【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「相変わらず、下衆なことをしてるわねえ……」
「おう、スージーか……。一緒に遊んでいくか? 減るもんじゃなし。また、尻で遊ばせてくれよ。それとも、このご主人様のルロイから、命令して欲しいか?」
ルロイは軽口を言った。
すると、スージ―の顔がみるみると真っ赤になるのがわかった。怒りのためである。
目の前の女魔道師を強引な手段で隷属させたのは、しばらく前のことであり、無論、ルロイたちのやったことだ。
もともとは、タリオの犬として向こうの諜報員に隷属を刻まれていたのだが、ここの頭領のドピィが一度隷属を解消させてから、改めてルロイに対して、このスージ―に奴隷の首輪による隷属を刻ませることを要求したのである。
あれは、実に愉しい仕事だった。
この気の強い女が、最後にはルロイに対して泣きながら、どうか躾けてくれと土下座までしたのである。
無論、それに至るまでには、調教という名目で、ありとあらゆる屈辱と恥辱を味わわせてやった。
そのときの口惜しさが蘇るのだろう。
スージーは、歯を喰いしばった感じで、身体を小刻みに震わせている。
「な、なにが……し、尻よ……。なにがご主人様よ……。ふ、ふざけんじゃ……」
「いいじゃねえか。俺とお前の仲だ。女の肛門っていうのはいつ味わってもいいもんだ。特に、嫌がる女のけつの穴はな」
ルロイがげらげらと笑った。
すると、スージ―の手が青白く光り出すのがわかった。
これは、ちょっとからかい過ぎたみたいだ。この女の魔力が暴発しそうな兆候に違いない。
もちろん、砦の奴隷であるスージーには、砦の重鎮であるルロイを魔道で攻撃することはできない。
そういう命令をあのときに刻んだ「奴隷の首輪」を通じて、ドピィが命令を与えているはずだ。
ただ、すでにスージーへの命令権は、ルロイから頭領のドピィに移っている。直接的な攻撃はできなくても、なんらかの間接的な攻撃くらいはできるのかもしれない。
例えば、わざと魔力を暴発させて、ルロイたちに被害を巻き込むとか……。
ルロイは、これ以上挑発するのはやめた。
「それでなんか用かい。見ての通り、忙しいんだ」
ルロイは言った。
そのとき、ひと際大きな悲鳴があがった。
視線を向けると、妹に股間を舐められている姉が、ついに気をやったのだ。
天井に両手を吊られて立たされている身体を大きく前後に揺さぶりながら、絶頂していた。
姉の腰に顔を跳ね飛ばされた感じになった妹が姉の体液と自分の涎で顔を汚したまま、ちょっと呆然となっている。
周りの男たちは、拍手喝采だ。
「よし、いいぞ。じゃあ、休憩は終わりだ。もう一度縛り直せ。祭りの再開だ。犯しまくるぞ」
ルロイは声をかけた。
すると、十人ほどのルロイの部下たちが歓声をあげて、拘束をやり直すために姉妹に群がった。
すなわち、一時的に縄掛けを外していた妹を後手に縛り直し、両手を吊って立たせていた姉についても、一度解いて、縄を掛け直すのだ。
姉妹が絶望に泣き叫んだ。
「ああ、お願いです。せ、せめて、休憩を……」
「少しでいいので、休ませてください」
姉妹が必死に声をあげている。
だが、そのあいだに、寄ってたかって縄を掛けられ、あっという間に後手縛りに直された。姉については、膝を開脚に固定していた棒はそのままだから、脚も閉じることもできずに床に転がされている。
「休憩なら、したじゃねえか。俺たちがな──。まあいい。さっきまで生娘だったお前らが、股ぐらを休ませたいというのはわかったぜ。だったら、今度は尻の穴だ。全員で尻を犯してやろう。おい、道具を持ってこい」
ルロイが言うと、わっと男たちが声をあげるとともに、姉妹が悲鳴をあげた。
いつ聞いても、女が絶望の声をあげるのは、耳に心地いい。
ルロイは立ちあがりかけた。
すると、部屋の入口のところで立っていたスージーがどんと大きな足音をさせて床を一度踏み鳴らした。
「もう終わりよ。この姉妹については檻に戻すように頭領に命じられているわ。あんたは、頭領に呼ばれているわよ、ルロイ。部屋にすぐ来いと言っているわ。なにかの指示があるそうよ」
スージーが怒鳴った。
さらってきた姉妹で遊ぶのが終わりだと言われて、ルロイの部下たちが一斉に不平の声をあげている。
「なにか文句があんの──? 副頭領のルロイには手は出せないけど、下っ端のあんたらには、別に攻撃を禁じられてないのよ──。髪の毛を火だるまにしてやろうか──」
