【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「きゃあああ」
ラポルタ女伯爵が激怒したターナーに頬を引っ叩かれた。
すさまじい平手に、女伯爵は脚を開いて後ろの床にひっくり返る感じになる。
身につけているのは、シズと同じような、農作業をしやすい膝上丈の農婦用の装束だったので、股を開いて倒れたとき、スカートがまくれあがって白い腿が露わになった。
「お母様」
娘の令嬢が女伯爵に抱きつく。
とにかく、ターナーは大変な剣幕だ。
まあ、苦労して娼館から助け出したのに、娼館に戻りたいなどと繰り返し泣かれれば、腹も立つのはわかる気もするが……。
それはともかくとして、シズは女伯爵の様子が不自然なことにも気がついた。
小刻みに身体を震わせて息遣いも荒い。
よく見ると、まるで風邪でもひいたように顔も赤い。
叩かれたためというのではなさそうだ。
「どうかしたのかい?」
ターナーも気がついたみたいだ。
我に返ったように、心配そうな雰囲気になる。
「す、少し前から発作が……」
令嬢が女伯爵を抱きかかえながら言った。
女伯爵は令嬢の腕の中で、苦しそうに両手で股間を押さえている。まるで自慰でもするような感じだ。
なんだろう、あれ……?
「発作って?」
ゼノビアだ。
やはり、首を傾げている。
「あっ、まさか──」
だが、ターナーはなにかに気がついたみたいだ。
女伯爵に飛びかかる。
そして、令嬢を払いのけて、女伯爵のスカートに手を掛けた。腰の横の留め具を外して、スカートを脱がしてしまう。
女伯爵は抵抗しなかった。
苦しそうに赤い顔をして悶えるだけだ。
「これは──」
ターナーが絶句した。
シズたちもそうだが、女伯爵が身につけている農婦風の服はターナーから与えてもらったもので、下着のたぐいはなかった。
だから、当然にスカートを脱がしてしまえば、その下は剥き出しの下半身だ。
そして、シズも驚いた。
女伯爵の下腹部が露わになると、そこには無毛になっている股間の亀裂の上側に、小さいが真っ赤ななにかの紋様が浮かびあがっていたのだ。
その紋様は、まるで生き物のように、淡い赤光を放っている。
「淫紋かい」
ターナーが声をあげた。
「淫紋?」
シズは呆気にとられた。
淫紋というのは、耳にしたことはあるが、接するのは初めてだ。
つまりは、定期的に淫情の発作を起こす呪術の紋だ。一度発作を起こすと、男の精を受けないと発作は収まらないとも耳にしたことがある。
そうやって、娼婦を逃げられないようにするのだ。
どうやら、女伯爵はあの闇娼館で淫紋を刻まれていたみたいだ。
「ちっ、こりゃあ、あたしとしたことが見落としていたよ。だけど、大丈夫だよ。あたしには無理だけど、ちゃんとした解呪ができる者に看てもらえば、淫紋は外せるはずだ。任しときな。ビビアンに解呪屋を探させるから」
ターナーが焦ったように言った。
「ビビアン?」
シズは声を挟んだ。
「ああ、さっきのセイレーンのことさ。本名はビビアンって言って、マア商会に属するの女商人というのは仮の姿なのさ。実はタリオの間者だよ……。とはいっても、間者が仮の姿なのか、マアの部下になっているのが仮の姿なのかは知らないけどね……。とにかく、ロウ殿の名を出せば、あんたらの味方になる。心配ない」
聞き捨てならないことをターナーが言ったと思った。
頼れと言われたセイレーンという女商人は、実はタリオの間者?
どういうこと?
「お母様、お楽にします……。手を後ろにして……。お母様は縛られているの……。ほら、男の人に辱められるのよ。股を開いて……。命令よ。さあ、従いなさい」
そのとき、令嬢が呼吸を荒くしている女伯爵に声を掛けた。
すると、女伯爵は急にほっとしたような表情になり、身体を横たえて立て膝になり、大きく股を開いた。
淫紋の発作に襲われている股間は、すでに真っ赤に充血していて、どろどろに蜜を噴き出していた。
また、クリトリスが大きい。
子供の親指の先ほどもあるだろうか。
それが触りもしないのにぴくぴくと動いている。
これも淫紋の影響か?
