【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
この日、シズを買ったのは、カロリックの三人の貴族女たちだった。
実際に貴族と名乗ったわけではいが、三人の醸し出す雰囲気からそう判断した。
三人のうち、中心となる女は“ネット夫人”とほかのふたりから呼ばれていた人間族の五十女だ。
それに対して、ほかのふたりは、まだ三十くらいだろう。そのネットの取り巻きという感じだ。
もっとも、実際には、三人とも目の周りだけを覆うアイマスクをしていて、はっきりとしたことがわかるわけじゃない。年齢も顔半分だけからの推量である。
まあ、こいつらが何者だろうと、シズは興味ないが……。
「……ほほほ、面白いものですね、ネット夫人。獣人の折檻娼婦が空いていなかったのは残念ですけど、エルフ族の痴態も愉快ですわ。いつも気取っているのが疎ましかったけど、こうやって哀れに泣き声をあげるのは面白いです」
「本当に……。もうすっかりと、わたしたちに屈服しましたね。完全に大人しくなって……。今度はなにをさせましょうか」
ネット夫人という年増女へのご機嫌取りの口調で、取り巻き女たちふたりがネットに話しかける。
だが、シズはそれどころじゃなかった。
この三人の前に最初に挨拶をするや、すぐに四つん這いにされ、三人を順番に上に乗せて部屋の中を延々と歩かされたのだ。
そして、へとへとになったところを、宙吊りにされて、媚薬を塗った張形で徹底的にいたぶられ、さらに全身を鞭打たれた。
やっと宙吊りから解放されたら、今度は床舐めだ。
連中が面白がって床にぶちまけた食べ物や飲み物を舌で舐めとるのだ。
相手が男であれば、最終的には犯して終わるのだが、女が相手であれば、そうはいかない。こいつらは、いつまでもシズに屈辱を与えるだけの行為をやり続けた。
そして、たったいままで、床に四肢を拡げて拘束され、かなりの長いあいだ、筆や刷毛で責められ続けていた。
しかも、責めの時間が長いのに、達することができたことは一度もない。ぎりぎりのところを見計らって、必ず決まったように寸止めで中断するのだ。追い詰められるシズの反応が愉しいからだろう。
屈辱的で破廉恥なことをさせられ続け、シズももう、体力も気力も尽き果てている。
いまは、後手縛りに拘束され直して、床に転がされていることろである。
しかし、どんなことを命じられても、シズは逆らえない。
男衆からも、ここにシズを案内してきたローヌからも、客への絶対服従を命じられている。
一応の「主人」はゼノビアなのだが、そのゼノビアから、男衆への絶対服従を命じられている。
だから、男衆の言葉には逆らえないのだ。
男衆からは、シズの世話女のローヌの“命令”にも逆らうなと言われているので、客への服従については、二重の命令がシズに効いている状態というわけだ。
「今度は縄歩きはどうかしら。むかし、イットという獣人の童女奴隷にさせたことがあったんだけど、まあ、結構愉しめますわ」
ネットが言った。
縄歩きとはなんだと思ったが、おそらく碌でもないことではあるのだろう。
シズは、床の上に横たわって身体を休めながら、彼女たちの会話をぼんやりと聞いていた。
もう四日目になる。
いまだに、ゼノビアの居場所はわからない。
シズたちのクエストの目的だったテレーズ=ラポルタ女伯爵母娘については、すでに一層下の闇娼婦として捕らわれているということは確認していた。
だが、肝心のゼノビアの状況がわからないのでは、動きようもない。
シズとしては、本当はクエストなどどうでもよく、ゼノビアだけなのだ。ゼノビアを助け出す手段が見つからない限り、動くつもりはない。
