※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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583 いい日旅立ち~女教師ふたり

「ごちそうさまでしたあ……。じゃあ、せめて飲み物を奢らせてください。なにがいいですかあ?」

 

 サービスエリアで朝食をとり終わると、丹羽(にわ)祥子(しょうこ)先生がぺこりとお辞儀をして、お兄ちゃんに話しかけてきた。

 冬休みを利用した温泉リゾート地への小旅行のためのドライブだ。冬晴れの気持ちのいい日であり、まさに旅行にはもってこいの朝である。

 

 忘年会で、一年目の若い女教師であるこの丹羽先生と意気投合したわたしは、予定していた一郎お兄ちゃんとの旅行に、彼女を誘うことにした。

 もちろん、この旅行がどういう意味があるものかについては説明してある。

 明るい性格だが、清純そうな外見とは裏腹に、彼女はかなり性に開放的な女性であり、わたしとお兄ちゃんの「調教」旅行についてこないかと誘うと、それほどの抵抗もなく同意した。

 

 世間的な御用納めには、まだ数日あるのだが、学校の教師という職業は、生徒が長期休暇に入れば、年次休暇は取りやすい。

 先生によっては、部活動の面倒を看ないとならなかったりするが、わたしも丹羽先生も、担当しているのは文化部であり、お互いに冬休みの活動は休止にした。一郎お兄ちゃんも、今回の旅行に合わせた休暇を以前から申請していて、問題なく取得することができたみたいだ。

 

 そして、今日がその初日であり、朝早く出たので、途中のサービスエリアで朝食を兼ねた休憩をとっていたところである。

 お金を出したのはお兄ちゃんであり、丹羽先生はそれに恐縮をしたみたいだ。

 

「じゃあ、頼もうかな。ペットボトルでお茶かなにかをお願いします。享ちゃんの分も。俺たちは先に車で待ってますから」

 

「享ちゃん? そんな風に呼ぶんですか。可愛い」

 

 丹羽先生がくすくすと笑って自動販売機コーナーに向かっていった。

 わたしたちは、彼女の後姿を見送りながら、ふたりで車に向かった。

 ワンボックスタイプの乗用車であり、トラックがひしめき合っている大型用駐車場の比較的近くに駐車している。

 学校が冬休みに入ったとはいえ、一般のサラリーマンたちが年末年始休暇に入るにはまだ少し早い。だから、まだ平日の早朝ということもあり、埋まっているのは広大な駐車場の店側の半分ほどだ。

 わたしたちの車は、あえて離れた場所に停めたみたいなので、周りに車がない場所にポツンと駐車している感じだ。

 

「どう、お兄ちゃん、彼女を調教してもらえる? 彼女って、セックスを二十人以上と経験したんだけど、一度もいったことがないって言っているの。ちょっと可哀想かなって」

 

 彼女をお兄ちゃんに会わせることを決めたのは、宴席でそんなことを会話したことがきっかけだ。

 お兄ちゃんは絶倫だ。また、実のところ、かねがね、わたしは、わたしたちとともにセックスパートナーを務めてくれそうな女を探していた。

 かといって、そのまま執着されて、お兄ちゃんに離婚とか結婚とかとを迫られても困るし、秘密を守ってもらえる保障も必要だ。

 その点、彼女は純粋にセックスに興味を持っているだけみたいだし、後腐れなさそうだ。それに、性に興味があるのに、これまで快感を極める経験に無縁だったというのも気の毒に感じた。

 だから、今回の旅行で彼女をお兄ちゃんに引きわせようと思ったのだ。

 

「確かに、感じにくいタイプではあるみたいだね。それに、多分、彼女は普通のセックスじゃあ、燃えあがるまでに時間がかかる性質なんだと思うよ。まあ、雰囲気作りからじっくりと時間をかければ、身体も心もほぐれると思う。任せてもらっていいよ」

 

 一郎お兄ちゃんが微笑んだ。

 

「よかった」

 

 わたしはお兄ちゃんの言葉にほっとした。

 一郎お兄ちゃんが任せろというのであれば、絶対に問題ない。

 実のところ、お兄ちゃんは不思議な人なのだ。

 セックスについては、わたししか知らないはずなのに、まるで何十人もの女の人と相手をしたことがあるみたいに熟練した空気を漂わせる。

 それに、人を見抜くのが上手い。

 誰が、どんな技術や能力を持っているのかということがひと目でわかるらしく、それを学習塾を展開する会社の仕事に生かしているみたいである。

 

