【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「あ、ああ、奉仕できて嬉しいわ、サイラス……。幸せだわ……」
サイラスは素っ裸で寝台に上に脚を拡げて、うつ伏せに横たわっていた。
そのサイラスに対して、パーティを組んでいる冒険者の女が手と口を使って念入りすぎるくらいの愛撫を施している。
パルボというハロンドール王国では、中規模程度となる街道が貫く城郭だ。
その城郭内にある宿屋の一室であり、サイラスは冒険者のパートナーでもある女に奉仕をさせていた。
奉仕をさせている女の名はケトラ──。
人間族の若い女性だ。
特に、サイラスには扱えない回復術を遣うので、重宝してこの半年ほど組んでいたが、そろそろ解散の潮時だと判断している。
ケトラは、すっかりと恋人気取りで、こうやって身体を許すようにもなったが、サイラスにはその気はない。
どんな相手であっても、決まった冒険者と恒久的なパーティを組むつもりはないのだ。
また、サイラスの心を高揚させている正体も、背中で裸身を密着させて動いているケトラではない。
サイラスがいま考えているのは、夕方に偶然に再会したひとりのエルフ女のことだ。
ケトラの奉仕を受けつつも、サイラスの心には、ここにはいない、城郭でたまたま姿を見つけたひとりの女のことを想っている。
もっとも、まだ声はかけていない。
宿泊している場所を確認しただけだ。
しかし、明日には声をかける。
冒険者としての腕もあり、エルフ族に匹敵する美貌を持つサイラスには、近づいてくる女は多いし、正直にいえば、女に不自由したこともない。
むしろ、向こうから寄って来るので面倒なほどだ。
だが、サイラスの有能さに相応しい能力の相手などほとんどいない。
これはと考えていても、一緒に組んで仕事をすると、どうしても粗さが気になってしまい、パーティを解消することになる。
ケトラの場合も試してはみたが、やはり、サイラスに相応しい女とまでは思えなかった。
ソロで
本人はサイラスと婚姻を結ぶつもりではいるようだが、サイラスにはその気はない。
まだ申し渡してはいないが、今夜で最後にしようと思っている。
まあ、自分と組んだ経験を糧にして、今後の精進に生かしてくれればとは思う。
いままでの冒険者人生の中で、一生のパートナーにしていいと考えた女性はただひとりだった。
その女は、三公国のうちのカロリックで数回パーティを組んだことのあるエルフ少女であり、残念ながら縁がなくて別れてしまった。
もう少し能力を見極めようと観察しているうちに、どこかの傭兵として期間の長い仕事を請け負ったらしく、所属していた冒険者ギルドから籍を抜いて、その城郭から離れてしまったのだ。
魔道も遣える冒険者として、なによりも剣技に有能だったし、冒険者としての勘がいいと思っていた。
外見の美貌ひとつをとっても、サイラスに相応しいと考えていた。
だが、サイラスが声をかける前に離れてしまったのだ。
三年ほど前のことになる。
惜しいことをしたと思っていたが、それはあのエルフ少女にしても同じだろう。
もしも、サイラスが声をかけていれば、断るわけもないので、今頃はサイラスの身内になっていたはずだ。
別の仕事など請け負わなかったと思う。
あっさりと拠点を変えたのは、サイラスが注視していることに気がついていなかったに違いない。
そういう意味では、サイラスの決心が早ければよかったと思うし、そのエルフ少女には可哀想なことをしたと考えていた。
そのエルフ少女の名は、エルスラ……。
エルフ族の魔道剣士……。
いままで、数多くの女と接したが、やはり、心踊る相手はあれひとりだった……。
だが、その女を見つけたのだ……。
偶然にこの城郭で……。
ほんの偶然のことだが、小雨の降る中、城郭に入ってきて宿屋を求めるエルスラを見た。
最初は幻かと思った。
だが、間違いない。
あれから三年の時間が経ち、すっかりと少女の時代を脱していエルスラは、誰もが目を引くような色香を帯びたエルフ美女になっていた。
エルスラ……。
サイラスは、男女出会いの女神でもあるメティスに感謝したくなった。
すぐに声をかけなかったのは、宿を求めようとしている様子のエルスラの後ろに、連れらしきさえない三十過ぎの男とその愛人らしい小柄な人間族の女がいたからだ。
また、サイラス自身も、ケトラと一緒だった。
とりあえず、なに喰わぬ顔で後を付け、エルスラたちが選んだ宿屋を確認した。
金を掴ませて確認したところ、エルスラたち三人は今夜を含めて、二晩ほどの宿泊を予定すると言ったらしい。
まあ、明日も雨だ。
それを嫌ったのだろう。
だが、そうであれば、明日一日の時間があるということだ。
サイラスが声をかければ、エルスラが拒否するわけはないと思うが、それまでにケトラを追い払う必要はある。
まあ、明日の朝でいいだろう。
幸いにも、エルスラとその連れが宿泊した宿は、サイラスとケトラが拠点にしているこの宿の向かいだ。
サイラスは、エルスラとの接触を明日にすることにして、ケトラと宿屋に戻った。
エルスラを仲間にするとなれば、ケトラは邪魔になる。
だから、先にこっちを処理しようと考えた。
そして、いまに至っている。
それにしても、エルスラと一緒にいた平凡そうな男はなんだろう? 歳も若くないし、冒険者という感じでもなかった。
小柄な女が嬉しそうに男の腕にしがみついて歩いていたから、そいつらが男女の仲なのは明白だが、宿屋の者の話によれば、エルスラもまたふたりと同じ部屋に宿泊したみたいだ。
冒険者パーティであれば、男女であろうとも同じ部屋に泊まるのは珍しくもなく、むしろ当たり前だが、エルスラはあの男女とパーティを組んでいるのか?
