※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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614 わんわん物語(その2)

「ほら、気に入った、わんちゃん? 特別に太いのを入れてやったわよ」

 

 コゼが揶揄うような声をかけてくる。

 しかし、ジャスランはそれどころではない。

 逆さ吊りのまま、ジャスランは圧倒的な嘉悦に全身を震わせてしまっている。

 コゼがお尻に挿入した山芋をゆっくりと抽送しているのだ。

 口もきけないくらいの快感が背筋を駆け抜け、脳天に突き刺さっていく。

 

「なんか、すごいなあ……」

 

「責めに回ると、コゼって、しつこいのよねえ……。わたしも何度コゼに泣かされたか……」

 

「まあ、ロウと一緒に、えげつなく責めるしなあ……」

 

「あんたは、そういうものが好きでしょう?」

 

「まあな……。だけど、エリカもだろう」

 

「そういえば、コゼとロウ様から、ふたりして痒み剤を塗られて、気絶するまで放っておかれたことはあったわねえ」

 

「あれはすごかったな」

 

 シャングリアとエリカが呆れたような口調で会話をして、最後にくすくすと笑い合っていた。

 しかし、ジャスランの頭には入ってこない。

 

「ほら、犬、乳首を立ててんじゃないわよ。ごめんなさいしなさい」

 

「ひびいいっ」

 

 いきなり乳首を指で弾かれた。

 大した痛みではなかったが、むしろ、貫いた快感にジャスランはわけもわからずに、奇声をあげてしまった。

 痒みに爛れている状況では、痛みさえも泣くほどに気持ちいい。

 

「わんわんを忘れたわね……。はい、終わりよ」

 

 いきなり前側の山芋を掴まれて抜かれそうになる。

 びっくりしてジャスランは必死で締めつけるとともに、口を開く。

 

「うわっ、や、やめてよお──。抜かないで、わんわん」

 

「山芋が好きなの、わんちゃん?」

 

 コゼがほとんど抜きかけていた山芋を再び挿入していく。

 

「うほおお、き、気持ちいいよう──、わんわん──」

 

 たちまちに大きな快感のうねりが全身を揉み抜いていく。

 

「わんわんが言えたなら、ご褒美よ、犬」

 

 コゼが前側の山芋から手を離す気配がした。

 “ご褒美”だと言ったのにと愕然としかけると、再び、お尻に挿さっている山芋が出入りを開始する。

 

「おほおおっ、わんわん──」

 

 ジャスランは声をあげた。

 

「こっちも欲しいでしょう?」

 

 すると、お尻側の山芋が深く挿し込まれ直して、前側の山芋の抽送が始まった。

 

「ひおおおおっ、わんわん、わんわん」

 

 あまりの気持ちよさに、ジャスランは嘉悦の声を放っていた。

 そのあいだも、コゼは山芋で入り口を丸く撫でたかと思うと、クリトリスをいじり、挿入してくれたかと思うと、奥側を擦るように回し動かしたりと、焦らすように責めあげてきた。

 コゼによる山芋の動きひとつひとつがあまりにも気持ちよくて、ジャスランはしばらくのあいだ、あられもない声をあげ続けた。

 

「かなりいい犬になったわよ、エリカ。じゃあ、おろしてやろうか」

 

「そうね」

 

 コゼがなにかをエリカに語りかけたと思ったが、そのときにはジャスランは気も遠くなりかけていたので、ふたりの会話がよく理解できなかった。

 しかし、床に向かって髪を束ねて引っ張られていた縄の感覚が消滅したなと思ったら、次には不意に天井からの鎖が緩んだ。

 

「うわっ」

 

 ジャスランは身体を思い切り天幕の地面に打ちつけた。

 そして、その衝撃で二本の山芋が外に飛び出していく。

 

「あっ、そんなああ、あああああっ」

 

 ジャスランは地面に落とされて絶叫した。

 苛酷な苦しみが襲ってきたのだ。

 コゼによって癒されていた股間とお尻の痒みが、一瞬にして復活し、しかも、もっと拡大してぶり返した。

 だが、考えてみれば当然であり、そういえば、コゼは股間やお尻のあちこちに塗りたくるように山芋の汁を塗っていた。

 敏感な場所にしつこく塗られた山芋の汁が怖ろしい痒みを加えて、ジャスランを責めてくるのは当たり前だった。

 しかも、これまでは逆さ吊りの苦しみと痛みがあったが、それがなくなってしまうと、これほどまでに痒かったのかと、ジャスランは恐れおののいてしまった。

 