しかし、そのゼノビアの行方は、杳として知れない。
シズは、どうしていいかわからず、途方に暮れかけていた。
ところで、シズたちと同じように、ラポルタ女伯爵を追って潜入していたらしい、ミリアという少女とは、昨日から会っていない。
あのときに、あの娘が口走ったことから察すると、あのミリアは、ターナという「主人」に命じられて、ケイトという闇娼婦になっている娘とともに、わざとここに捕らわれたみたいだ。
そして、ケイトという娘はここで客をとりながら、また、ミリアは世話女として働きながら、ラポルタ女伯爵を探していたみたいだ。
目的もやり方も、まったくシズたちと同じであり、もしかしたら、共同できるのではないかと思った。
だが、あのとき、“ターナ様”という名前を口走ったしまうことで蒼くなったミリアは、そのまま逃げ去ってしまったのだ。
しかし、シズは自由に動くことを禁止されているので、追いかけることはできなかった。ローヌが追いかけてくれたが、ミリアは、いまだに接触を拒んでいるという。
ローヌによれば、余程にターナという「主人」を怖がっているみたいだったということだった。
もやもやするが、いまのところ、それっきりだ。
「まあ、獣人奴隷を? ネット様がお飼いになられてたんですか?」
ひとりがちょっとだけ顔を歪めたのがわかった。
どうでもいいけど、この三人は、もともと獣人女を折檻できると耳にして、それでこの闇娼館を訪れたみたいだ。
獣人の折檻女というのは、シズ自身はまだ会ったことはないが、ローヌと一緒にこの娼館の奴隷狩りに捕らわれたというルカリナという女戦士のことだろう。
しかし、そのルカリナには先約があり、それでシズを購入したみたいだ。
目的のものがないなら、帰ればいいのに……。迷惑な話だ……。
「いえ、トルドイという贔屓の商人の奴隷だったんだけどね……。トルドイが死んでしまって、後継者が奴隷商人に売って処分されたのよ……。だから、手を回して買いとろうとしたんだけど、残念ながら、知らない隊商の男に先に買われてしまったらしくて……。まだ子供だったけど結構丈夫で、なによりも、いつもは取り澄ましているんだけど、折檻がつらいと、それが急に泣きべそをかいたり、口惜しそうな顔をして顔を歪めるの……。それがよかったわあ」
「まあ、だったら、わたしも情報を当たってみますわ。奴隷商人には、何人か伝手があるです。もしかしたら、また売りに出されているかもしれませんし」
「わたくしも、できる限り……」
取り巻きふたりが言った。
ネットがぽんと手を打つ。
「そうね。そのときは一緒に遊びましょう。獣人なら苛め殺しても構わないし。多分、もう十五歳か、十六歳くらいになっていると思うわ。もう童女じゃないわね。ガロイン族だっと思う。もっとも、爪を出すのは、隷属魔道で禁止していたみたいだけど……。そうそう、魔道が効かないって特徴もあったわ。わたしも探しているんだけど、見つからなくて」
「お任せください。それだけ情報があれば……」
「わたくしも頑張りますから」
「ありがとう」
三人がけらけらと笑った。
なんなのだろう
こいつら……。
シズは呆れた。
そして、しばらくすると、部屋に中央で壁と壁を繋ぐように金具を使って、太い縄をぴんと張られた。
ネットの指示である。
しかも、あちこちに縄瘤が作ってある。
それがシズの視界の中で作られた。
縄は真横に部屋を横切っていて、シズが跨げばつま先立ちでも、股間が喰い込む高さだ、
シズは嫌な予感がした。
「さあ、休憩は終わりよ。これを跨ぎなさい、ほほほ」
ネットの言葉に、シズは顔が引きつるのがわかった。
「も、もう、いいんじゃないですか……。か、勘弁してくれても……」
シズは無駄だと知っていても、思わず拒絶してしまった。