スージ―が手の上に真っ赤な火の玉を浮かべた。
今度は、部下たちが恐怖で声をあげた。
スージ―が口にしたとおり、砦の奴隷にされている彼女だったが、主人として刻んでいるのは、頭領のドピィである。だから、正確に言えば、砦の奴隷ではなく、ドピィの奴隷なのだ。
そして、ドピィが与えているのは、確かにドピィと主立つ者までに与える危害の禁止のはずだ。下っ端までの制限はしてない。また、服従については、ドピィのみに限定している。
ルロイから主人をドピィに移した後は、ドピィの連絡係のようなことをしており、荒くれが多いここで、スージーが自分の身を守れるようにということらしい。
だから、こうやって、ドピィの伝言を持ってきたりするときに、ルロイが手を出すことはできない。
「ちっ、仕方ねえ。じゃあ、終わりだ。お前ら、娘たちを檻に戻しておけ。ちょっと頭領のところに行ってくる。それまで待ってろ」
ルロイは部下に指示をして立ちあがった。
スージーが先導して案内をしていく。
実のところ、用心深いドピィは、前の砦のときには、部屋を十室ばかり持っていて、必要なとき以外には顔を出さず、どこにいるのかを常に隠すようにしていた。
このケルサ村においても、同じような感じで、ドピィだけの家屋を五軒ほど独占し、世話をするのを奴隷にしたスージーだけにして、ルロイたちにも秘匿している。
ルロイのほかにも、副頭領が四人いて、彼らは四天王と称されるのだが、ここに来てからは、その四天王の連中までも、スージ―に取り次いでもらわなければ、ドピィに会えないくらいだ。
どうして、そこまで用心深くしているのかは知らない。
だが、奴隷にしたスージ―だけは裏切らないと思っている反面、叛乱の決起を決断してからは、以前以上に警戒をするようになっていた。
やがて、一軒の平屋に着いた。
スージ―が声を外から声をかける。返事はなかったが、スージーは扉を開けて家に入っていった。
奥に進むと、ドピィが椅子に座って待っていた。
促されて、向かい側の椅子に腰掛ける。
「お呼びと伺いましたが……」
ルロイが声をかけると、ドピィが静かに頷いて口を開く。
「任務がある……。今夜、ここを発ってもらう。ルロイ殿とルロイ殿部下の全員だ。密かに出発しもらいたい」
ドピィの言葉に、ルロイは少しばかり驚いた。
実のところ、この賊徒団からの脱走を考えていたルロイは、その時期を今夜くらいにと決めていた。
だから、ドピィの命令というのは渡りに船だったのだが、あまりの時宜のよさに、びっくりしたのだ。
だが、内心でほくそ笑んだ。
これで、無理に隠れて脱走しなくても、堂々とこの隠し村から抜け出せる。
よかった……。
「わかりましたが、任務とは?」
「侯爵家が俺たちの拠点の場所を知りたくて、懸賞をかけたらしい。冒険者ギルドなどに通じて、有効な情報にかなりの高額な賞金をかけたそうだ」
ドピィが語り始めた。
情報提供に賞金がかかったというのは知らなかったが、これは嬉しい知らせだと思った。
脱走のついでに、このケルサ村のことを垂れこみすれば、いい小遣い稼ぎになる。ついでに、ここの領主軍に情報を伝えることで、確実にこの賊徒団を潰すことができるので、裏切ったルロイがここの賊徒たちに、報復を受けないで済むことにもなる。
これはいい……。
「賞金ですか?」
ただ、心の中で喜んでいるのを悟られないように、顔だけは神妙なふりをする。
「ルロイ殿たちにやって欲しいのは、金に目のくらんだ冒険者どもを散らすための欺騙工作だ。物の流れに細工をして、別の場所に拠点があるように導くようにして欲しいのだ。一箇月ほど誤魔化してくれるだけでいい。それからは隠す必要などなくなる」
ドピィの言葉で、ルロイは賊徒団が活動を開始するのが、どうやら一箇月後だということがわかった。
それまでは、ここに隠れて叛乱の準備をするのだろう。
また、ドピィに命じられたことも理解できた。
つまりは、偽装した物流を作りあげて、情報集めの連中を欺騙してしまおうということだ。
いくら隠れたところで、一万に近い人間がこの山村に集まっているのである。
いまは事前に集めた蓄えはあるものの、食料などの必要な物資は、いずれは送り込まないとならない。
事前準備をしたのはルロイなので、蓄積した物資で、ここがどのくらい保てるのかは把握している。
せいぜい、半月というところだ。
だから、ドピィが懸念しているのは、予定が一箇月後になったことで、物流によってこの拠点に辿って来られるのではないかということのようだ。