「ああ、お母様、わたしでは足りないでしょうけど我慢してください……。お母様が気絶するまで、いつまでも舐めますから」
令嬢がうずくまり、女伯爵の股間に顔を埋めて、舌で女伯爵の股間を舐め始めた。
「ああっ、ひいいっ」
女伯爵が股間を突きあげるようにして悶える。
令嬢は腰を激しく動かし始める女伯爵の腰を抱えるようにして、懸命に舌を動かす。
呆気にとられて見ていたら、しばらくして、女伯爵は痙攣のように身体を震わせだした。
「あああっ、いぐううう」
そして、絶頂した。
身体が弓なりになり、しばらく全身を突っ張らせていたが、がくりと脱力する。
しかし、すぐに身体を抱えるように丸くして震えだした。
「あ、ありがとう、マリー……」
女伯爵が自分の身体を抱えながら弱々しく言った。やっと少しは正気になった感じだ。
まだ、横になったままである。
マリーというのは、令嬢の名前だ。
「だ、大丈夫……ではなさそうだね……」
ターナーも心配そうに言った。
「女の絶頂をすれば、少しは収まります。自慰はだめなんです。自慰ではまったく感じなくて……。他人がしないとだめなんです。でも、結局は男の精を受けないと発作はなくなりません」
「そうやって、男なしでいられない身体にするということかい」
ターナーが舌打ちする。
「発作は、いつ、どの感覚でやってくるかわからないし……。男の人がそばにいなければ、これを繰り返して苦しむしかありません……。気絶してしまえば、目が覚めたときには、なくなりはしますけど……。快感で気絶するのも簡単ではありません」
令嬢のマリーが言った。
マリーがいまだに淫情の発作に震える女伯爵を膝の上に抱きかかえ直した。
「もしかして、お前にも淫紋が?」
ターナーがマリーに訊ねた。
「あります。淫紋の発作は自分の愛撫では収まることはありませんので、お母様と同じ檻に裸で入れられて、淫紋の発作を起こした身体をお互いに慰め合うことを強要されました。それが最初の調教です」
マリーがなにもかも諦めたような息を吐いた。
そのあいだも、女伯爵の苦しそうな息遣いは続いている。
「こ、こんな身体では……。お、お願いでございます、ターナー様。どうか、わたくしを娼館に戻してください。でも、マリーが望むなら、マリーだけは、どうか王国に戻って幸せな結婚を……」
「いいえ、お母様、わたしだって同じよ。もう戻れない。戻りたくない。こうやって自由になっても、日の光がまぶしいだけだし、あの娼館が懐かしいわ」
「ああ、マリー……。ま、また苦しい」
「わかった……。だけど、お母様、わたしの発作のときはお願いね。また焦らして苦しめちゃいやよ」
「ふふふ……。どうしようかしら……。あなたの悶える顔も可愛いし……。また、意地悪しちゃうかも」
女伯爵がくすくすと笑った。
なんだ、これ?
シズは唖然とした。
「ま、待ちな──。話はまだだ。とにかく、あんたらがこんなになったのは、あたしのせいだし、あたしだって、隷属で悪事を強要されてたんだと言い訳はしない。淫紋は絶対に解呪する。あんたの顔で悪事の限りも尽くしたんで、こんなものも用意している。これで顔と姿を変えて生きるといい。新しい身分も立場も、金だって、あたしが責任をもって準備する」
ターナーが懐からなにかを取り出した。
指輪だ。
魔道具のように思える。
「もしかして、変身のリングかい?」
ゼノビアが言った。
変身のリング──?
全く別人の姿になれるという?
だが、これもまた大変に高額の魔道具のはずだ。しかし、そういえば、ゼノビアもそれで調教師男になりすまして活動もしていたから、手に入れることができないということはないのだろう。
「ふたつある。これで新しい人生を送れる」
ターナーが言った。
だが、マリーに抱えられている女伯爵が泣くような顔になった。
「あ、あなたには、もうなにも思っていません。もしも、償いのようなことを考えているなら、それは必要ないのです……。わたくしは、わたくしの意思であそこに戻りたい。正直にいうと、男の人が恋しいの。犯して欲しい──。鞭打って欲しい──。そうすれば、なにもかも吹っ飛んで忘れて、幸せな気持ちになれて……」
「ああ、お母様、わたしも同じ……。わたしが我が儘で悪い娘だっから、こんなことになって、お母様を巻き込んで……。でも、わたしも同じよ……。わたしも知らなかったわ。わたしの中にあんな魔性の血があるなんて……、ふふふ」
またもや、ふたりがお互いだけの世界に入ったみたいになった。
しかし、ふたりが心の底から娼館からの逃亡を望んでいないというのは、なんとなくわかってきた。
