※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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572 ケルサ村攻防戦(その2)

 カリュートは、目の前で続いている惨劇に呆然とする思いだった。

 同時に畏怖の感情に襲われている。

 カリュートは、道化師(ピエロ)団の軍事責任者のひとりとして、ドピィの横にいたが、このケルサ村の攻囲戦に関する限り、ほとんどなにもしていない。ほとんどの指示がドピィから与えられ、カリュートを含めて、賊徒の者は次々に与えられるドピィの命令に従い、その通りに準備をして、ただ指示のまま動いたのみである。

 その結果、目の前の残酷な状況ができあがった。

 

 侯爵軍がケルサ村に攻め込んできたとき、カリュートたち賊徒の大部分は、ケルサ村の両横の森の中に身を潜めて隠れていたのだが、いまはケルサ村に築いた防壁の周りに出てきて、もうもうと燃えているケルサ村を外側から包囲する態勢をとっている。

 ケルサ村には、あらかじめたっぷりの油と爆破薬を充満させていたのだが、迂闊に飛び込んだ侯爵軍が入り込んだところで、事前の手筈に従い、わざと開いた城門を閉じて、外から火矢を次々に打ち込んだ。

 

 おそらく、中では怖ろしい火焔地獄が繰り拡がっていると思うが、防壁の内側には逃げ場などない。

 侯爵軍の騎士団をはじめとする主力が防壁の内側に突入していったとき、まだ外にも侯爵軍の一部は残っていたが、森に隠れていた一万に近い賊徒が弓矢を射こむとともに大喚声をあげて脅かすと、逃げていってしまった。

 いま残っているのは、防壁の中に入り込んだ侯爵軍の主力だけだ。

 そして、彼らは音を立てて燃えている炎の中である。

 あの中にいる限り、ただ煙にやられて倒れるか、炎に巻かれて死ぬかだろう。

 

 城壁の外にいるカリュートたちには、ケルサ村の中で燃えている侯爵軍の将兵たちの怒号のような悲鳴と泣き声が聞こえ続けていた。

 こういう状況を作り出しながら、顔色ひとつ変えずに、淡々と指示を続けるドピィには、畏敬を通り越して、恐怖のようなものを感じてしまう。

 

 しばらく、その状態を続けたところで、頃合いを図っていたドピィは、一箇所だけ城壁を崩させたのである。

 これについても、あらかじめ細工をしていたものであり、人間が五、六人程度拡がって出れるくらいの脱出口を開けたのだ。

 別に慈悲をかけて、逃げ場所を作ったわけではない。

 完全に逃げ場をなくさせると、死に物狂いの者たちがどこから出てくるかわからなくなるため、わざと一箇所だけを開いたというわけである。

 

 しかし、そこにも罠がある。

 そこを出たところには、人の背丈の五倍もあるような深さの巨大な大穴が開いていて、炎から逃げようとする侯爵軍を待ち構えているのだ。

 連中も注意深くしていれば、頑丈な板を渡して上から土を被せて隠していたことに気がついたかもしれないが、ケルサ村への突入だけに意識が向いていた彼らは、事前には気がつくことができなかったみたいだ。

 

 いまは、見つかった脱出口を目掛けて、そこから出てくる者たちが、面白いように穴に落ちていくということが繰り返している。

 なんとか穴に落ちるのを免れた者も、待ち構えている賊徒団の銃と弓矢の的になって、次々に倒れていく。

 ここでも、一方的な殺戮と地獄の光景だ。

 

 それにしても、ドピィという男は、どうしてここまでの計略を思いつけるのだろう。

 賊徒団の頭領とは思えないほどの読書家ということは知っているが、書物に触れれば、あんなに賢くなれるのか?