 なによりも、女のことを見抜くのは神がかりであり、見知らぬ女性の職業を瞬時に言い当てたりする。

 ある夜など、ホテルのバーで一緒にすごしているとき、店内にいる見知らぬ女性を示して、彼女は娼婦だと見抜いたこともある。

 しかし、きちんとしたスーツを身に着けた清楚そうなきれいな女性であり、とてもそういう商売をやっている女性には見えなかった。

 とりあえず、バーテンダーにこっそりと聞いてみると、実はそうだと、耳打ちしてくれた。

 わたしは感心した。

 

 また、居酒屋で意気投合した男女のグループと同じテーブルで飲むことになったとき、なにかの切っ掛けで、そのグループの誰と誰が性経験があるのかを言い当てる遊びになったこともあった。

 そのときには、お兄ちゃんは経験、未経験だけでなく、経験者がこれまでにセックスをした相手の数まで正答してみせたのだ。

 その男女は、まるで占い師だと驚愕していた。

 

 いずれにしても、お兄ちゃんなら絶対だ。

 お兄ちゃんがセックスが上手なのは信じているし、極めたことのない丹羽先生でも、お兄ちゃんなら幸せな気持ちにしてくれると思う。

 旅行が終わる頃には、彼女もすっかりと満足しているだろうし、性格が合うのは確認しているので、もしかしたら、末永くわたしたちのパートナとして仲良くできるかもしれない。

 

「ところで、調教の開始だ。スカートをまくって、俺に見せるんだ」

 

 車の位置までやって来ると、横スライド式の後部シートを開いてから、突然にお兄ちゃんが言った。

 どきりとした。

 ここに到着するまでは、わたしはお兄ちゃんの横の助手席に座り、丹羽先生だけが中間シートに座っていたのだ。

 だから、なぜ、後ろを開けるのかと思ったが、どうやら、ここからプレイを始めるらしい。

 そして、この目的のために、周りにほかの車がない場所を選んで駐車したのかと思った。

 

「早くしろ。丹羽先生が戻って来るぞ」

 

 お兄ちゃんがくすくすと笑った。

 どうやら、もう意地悪モードに入っているみたいだ。

 こうなってしまうと、どう言っても、お兄ちゃんは許してくれないし、逆らえば、もっと恥ずかしいことをされる。

 それに、わたしはお兄ちゃんのものであり、そもそも、お兄ちゃんの命令に逆らうという発想がわたしにはない。

 

 わたしは意を決して、お兄ちゃんに車側に立ってもらい、身体をお兄ちゃんと車に向けるようにした。

 こうすれば、後ろからは見えないだろう。

 コートを脱いで車に入れると、両手でブラウスの下のスカートの裾を持ち、すっと持ちあげた。

 

「もう、濡れたのか?」

 

 お兄ちゃんがわたしの股間を眺めて笑った。

 やっぱり、お兄ちゃんは意地悪だ。

 羞恥でかっと身体が熱くなる。

 

「お、お兄ちゃんが……わたしを調教するって言ったから……。あっという間に……」

 

 スカートをあげたまま、わたしは俯いて言った。

 いつもは、お兄ちゃんによって、ディルド付きの貞操帯で封印されているわたしの股間だけど、今日は外している。

 その代わり、お兄ちゃんの命令でノーパンだ。

 すでに完全脱毛をして、一本の陰毛のないわたしの股間は、自分でもわかるくらいに、どっぷりと濡れていた。

 なんの愛撫もなくても、お兄ちゃんにいやらしい言葉をかけられるだけで、こうなってしまうのだ。

 わたしは、お兄ちゃんの奴隷だ。

 

「静かにするんだぞ」

 

 お兄ちゃんがオーバーのポケットから、一本のチューブを出す。

 それを指先にとって、わたしの股間にすり込んできた。

 

「ひっ」

 

 ひんやりとした感覚に、わたしは身体を竦ませた。

 だが、いやらしいお兄ちゃんの指が股間全体に動き、さらにスカートの後ろ側まで伸ばして、お尻の中にまで塗り込んでくる。

 そのあいだ、何度もチューブから薬剤を指に塗り足した。

 

「もういい。スカートから手を離して、後ろを向け」

 

 お兄ちゃんはポケットから、いつも使う指錠を取りだすと、背を向けさせたわたしに、両手を背中側に回させて、右親指と左親指の付け根を接触させて、それに指錠を嵌めてしまった。

 これで、お兄ちゃんに指錠を外してもらうまで、わたしはなにもできない。

 

「これで準備は終わりだ。さあ、乗るんだ」

 

 わたしは、後ろ手のまま中間シートに押し込められた。

 さらに、お兄ちゃんが手を伸ばして、シートベルトをかける。

 

「お待たせしましたあ」

 

