【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふ、ふざけるなあ──、や、やめろおお」
ゼノビアは絶叫した。
だが、切迫している尿意に襲われている裸体のあちこちを檻の外から差し入れられる柄の先にある刷毛でくすぐられ、ゼノビアは完全に追い詰められていた。
いまや、ゼノビアをまさぐるくすぐりは、ヴィトー本人から、そのヴィトーに許可された五名ほどの男に変わっていた。
狭い鉄格子の中では逃げ場はないし、両手首をそれぞれに引き上げられて、脇を隠すこともできない。
右に身体をくねらせれば左から、左に避ければ右──。
前からも後ろからも襲いかかる刷毛の責めに、ゼノビアは必死になって逃げまどった。
「ははは、早く始めんか──。この後、面白い遊びが待っおるそうだ。
しばらくゼノビアをいたぶっていたヴィトーは、いまは檻の前であぐらを掻いて、部下の注ぐ酒をちびりちびりと飲みながら、ゼノビアの苦悶の姿を見物する態勢に変わっている。
「もういいだろう。檻はあげてやれ。こうなったら、魔道遣いでも逃げられないだろう」
移動術によって、直接にこの「お披露目会」の広間に設置した狭い鉄格子のかごに転送される罠に嵌められたゼノビアだが、確かに、自由だけでなく、魔道まで封じられてはどうしようもない。
また、このゼノビアの腹には、ブレイドから打たれた魔道封じの文様が刻まれている。それで安心しているのだろう。
ヴィトーの言葉を受けたブレイドが合図をすると、やっとゼノビアをくすぐっていた刷毛が一斉に引かれ、囲っていた鉄格子の檻がゆっくりと引きあげられていった。
上を見ると、鉄格子が天井の穴に消えていっている。
そういう仕掛けになっていたようだ。
しかし、腕をつり上げていた手錠と鎖はそのまま天井の別の金具に引っかかっていて、拘束はそのままだ。
そのとき、不意に右の足首になにかを感じた。
慌てて下を見ると、足首に縄がかかっていた。
「うわっ、やめろおお」
気がついたときには、ゼノビアの片脚に縄をかけた者たちは、ゼノビアの蹴りの範囲から離脱していた後だった。
そして、その縄尻が天井に作られている別の金具の輪に伸ばされ、この輪を通って、さらに縄尻が床側におとされる。
数名の男たちがそれを持って、引き下げにかかる。
当然に、足首にかかった縄が上昇して、ゼノビアの片足がゆっくりと持ちあがる。
「いやああ、やめえええ」
ゼノビアは絶叫した。
しかし、どうしようもない。
ゼノビアの片脚が大きく引き上げられて、片脚で床に立っている状態になってしまった。
もちろん、羞恥の場所は下から見上げる態勢のヴィトーたちにさらけ出す格好だ。
「ち、ちくしょう――。お、お前ら許さないからな」
「どう許さないんだ? さて、おい、そろそろ、限界だろう。厠を準備してやれ」
ヴィトーが笑いながら言った。
もしかしたら、厠に連れて行ってくれるのかと期待したのは一瞬だ。
すぐに、股間の真下に金属の桶が差し入れたれてきた。
この中にしろということだろう。
ゼノビアは鼻白んだ。
「さあ、厠も準備してやった。そろそろ始めろ。見たとおり、色々と準備してやっている。今日のお披露目会では、気の強い女冒険者の心を完全に折るために、そのブレイドが特別な趣向を準備しているとあってな。わしも愉しみにしておるのだ。そうだな、ブレイド?」
「もちろんです」
ブレイドが部下に頷く。
すると、広間に得体の知れない道具が運び込まれていく。
木の板でできた首と手首を固定するはり付け台──。
三角木馬──。
人間が数名入れるような透明の巨大な水槽──。
なんに使うのかわからないが、それらが全部ゼノビアたちへの責め具であることは確かだろう。
ゼノビアは自分の顔色が変わるのを感じた。