小柄な女はともかく、男には武芸の心得がなく、エルスラの実力に相応しいとも思えなかったが……。
まあ、どうでもいいか……。
いずれにしても、明日にはエルスラに声をかけて、パーティを解消させ、サイラスに合流させる。
明日が楽しみである……。
「その調子だ。気持ちいいぞ」
サイラスは奉仕をしているケトラに意識を戻した。
冒険者としての能力は十分ではないが、性技は一流だろう。
ただ、処女ではなかった。
まあ、冒険者の女といえば貞操感は低いが、このケトラがかなりの経験があることは事実だろう。
ほかの男の使い古しだということも、サイラスには長く関係を続けることを躊躇うものだった。
「あ、ありがとう……。嬉しいわ、サイラス」
ケトラの甘くやわらかな舌が唾液を滴らせ、サイラスの灼けた肌を行ったり来たりする。
また、二本の手は微妙な手触りを駆使して、男の性感の場所をまさぐり続ける。
かなり続けているので、いまやサイラスの足の指先から尻穴の内側、股間のすべて、背中や胸、首回りまでケトラの唾液で濡れていない場所などない。
「もう一度、仰向けになって……」
「わかった」
サイラスは仰向けにひっくり返っる。
すっかりと猛り狂っている怒張が天井に向かって反りかえっている。
「ふふふ……、いつものようにたくましい……」
ケトラが添い寝をするように、サイラスの横に裸身を寝かせる。
そして、舌でサイラスの乳首を舐めすすり、舌先で突き、唇を使ってしゃぶる。
さらに、サイラスの勃起した男根に手を柔らかく這わせる。
「ああ、気持ちいいぜ、ケトラ」
「サイラス、嬉しい……」
熟れ切って上気している顔をサイラスの口に寄せて、口づけを求めてきた。
サイラスは迫ってきた舌に自分の舌を絡ませ、顔を抱いて口づけをしてやる。
ケトラがサイラスの口と舌をむさぼってくる。
また、双丘をサイラスの胸に押しつけてぶるんぶるんと揺する。
サイラスは口を離して、ケトラの乳房をゆっくりと揉みしだいた。
「ああ、き、気持ちいい……」
「色っぽい雌の顔だな……」
サイラスは苦笑しながら、とんとケトラの身体を押した。
「奉仕しろ」
サイラスの命令にすぐに応じたケトラが足元に身体を滑らせる。
そして、唾液を股間に落とすと、そこを舌でなぶりあげてきた。
「あん、ああ、素敵……、おいしい……」
ケトラがサイラスの怒張を咥える。
口の中でサイラスの亀頭が舌で突かれ、吸いあげられる。
「おお……」
思わず声が出た。
快感が全身に走る。
ケトラは鼻息を鳴らして、丹念の舌で舐め回す。
しばらくのあいだ、そうやって奉仕させた。
だが、いよいよ我慢も効かなくなる。
「そろそろいいぜ。お前も欲しいだろう?」
サイラスはケトラの肩を押す。
ケトラが小さく頷き、たったいままで口に咥えていて、唾液にたっぷりと濡れた怒張を跨ぐように姿勢を変えた。
そのまま、腰を沈めて、怒張の先端に膣穴を挿入していく。
「ああああっ」
ケトラがサイラスの一物を股間で咥えながら、大きく身体をのけぞらせた。
サイラスは下からケトラの細腰を両手で抱いた。
自分の腰の上でケトラの身体を捏ねり回す。
「んはあああ、あああああ」
ケトラが乳房を上下させて大きな喘ぎ声をあげた。
そのまま、ケトラを上に載せて、腰を動かし続ける。
ケトラの乱れがさらに激しくなる。
「ああ、き、気持ちいいい、あああ、いくうう、いぐううう」
やがて、ケトラが興奮したように叫んだ。
口から痴呆のように涎を流して、小刻みに身体を痙攣させた。
達したようだ。
そして、サイラスもまた限界に達しようとしていた。
ケトラの身体を激しく揺すぶるように腰を動かさせて、下から上に向かって射精する。
「これで最後だ──。いっぱい出してやるぜ──。おおおおっ」
「あああああっ」