無理矢理に助け出されたのは、ふたりにとって不本意なことだったのだ。
あんな場所だが、ふたりにとっては幸せを感じる「家」になりかけていたのかもしれない。
「ああ、わかったよ──。そんなに言うなら、ハロンドールに連れ帰るのはやめる。お望み通りに娼館に叩き込んでやる。だけど、あそこはだめだ。もっとちゃんとした高級娼館に売る。あんたらは本物の貴族だから気品も備わっている。そして、それなりの美貌だ。しかも淫乱となれば、客はいくらでもつく。それで手を打ちな」
ターナーが諦めたように言った。
「お、男の人には酷い目に遭わされたいのです。鞭打たれたり、叩かれたり、罵られたり……」
女伯爵がうっとりとした声で言った。
「お望みのところを探してやるよ」
ターナーが嘆息する。
「ちょ、ちょっと待っておくれよ。そんなのないさ──。彼女たちを連れ帰らないと、あたしたちのクエストが──」
そのとき、ゼノビアが大きな声をあげた。
確かにそうだ。
「そっちは諦めな、ゼノビア。もともと、あたしが助けたんだ。あんたらは潜入に失敗して捕まっていただけじゃないかい──。とにかく、こいつらの売り先はしっかりと伝える。それで泣いときな」
「そんなあ……。あれだけやって、ただ働きかい──。しかも、指名クエストだから失敗の罰金も……。冒険者登録の首飾りまでなくして……」
ゼノビアががっかりした声を出す。
すると、ターナーが笑った。
「こいつらからふんだくりなよ。落ちぶれたとはいっても、大公様だ。その護衛クエストともなれば、いくらでも支払うさ。なあ?」
ターナーがローヌとルカリナを見る。
「よろしくお願いします」
ずっと黙って見守っていたローヌが横の獣人戦士とともに頭をさげた。
「そうとなったら、このターナー様が面倒みてやるさ。ケイト、ミリア、責め具を持ってきな。この女伯爵を気絶するほどに犯してやる。男の精は無理だけど、男と同じように犯せる腰につけるディルドもある。発作が消えるまで面倒みるよ。食事は抱き合いながらだ」
ターナーが立ちあがった。
そして、服を脱ぎ始めた。
シズは唖然とした。
「えっ、いまから……なの?」
シズは言った。
「発作だしね。仕方ないだろう。それとも、あんたらも混じるかい?」
ターナーが仮面の奥で笑った感じになった。
「わ、わかりました。一式持ってきます……。さあ、ケイト」
「あっ、はい、ミリア様」
いつの間にか部屋の隅で座っていたふたりが立ちあがる。
そのとき、ふたりが同時にがくんと膝を折った。
「あんっ」
「いやっ」
ふたりとも上体を前に折った感じになり、股間を押さえている。
おそらく、股間に装着されているディルドを魔道で振動させられたのだろう。
「お前たちふたりも調教するからね。覚悟しな……」
ふたりが股間を押さえたまま部屋を出て行く。
しかし、ふたりとも、なんとなく嬉そうな表情をしていたような……。
「さて、あんたらはどうする? これから、女伯爵様とご令嬢様のご調教だ。参加したければ、一緒にいてもいいけどね」
そして、ターナーがまずはローヌたちを見た。
すると、ローヌが慌てたように首を振ったのがわかった。
「い、いえ、わたしたちは別室で休ませてもらおうと……。さあ、ルカリナ」
ローヌが必死の様子で拒否した。
ターナーが笑い声をあげる。
「厨房に食事の支度をしているはずさ。勝手にやっておくれ」
そして、部屋を出て行くふたりに声をかけた。
「あんたらは?」
今度はシズとゼノビアに声を掛けてきた。
「いや、あたしらも別室に行くよ。ただ、ちょっとばかり、こっちも声が大きいかもしれないけどね……。薄い壁の廃屋だ。気にしないでくれよ。お互いに無干渉といこう」
ゼノビアがシズの手首をがっしりと掴んで背中側に捻った。
しかも、いつの間に持っていたのか縄束を出して、シズを後ろ手に縛り始める。
「ちょ、ちょっと、お姉様──」
されるがままにしながら、シズは困惑して抗議した。
そのあいだにも、背中に回させられた両腕に縄がかかっていく。さらに縄が胴体にくくりつけられ、服の上から乳房の前後に縄が食い込んだ。
「くっ」
シズは息を漏らした。
「黙りな、シズ。さんざんっぱら、男に犯されたんだろう? 全部、上書きしてあげるよ。そして、あたしにも上書きしておくれ。今夜はあたしたちも、気絶するまで愛し合おうよ。そんな気分さ」
「お姉様……」
あっという間に上体を縛られて縄尻を取られて立ちあがらされる。
まあいいか。
これから、大好きなゼノビアにまた抱いてもらえるのだ。確かにそんな気持ちではある。
シズはうっとりと、ゼノビアの胸にしだれかかった。
*
次はマクリーヌ兄弟への復讐回の予定です。