 とにかく、ドピィの軍略は神がかりだ。

 二百の騎馬でクロイツ領を荒らしまわっていたときもそうだ。敵も味方も、まるで予知でもしているかのように、思いどおりに動かす。

 しかも、敵にはもちろんだが、時には味方にも容赦のない残酷さを表す。

 今回もそうだった。

 

 侯爵軍がケルサ村に侵攻してきたとき、一千の賊徒に粗末な武器だけを持たせて、山岳の入口に待ち受けさせた。

 これは、侵攻軍に油断させるとともに、勢いのままケルサ村に突入させるためだけの目的の捨て兵であり、怪我をしている者や具合の悪い者、戦いの役には立ちにくいような老人や女をあてがっていた。

 案の定、その者たちは侯爵軍になすすべもなく蹂躙されて殺された。

 

 さらに味方に惨い処置を強いたのは、罠を仕掛けているケルサ村の防壁の上から侯爵軍を攻撃させた者たちだ。

 一箇月ほど続けた二百の騎馬による挑発行為で血の気に逸らせているとはいえ、さすがに無抵抗だと侯爵たちも、罠を怪しんだかもしれない。

 

 しかし、抵抗があったことで、向こうはケルサ村に賊徒団がいると思い込んでしまった。

 だから、門が開いたとき、無防備に飛び込んでしまったというわけだ。

 そのために、抵抗の素振りをする者たちは必要だったが、彼らは巻き込まれて死ぬことがわかっている者たちであり、当然にそこに配置されるのを嫌がった。

 しかし、ドピィは躊躇うことなくそれを指名し、足首に鎖を繋いで逃亡できないようにしてから、さらに、捕らわれて罠のことを自白できなくするために、喉を潰させた。

 本当に、容赦ない。

 

 いずれにしても、すでに勝敗は決している。

 賊徒団の大勝利だ。

 侯爵軍に入り込ませていた密偵によれば、侯爵は、ほぼ全力をこのケルサ村戦に投入したらしいので、もはや、この領土には賊徒団を鎮圧できるような勢力は残っていないはずだ。

 これもまた、侯爵の妹などを凌辱させたりして、侯爵を激怒させたドピィの手の上ということだ。

 

「いたぞ──」

 

「侯爵だ──」

 

 大穴がある防壁の脱出口のところから、大きな声があがった。

 ほかの者と服装の違う者が脱出してくれば、できれば穴に落ちる前に捕らえて報告するように命じてあった。

 それで、侯爵の顔を知っている者がいたのだろう。

 侯爵だ、侯爵だと騒いでいる。

 すると、ドピィが床几椅子から立ちあがった。

 

「行くぞ」

 

「あっ、はいっ」

 

 ドピィが進んでいくのをカリュートも慌てて追いかける。

 果たして、全身が煤で汚れ、髪や髭が焼けている男が縄で縛られて転がされていた。

 ほかにも、重鎮だと思う者も一緒だ。

 全員が立つこともできずに、苦しそうに咳をしている。

 煙を吸い込みすぎたのだと思う。

 

「確かに侯爵だな。他はいい。穴に蹴り落とせ」

 

 ドピィが侯爵の髪を掴んで顔をあげさせて頷くと、ほかの者を顎でしゃくった。

 

「げほげほ、た、助けてくれ」

 

「み、身代金を払う──。助けて──」

 

「やめてくれえ──。ゆ、許してくれ」

 

 悲鳴をあげるが、指示を受けた賊徒兵がどんどんと侯爵の部下を穴に蹴り落とす。

 ふと見ると、もうほとんど村の内側から脱出してくる者もいなくなっている感じだ。煙だけが大風になって外に出てくる。

 

「もういい。門を封鎖しろ。そして、穴に油を注いで燃やせ」

 

 ドピィが指示をする。

 巨大な穴の中には、脱出しようとして落ちてしまった侯爵軍の者たちが千人近くはいるだろうか。

 穴から這い出ようとするのを防ぐために、上から矢を射かけさせているので、ほとんどの者が矢に刺されて、呻き声をあげている。

 

 そこに油が撒かれ始める。

 なにをされるのか気がついたのだろう。

 ものすごい悲鳴が穴から沸き起こる。

 しかし、すぐに松明(たいまつ)が投げられて、炎が吹きあがる。

 断末魔の声が穴から響きわたる。

 

「こいつを連れてこい」

 

