※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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705 しもべちゃんと旦那さん

「受け入れてくれてありがとう、旦那さん……。いや、もう、しもべだね」

 

 ピカロが心から嬉しそうに笑った。

 しもべか……。

 テータスは、自分が苦笑するのがわかった。

 

 だが、しもべでもいい……。

 それも思った。

 テータスが求めるものは、ただひとつだ……。それさえ、あればいい……。

 

「ピカロは……、自分のしもべを……愛してくれるのか……?」

 

「もう愛しているよ。たくさん愛したじゃないか。これからも愛するところさ……。さあ、しもべちゃん、淫気封じの貞操帯と魔道封じの鎖や枷を外してよ。これがあったら、愛することはできない……。命令だよ……」

 

 ピカロの言葉が終わるや否や、テータスは、ピカロの身体に装着している鎖と枷と貞操帯の鍵を解錠していた。

 これらについては普通の鍵などなく、テータスの魔道でなければ解錠できなくしていた。

 それはともかく、テータスは、考えるよりも早くピカロの言葉に従ってしまった自分自身にびっくりしていた。

 これがサキュバスに支配されるということなのかと思った。

 

「驚いたな……。これが支配されるということか……」

 

「そういうことだね。ねえ、命令したら、縄も外せる?」

 

 ピカロは枷が開いた足首から蹴るようにして、足枷を蹴り投げた。鎖も身体を振って外してしまう。

 だが、ピカロの上体にはまだ、後手に縄で緊縛をしている。これは魔道ではなく、しっかりと結び止めをしているのだ。

 だから、これは手で解かなければならない。あるいは、引き千切るか、切断するかだ。

 しかし、普通の縄ならサキュバスであれば、引きち千切ることも可能かもしれないが、これにもまた、魔族の力を弱める金属の砕片が縄目に編み込んである。ピカロには力が入らないのだろう。

 

「む、無理だな……。細かい……指の動きは……もう、できない……。しかし、貞操帯を引っ張ることくらいならできるぞ。俺に近づいてくれ……」

 

 貞操帯は解錠はしているので腰周りの部分は完全に緩んでいるが、ディルドが前と後ろに挿入されているので、落ちずに股間に残っている。

 

「ふふふ、それは自分でできるよ、旦那さん」

 

「ははは、旦那さんに戻ったか?」

 

「旦那さんでも、しもべでもいいじゃないか」

 

「そうだな……。さあ、こっちに……。俺がしたいんだ……」

 

 テータスは、左手を上に伸ばす。

 ピカロが、仰向けになっているテータスの身体に跨がるようにしてくる。テータスは、貞操帯に縁に指をかけて、なんとかディルドを引っ張り抜く。

 

「あうんっ」

 

 昨日の深夜から、もう何ノスもピカロの股間を貫いていたディルドだ。

 テータスが引き抜くとともに、おびただしい愛液が噴き出てきた。いまのテータスには全力を使わなければ、貞操帯を抜くことができなかったが、頑張って身体の横に投げ捨てる。その貞操帯のディルドも、貞操帯の内側の革もすっかりとぬるぬるで、ピカロの体臭のいい香りが周囲を圧倒するくらいに拡がった。

 

「こりゃあ、とてつもなくびっしょりだな……、ピカロ……。淫乱すぎるぜ……」

 

 テータスは笑った。

 

「当たり前だよ。淫乱じゃないサキュバスなんて、サキュバスじゃないさ」

 

「それもそうか……」

 

 テータスは手をおろした。

 すでに、かなりの血が抜けている。

 頭は朦朧とするし、意識を保つのもやっとだ。

 しかし、テータスは、なんとかピカロと愛し合う行為を最期の記憶にしたいと気力を振り絞る。

 ピカロがちょっと身体をずらして、緊縛されている上半身を倒し、テータスのズボンの前側の留め具を口で咥えた。

 すると、ピカロは口だけでズボンをうまくずらして前を外し、さらに下着を咥えおろして、テータスから男根を外に取り出した。

 

「き、器用だな……」

 

「しもべちゃんは、寝てていいよ。全部、ぼくがやってあげるからね」

 

 ピカロが顔をテータスの股間に埋めた。

 勃起していない男根をピカロが舐め始める。

 

「おっ、おおっ」

 

