【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふくううっ」
お尻側にいるテータスが、ピカロの濡れた入り口から、粘膜を押し拡げながら、怒張を一気に突き進んでくる。
ピカロは身体を小刻みにわななかせて背中を反らせた。
監禁されている牢獄で始まったテータスという顔の崩れた男との性愛だ。
何度も体位を変えながら、もうかなりの時間を続けており、いまはテータスを後ろから受け入れる「後背位」の体勢だ。
すなわち、ピカロは、後手の拘束のまま両膝を立てて頭を床につけた高尻の姿勢でテータスを受け入れている。
もう、すでにテータスは五回もピカロに精を放っており、いまは六回目になる。
人間族の男としては、かなりの絶倫の方だと思うが、まだまだ衰える気配はない。
「ああっ、また、いくうっ、いくよおお」
ピカロは、再び絶頂に達しかけていた。
サキュバスとして、どんなタイプの女にもなれるのだが、いまは性愛に無垢であるが、身体は敏感な女という風の設定にしている。
最初の二回目くらいまでは、テータスが明らかに性に不慣れであったので、こっちが性に熟達している女になって主導権を発揮し、テータスとの相手をしていた。だが、三回目からは、慣れてきたのか巧みな責めもするようになったし、激情に近い積極性でピカロをなぶろうと変化するのがわかった。
だから、それに見合うように、こっちも受け身に変えたのだ。
熟練したサキュバスというのは、単に性技巧を発揮して、男から精をむさぼるだけではない。それは、むしろ下級淫魔だ。
上級淫魔になればなるほど、相手の好みの女になって、男の相手をすることができる。
演技するのではなく、本当にそうなるのだ。
身体だけじゃなく、性愛の最中においては、心から相手を愛する。
それは「偽物」の愛ではない。
交合のあいだだけとはいえ、本気で相手を愛する。
それが本物のサキュバスだ。
愛のある性交であればあるほど、濃い淫気が発生する。
だから、いまはピカロは、テータスがもっとも好むであろう女に、心の底からなりきっている。
「お、俺もだ……」
テータスが後ろから律動しながら、片手を乳房を揉みあげてきた。
「あはああっ」
すでに何度も絶頂しており、全身はあり得ないほどに快感が昂ぶっている。
いまこの瞬間のピカロは、テータスの愛を全身で受けとめる「恋人」なのだ
ピカロはがくがくと身体を震わせた。
大きな絶頂感が高揚するのがわかる。
それに応じるように、テータスは股間を貫く怒張の速度を早め、乳首を捻り、残っている手でピカロのクリトリスを弾くように刺激してきた。
「あううっ、あつううっ」
ピカロは一気に快感を飛翔させた。
この男はただの一度のセックスで、どんどんと性技がうまくなる。
おそらく、ピカロを責めながら、その反応のひとつひとつを的確に観察して、どんな風にすれば女を追い詰めることができるのかを見極めているのだと思う。
身体を三種類の快感が絡み合って襲いかかる。
欲情しきったピカロに、またもやオルガニズムが襲ってきた。
「いぐうう」
ピカロは絶頂した。
それとともに、テータスがピカロの子宮に六度目の熱い精を迸らせるのを感じた。
*
性交の余韻の気だるさに包まれながら、ピカロはうつ伏せに横たわっていた。
テータスが、そのピカロの背中側の両手を水平にして後手に拘束している鉄枷に、改めて天井から伸びている鎖を繋いだ。
「へ、へへ……。き、気持ちよかったよ……。あ、あんた、すごいね……。だけど、また拘束するの? ぼくは、もうあんたの恋人のつもりだけどね……」
ピカロは首を動かして、テータスを見あげる。
いつの間にか、テータスはズボンをはき直しており、顔の半分に仮面を付け直していた。
「鎖は緩めておいてやる。お前については、しばらく自由にしていい」
テータスが静かに言った。
どうやら、牢の外に出て行く気配だ。
「自由って言ったってねえ……。ね、ねえ、もう終わり? もっと愛し合おうよ。今度は、チャルタも混ぜてやるってのはどうさ?」
ピカロは横で天井から立ち位で吊され、激しく暴れているチャルタをちらりと見た。
貞操帯が喰い込んでいる裸体からはおびただしい汗が垂れ落ちていて、チャルタが尋常な状態でないというのは明らかだ。
余程に強力な媚薬を投与されたのだろう。
サキュバスといえども、女には変わらない。
媚薬で興奮させられたまま放置されるのが地獄の苦しみであることは、人族の女と同じである。
チャルタは、かなりの苦悶の状態であるのだろう。