 丹羽先生が元気な声とともに、ペットボトルを抱えて小走りで来たのは、その直後だった。

 

「あれ、先輩も今度は後ろですかあ?」

 

 シートに座らされているわたしに向かって、丹羽先生がペットボトルを差し出す。

 しかし、受け取ることのできないわたしは、困ってしまった。

 

「調教を開始したところなんだ。ドリンクホルダーに差しておいてくれますか」

 

 すでに運転席に座っているお兄ちゃんが事もなげに言った。

 

「えっ、調教?」

 

 丹羽先生が半身を車に入れたまま絶句したのがわかった。

 そして、顔に驚愕の色が浮かんで、真っ赤になる。

 しかし、すぐに口元に笑みが浮かんで、ぺろりと口の周りを舐めた。

 

「へええ……。先輩って、そんな顔になるんですねえ……。学校では氷鉄の女って呼ばれているのに……。ふふふ……」

 

 くすくすと笑った。

 そして、反対側から、隣のシートに乗り込んできた。

 

「氷鉄の女?」

 

 一郎お兄ちゃんが首をこっちに向けながら首を傾げた。

 

「ええ、誰にもなびかず、誰にもこびず、いつも飄々としていて……。仕事はできるけど、周りとは打ち解けないし、上司の先生でも、児童に対しても、いつも毅然としていて……。だけど、こんな風になるんですねえ……」

 

 丹羽先生が愉しそうに微笑みながら、わたしの顔をじろじろと覗き込んでくる。

 興味津々という感じだ。

 しかし、早くも、さっき塗られたクリームが効きだし、尋常じゃない火照りと疼きが股間とお尻に発生していた。

 いつもそうだが、お兄ちゃんが使う媚薬は、慣れるということもないし、じっとしていられないほどの掻痒感に襲われてしまう。

 わたしは歯を喰いしばって、太腿を擦り合わせるようにした。

 

「丹羽先生、俺の飲み物を……」

 

 お兄ちゃんが後ろに手を伸ばした。

 三本のペットボトル抱えたままだった丹羽先生が慌てて、横にペットボトルを置き、そのうちの一本を持って、お兄ちゃんに手を伸ばす。

 だが、お兄ちゃんが丹羽先生の手首を掴んで、ぐっと自分に引き寄せた。

 

「きゃっ」

 

 手を引っ張られた丹羽先生は、まだシートベルトをしていなかったので、運転席側に身体を倒れ込ませたかたちになった。

 その丹羽先生の身体を受けとめるとともに、後頭部に手をやったお兄ちゃんが、さらに丹羽先生の顔を引き寄せて、いきなりキスをした。

 

「んんっ」

 

 ちょっとびっくりして抵抗しかけた丹羽先生だったが、すぐに脱力してお兄ちゃんに身体を預けるようになる。

 しばらくのあいだ、お兄ちゃんは丹羽先生の口の中をむさぼっていた。

 多分、お兄ちゃんの舌で、口の中の気持ちのいい場所を刺激されまくっているのだと思う。

 とにかく、お兄ちゃんの口づけは、途方もなく気持ちいいのだ。

 わたしだけじゃないと思う。

 その証拠に、口づけを続けられる丹羽先生が、だんだんと脱力していき、鼻息が甘くなっていく。

 

 しばらくして、お兄ちゃんが手を離したときには、丹羽先生は完全にぐったりとして、シートに倒れ込むようにした。

 眼はとろんとして、口の端からは涎がつっと出ている。

 だが、丹羽先生は、呆然としているだけで、それをぬぐう様子もない。

 

「な、な、なにいまの……? いまの……キスですかあ……。こ、こんなのは初めて……」

 

 丹羽先生はまだ呆けている。

 

「さあ、丹羽先生も、スカートの中のショーツとストッキングを脱いでもらおうかな。そして、ショーツはこっちに渡すんです」

 

「は、はい……」

 

 お兄ちゃんの言葉に、丹羽先生はまるで操られているかのように、スカートに両手を入れた。

 そして、腰を浮かせて、ストッキングとともに下着を腰から脱ぐと、あっという間に足首からそれを抜いて、お兄ちゃんに渡した。

 お兄ちゃんは、一瞥して、ストッキングだけを助手席にぽんと丸めて投げ、下着だけを手に取った。

 

「出発だ」

 

 お兄ちゃんの言葉に、ぼうっとしていた感じの丹羽先生が慌てて、シートベルトをつけた。

 車が発進する。

 すると、お兄ちゃんがなぜか全部の窓を開けた。

 そして、ちょうどゴミを回収していた清掃員が歩いていた場所に近づいた。車を横につける。

 