 すごい……。

 性器全体が溶かされるのかと思うほどに気持ちがいい。びっくりすることに、この瀕死の状態にも関わらず、あっという間に勃起したのがわかった。

 しばらくのあいだ、ピカロは一心不乱にテータスの一物を舐め回してきた。

 腰が痺れるような快感が波のように次々に襲う。

 甘い感覚が腰を包む。

 

「おおっ、いく……。いきそうだ……」

 

 テータスは音をあげてしまった。

 込みあがる……。

 テータスはぶるりと身体を震わせた。

 

「ふふふ、まだだよ、ぼくのしもべちゃん……。まだだからね……」

 

 しかし、まさに射精の一歩手前のところで、ピカロがテータスから口を離した。

 また、しもべに戻ったのだなと思って、ちょっとおかしくなった。

 ピカロは身体をずらして、勃起しているテータスの股間に自分の股間を重なるようにしてくる。

 そのまま膝を左右に開いて腰を沈め、テータスの股間に跨がってきた。

 騎乗位という体位だ。

 ピカロが自分の秘裂でテータスの怒張を包んでしまった。そして、ピカロが腰を捻り動かし始める。

 

「ああっ、あっ、き、気持ちいい──。だ、旦那さん、気持ちいいよお」

 

 硬く勃起しているテータスの男根は、完全にピカロの中に挿入されている。そのピカロが腰を淫らに振って、テータスに刺激を送り込んでくる。

 ピカロの体内はぬるぬるで心地よく、膣全体が蠕動運動をするように動いて、とてつもなく気持ちがいい。

 

「あああっ、旦那さん、いいよおお。ぼく、気持ちいい。おいしい淫気──。ぐっときちゃううう」

 

「おおっ」

 

 テータスもたまらず喘いだが、ピカロはそれよりも早く、感極まったように甲高い声をあげると、天を仰ぐように全身を突っ張らせた。

 

 そして、さらにピカロの腰の動きが激しくなる。

 今度は、先にテータスが声をあげた。

 

「おおっ、ピカロおおお、愛している──。愛している、おっ、おっ、おっ」

 

「ぼくもだよおお──。旦那さん、愛してるよおお──。あああっ、いぐううっ、旦那さん、いくううっ、もう、いっちゃううう──。いくよおお、ぼくうう」

 

 ピカロが男根を股間で咥えたまま激しく腰を振って、大きく喘ぐ。

 そのピカロの興奮が、テータスの身体を熱くする。

 テータスの全身は、堪らないほど熱くなった。

 

 さらに、ピカロが腰を振る。

 テータスの男根が膣肉でぎゅっと搾られる。

 一気に快感がやってきた。

 身体がばらばらになるかと思うほどの強烈な快楽の大波だ。

 

「おおおっ」

 

 テータスは射精してしまった。

 

「ふわああああ、ああああ」

 

 一方でピカロもまた、テータスに合わせるように果てた。

 緊縛された身体を揺らして、がくがくと身体を震わせている。

 

 しばらく、お互いに脱力し合った。

 やがて、ピカロが先に身体を起こす。

 一方で、テータスの一物は、いまだにピカロの中に入ったままだったが、その股間はずっと勃起したままである。

 

「ふふふ、さすがは、ぼくのしもべちゃんだね……。人間族にしては絶倫だよ……。それに、セックスの相性も、結構抜群だよねえ。とにかく、濃い淫気をありがとう……。ところで、力が戻ったよ。これで、なんとか縄を千切れそうだね……」

 

 その言葉が終わるとともに、ピカロの身体から縄がばらばらに千切れて落ちた。これには驚いた。

 魔族の筋力を脱力させる特殊な金属が編み込んでいるのである。それが切れたということは、その魔族殺しを上回る魔力をピカロが込めることができたということだ。

 相当の魔力が必要なはずなのだ。

 

「これは、抜くよ……」

 

 ピカロが手を伸ばして、ずっとテータスに刺さったままだった、脚と横腹の矢を無造作に抜く。

 まったく痛くない。

 それどころか、内臓まで傷ついていると思った腹の矢傷は、まるでそんなもの存在しなかったかのように、なにも感じない。

 

「まだ、動けないかい、旦那さん?」

 