 ドピィが侯爵を引きずって喧噪から連れ出す。

 侯爵は命乞いのような言葉を呻いているが、すでにぐったりとしていて暴れる様子はない。

 村の外側の比較的開いた場所に辿りつく。

 

「馬を二頭、連れてこい」

 

 ドピィの指示で馬が連れてこられた。

 

「馬をどうするんですか?」

 

 カリュートはなんとなく訊ねた。

 すると、なぜかドピィがにんまりと微笑んだ。

 だが、その笑みから、なぜか、あまりにも怖ろしいものを感じてしまって、カリュートは思わず絶句してしまった。

 

 ドピィは、侯爵を仰向けにひっくり返させると、左右の足首に太い縄をかけさせて、それぞれの縄尻を馬に繋げさせた。

 やっとなにをやろうとしているのかに気がつき、カリュートは鼻白んだ。

 

「ひっ、ひいいいっ、や、やめてくれ──」

 

 侯爵もわかったみたいだ。

 大人しかった態度をかなぐり捨てて、恐怖の悲鳴をあげだす。

 

「クロイツ候、俺のことを覚えているか?」

 

 そのとき、侯爵の顔の横に立ったドピィが地面に横たわっている侯爵を見下ろして言った。

 

「覚えて……? な、なんのことだ……?」

 

 侯爵が呆然となっている。

 カリュートもなんのことかよくわからなかった。

 

「そうか。覚えてないか……。だが、俺はこの十年、お前のことを忘れたことなどない。お前は俺の大切なものを奪った。そいつの身体も心もな」

 

「奪った? なにをだ──? わしがなにを奪ったというのだ──?」

 

 侯爵が喚いた。

 だが、ドピィは興味を失ったように、侯爵から離れる。

 さらに、侯爵の首に縄をかけさせ、こっちについては木杭を地面に打ち込ませて、数本の縄で固定させた。

 

「馬を鞭打て──」

 

 ドピィが声をあげた。

 

「ぎゃああああああ──」

 

 馬が駆けだし、侯爵の身体が股から二つに裂けていく。

 同時に、首が引き千切られた。

 カリュートは思わず、目を背けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *

 

 

「いやあああ、助けてえ、ルーベン──」

 

 ドピィの横では、シャロンが泣き叫んでいる。

 賊徒団とともに突入したクロイツ領の領都にある侯爵の館である。

 もう三十歳に近いはずだが、シャロンはまたまだ美しく、最後に別れた面影を完全に残したままだ。

 ドピィは、その彼女の裸体を静かに睨みつけていた。

 だが、腹の中では怨念のようなどす黒い感情が渦巻いている。

 

 侯爵軍が大敗したという情報が入れば、侯爵夫人であるシャロンが逃亡する可能性もあったが、結局のところ、彼女は逃亡をしなかった。

 もっとも、逃げたところで、潜入させておいた部下が捕らえただけのことだ。

 どっちみち、シャロンに逃げ場所などなかったのだ。

 

「その名で呼ぶなと言っただろう──」

 

 “ルーベン”という名は、このシャロンに裏切られたときに捨てた。

 いまのルーベンは、ドピィ(愚か者)という名だ。

 “愚か者”というのは、愛した婚約者に裏切られながらも、彼女を忘れることができずに、ただただ一途に再び手に入れることだけを追い求めたルーベンに相応しい名だ。

 ルーベンなどという物知らずの下級貴族の坊やはもういない。

 

 ドピィは、全裸にして仰向けに寝台に拘束しているシャロンの局部と乳首の根元に繋げて、天井から引きあげている糸を乱暴に揺すった

 シャロンが泣き叫ぶ。

 

「ひいいっ、ち、違う──。あ、あなたを受け入れます──。も、もう侯爵家を見捨てても、実家が潰されることもない──。わ、わたしは、あ、あなたと逃げたかったの──。だ、だけど、あのとき、それは許されなかった──。だ、だから──」

 