「ああ、入れてええ──。戻してよおお」

 

 ジャスランは泣き声をあげた。

 すると、いきなり腹を蹴り飛ばされた。

 

「ほげええええ──。がはっ、げほっ、げほっ」

 

 眼を潰されて視界がないので、備えることができないジャスランはまともに蹴りを腹に受けてしまいしばらく息ができなかった。

 しかし、同時に痛みのあいだ、痒みが忘れられて気持ちよくもあった。

 だが、やはり、痛みがなくなると、痒みの苦しさが戻ってくる。

 

「四つん這いだ、犬──。ロウに手足を戻してもらったんだろう。這え──」

 

 上から怒鳴ったのはシャングリアだった。

 もしかして、蹴り飛ばしたのもシャングリアだったのだろうか。

 

「命令するわ。こいつの隷属は、わたしに結ばれているし……」

 

 エリカの声だ。

 しかし、コゼの気配がして、ジャスランは腹を上にするように身体をひっくり返らされた。

 

「まあまあ、それじゃあ、面白くないわよ。自分で歩かせなきゃ。糸と紐をつけてあげましょうよ。犬には紐よ」

 

 糸と紐?

 なにを言っているのだと思ったが、次の瞬間、股間にコゼの手らしきものが伸びて、ジャスランのクリトリスをいじり出した。

 

「ひあっ、あはっ、ああっ、あううう」

 

 迸って嘉悦にジャスランは、雄叫びをあげた。

 

「ちょっとじっとしてなさいよ──。ねえ、エリカとシャングリア、押さえててよ」

 

 コゼがクリトリスを触りながら言った。

 しかし、冗談じゃない──。

 とてもじゃないが、我慢できない。

 触ってもらっているあいだは、痒みが小さくなり、脳天を直撃するほどの快感も暴発するのだ。

 ジャスランはほんの短い手足をばたばたと動かして、身体を弓なりにしていた。

 その身体を上下で押さえつけられる。

 

「なにをするのだ? おう、そういうことか……」

 

「相変わらず、えげつないことを考えるわねえ」

 

 シャングリアとエリカが笑った。

 しかし、ジャスランだけは自分がなにをされているのがわからない。

 えげつないとはなんだ──?

 そして、いきなりクリトリスの根元がぎゅっと絞られた。

 

「ひぐううっ」

 

 その激痛にジャスランは奇声をあげた。

 

「……こうやって、このクリトリスの根元を搾った糸を乳房のあいだを通して、首輪の前側の金具に通すのよ……。そして、紐と繋げる……」

 

 コゼがなにか言いながら、首に嵌められている首輪で作業をした。

 わけがわからないが、くいくいと糸が引っ張られるたびに、クリトリスに針でも刺すような激痛が走る。

 だが、それも快感だ。

 ジャスランは身体を暴れさせた。

 

「準備できたわ。じゃあ、エリカ、命令して四つん這いにさせて」

 

「四つん這いになりなさい、犬──。次に命令するまで、すべての人間の命令に無条件に従いなさい。一切の抵抗をせず、なにをされても受け入れなさい。自殺すること、自ら傷つけることを絶対的に禁止する。血紋術も禁止よ。もしも血が流れたとしても、これからは瞬時にその流れた血との接続を断ちなさい。命令よ──」

 

 エリカに矢継ぎばやに“命令”されてしまった。

 ジャスランは歯噛みした。

 特に、血紋術を封印されてしまったことに愕然とした。

 

 ジャスランは、それに賭けていたのだ。

 あの男はジャスランの血が流れないように、なにかの術をかけたみたいだったが、これだけ鞭打ったり、蹴られたりすれば、なにかのはずみで出血するということがある。

 ジャスランは、それに生命を注いで、命を繋ぐということもできるのだ。

 しかし、さっきの隷属の魔道による命令により、出血したとしても、血紋術で繋がることを禁止されてしまった。

 隷属をされるなど初めてだったのでわからなかったが、隷属の魔道をかけられると、無意識の血紋術さえも禁止されるとは知らなかった。

 これで、どうやら、これ以降にジャスランが出血したりしても、それは血紋術による命の繋がりには結びつかない。

 ただの出血で終わってしまう……。

 逃げられない……。

 

「う、うう……」

 

 とにかく、ジャスランは仰向けだった身体を捻って、腹ばいに変わる。

 四つん這いになれという命令だからだ。

 ジャスランの意思ではなく、隷属魔道によって勝手にジャスランの身体が動いているのだ。

 