 ピカロがテータスの血だらけの裸体を撫でるようにしてきた。

 それで気がついたが、いつの間にか傷が塞がっている。血もとまっていた。失いそうだったはずの意識も、いまははっきりとしている。それどころか、全身を染めていた血糊や血飛沫も消えていた。

 これには驚いた。

 

「こ、これは……?」

 

 自分の両手をあげて、視線を向ける。

 右肘から先はないものの、いつの間にか肉が盛りあがった感じになって切断部が塞がっている。

 左手は動く。

 指もだ。

 まったく問題ない。

 

「旦那さんは、ぼくのしもべにしたからね……。ぼくがもっと能力が高ければ、腕だって元に戻せたかもしれないけど、これで我慢してよね。その代わり、ぼくがなんでもしてあげるよ。旦那さんは、ただ寝ていればいいのさ。愛し合うときには、ぼくが動いてあげるから」

 

 ピカロが笑った。

 テータスは、上体を起こした。

 

「おっ、あんっ、動いちゃ感じちゃうよ」

 

 ピカロが愉しそうに笑って悶える。テータスの怒張はピカロの膣の中だ。動くと擦れて感じるみたいだ。

 ピカロを片手で抱き寄せて口づけをする。

 いつものように、ピカロはこんなにも醜いテータスの顔を嫌がらない。それどころか、しっかりと目を見開いて、舌を絡めてくる。

 しばらくのあいだ、テータスとピカロは、お互いの唾液と舌をむさぼり続けた。

 

「ああ、気持ちいいねえ、旦那さん。まだまだ、愛し合えるよねえ?」

 

 口を離すと、ピカロが笑った。

 テータスは大きく頷いた。

 

「そうだな……。だが、時間切れのようだ。おりてくれるか?」

 

 ピカロが怪訝な顔になったが、テータスの言葉に従い、テータスから離れる。テータスは片手で下着とズボンを引きあげた。

 次の瞬間、目の前の空間が揺れて、複数の人間たちが宙から生まれるように現れた。

 

 まず視界に入ったのは、剣を抜いているエリカとシャングリアだ。その後ろに、短銃を構えたロウがいる。

 さらに後ろに、顔をベールで隠している女魔道遣い──スクルド──。

 全員が険しい表情でテータスを睨んでいる。

 すごい殺気だ。

 

 さらに、周囲でも空間の揺れ──。

 ブルイネンという女隊長とともに、数名単位でエルフ女兵たちがテータスたちの背後に出現してきた。

 三名ずつ三組──。

 ブルイネンを含めて十名だ。

 最後に、チャルタも現れた。チャルタは黒いマントに身を包んでいる。すでに拘束は解かれたようだ。貞操帯を外しているかどうかはわからないが、おそらく、外しているのだろう。

 チャルタからは、魔道のようなものをちゃんと感じる。

 つまりは、テータスは、ロウをはじめとして、ロウの仲間の女たち、さらに、サキュバスのチャルタ、そして、十人の親衛隊に囲まれたということだ。

 あの場に、親衛隊は全部で十五人だったはずなので、残りの五名の親衛隊は残してきたのだろう。

 コゼもいない。

 女王と、その女王と一緒にいた“長老”とサーマクが呼んでいた女エルフも姿は見えない。

 

「さて、思ったよりも元気そうだし、血もとまっているのは驚きだけど、抵抗しないと決めたなら、楽に死なせてやる。ただ、ピカロを返さず、さらに暴れるなら、せいぜい、苦しんで死んでもらう。俺はどっちでもいいけどね」

 

 ロウが短銃をテータスの眉間に真っ直ぐに向けながら言った。

 なかなかの面構えだ。

 しっかりとした殺気を充満させて、テータスに銃を向けている。

 改めて、これほどの男だったのだなと思った。

 

「だったら、一発で仕留めな、英雄。すでに肉体強化の術は解いてるぜ。今度はちゃんと頭の中心まで、その銃弾を受けとめてやるよ──。それと、ピカロは返さねえ。こいつは、俺の女にした。返して欲しければ、俺を殺すんだな」

 

 テータスは言った。

 

「俺の女だと──?」

 

 ロウが銃を向けたまま、不快そうな顔をした。

 自分の女を奪われたり、手を出されたりするのを、このロウは異常に嫌う。情報のとおりだと思った。

 