 命乞いのつもりなのか、シャロンが絶叫して、必死にドピィに慈悲を訴えるようなことを口走る。

 ルーベンのことを覚えているとは思わなかったが、シャロンはこの屋敷をドピィが襲撃したときに、すぐに気がついたみたいだ。

 そういえば、ドピィには、それほどの抵抗はなかったような気がする。

 しかし、だからといって、ドピィの積年の恨みが収まるわけもない。

 

「うるさい──。都合のいいことを言うな──。俺はお前に復讐するために……、俺との愛を裏切ったお前を奪うために、ここまできた──。ここにやって来た。お前を孕ませる──。お前を汚した侯爵の首は今頃は獣の餌になっているだろう。その夫人のお前は俺に犯されて、俺の子を産むんだ──」

 

「わ、わかってます──。ル、ルーベン──後生だから、糸を外して──。なんでもしますからああ」

 

「やかましい、その名を呼ぶなと何度言えばわかる──」

 

 ドピィはかっとなった。

 この十年──。

 このために生きてきた。

 

 ドピィ……いや、ルーベンのものであった……、生涯を供にしようと誓ったシャロンを奪い返すためだけに生きてきたのた。

 もがき、足掻き、そして、ここまできた。

 そして、ついに、あのときの絶望を覆すことができたのだ。

 

 あのケルサ村の攻囲戦のあと、ルーベンは賊徒団を領都に向かって進ませた。

 先頭にかざすのは、引き千切った侯爵の首を髪の毛で吊るした生首だ。

 邪魔するものはなかった。

 ドピィたちは、ただ領都に向かって進軍しただけだ。

 

 遅れる者は放置したので、三日で到着した。

 賊徒団の接近に対して、城門はすでに開き、守備軍はいなくなっていた。

 ドピィは略奪を許可して、一部の賊徒だけを連れて、この館に突入した。ここにシャロンがまだいるという情報に接していたからだ。

 

 果たして、シャロンはいた。

 本宅ではなく、敷地の隅にある別宅だったが、そこがシャロンが平素いる場所のようだった。

 侯爵夫人であるシャロンの部屋が、なぜ本宅ではなく、別宅にあるのか知らないが、シャロンがここにいるのも、情報を集めさせた者から事前に聞いていた。

 だから、ほかの場所の略奪は、部下たちに任せて、ドピィだけは、ここに一目散に飛び込んだのだ。

 そして、シャロンを拘束し、侍女らしき者を外に追い出し、シャロンの服を引きはがして、寝台に拘束をした。

 

 すぐに犯そうと思ったが、賊徒団の首領であるドピィには、やらなければならないこともあった。

 略奪は許したが、際限なくやらせると、始末に負えなくなる。

 だからといって、これを禁じると、勝手に暴れ続けるから、やはり、ドピィに制御できなくなる。

 その匙加減が難しいのである。

 まずは、その指図だ。

 

 ドピィは、略奪を二ノスと定め、最初は平民には手を付けるなと厳命している。

 その命令がどのくらい守られるのかは知らないが、賊徒たちも、平民を襲うよりは、身分の高い者たちや高貴な商人を襲った方が見入りもいい。

 平民でも、金持ちを襲うのは禁止していないので、賊徒たちも貧しそうな平民には目もくれずに、高貴な層が暮らす一角に襲撃を集中させている。

 それだけでなく、ここに入る直前には、もともとの城郭の平民も、略奪に参加している気配だった。

 とにかく、略奪とはいえ、それを許すことで統制を保っているのである。

 それに必要な指示をこの館からしている。

 

 いずれにしても、領都を占領したあとは、今度はこれを保持する仕事が残っている。

 周辺の領主たちが、賊徒に占領された侯爵領をそのままにしておくということはあり得ないだろう。

 これに備える必要がある。

 

 一番すぐに動くのは、北側にある王軍直轄領だと読んでいる。

 そこには、この南部地域を統括する地方王軍があるのだ。

 おそらく、そこが鎮圧のためにまずは出てくる。

 まあ、シャロンさえ手に入れたなら、この賊徒どもが捕らえられようが、殺されようが、どうでもいいのだが、少しでも長くシャロンを確保するためには、この領都の確保を継続しなければならない。

 そのためには、それを邪魔する勢力とは戦う必要がある。

 