 本当に奴隷の首輪が効果を発揮している……。

 改めてそれを認識したとき、ジャスランは絶望的な衝撃を感じてしまった。

 

「ほら、歩きなさい──。散歩の練習よ」

 

 エリカの声……。

 そして、四つん這いになったところで、首輪の前側の環に通っているらしい紐か糸のようなものを引っ張られた。その糸はクリトリスの根元に結んだ糸に繋がっていて、激痛が迸った。

 

「ひぐううう、やめろおおお」

 

 ジャスランは懸命に脚と手を動かしながら悲鳴をあげた。

 最初に根元から切断された手足はほんの少し復活されていたが、その長さは地面すれすれでしかない。

 乳房は地面に引きずった状態だし、なによりも足側に小さな(ひづめ)のようなものが切断部にあり、それがバランスをとりにくいのだ。

 じっと立つ体勢を保つのも大変だと感じたが、それなのに、いきなり歩かされて、ジャスランはすぐに転びそうになってしまった。

 

「言葉の終わりには、わんわんでしょう──」

 

 エリカだと思う紐の引っ張り手がぐいと力を入れて糸を引っ張った。

 

「あがあああ」

 

 強い衝撃を覚えて、ジャスランは激痛の衝撃でひっくり返ってしまった。

 

「“わんわん”だと言ってるでしょう」

 

 尻穴を電撃が直撃した。

 

「ふごおおおおお、わんわん、わんわん──」

 

 その衝撃にジャスランは悲鳴をあげるとともに、慌てて“わんわん”と叫んだ。

 しかし、気持ちいい。

 痒み液や山芋による激しい掻痒感は持続しているのだ。

 糸でクリトリスを引っ張られる痛みも、電撃の衝撃も、苦悶ではあるが、同時に痒みが消失する嘉悦でもあった。

 

「なんか悦んでいるみたいだけど、まあいいか……。しばらく歩く練習よ。代わるわ、エリカ」

 

 コゼの声だ。

 そして、引っ張り手が交代したみたいだ。

 紐がくいと引っ張られて動き出す。

 

 ジャスランは慌てて手足を動かして進んだ。

 クリトリスを糸で結ばれている以上、隷属の魔道をかけられてるか否かに関わらず、それをしない選択肢はない。

 懸命に短い手足を動かす。

 コゼは、この大きめの天幕を回るように動いているみたいだ。

 

 視界がないので、糸が引っ張られる方向に身体を動かすしかなく、ジャスランは何度もクリトリスをぐいと引かれる苦痛を味わわなければならなかった。

 しかし、悲鳴をあげるときに、“わんわん”と付け加えなければ、エリカだと思う電撃か、シャングリアだと思う鞭が容赦なく身体を襲った。

 

 慣れない四つん這い歩行のこともあり、何周もしていないだろうというのに、ジャスランの息はあがってきていた。

 とにかく、四つん這いで歩くということがこんなにも体力を削り取るとは知らなかった。

 

「い、いつまで……、わんわん……?」

 

 やがて、さすがにジャスランは問わずにはいられなかった。

 おそらく、かなりの時間をただただ糸を引っ張れて歩くという行為に費やされている。

 いつの間にか、ジャスランは汗びっしょりになっている自分に気がついていた。

 

 しかし返事はない。

 ただ、強く糸を引かれただけだ。

 ジャスランは悲鳴をあげた。

 

 さらに少なくとも十周は歩かされたと思う。

 これまでずっと円運動だと思っていたが、不意に方向が変わったなと感じた。

 そして、コゼとエリカとシャングリア以外の人の気配を肌に感じた。

 

「んくううう、ううううう」

 

 耳にいきなり女のくぐもった声が入っていた。

 

「ははは……、だめだな、ガド。声を我慢できないと、絶頂はお預けだと言っただろう。次もお預けだ。ほら、マーズと交代だ。マーズはもう何度も声を我慢できているぞ」

 

「ああ、だって、我慢できないんです。だ、だめなガドですけど、どうかもう少し調教を……。それと、そろそろ絶頂させてください」

 

「だったら、我慢するんだな。ほら、交代しろ──。交代だ、マーズ」

 

 続いてぴしゃりと女の尻を叩く音が……。

 

「あんっ、ご主人様ああ……」

 

 そして、甘えるような女の声……。

 さらに、繋がっている男女が離れるようなびちゃびちゃという水音も……。

 なにをしているのだろうと思いかけたが、あのロウの声であり、ロウがすぐそばにいると自覚した瞬間に、ジャスランは全身を恐怖に包まれてしまった。

 