「すまないけど、そっちの左の娘がはいていた下着だ。処分してくれるか」

 

 たったいままで丹羽先生がはいていた下着を窓から清掃員に向かって放る。

 

「ひっ、そ、そんなああ」

 

 丹羽先生が悲鳴をあげた。

 だが、そのときには、車は再発進をしている。

 

「別荘についたら、享ちゃんも、丹羽先生も、すべての衣類を俺に預けてもらう。三日間、身に着けるものは、俺が手渡すものだけだ。基本的には素っ裸ですごしてもらうよ」

 

 一郎お兄ちゃんが笑った。

 丹羽先生が圧倒されたみたいに大人しくなり、切なそうに甘い息を吐いた。

 

 

 *

 

 

 車は、高速道路から自動車道に抜けるジャンクションを越えて、いよいよ目的地に近づく海岸道になった。

 しかし、わたしは股間を襲う激しい痒みに限界を迎えてしまっていた。

 一生懸命に、太腿の付け根に力を入れるが、もちろん、そんなもので癒せる痒みではない。

 

 もう我慢できない。

 わたしは意を決して、喰いしばっていた口を開いた。

 

「お、お願い、お兄ちゃん──」

 

 前側の運転席にいるお兄ちゃんに哀願した。

 

「なにをお願いしているんだ?」

 

 お兄ちゃんの口調には、はぐらかすような揶揄の響きがある。

 わたしの身悶えの音を愉しんでいるのだろう。

 本当に意地悪だ。

 

「か、痒いよう……。痒い──。さっき薬を塗られたところが痒いの──。一度、車をとめてえ──」

 

 叫んだ。

 

「えっ、痒い?」

 

 すると、横の丹羽先生がぎょとしたようにこっちを見た。

 あのお兄ちゃんとの口づけからずっと、丹羽先生は呆けたようになっていたのだ。

 

「残念だけど、到着するまで停車のつもりはない。横の丹羽先生に頼むんだね。丹羽先生、享ちゃんのお願いをきいてやってください」

 

 お兄ちゃんが運転したまま言った。

 丹羽先生は唖然としている。

 だが、とてもじゃないが、もう耐えられない。

 わたしは、指錠をされている両手をぐっと握りしめつつ、剥き出しの太腿を擦りわせた。

 本当に、お兄ちゃんは意地悪だ。

 わたしは、丹羽先生に向かって、小さく「お願い」と呟いた。

 これは、お兄ちゃんの調教だ。

 多分、わたしが頼むということをしないと、お兄ちゃんは許さない。

 

「えっ? ええ?」

 

 丹羽先生は呆気にとられている。

 しかし、だんだんと顔が真っ赤になり、なぜか口元から笑みがこぼれだすような感じになる。

 

「もしかして、さっき言った調教って……?」

 

「享ちゃんの股間に、たっぷりと掻痒剤を塗りこめたんだ。しかも、両手を後ろ手に拘束している。気が向いたら、股を慰めてやってくれ。もちろん、そのまま放置してもいい。任せるよ」

 

 お兄ちゃんが前を向いたまま、喉の奥でくくくと笑うのが聞こえた。

 やっぱり、今日も意地悪だ。

 わたしは、涙目で丹羽先生に視線を向けた。

 

「うわっ、だめよう、これ……。か、可愛いいっ。あの先輩がこんな風に女の顔になるの? これは学校のみんなには見せられないわあ」

 

 丹羽先生が我に返ったようになる。

 そして、にんまりと微笑んだ。

 わたしは、嫌な予感がした。

 

「丹羽先生、あなたも、俺たちと馬鹿になるつもりで、今回の旅に来たんですよね。だったら、命令に従ってもらいますよ。まずは、享ちゃんを苛めてください。これは命令です」

 

「は、はい……。も、もちろん、命令には従います。その覚悟できたんですから……。先輩にも言い含められてたし……。だけど、思ったよりも、愉しいかもう……。ねえ、先輩、あたしにお願いしてみますう? 苦しそうですよねえ」

 

 なにか危険そうな火が灯ったみたいだ。

 丹羽先生が皺を寄せてずり上がっているわたしのスカートの裾に手を置いて、すっと太腿に向かって手を伸ばした。

 

「ああっ」

 

 撫でられた瞬間は、つい本能のまま股をきつく締めた。

 しかし、すぐに力を緩める。

 すでに、我慢の限界は越えていた。

 

「どうしますう、先輩? 触って欲しいですかあ?」

 

 ゆっくりと丹羽先生の手が太腿の付け根に近づてくる。

 だが、付け根のすぐそばまでやって来た後は、ぎりぎりのところを撫で揉むだけで、一向に奥に伸びてこない。

 