 その対応のための本営をこの屋敷に作った。

 この賊徒団は、大切なことについては、なにからなにまで、ドピィが指図をする態勢になっているので、ドピィも忙しい。

 すぐには、シャロンにかかり切りになっておられず、置いていく必要があった。

 だから、シャロンの局部と乳首に糸を巻き付け、天井から吊るしてやったのだ。

 この十年の恨みだ。

 思い知ればいい。

 

 それから、別宅を賊徒の部下に守らせる処置をすると、賊徒団の中心となる重鎮を館に設けた本営に集めさせた。

 主立つ者には館内に一室も与えた。

 ただ、ドピィの居室は、シャロンを捕らえている別宅だ。ここに近づくのは、誰であろうと禁止を達した。

 やっていいのは、伝言を送ることだけだ。

 侯爵家に魔道具があったので、それを使わせてもらうことにした。

 

 一方で、領都民たちのうち、賊徒団に加わることを決めた者には、赤い布を首に巻くことを伝え、それをしない者は襲撃していいと達した。

 

 さらに、領土中に触れを出して、税を撤廃する宣伝をさせる。

 この領土を保持するつもりなどないから、税などどうでもいい。

 重税で喘いでいた領民たちが、賊徒団の支配を受け入れ、まだ残っている役人たちや、やってくるだろう征伐軍に抵抗してくれれば、少しでも時間が稼げると思う。とにかく、混乱が続いてくれればいいだけだ。

 それを見越しての人気取りでしかない。

 

 すでに、ドピィの人生の目的は達した。

 あと考えているのは、これを少しでも長く続けることのみでしかない。

 そして、悔いなどない。

 

 二ノスが終わり、略奪をやめさせる合図の鐘を領都中に響き渡らせた。

 ドピィが命令違反には厳しいことは浸透しているので、大部分はそれで賊徒たちは大人しくなる。

 従わない者たちは、捕らえて見せしめとして首を跳ねる。

 その辺は、四天王の名を与えている者たちに指示さえしておけば、ちゃんと対応するだろう。

 

 必要な指示を与えて、ドピィは別宅に戻った。

 長時間、局部と乳首を糸で吊り上げて放置されていたシャロンは、息も絶え絶えになっていた。

 股間は可哀想なくらいに、淫らな汁で溢れていた。

 淫売め──。

 

 ドピィはなぜか怒りに襲われた。

 そして、ドピィが戻ると、シャロンは急にドピィに媚びを売るような言葉を紡ぎだした。

 これについてもかっとなった。

 ルーベンのことを忘れてなかっただの、あのときは、仕方なくルーベンを捕らえさせたのだというたわ言だ。

 怒りが込みあがる。

 

「侯爵夫人のまんこに、薄汚い賊徒の性器を入れてやろう。そして、お前が孕むまで繰り返し犯す。二箇月か、三箇月か……。それまで、ここがもてばいい。そのために、クロイツ領に襲撃したんだ。それで俺の人生は意味があったものとして色づく」

 

 ルーベンは怒鳴ると、シャロンを拘束している台にあがった。

 すぐに、ズボンから勃起した怒張を露出させる。

 前戯は必要なさそうだ。

 糸を繋げたまま、シャロンの腰を抱えあげ、一気にその怒張をシャロンの股間に貫かせた。

 

「んはああああっ、ああああああっ、ルーベン──」

 

 シャロンが白目を剥き、がくがくと拘束された身体を痙攣させて裸体を反り返らせた。

 達したのだ。

 

「淫売め──。挿入しただけでいきやがったか──」

 

 ドピィは哄笑した。

 そして、精を放つために、さらに激しく抽送を開始した。だが、女になど触れたことがないドピィは自分でも唖然とするほどに呆気なく精を放ってしまった。

 

 だが、萎えない。

 まだ、勃起は保ったままだ。

 ドピィは、狂ったようにシャロンを犯し続けた。

 

 

 

 

(第3部・第1話『道化師軍の蜂起』終わり)






 *

 次話からは、やっと主人公側の視点に戻ります。

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