「ひあああっ、ご、ごめんなさいいい、わんわん、わんわん」

 

 勝手に自分の口が謝罪の言葉を喋り、その場に腹ばいにうずくまってしまった。

 恐怖で身体が凍りついたようになったのだ。

 

「いい具体に仕上がったか、エリカ?」

 

 ロウが笑いながら言った。

 

「まあ、コゼが頑張りましたし……」

 

 エリカだ。

 

「ご褒美くださいね、ご主人様」

 

 コゼは媚びを売るような口調だ。

 どうでもいいが、本当にこの小娘は、ロウに対してだけは態度を豹変させる。

 

「後でな、コゼ」

 

「約束ですよ」

 

「わかったよ。じゃあ、マーズ、来い。お前は頑張ったから精をやろう。何度も声をあげずに絶頂できたしな。俺の精は受ければ受けるほど、強くなるぞ」

 

「はい、先生」

 

 すると、女がロウに覆いかぶさるような物音がした。

 なにをどうしているのかわからなかったが、目の前でセックスをしているのか?

 

「んんっ、くっ、くふうう……」

 

 か細い息の音がして、ぺたんぺたんという肉と肉が擦れるような気配が続く。声はないが、かなり女の息は荒い。

 マーズというのは、やたらに筋肉のあった身体の大きな人間族の少女だろう。

 ロウはソファに座っていたと思うので、もしかして、座っているロウに前から抱きついてセックスをしているのか?

 なんとなく、そんな感じだ。

 

「いけっ」

 

 ロウが声をだした。

 

「んんんっ」

 

 マーズの息むような声……。

 そして、大きく絶息するような音も……。

 

「ほら、ガド。いまのが見本だ。また夜に試してやろう」

 

「あん、それまでお預けですかあ……」

 

 ガドと呼ばれた女が甘えるような口調で声をあげた。

 続いてロウの笑い声もする。

 

「じゃあ、ジャスランだな……」

 

 すると、ロウがやっとジャスランに声をかけた。

 

「ひうっ」

 

 その瞬間、またしても恐怖が身体に走る。

 ジャスランは震えあがってしまった。

 

「ロウ様、ジャスランには隷属の首輪を刻み終わってます。すべての人間に従うようにも命令をしました」

 

「わかった、エリカ。ありがとう……。さて、ジャスラン」

 

「ひっ、は、はいっ……。あっ、わんわん」

 

 恐怖で反射的に返事をして、すぐに“わんわん”と付け加える。

 とにかく、このロウにだけは、もはや、逆らう気持ちも、憎悪の感情も出てこない。

 ただただ、怖い──。

 それだけだ……。

 

「そろそろ、セックスがしたいか? そんなに腰をくねらせているけど」

 

 ロウが笑った。

 自分の腰が動いているのだと、そのとき悟った。

 股間もお尻も火がつくほどに痒い。

 それを癒してもらいたいとは強く思っている。

 しかし、もしかして、ロウが犯してくれるのか?

 自分でもわけのわからない嘉悦が身体に迸ったのがわかった。

 

 こんな人間族に犯されるのは屈辱そのものであり、死に勝る苦悶のはずだ。

 それは認識しているが、それとは別に、目の前にいるらしいロウに犯されることを渇望している自分もいる。

 

 頭の中に、だいぶ前に一度口から飲み干した精の味が蘇ってきた。

 恥辱そのものだったが、一方であれほどの甘美なものは味わったことはなかったと思った。

 もしかして、目の前でやっていたらしいセックスをジャスランにもしてくれるのか?

 ジャスランの本能がそれを欲しいと思った。

 

「セ、セックス……したい……」

 

 ジャスランは声をあげた。

 すると、ロウが笑ったような気がした。

 

 

 *

 

 

「セ、セックス……したい……」

 

 目の前で手足の短い犬のように腹ばいになっているジャスランが言った。

 一郎はほくそ笑んだ。

 

 エリカとコゼとシャングリアによるいたぶりにより、かなりの「牙」を野獣のようなジャスランから抜くことができたみたいだ。

 もっとも、このジャスランの本質は、持続しないその場その場の直情的な感情だ。

 いまは屈服した感じになっているが、ほかの感情があれば、すぐにそれを忘れてしまう動物的な移り気の性質である。

 