絶頂とともに、ケトラの興奮とサイラスの興奮が混じり合いサイラスは大きな官能に駆け昇らせた。
*
「わ、別れるって、どういうことよ、サイラス──」
翌朝のことだった。
別れを告げたサイラスに対して、ケトラは怒りを隠そうともせずに、金切り声をあげた。
すでにサイラスは寝台から出て服を身に着けていたが、ケトラはまだ裸だ。
昨夜の情交の疲れで寝入っていたケトラを無理矢理に揺り動かして、朝食を終わり次第に、城郭から出ていくように命じたのがたったいまだ。
案の定、一瞬唖然としていたケトラだったが、何度か同じことを繰り返し口にして、サイラスの言葉が冗談でも、嘘でもない本気だということを悟ると、大きな声で怒鳴り出したのだ。
「何度、言われても同じだ。お前とは別れる。パーティも解消だ。朝食を喰ったら出ていけ。パーティの解散については、俺が届けておいてやる」
「わ、わけがわかんない──。説明くらいしなさいよ。冗談じゃないわ」
ケトラが喚いた。
いつもそうだ。
女というのは、いつも聞きわけがなく感情的だ。
面倒だなと思った。
「説明しても仕方がないと思うがなあ……。少し前からお前には飽きていた。そろそろ、別れように思っていたところに、ずっと以前に気になっていた女を偶然に見つけたんだ。だから、そっちに乗り換えようと思っているだけだ」
「はああ?」
ケトラが目を剥いて顔を険しくした。
サイラスは、椅子の上に集めてあったケトラの服を寝台に放り投げる。
ケトラが怒りで顔を真っ赤にする。
「な、なによ、その女って──。いつ浮気してたのよ──?」
ケトラが叫んだ。
サイラスは眉をひそめた。
「浮気? お前、もしかして、俺と付き合っている気でいたのか? 俺がお前を本気で相手にすると? それほどの女のつもりか?」
サイラスは呆れてしまった。
冒険者である程度の成功を収めていることでわかるように、それなりに気が強いのはわかっていたが、サイラスの女気取りでいるほどの自惚れが強いとは知らなかった。
思わず吹き出してしまった。
「あ、あんたって──」
ケトラが絶句した感じになる。
サイラスは、さらに荷と武具も寝台に投げた。
「いいから出ていけ。終わりだ」
サイラスは扉を指さした。
ケトラが裸のまま寝台から飛び出した。
その手にはケトラの得物であるショートソードを持っている。
サイラスは、短剣を抜いた。
「あがああああ」
ケトラがサイラスに飛びかかろうとした姿勢のままひっくり返る。
攻撃をしてきた相手に電撃を浴びせることのできる魔道剣だ。
その電撃を高出力で当ててやったのだ。
死にはしないがしばらくは痺れて動けないだろう。
「逆上して俺に斬りかかるとは見下げ果てた女だ。殺されなかっただけ感謝しろ。次に目の前に出てきたら容赦しないと思え」
髪の毛を掴んで部屋の外に、裸のまま廊下に放り投げる。
さらに、寝台の上にあった荷と服を部屋から出す。
「ち、畜生……。そ、その魔道剣も……あ、あたしが貢いだやつ……。こ、こんな風にあたしを捨てるなんて……ゆ、許されないよ……」
まだ身体を痺れさせているケトラが手を伸ばして下着や服をかき抱きながら言った。
「陽が昇り切る前に城郭から出ていけよ」
サイラスは部屋の扉から顔を出してケトラに言った。
だが、いつの間にか、廊下にはほかの客や宿の者まで集まっていた。ざわざわとなにかを喋りながら、遠巻きにこっちを観察している。
サイラスは嘆息した。朝食をとってから、エルスラを迎えに向かいの宿屋に向かうつもりだったが、思わぬ騒ぎになってしまったようだ。
これでは、早々に出ていかなければならない。
サイラスは舌打ちした。
「亭主、出ていく。迷惑料はこの女からもらっておけ」
サイラスは唖然としている宿屋の亭主をに声をかけると、そのまま宿の外に向かった。