「お、お願いよ、丹羽先生。もっと奥を触って──」

 

 恥ずかしい言葉をわたしは口にした。

 また、ほとんど無意識に、太腿を大きく開いた。丹羽先生が触りやすいようにだ。

 

「ええ、どうしようかなあ……。こんな感じですかあ」

 

 丹羽先生の指先がぐっと股間の丘を強く撫でた。

 

「うああっ、ああっ」

 

 わたしは甘い声をあげてしまった。

 だが、あっという間に手が離れてしまい、刺激は寸断されてしまう。

 

「いやあ、だめえ、離れないでえ」

 

 泣き声をあげる。

 すると、丹羽先生の嬉しそうな笑いが響く。

 

「すっごい濡れてますね、先輩……。ああ、だけど、あたしも濡れてるかもう。なんか、下着を脱がされて、変になった感じい。セックスしてないのに、しているときみたいに、なんだか熱いしい」

 

「丹羽先生も、けっこうエムだよね。俺にはすぐにわかったけど」

 

 お兄ちゃんだ。

 丹羽先生が視線を前に向ける。

 

「そ、そうですかあ……。先輩を苛めるのが愉しいからエスと思いますよう。それに、あんまり、そんなこと、言われたことありませんしい」

 

「間違いないね。そうやって、享ちゃんを苛めていて、まるで自分がやられているみたいな感じてるんだよ。別荘に着いたら、今度は丹羽先生が苛められる番だよ。それとも、やっぱり苛める方がやりたい?」

 

「うーん、どっちでしょう? 先輩に意地悪するのも病みつきになりそうだしい」

 

 丹羽先生が喉で笑いながら、しきりに自分の唇の周りを舐めている。

 だが、それどころじゃない。

 中途半端な刺激のために、股間は狂いそうに痒い。

 

「ね、ねえ、丹羽先生、意地悪しないで──。擦って──。擦ってよう」

 

 わたしは悲鳴をあげた。

 

「そんなに、あそこをいじられたいですかあ?」

 

 再び、丹羽先生の手が太腿に伸びる。

 もう我慢の限界になっているわたしは、またもやぎりぎりのところでとまってしまった丹羽先生の手を太腿でしっかり挟むと、ぐっと股間を前に出すようにして、自分から丹羽先生の手に股を擦りつけた。

 

「きゃっ、可愛いい、先輩──。しかも、いやらしい──」

 

 丹羽先生がそのまま指を曲げて、くりくりとわたしの股間を掻くように動かす。

 

「ひんっ」

 

 わたしは後ろ手の身体を弓なりにするようにして、突き抜ける快感に声をあげた。

 だが、またもや、手が離れていく。

 

「ああん、意地悪しないでったらあ──」

 

 大きな声をあげた。

 

「あらあら、相当頭にきてますね、先輩」

 

「意外に責め役も上手のようだ。ぎりぎりのところまで押しあげては下げる。それを繰り返すといい。もっと可愛い享ちゃんの姿が見れる」

 

「やってみます、先輩の旦那様……。だけど、あたしもおかしくなりそうですう。なんか、あたしまで苦しくって……」

 

「先の愉しみだよ。この旅で後悔はさせないよ。享ちゃんの選んだお客さんだしね」

 

「ありがとうございます。とてもいい旅行になりそうです。先輩が可愛いし」

 

 丹羽先生の手が戻る。

 しかし、相変わらず、股間の表面を撫でるだけの愛撫だ。

 むしろ、痒みを誘発するような触り方に、わたしは泣き声をあげて何度も腰を突きあげてしまった。

 だが、そのたびに、丹羽先生の手が逃げて、どうしても強い刺激を与えてくれない。

 

 そして、やっと丹羽先生が力を入れて、頂きを撫でてくれ始めたのは、驚くべきことに、一時間近くもずっと悪戯され続けてからだった。

 しかし、そのときには、すぐに、目的の別荘の前に到着してしまった。

 

「到着だ。そのまま、ふたりは奥の寝室に向かってくれ。荷物は俺が運んでおくよ。とりあえず、享ちゃんをなんとかしないと本当に狂ってしまうね。丹羽先生は享ちゃんを頼む」

 

 玄関の前に車を停めると、一郎お兄ちゃんが言った。

 そして、会社の別荘の鍵を丹羽先生に渡している。

 

「わかりました、旦那様……。さあ、先輩、おりますよ」

 

 シーツベルトを外されて、丹羽先生に腕を取られる。

 気が狂うような焦燥感と掻痒感の中で、わたしはふらつく足に必死に力を入れて、車から降り立った。

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