消音機能のある魔石入りの魔道具であるボールギャグをしているので静かなものだが、真っ赤な顔で号泣していて、その苦痛の激しさがその姿からも物語っている。
「何人もの女を抱きたいとは思わない。生涯にひとりでいい。俺を愛すると口にしてくれる女が生涯でただひとりいればいいんだ。それは手に入った……。ほかには、なにもいらない……」
テータスは言った。
ピカロは横たわったまま、軽く首をすくめた。
生涯にひとりの相手しか愛さないという決め事にしている人族は一定数いることは知っている。
男でも女でもだ。
ピカロには理解しようもないが、そういえば、ロウの女たちは、もうロウしか相手をしないと決めているようだし、そう決めたのなら、ピカロはそれにとやかく言うつもりはない。
チャルタを抱いてくれれば、彼女も解放されるかと思ったんだが、テータスにその気がないというのなら仕方ない。
チャルタが、足をばんばんと床を踏みならして、ピカロになにかを訴えてようとしているようだが、ピカロは無視して顔を反対側に向けた。
思ったよりも、テータスは絶倫で、ここまでピカロを愉しませてくれるとは思わなかった。
淫気もたくさん喰らって満腹だし、ちょっと自由にしていいと言ったので、ひと眠りしようとも思ったのだ。
そのとき、一度牢の隅に向かったテータスが戻ってきたので、顔を向けた。
テータスは、革の貞操帯を持っていた。内側に二本のディルドがついているものであり、チャルタが嵌められているのと同じようなものだが、股間に喰い込む部分はずっと細くなっている。
「これをしてもらう。俺の恋人になるのだから、ほかの男との性交はさせない。貞操帯の隅に、特殊な金属線が入っている。魔道も跳ね返すし、どんな刃でも切断できない……。俺にしか外せない。お前はもう俺のものだ」
「えっ、ほかの男と性交できないの──?」
抵抗するつもりはなかったから、自分で立ちあがって股を開き、貞操帯を受け入れる体勢になったが、ほかの男との性交禁止というのは困る。
こいつが望むなら、恋人になってもいいと思ったのは本当だが、ピカロにとって、それは承知できない。
「ね、ねえ、それは無理だよ。ぼくはサキュバスだからね。性交は食事と同じだよ。同じ淫魔でも魔妖精たちは、他人の性愛を見るだけで腹が膨れるけど、ぼくたちのようなサキュバスは、自分でしないと淫気を集められないんだ」
ピカロは説明した。
そのあいだに、テータスは二本のディルドを股間とアナルに挿入して、貞操帯を嵌めてしまった。
後ろ側で金属音がして、ぎゅっと貞操帯が股間に喰い込むのを感じた。
股を見下ろすと、確かに、股間の帯の部分の両脇になにかの金属線が差し込んでいる極細の溝があり、そこに金属線が入っている。
「一日に五回精を注ぐ。毎日だ。だから、俺のものになれ。いや、そうする。お前が嫌がろうともな……。それに、せいぜい、俺の寿命は残り十年もないだろう。この身体の刻んでいる魔道返しの紋様の呪術が俺の生命力を奪い続けるからな。そうすれば解放する。十年だ──。俺が死ねば解放する。頼む──」
テータスが言った。
「ええええ?」
ピカロは困ってしまった。
この男は結構絶倫だったし、愛が深いのか、かなりの濃い淫気だった。もしも、本当に十年間、毎日、さっきと同じ量の淫気をくれるなら、それについての不満はないが、サキやロウがそれを許すだろうか……?
「ちょっと、回答できないよ。いろいろと相談もしないといけないし。うーん」
ピカロは床に腰を下ろしながら、どうしようかと首を捻った。
腰をおろすとき、ずんと股間とアナルにディルドが喰い込み、むずむずと新しい疼きをピカロに呼び覚ました。
「相談はしていい……。だが、お前はもう俺のものだ。俺の顔を見ても、嫌悪も恐怖も感じないのだろう? そんな女がこの世にまだいるとは思わなかった。絶対に離さん」
「そうは言ってもねえ。ぼく、怒られちゃうよ」
ピカロはそれだけを言った。
すると、テータスがチャルタの前に行き、ボールギャグと貞操帯に手をかざした。
すると、次の瞬間、ぱんと音がして、チャルタから両方が外れて、床に落下した。
「いひいいいいっ、お、おれも犯じでよおおお──。舐めるうう──。あんたの顔を舐めるうう。おれもいくらでも奉仕するよおおおお」
たちまちに、チャルタの絶叫が牢内に響きわたる。
ずっと貞操帯を嵌めたままにして放置して、チャルタの頭を毀すとか言っていたけど、それはやめたのだろうか?
「話し合いならしていい。だが、俺との約束を破るというなら、今度は容赦しない」
話し合い?
もしかしたら、話し合いの相手がチャルタだと思った?