 もしも、違う状況で出会えば、調教のしがいのある面白い素材かもしれないと感じたが、シャングリアやエリカをあんな惨い目に遭わせたジャスランを一郎は許すつもりはない。

 セックスをしたいと言わせたのは、三番目の刑罰の仕上げとしてであり、四番目の刑罰の始まりとして確認しただけだ。

 別にセックスをするのが一郎とは言っていない。

 

 ただ、ジャスランにそう口にさせるのは簡単だった。

 すでに淫魔術で結びついているジャスランの頭に、ロウの精液に対する乾きのような激しい中毒のような衝動を発生させればいい。

 理性の強い者なら、それでも自分を抑制できるが、この動物のように直情的なジャスランには、およそ我慢するということなどできない。

 だから、簡単に憎悪の対象であるはずの、一郎とセックスをしたいと口走ってしまうのだ。

 

 とにかく、三番目の奴隷の首輪の罰に対して、四番目は傭兵たちによる明日の朝までの輪姦だ。

 人間族嫌いのジャスランにとっては、人間族の男に犯されて腰を振るのは屈辱だろうと思う。

 痒みはいずれは癒えるが、沸騰するような性の疼きは、一郎が解除しない限りにそのままだ。

 どんなに嫌がっても、いまのジャスランは男に犯されれば快感から逃げられない。

 明日の朝に我に返れば、さぞや恥辱が甦ることだろう。

 

「わかった。じゃあ、思う存分にセックスさせてやろう……。ガド、傭兵隊長を言球で呼んでくれ……。それと、天幕の結界も解除な」

 

 言球というのは、伝言用の魔道通信だ。

 伝言を伝えたい者に透明の球体を飛ばして声を飛ばすという魔道である。

 魔道に長けているエルフ族の王宮である水晶宮では、日常的にその言球が飛び交っていた。

 

「はい、ご主人様」

 

 ガドニエルが嬉しそうに魔道で言玉を出す。どんなことでも、ガドニエルは一郎から命令を与えられることを喜ぶ。

 言球を出したガドニエルは、傭兵隊長にこの天幕に来るようにという伝言を入れ始める。

 

「マーズ、気分は悪いと思うが、ジャスランと傭兵たちの見張りを頼む。見ているだけでいい。間違って怪我をさせないようにさせてくれ。後でイットも向かわせる。大変だとは思うけど、夜にはさらに交代も送るから、みんなで明日の朝までジャスランを監督してくれ」

 

 一郎は亜空間からマーズの服と下着、そして、身体を拭く布を出して渡す。

 

「あっ、はい。わかりました、先生」

 

 マーズが急いでそれを身につけ始めた。

 また、一郎だけはガウンのようなものを出して、素早く身体に身につける。

 

「ちょ、ちょっと待ってください、ロウ様。ここに傭兵隊長を呼ぶんですか? わたしたちの服は──?」

 

 エリカが声をあげた。

 それはそうだろう。

 ジャスランが全裸なのは当然として、エリカたちもまた身体の透けるキャミソール姿であり、しかも、下着も身につけていない。

 エリカだけでなく、ほかの女もびっくりしている。

 気にしてないのは、嬉々として魔道を込めているガドニエルだけだろう。

 

「恥ずかしければ、俺にしがみついて、入り口に背を向けていろ」

 

 一郎は意地悪く言った。

 

「ええ?」

 

 一郎の意地悪な物言いに目を丸くして一瞬硬直したのはエリカだ。

 一方で、一番早く動いたのはコゼだった。

 

「これよろしく、エリカ──。一番──」

 

 コゼはいままで持っていたジャスランの首輪を通してクリトリスの根元に繋がっている紐をエリカに渡すと、真っ先に一郎を正面から抱きつく位置を確保した。

 

「い、意地が悪いぞ──。エリカ、ジャスランの紐を頼む──」

 

 シャングリアも一郎に抱きついて身体を隠す態勢を作る。

 

「な、なんで──。ちょ、ちょっと待って、ガド──。言玉を飛ばさないでえ──」

 

 エリカが怒鳴ったが、そのときにはガドニエルはすでに言玉を発信してしまっていた。

 一郎はガドニエルを呼び寄せて、一郎に抱きつかせる。

 

「うわっ、そんな、ま、待って──」

 

 一方で、ジャスランの紐を放り出すわけにはいかないエリカは、完全に慌てている。

 全身を真っ赤にして、紐を握りつつ、手で胸や股間を隠している。

 やっぱり、エリカには羞恥責めが似合う。

 恥ずかしがる姿が一郎の好色を刺激する。

 