そのために、ルロイは、見せ掛けの物流を新たに作れと言っているのだ。
偽物の物流を冒険者たちが追いかけているうちは、ここの拠点はばれない。
そういうことか……。
ルロイはこれもまた、いい情報が手に入ったと思った。
賊徒の居場所……。
叛乱の決起は一箇月後……。
かなり高く情報が売れるに違いない……。
「わかりました。お任せください、頭領」
ルロイは頭をさげた。
確かに、元商人のルロイに相応しい任務だとは思う。
まあ、脱走したら、その足で適当なギルドに情報を売り飛ばすつもりではあるが……。
もちろん、偽装工作の物流などは作るつもりもない。
その資金は山分けにするが、ルロイについては、いまの情報を売り飛ばした利益も独占できそうだ。
これはよかった。
「ありがとう……。よろしく頼む……。俺たちの大望のためだ」
「無論です。大望のために……」
ルロイは神妙に口にして、拳を胸につける仕草をした。
それが、この砦における賊徒たちの団結の仕草なのだ。大望というのは、貴族たちを倒して、平民の国を作るということらしい。
この阿呆がと、心の中で舌を出す。
「大望のために……」
ドピィが拳を自分の胸にぎゅっとつけた。
*
ルロイが去って、ふたりだけになると、ドピィはスージ―に視線を向けた。
「あいつらを含めて十組か……。まあ、賞金がかかっていることを仄めかしてやったから、この拠点の場所のことは、誰かが、すぐに垂れ込むんだろうな。そのために、あのぼんくらたちをこれまで飼ってやったんだ。思惑通りに動いていもらわないと困る」
ドピィは静かに笑った。
自分が高揚している……。
それはわかった。
そうでなければ、いくら絶対に裏切らない奴隷とはいえ、口にする必要などないことを喋ったりはしないはずだと思う。
だけど、ドピィは我慢できなかったのだ。
あと少し……。
あとほんの少しで、十年前に失ったものを手に入れられる……。
あのときドピィを裏切ったあの女を……。
ルーベンが
やっと、ここまで来た……。
「興奮されてますね……。ご奉仕しましょうか……?」
スージーがドピィに声をかけて近づいてきた。
ドピィは苦笑した。
気分が高揚していることをスージーに見抜かれてしまったみたいだ。
奴隷になりたてのときには、心を許さなかったスージーだが、この賊徒団をつくった理由について、ドピィが誰にも打ち明けていなかった本音を語ったとき、なぜかスージーは率先して動いてくれるドピィの協力者になってくれた。
もしかしたら、それは演技なのかもしれないが、ドピィとしては、そう感じさせてくれるのであればどうでもいい。
心で裏切ろうとも、奴隷の首輪を刻んでいる限り、スージーはドピィを裏切らない。
だから、安心できる。
だが、ずっと心の内を誰にも語らなかったドピィは、本音を口にする相手ができるということが、こんなにも心を安堵させるとは思わなかった。
奴隷を手元に置いたのは初めてだが、もっと早く奴隷を作ればよかったとは思う。
しかし、できなかった。
ドピィが作ったこの集団は、不当に奴隷にされた平民たちをひそかに開放するとともに、人間を奴隷にして使役する貴族たちと戦うことを大義名分にしている。
それがこの賊徒団の“大望”なのだ。
だから、奴隷をそのままにしておくことは許されない。
しかし、このスージーは、たまたま、ドピィを探るための工作員として潜入させられてきた。
従って、裏切らないように奴隷にするしかなかったのだ。
奴隷にしてしまえば、裏切ることはないので、そのまま身の回りの世話をさせることにした。
そして、その結果、ドピィは誰かに心を許すことの心地よさを思い出してしまったのだ。
十年前に失ったものを……。
「俺は女は抱かん……」
ドピィの椅子の下に潜り込んできたスージーに、ドピィは苦笑して言った。
スージ―には、この賊徒団の“大望”などが嘘っぱちであり、実は叛乱の成功の見込みなど、ドピィ自身がほんの少しも信じていないことを知っている。
だが、それを口にしたとき、スージーはなぜか、ドピィに共感をして、自分の力を存分に使ってくれと口にしてきたのだ。
貴族たちと平民の戦いなどどうでもよく、ただひとりの女を奪いたくて、大勢を騙して、こんなことをやっているのだということの、どこに共感の要素があったのかはわからないが、とにかく、スージーはあれからずっと協力的だ。
しかも、こうやって、進んで性奉仕までしてくれる。