しかし、ピカロが気にしているのは、サキであり、ロウだ。
よくはわからないけど、サキはピカロたちを裏切って、ここの人間族に、ピカロたちを売り渡したという話だ。
だったら、もう裏切りもなにもないかもしれないけど、サキはロウの愛人なので、ピカロがテータスの本当の専属の恋人になると口にしたら、首をねじ切られる気がする。
それは怖い。
また、ロウから与えられる淫気と快感は桁違いだし、あれがもらえなくなるのはどう考えても惜しい。
しかし、テータスに恋人になるって言ったしなあ……。
そんなことを考えているうちに、テータスがそのまま牢を出て行った。
扉の外でがちゃんと鍵の閉まる音がした。
「ああああ、あほおおおおっ、なんとかしてえええ。あほピカロおおお」
ふたりきりになるとチャルタが絶叫した。
「あ、あほってなんだよ──。ちょっと困ってるんだよ。話は聞いていたよね。どうしたらいいと思う? あいつの恋人になるって約束したんだけど、恋人っていうのは、どうやら、あいつしか性交しないことみたいなんだよ。そんなの無理だよねえ?」
「いいから、助けてよおお──。舐めてええ──。股を舐めてえええ」
チャルタが泣きながら絶叫した。
ピカロは首を一度すくめてから、おもむろにチャルタの大股開きの股間に、顔を埋めさせた。
*
テータスは、一度地下牢の外まで行き、寝具と机と椅子をピカロたちを監禁している牢から離れている牢に運ばせる手配をした。
一日に五回──。
それだけの精を毎日、ピカロに与える。
その代わり、もうピカロは離さない。
これについては、ピカロの意思は関係ない。誰がなんと言おうとそうする。
テータスは決めていた。
もしも、それを阻害するのがロウ=ボルグになるのであれば、テータスはロウを殺す。
あるいは、辺境候クレオンやレオナルドがやっぱりピカロを処刑すると決め、テータスから奪おうとするとなれば、そのふたりも殺す。
テータスは、それについて、なんの躊躇いの気持ちも浮かばなかった。
いずれにしても、レオナルドに命じられたロウの暗殺の任務は、テータスにとって、大いに意味のある行為に変化していた。
レオナルドに調査を命じられたときから、ロウ=ボルグという人物について、精緻な調査を続けている。
レオナルドに提供したのは、集めた情報の十分の一にも足りないが、テータスはこれまでの調査から、ロウという人物を暗殺するのは容易なことじゃないことと認識している。
レオナルドがロウを軽視し、簡単に始末できると思っている気配があるが、もしも、ロウに牙を向ければ、引き裂かれるのはレオナルドやテータスの方だ。
いままで、ロウに手を出して、生き残った者はいない。
例えば、あのキシダイン卿──。
辺境までは正しい情報は入ってきておらず、王家が隠しているから公然とはされていないが、キシダイン失脚の原因となったあのダドリー峡谷で二百人以上のキシダインの私兵を全滅させたのは、おそらくロウたちだ。
しかも、それを数名の人数だけでやったらしいのだ。
それだけの実力があるということだ。
ましてや、今回は、さらにエルフ族の精鋭の女兵隊と一緒に来るのだ。
これに守られているロウに手が出せるわけなどない……。
それに、これまでに集めたロウについての情報を整理すると、もしかしたら、ロウはなんらかの「鑑定術」のようなものを扱えるのではないだろうかと考えが浮かんだ。
ロウ自体は、魔道遣いではないとされているが、目の前の相手の正体や隠している武器を見破る能力がロウにあるとしないと、説明のできない事象がいくつかある。
ロウはそれを隠しているのではないだろうか……。
それがテータスが想像していることだ。
いずれにしても、ロウに手を出すのは、極めて難しいということには変わらない。
だが、やる──。
そうでなければ、ピカロは手に入らない。
レオナルドに命じられたからではない──。
あのピカロがロウの女であろうというのは確かだ。
ならば、ピカロはともかく、ロウはピカロをテータスに譲ることを承知しないと思う。
これもまた、これまでの調査で、ロウが自分の女に大変に執着することがわかっている。
あれだけ、たくさんの女がいるくせに、自分の女が他者に向かうことを異常に嫌うのだ。
だから、ロウを処分する──。
そうでなければ、ピカロの心が手に入らないのであれば、そうする──。
問題はどうやって、ロウに武器を持って近づくかだ。
ピカロとチャルタの頭を洗脳して、テータスのいいなりになる人形に仕立てて、ロウを暗殺する道具にするつもりだったが、それはやめた。
ピカロはテータスを愛すると言ってくれた。
そのピカロの心を毀すわけにはいかないのだ。
ロウに武器を持って近づくこと──。
鑑定術をロウが使うとすれば、それが問題だ。
その手段……。
さて……。
一方で、テータスの耳の中の魔道具は、営牢に残してきたピカロとチャルタの会話の声が向こうに隠し仕掛けた魔道具を通じて、入ってきている。
これによれば、ピカロや媚薬に追い詰められているチャルタを助けるために、口で奉仕をはじめたみたいだ。
さっきから、チャルタの激しいよがり声が耳の魔道具から聞こえ続けていた。
ふたりがどんなこと話すのか……。
テータスはそれを注意深く監視している。
いずれにしても、ピカロはテータスものだ。
もしも、ピカロが告げたテータスへの愛が嘘なら……。
いや、嘘でも構わない……。
そのときには、どんな手段を使っても、その嘘をテータスの考える「真実」に変えてしまうまでだ。
ロウというピカロの「主人」を殺してでも……。