もう身体がくたくたなのだ。
「怯えてるのね。いい気味……。お前のようなエルフ女が怯えているのは気持ちがいいわあ」
取り巻き女のひとりが言った。
エルフ族ではなく、ハーフエルフなのだが、それを口にするのは禁止されている。もっとも、それを口にできたところで、こいつらの仕打ちが優しくなるとも思えないが……。
「いいから、跨がるのよ……。それと、特別に強烈な痒み油を縄瘤に塗ってあげるわ。お前が泣き叫ぶようにね」
ネットがさらに指示して、小瓶を出してふたりの取り巻きに渡し、シズに見せつけるようにさせてから、縄瘤のひとつひとつに丹念に塗らせていく、
「これ、とっても痒そうですねえ、ネット様」
「本当……。縄瘤に塗っていくだけで、わたしも痒くなりそうですわ」
ふたりが作業をしながら笑った。
「ええ、痒いわ。これはこの店のものじゃないのよ。屋敷で調合させた特別製……。さっき、口にした、イットという獣人童女にも塗ってあげたことがあるわ。あの小生意気なイットも、これだけはいつも号泣したわ」
ネットが笑った。
シズはぞっとした。
「……ほら、準備できたわよ。縄を跨ぎなさい……。命令よ」
ネットが言った。
“命令”と口にされたら、もう終わりだ。
逆らうことができないように、奴隷の首輪で呪術を刻まれているのだ。
シズの身体は勝手に起きあがり、縄を跨ぐために片脚をあげる。
両手には後手に縄をかけられており、身体が脱力していることもあったので、バランスを崩し掛けたが、そのまま縄に跨がってしまった。
「あっ、くっ、ううっ」
淫靡な刺激が襲いかかる。
これまでの嗜虐で、かなり股間が熱くなっていた。
使われてきた媚薬の影響も残っている。
異様で巨大な疼きが襲い、シズは慌ててつま先立ちになった。
それでも、縄が股間に喰い込み、思わず顔をしかめてしまう。
「もう気分を出しているの、エルフ? 乳首も勃てちゃって……」
取り巻きの女のひとりがシズの胸を狙って手を伸ばし、愛撫をしてきた。
もうひとりは、わざと縄を前後に動かして、シズの股間に喰い込んでいる縄の刺激を強くする。
「あっ、や、やめてええっ」
シズは悲鳴をあげた。
「そのままいたぶるのも愉快だけど、せっかくですからこの雌を歩かせましょう、皆さん」
すると、ネットが声を掛けてきた。
ふたりが笑いながら手を引く。
「そうですね。歩かせながらも、悪戯はできますしね」
「そうですわ、ネット夫人――。縄の向こうに辿り着くのが遅かったら、浣腸をするというのはどうでしょうか。そうすれば、このエルフも縄歩きに励むかと」
「まあ、それは面白そうね。ちょうど、そこに砂時計があるわ……。“命令”で歩かせようと思ったけど、そっちの方が愉快ね」
ネットがけらけらと笑った。
そして、シズに向き合う。
「じゃあ、わかったわね、エルフ。この砂時計が落ちきる前に、向こうの壁に行くのよ。間に合わなければ、尻に浣腸をするわ。すると、二回目は浣腸を受けて、縄歩きをしなければならなくなるけど、それがいやなら、頑張って歩きなさい」
シズは自分の顔が蒼くなるのがわかった。
だが、やるかない。
覚悟を決める。
「ほら、はじめ」
取り巻き女のひとりがテーブルの砂時計をひっくり返す。砂時計はシズの視界に入るように置かれている。砂が落ち出す。
部屋の隅から隅に行くだけなのだ。なにもなければ一瞬で辿り着く。だが、いまのシズには遙かな先に思える。
「くっ、あっ、ああっ」
後ろ手に縛られた上体を屈めながらゆっくりと前に進む。
ざらざらとした縄の表面がシズの股間を抉る。
気持ち悪さに、シズは身体を震わせてしまった。
「そろそろ、最初の瘤ね」
ネットたちが両側から、シズの苦悶に眼を細めて見入っている。