 また、マーズは服を身につけ終わった。

 これで、服を整えたマーズのほかは、ソファに座る一郎に三人のあられもない姿の女が天幕の入り口に背を向けてしがみつき、その前でジャスランの首の紐を持つ半裸のエリカだけが立つという状態になった。

 そこに、天幕の外から傭兵隊長の声がした。

 

「入ってください」

 

 一郎はあわてふためくエリカを無視して、返事をした。

 

「ひっ」

 

 エリカが短い声をあげた。

 一方で、ジャスランについては、状況を理解していないのか、なんとなく呆けている。

 

「エリカ、マーズに主人の権限を移して紐を渡せ──」

 

 一郎はエリカに声をかけた。

 エリカが慌てて、“主人”譲渡の宣言をジャスランにするとともに、紐をマーズに渡す。

 

 また、天幕に入ってきた傭兵隊長は三人の部下を同行させていた。

 隊長を含めた四人の傭兵が、一郎の周りにいる裸同然の女たちに一瞬驚き、続いて相好を崩したのがわかった。

 

「ロ、ロウ様の意地悪──」

 

 エリカが叫んで一郎にしがみついて身体を隠す。

 一郎は笑ってしまった。

 

「隊長、明日の朝までジャスランを預けます。まだ百人ほど残っていると思うから、こいつを輪姦してくれ。怪我だけはさせないように……。封じてはあるけど、こいつは血を流せば、それに命を繋ぐ能力を持っているんだ。そして、殺すなら殺していいけど、ただし、その時点で輪姦は終わりです……。それと、俺の女たちに監督をさせるから、彼女たちがなにかを言えば、それに従うように」

 

 一郎は言った。

 傭兵隊長と部下は、最初は怪訝な表情になったが、すぐになにを言われたのか理解したらしく、手足のなくなったジャスランを見て、にやりと微笑んだ。

 

「ほう、これを明日の朝まで? 好きにしていいと? 本当ですか、英雄様?」

 

 英雄様というのは、一郎のことだ。

 傭兵隊と男爵隊を制圧したのはブルイネンたちだが、彼女たちがなにを言ったのかわからないが、すっかりと彼らが一郎たちに降参してから、なぜか彼らが一郎のことを“英雄様”と呼ぶようになっていたのだ。

 なんと呼ぼうと気にするつもりはないから放っているが、“英雄様”というのは、揶揄されているのか、そうでないのか、微妙な感じだ。

 

「思う存分、いたぶってくれ。手足だけでなく、前歯も抜いてある。すでに、隷属の首輪で、誰の言葉でも従うように命令しているので、逆らうことでもできないはずだ。身体も丈夫だから、百人を一晩中相手にするくらいじゃ息もとまらないと思うよ」

 

「ありがたき……。じゃあ、受け取ります」

 

 傭兵隊長が頭をさげた。

 やっとジャスランは、自分が彼らに引き渡されるということを理解したみたいだ。

 事前に予告さえもしていたと思ったが、認識はなかったのだろう。

 急に顔を蒼ざめさせた。

 

「ま、待ってくれ──。いや、待ってください──。こいつらに私を渡すなど……」

 

 ジャスランが抗議した。

 だが、顔を引きつらせながらも、腰は激しい痒みと疼きのために動きまくっている。

 なんだか滑稽で面白い。

 

「わんわんじゃないのか、ジャスラン」

 

 紐を持っていたマーズが力一杯に紐を引っ張って、ジャスランの股間に激痛を与えたのがわかった。

 

「ひぐうううっ、わんわん、わんわん」

 

 ジャスランが絶叫した。

 

「ほう、愉快な仕掛けですね、奥方。どうか、それを受け取らせてください」

 

 傭兵隊長がマーズに手を伸ばした。

 

「お、奥方?」

 

 マーズは紐を渡しつつも、“奥方”と呼ばれて驚くとともに、照れたのか、顔を真っ赤にしている。

 ブルイネンは、一郎や一郎の女たちについて、傭兵たちにどういう紹介をしたのだろうと思った。

 まあ、騒動が収まって王都に戻れば、三人娘にマーズにイット、さらにガドニエルに加えて、一郎の子を妊娠したイザベラたちとは結婚するつもりなので間違いではないが……。

 

 そして、傭兵たちとマーズがジャスランを連れて出ていく。

 エリカが顔をあげた。

 

「ひ、ひどいですよ、ロウ様──」

 

 まだ顔を真っ赤にしている。

 

「ははは、だけど可愛かったぞ。ほら、みんなの服だ」

 

 一郎は亜空間から女たちの服を出してやった。

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