「わかっています……。でも、精の処理は必要ですよね……」
スージ―がドピィの股間に手を伸ばして、ズボンの前からドピィの一物を露出させた。
柔らかいスージーの手が当たると、あっという間に股間が勃起した。
すぐに、スージの小さな口が怒張を包み込む。
気持ちいい……。
奉仕を受けながら、ドピィは思った。
ルーベンの心は、いまだに、十年前にルーベンを裏切った彼女にある……。
だから、ずっと女は抱かなかったが、性欲の処理だけは必要だ。
これまでずっと自分でやっていたものを女に処置させるのはスージーが初めてだ。
結構、気持ちのいいものだ……。
「出る……」
しばらく快感を堪能してからドピィは興奮を開放した。
長く続ける必要はない。
性欲処理をしてくれるスージーの負担を大きくすることもないし、さっさと精を放った方がスージーも楽だろう。
スージーが返事の代わりに、舌と口の動きを早くする。
「うっ」
ドピィはスージーの口に精を放った。
スージーが一滴残らず、その精を喉に押し込んでいく。
最初に奉仕を受けたとき、外に出していいとは言ったのだが、スージ―は精を飲み干すことを望み、ずっとそうしている。
いまも、最後に先端から吸引するようにして、最後の精の一滴までを口にしてから、やっとドピィの股間から口を離した。
「ありがとう……」
ドピィは言った。
「感謝の言葉は必要ありません……。わたしは奴隷ですから……」
「そうか……。なら、代わりに、これを……」
立ちあがったスージーに、ドピィは懐に入れていた紙を手渡した。
そこには、ある場所の住所が記してある。
スージーはなんのことかわからずに、首を傾げている。
「これは?」
「今夜のうちにルロイたちはこの拠点を抜ける……。それを密かに追いかけよ。もしも、ギルドに情報を売るようなら、ルロイを殺せ。ただし、あいつが情報を提供し終わってからだ」
ルロイが裏切ることは予測している。ほかにも、裏切りそうな者は理由をつけて、九組ほど外に出した。少なくとも誰かは必ず裏切るとは思っているが、殺すまではするつもりはない。しかし、ルロイは別だ。あれは本物の悪党だ。すでに殺すと決めている。
むしろ、だからこそ、副頭領などという不相応な役目を与えて、そばに置いていたのだ。
絶好のタイミングで裏切らせるように、適当な女を与えて留めて置きさえしていた。
嗜虐好きのあいつに、遊ぶための女をあてがい続けたのは、勝手に立ち去ったりさせないためだ。
逃げられては困る。
あれの役割は、これからだ。
「えっ、わたしは、ここを出るんですか?」
スージーは意外のようだ。
ドピィは頷いた。
「それが最後の命令になる。万が一、ルロイがギルドに情報提供に行かないようであれば、そうけしかけろ。そして、最後に殺せ……。そうしたいだろう? その後はどこに行ってもいい。俺が生きている限り、隷属は解けないが、逆に言えば、俺が死ねば隷属は解ける。それに、俺はいまの命令を最後に、すべての命令を解除するから、誰かに隷属されることはない」
「わ、わたしを開放するのですか──?」
スージーが唖然としている。
予想もしてなかっただろう。
「そこに記している場所に、あんたの妹がいる……。あんたと一緒に奴隷にされて、行方がわからなくなってたと思うが、いまは手の者を派遣して、そこに隠させている。隷属も解除した。逃亡奴隷であることには変わらないが、あんたなら、妹は守れるんじゃないか」
「えっ、妹を──」
スージ―が絶句した。
タリオの間者だったスージーについて調べさせたところ、子供のときに一緒に奴隷にされた妹がどこかにいるということがわかった。
だから、そこに信頼できる優秀な部下を送ってみた。
すると、部下もかなり苦労したようだが、なんとか、タリオ公国の中で、スージ―の妹を娼館で発見してきたのだ。
ドピィは、スージーの妹を保護させた。
手をまわして彼女を脱走させたのだ。そして、ハロンドール王国内まで連れてきて匿わさせている。
さっき渡した紙には、その居場所が書いてある。
「ほ、本当……? 本当ですか──? 妹が……本当に生きているって……。ほ、本当──?」
スージーの目が大きく見開き、その目からぼろぼろと涙がこぼれだす。
「間違いないと思う……。報告によれば、あんたに会いたがっているようだ。向こうも、あんたは死んだと思っていたらしい」
ドピィの言葉に、スージーがその場に跪き、顔に手を押し当ててさめざめと泣き始めた。