく。

 

「あっ、クロノス様」

「おはようございます、クロノス様」

 

 すぐにふたり連れのエルフ女性の貴婦人が声をかけてきた。

 記憶があるが、ふたりともイムドリスに監禁されていて、一郎の淫魔術で回復をさせた女性だ。服装からして女性官吏のようだ。

 

「おはようございます」

 

 一郎は丁寧に挨拶を返しながら、手に持っているリードをわざと、さらに引いて揺らす。

 背後の雌犬二匹が苦悶の声を洩らしたのが聞こえた。

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