それでも進まなければ……。
シズは頑張って、つま先立ちで歩き続ける。
やがて、最初の縄瘤にさしかかった。
ついに、縄瘤が股間に完全に当たる。
「くうっ」
シズは身体を固くして立ちどまってしまった。
結び目がぐりぐりとクリトリスを抉るのだ。
とても、前に進めない。
「そんなに浣腸を受けたいの? それとも、もう浣腸する? そうすれば、気合いも入るんじゃない」
「それはいいですわ、ネット様。そのときは、時間までに辿り着いたら、お不浄をさせることにしましょう」
「面白わねえ、それ」
女たちが笑い続ける。
シズは顔が引きつるのがわかった。
「あ、歩くうう──。歩くからああ」
声をあげた。
気持ち悪さに耐えて、さらに進む。
それで気がついたが、すでに砂時計は半分だ。
それなのに、まだ最初の縄瘤……。
しかし、縄瘤は全部で十個以上もある。
歩みを速める。
痒み油をねっとりと塗られている縄瘤が股間に喰い込み……、抉り……、秘所に潜り込む……。そして、後ろに向かう。
「ひいっ、ひいいいい」
声が流れた。
精一杯につま先立ちをするが、これまでのいたぶりで完全に敏感になっているシズの局部を縄瘤がいやらしく刺激する。
「ああっ、許してえっ」
思わず泣き声をあげた。
「もう砂は半分ね。そろそろ、浣腸の準備をしてくれる。少しでいいわ。ちょっとずつ注入して、我慢させるから」
ネット夫人が声を掛けた。
取り巻き女たちが部屋の隅に向かう。
この部屋には、女をいたぶるためのあらゆる器具や道具、材料が揃えてある。浣腸の液剤や道具もそのひとつだ。
シズはさらに足を進めた。
ぼやぼやはできない。
こいつらは、本当に浣腸をして縄歩きをさせるだろう。
そんなのは嫌だ──。
「うう、ああ、あっ、あっ、あああっ」
だが、速度を速めれば、いやでも股間を抉る刺激が強くなる。
やっと半分……。
砂は残り三分の一……。
だが、新しい苦痛が襲ってきた。
結び目に塗られていた痒み油の効き目が効果を表したのだ。
疼痛にも似た強烈な痒みが襲いかかってきた。
「うく、くうっ」
太腿が痙攣するのがわかった。
「痒み油が効いてきたわね。いい気持ちなの、エルフ?」
ネットが笑いながら、シズの乳房を指でいたぶりだす。
シズは悲鳴をあげた。
「ああ。痒いいい。もう痒いいいい」
シズは泣き声をあげ続けた。
それでも進む。
縄瘤に当たる。
そこでよがり声をあげてしまう。
なんとか耐えて進んでも、すぐに次の縄瘤がやってくる。
シズはつま先立ちの身体を踏ん張りながら、懸命に前を進んだ。
だが、結局のところ、かなりの距離が残ったところで、砂時計の砂は落ちきってしまった。
ネットと取り巻きが大喜びをする。
「じゃあ、浣腸をするわ。一切の抵抗をしないこと。いいわね。命令よ」
身体を“命令”でとめられる。
一度縄が床に落とされた。
取り巻きたちがやってきて、シズのアナルに浣腸器の先端を挿して、液剤を注入していく。
ぐるぐると気持ち悪い音が下腹部で鳴り出す。
「ああ……」
浣腸器が抜かれたときには、すでに便意が襲っていた。
しかし、容赦なく縄が再び張られてから、再び“命令”で跨がらされて、股間に縄を喰い込まされた。身体は再び、元の場所に戻されている。
「さあ、やり直しよ。ところで、あんたが進んだ縄瘤って、随分と光っているわね」
「これは、痒み油ではありませんよ、ネット様。多分、女の汁……」
「やっぱり、エルフ女というのは淫乱ね──。では進みなさい。今度も砂時計が落ちるまでに向こうに辿りつくこと──。できなければ、何度でもやり直しよ。成功するまで終わらせないし、失敗するたびに浣腸液を足すわ」
ネットが言った。
泣き声が喉から噴きあがった。