そのとき、ぱしりと人間の肌を叩く音と、女の泣き声がした。
目を向けると、シズだった。
シズは、少し離れた寝台で男たちからの輪姦を受けていて、シズの身体が見えないくらいになっていたが、なんとか隙間から、垣間見えた。
後手に縛られているシズは、うつ伏せで尻をあげさせられ、後ろから犯されているようだったが、どうやら前側にいる男から頬を叩かれたみたいだ。
「やめろお──。シズに乱暴するんじゃないよ──」
ゼノビアは怒鳴った。
ブレイドが「どうした」と声をかける。
「へ、へい、こいつが嫌がって口を開かねえんで、思わず……」
「商品を傷つけるな。口枷を嵌めさせろ。馬鹿が──」
恐縮する男をブレイドがしかめ面で叱った。
シズの口を閉じないようにする開口具が、シズに嵌めさせられる。
「い、いい加減に、シズを許してやってよ――」
ゼノビアは泣き叫んだ。
「言っておくが、シズはお前が奴隷の権限を俺に譲渡するまで輪姦を続ける。頭の線が切れて壊れる前に、俺に奴隷の譲渡を誓うのだな。譲渡すれば、シズは休ませてやる。ただし、お前については、どってにしても、このお披露目会を終わりまで務めてもらうぞ」
片脚を吊りあげられ、完全に自由を奪われているゼノビアにブレイドが近づいて言った。
ゼノビア歯をを喰いしばる。
相手を舐め、うっかりと詰めの甘いやり方でクルチザン組織に潜入しようとしたつけがこれだ。
うまく相手の懐に潜入できたと思ったが、全部が罠だったとは不覚だ。
しかし、シズには、ゼノビアを主人とする奴隷の刻みをすでにしているものの、それについてだけは、絶対に他人に渡すわけにはいかない。
すれば終わりなのだ。
ゼノビアは口をつぐんだ。
「まあいい。どうせ、お前も奴隷の誓いをする。そうすれば、隷属の力で譲渡させればいい」
ブレイドがゼノビアの顎を掴んでくいとあげた。
ゼノビアの首にもまた、奴隷の首輪が嵌まっている。
しかし、まだ有効にはなっておらず、現段階では「主人」はいない。
だが、装着したのはブレイドなので、ゼノビアの心が折れて、服従の心が一定量染まれば、それでブレイドを「主人」とする隷属の刻みができあがる。
そうなってしまえば、もう逃亡の手段はない。
また、ブレイドの言葉のとおりに、シズの譲渡もさせられてしまうだろう。
冗談じゃない──。
ゼノビアは唾をブレイドの顔に飛ばしてやった。
「お、おととい来な──」
「じゃじゃ馬だな」
ブレイドは怒る様子なく、懐からハンカチを取り出して唾を拭った。
「なかなかのものだな、ブレイド。心を折れさせることができるか? それとも、あれの骨でも一本ずつ折っていくか? 治療術を遣える魔道遣いもおるだろう。店に出す前に治せばいい」
すると、しゃがんでいるヴィトーがブレイドに声をかけた。
シズの骨を折っていく──?
ぞっとした。
「や、やめろおお。ご、拷問ならあたしにしな──。あたしがシズの主人なんだ──。あたしを堕とせば、シズはあんたらのものだろう──。だから、あたしを責めればいいだろうがあ」
叫んだ。
すると目の前のブレイドがにやりと笑った。
「もちろんだ。世の中には耐えられない屈辱もあるのだということを覚えておくとよい。特にお前のような気の強い女にはな。それよりも、しっかりと的を狙って垂れ流せよ。もしも、床を汚したら、シズに打っている媚薬を倍に追加する。あの女の心臓がとまっても知らんぞ」
ブレイドが離れた。
そのとき、股のあいだ金桶を軽く蹴って、少し前側に移動させた。
はっとした。
「ま、待って──。シズに媚薬を追加って──。それはやめてよ」
叫んだ。
ただでさえおかしいシズの状態だ。余程に強い媚薬を打たれたと言うのはゼノビアにもわかる。
それなのに、さらに媚薬を追加するだと──?