「ご主人様、術を解除しているのは、本当のようです……。さっきの戦いのときに、その男から出ていた禍々しい魔力が消滅しています」

 

 ロウに向かってささやいたのは、スクルドだ。

 

「ピカロ、そこから離れなさい……」

 

 エリカがこっちに剣を構えたまま言った。

 

「うわああ、待って、待って、待って──。待ってよ、ご主人様──。この人を殺さないでよ──。ぼくのしもべちゃんなんだ。もう支配した──。支配したんだよ──。もう、問題ないんだから──。殺さないでよおお」

 

 そのとき、ピカロが血相を変えた感じで、素裸のまま両手を広げて、テータスとロウたちのあいだに立ちはだかった。

 

「しもべ……? んん? なるほど、それで、そのテータスこと、アダム=ビアスは回復しているのか? 確かに、ピカロの支配が完了しているな……」

 

 ロウがちょっとだけ、テータスに睨むような視線を向けてから、ちょっと意外そうな表情になってから言った。

 やっぱり、鑑定術のようなものを使うのだと確信した。

 そもそも、アダム=ビアスなどという本名のことを、誰も知るわけがないのだ。

 

「アダム=ビアス? あんた、そんな名前だったの?」

 

 ピカロが顔だけ振り返らせて、きょとんとした顔を向ける。

 

「いいや。俺はテータスだ。そんな名の男はいねえよ。生まれついてのこの顔だからな。俺の親は、俺のことはいないものだとして扱って、一切の記録を残してない。だから、俺はテータスだ。つまり、骸骨だ」

 

 テータスは、ロウの顔を真っ直ぐに見て言った。

 そして、自分の眉間に指をさす。

 

「いいか、英雄。ここだ。ここ──。しっかりと狙いな。さもないと、俺は何度でも、あんたを狙う。殺し屋の矜持にかけてな」

 

 テータスは笑った。

 もう、すっかりと満足だ。

 ロウがここにやってきたとき、ピカロはすぐにロウのところに向かい、テータスに嘲笑と侮蔑の視線を向けるかもしれないと思っていた。

 心の底から信じていたつもりだったが、どこかでそう思い込んでいた。

 しかし、いま、ピカロは、ロウの前に手を広げて、テータスを庇おうとしてくれている。

 これで十分だった。

 生まれてきたことをずっと呪ってきたが、いまこそ、言える──。

 

 生まれてきてよかった──と。

 

「ピカロ、とにかく離れなさい。邪魔よ──」

 

 エリカがもう一度言った。

 だが、ピカロがいようがいるまいが、ロウがひと言、声をかけさせすれば、周囲の女たちは一斉に、テータスを攻撃するだろう。

 背後のエルフ族の女兵たちの数名は弓矢を向けている。

 その弓の方向を考慮すると、あれはテータスに致命傷を向けるためでなく、身体を地面に縫いつけるために矢を狙っていそうだ。

 そのときは、せいぜい苦しめられてから死ぬことになるのだろう。

 まあ、どっちでもいいが……。

 

「待って、本当に待ってたらああ──。ねえ、ご主人様──。二年──。いや、この人、弱ってるから、二年ももうもたない。多分、一年か、一年半──。この人は、もうそれだけしか生きていけないんだ。生命力代償の呪術は、どんな魔道でも逆転できないから……。だから、ぼく、そのあいだだけ、このしもべちゃんと一緒にいるよ。ねえ、いいでしょう、ご主人様?」

 

 すると、ピカロが叫んだ。

 テータスは仰天してしまった。

 

「こいつと一緒に行く?」

 

 ロウだ。

 信じられないという顔をしている。

 テータスにだって、信じられない。

 ピカロはなにを言っているのだ──?

 

「だって、たった二年足らずじゃない。ご主人様のところには、また来るよ。だけど、いまは、このしもべちゃんのそばにいてやりたいと思う。だって、可哀想だし……」

 

 ピカロが言った。

 

「はあ、なに言ってんだよ、ピカロ──。あんた、もしかして、この化け物のような人間族に絆されたの?」

 

 チャルタが声をあげた。

 次の瞬間、ピカロの手から、人の顔ほどの球体が出現して、ものすごい勢いでチャルタに向かって飛んでいった。

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