男たちに輪姦されて、狂ったように泣き吠えているシズの痴態に目をやってぞっとした。
「ならば、しっかりと狙え」
ブレイドが離れながら言い捨てる。
片脚立ちで尿意の苦痛に襲われているゼノビアの周りに、男たちが群がりなおす。
ゼノビアは恥辱と憤怒でかっと身体が熱くなるのがわかった。
いずれにしても、尿意はもう限界だった。
頭の芯まで苦悶で痺れそうだ。
だが、あんなに前におしっこを飛ばすなどできるわけがない。
「なかなか、小便をせんのう……。おい、もう一度くすぐってやれ」
ヴィトーが声をかけた。
一度、中断していたくすぐりが再開される。
一斉に柄が伸びて、再び、ゼノビアの裸体をくすぐり始める。
「ああ、いやあああ──。だ、だったら、せめて金桶を股の下に……。桶を下に戻しててえええ」
ゼノビアは叫んだ。
桶の外に小便を漏らせば、シズに媚薬を追加すると言われているのだ。せめて、それは阻止しないと──。
もっとも、この連中が約束を守る保障はないが……。
しかし、刷毛のひとつが無防備なゼノビアの股間を狙い、クリトリスを探して動き回ったとき、ついに限界が崩壊した。
耐えに耐えていた尿意はゼノビアの意思とは関係なく、堰を切ってしまった。
股間から尿が飛び出す。
「おう、やったな──」
ヴィトーが手を叩いた。
「ああ」
ゼノビアは恥辱に身体をのけぞらすようにしていた。
しゅっと音を立てるように激しく飛び出した尿は、勢いのいい放水となって排泄していっている。
周りが割れんばかりの嘲笑となった。
もちろん、前になど飛ばせず、ゼノビアの放尿は真下の床に向かって、あちこちに飛び散っていく。
男たちの哄笑と卑猥な揶揄の中で、ゼノビアはしばらくのあいだ呆然と放尿を続けた。
やがて、やっと放尿がとまる。
ゼノビアはがくりと身体を脱力させてしまった。
「やれやれ、容器にしろと命じたのに、ほとんどが床ではないか。どうしてくれるんだ?」
ブレイドがやってきて、ゼノビアの尻たぶをぴしゃりと叩いた。
あまりの屈辱に血が凍る気がした。
こいつは、ゼノビアを羞恥と屈辱の限界に追い込み、それで屈服の心をゼノビアの中に満たさせようとしているのだろう。
ゼノビアはなにも言えずに、ひたすらに歯を喰いしばるだけだった。
あまりに強く咬みすぎたのか、口の中で血の味がした。
「約束だ……。おい、シズを連れてこい──」
ブレイドが叫んだ。
はっとする。
しばらくすると、シズが両側から引きずられるように連れてこられる。
全身におびただしく精液をかけられた凄まじい姿だ。
だが、やっぱり、目つきと表情がおかしい。
輪姦の疲労もあるが、かなり媚薬で朦朧としているみたいだ。
この状態のシズに媚薬を足せば、本当に死んでしまうかもしれない。そうでなくとも、取り返しの付かない損傷を頭に……。
ゼノビアに恐怖が走る。
「シ、シズ──。この男たちに絶対服従──。けして逆らってはいけない。自殺も自傷も禁止──。いいわね──。シズ、命令よ──。この組織の男たちに絶対服従しなさい──。命令――」
ゼノビアは連れてこられたシズに向かって絶叫した。
そして、ブレイドを見る。
「こ、これでいいでしょう──。シズはこれで命令には逆らえないよ──。ただし、あたしが生きている限りね──。さあ、これで許して──」
ゼノビアは金切り声をあげた。
奴隷の譲渡とは異なり、ゼノビアを「主人」としたまま、ブレイドたちへの隷属を強要する命令するだが、これでも、シズが組織の隷属状態になるのは同じだ。
ゼノビアはブレイドを睨んだ。
すると、ブレイドが鼻で笑った。
「取り引きでも持ちかけようとでもいうのか? そんな立場でないということがわかっていらんようだな……。だが、いいだろう。だったら、シズの代わりにお前が薬を受けろ、それでシズは今日は休まてやる」
ブレイドの言葉にゼノビアは大きく頷いた。
「わ、わかった──。あたしが受ける。だから、シズを許して」
「いいだろう……。おい──」
ゼノビアの言葉に頷いたブレイドが部下たちに頷く。
あらかじめ指示をしていたのか、ブレイドの声がかかると、すぐに部下が三人ほどやってきた。
だが、彼らが持っているのは、なにかの薬液を入れたポンプ式の管のようなものだった。
まさか、あれは……。
ゼノビアは目を疑った。
「どうやら、これを知っているようだな。ならば話は早い。お前に打つのは媚薬ではなく浣腸だ。シズを助けたければ、お前が浣腸を受けることだ。さて、どっちでもいい。シズに媚薬を足すか……。それとも、浣腸を受けるか? どっちにする?」
ブレイドの言葉に、ヴィトーをはじめとした周りの男たちが一斉に大笑いした。