【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
南域のクロイツ侯爵領を占領中のドピィ率いる
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707 道化師と侯爵夫人
「侯爵夫人、前に出ろ」
朝議と称している賊徒幹部との話し合いの場から、部屋に戻ってきたルーベンが酷薄な口調で言った。
シャロンは、この部屋の真ん中に作られている大型の檻の中にいたが、
そして、縮こませていた裸体を起こし、小さな檻を四つん這いで這い出て、ルーベンの待っている前に向かう。
さっきまで、キーネが部屋にいて、シャロンを見張っていたはずだが、いつの間にかひとりになっていたようだ。
キーネというのは、このルーベンの連れてきた世話人の老婆であり、最初の数日間は、このルーベンとふたりきりだったが、このルーベンもかなり忙しいらしく、シャロンにつきっきりというわけにはいかない。
そこで連れてきたのがキーネであり、彼女がルーベンがいないあいだのシャロンと見張りと世話をするというわけだ。
孫家族を貴族に殺された経歴を持っていて、かなり、シャロンには冷たく接する。とにかく、シャロンがこの半月に接したことのある人間は、そのふたりだけだ。
ルーベンは、いつものように乗馬鞭を持って部屋の真ん中に立っている。
シャロンは、ゆっくりとした歩みで、のそのそとルーベンの待つ位置に身体を進ませる。
わざとやっているわけではない。
ルーベンに装着されている手首と足首の革枷のために、全く力が入らないのだ。
拘束はされていないのだが、四肢の枷には特殊な魔道が刻まれているらしく、こうやって四つん這いで進む分には、最小限度の必要な筋力が働くが、二本足で歩こうとすると、完全に脱力して身体が動かなくなる。
それだけでなく、人間らしいなにかの行動をしようとしても、手が脱力してなにもできなくなるのだ。
シャロンを「犬化」するために、かなりの高額な値と腕のいい魔道具技師を使って、作らせたのだと話していた。
いずれにしても、シャロンは、そのために、食事であろうと、着替えであろうと、糞尿であろうと、なにひとつ自分ではできない。このルーベンかキーネの世話を受けるしかないうということだ。
それが、この半月のあいだに、ルーベンに強いられている生活なのだ。
しかし、キーネにはともかく、ルーベンの前で糞便をするなど、あまりにも恥ずかしすぎる。
だが、ルーベンはそれをシャロンに強要するのだ。
目の前で桶に小便をさせ、大便をさせる。その後始末までルーベンがするのである。
最初は拒否したが、そのときには、無理矢理に浣腸をされて、丸一日、尻に詰め物をされた末に、目の前で垂れ流させられた。
詰め物も、強烈な便意を我慢させられるのも、シャロンには辛すぎた。
あれ以来、ルーベンの命令には逆らわないようにした。
唯一のひとつを別にして……。
「こっちに尻を向けろ、雌犬」
ルーベンが言った。
この領都への侵略で、シャロンがルーベンの虜囚になってから、ルーベンは、シャロンのことを“侯爵夫人”か、“雌犬”としか呼ばない。
おそらく、まだシャロンのこと憎悪しているのだろう。
ルーベンは、この半月のあいだに、この反乱はルーベンを裏切ったシャロンに復讐をするために起こしたのだという趣旨のことを数回口にした。
まさか、本当ではないとは思うが、もしも、そうであれば、シャロンはその激情と執念に感激する気持ちを捨てることができない。
憎悪であろうとも、そこまでシャロンのことを想ってくれるというのは、女として嬉しい。
ましてや、それがルーベンなのだ。
シャロンは、たとえクロイツ侯爵夫人になっても、一度として、ルーベンとの子供の頃からの約束を忘れたことはなかった。
むしろ、幸せだった頃のルーベンとの思い出は、シャロンの心の拠り所であった。
侯爵との愛はなかった。
召使いは、それがわかっているので、シャロンには最小限の世話しかしない。なにかを頼んでも、侯爵を通じてくださいと言われるだけだ。
やがて、子ができないとわかると、邪魔者のように別棟に押し込まれた。
侯爵夫人とは名ばかりの慎ましい生活──。
三度の食事だけは提供されたが、召使いはそれを運ぶだけで、あてがわれている召使いは、すぐにいなくなる。
シャロンは、身支度や掃除なども、全部ひとりでやらなければならなかった。
まるで、牢獄のようだとさえ感じた。
寂しい気持ちになるたびに、ルーベンのことを思い出した。
誰かに愛されたことがあることだけをシャロンは心の支えにした。
しかし、それはシャロンが選んだことだった。
あのときは仕方なかったし、過去に戻ったとしても、シャロンは同じ選択をしただろう。
領民と家族を守るために、ルーベンを裏切ったのだと言われれば、その通りだとは思う。
ルーベンの怒りは当然だ。
だが、シャロンは自分が間違った選択をしたとは思っていない。
しかし、あれから十年だ。
本当に、このルーベンは、それほどの歳月のあいだ、憎しみとはいえ、シャロンのことを考え続けてくれたのだろうか……?
それについては、キーネもあることを言っていた。
だから、ずっと女嫌いだと思われていたようだ。
唯一の例外は、ほんの最近に側仕えにしていたスージーという女魔導師だそうだ。だが、彼女もあっという間にいなくなったという。しかも、男女の関係の気配は皆無だったと、キーネは言った。
それが、この領都を占領して以来、人変わりしたように、シャロンに執着しているのに接して、みんな驚愕しているそうなのだ。
本当に……?
だが、本当にそうであれば、シャロンは……。
しかし、四つん這いの体勢で見上げるルーベンからは、シャロンをいまだに想ってくれているような表情は感じない。
ひたすらに、シャロンを憎悪しているような冷たい視線でしかない。
「わ、わかったわ、ルーベン……」
シャロンは、ルーベンに尻を向けながら言った。
膝は真っ直ぐにして、脚を開き、股間とアナルが完全に見えるようにルーベンに向ける──。
そうしろと強要されている。
逆らえば、折檻を受ける──。
シャロンは従うしかない……。
「その名で呼ぶなと言っているだろうが──」
乗馬鞭が尻たぶに炸裂した。
「あぐうううっ」
激痛が走り、シャロンは絶叫して、身体を崩しそうになる。
だが、耐える──。
これは、贖罪なのだ。
十年前に、このルーベンを裏切ったシャロンに対する……。
さらに、鞭──。
「いひいいっ」
シャロンは叫んだ。
すべてのことに従っているシャロンだったが、唯一逆らっているのが、ルーベンのことを昔と同じように話しかけ、名前を呼ぶことだ。
ルーベンは、シャロンがルーベンの名を呼ぶたびに、手酷く鞭を打つ。
だが、これだけは妥協できない。
シャロンは、たとえ、殺されても、ルーベンの名を呼ぶことだけはやめないつもりだ。
これこそが、いまだにシャロンがルーベンに従っていない唯一のことだ。
「雌犬がああ──」
ルーベンの力任せの尻への鞭打ちが続く。
シャロンは耐え続けた。
だが、鞭打ちが二十発を超えたところで、シャロンは力尽きて、膝を崩して横倒しになってしまった。
もともと、魔道具の腕輪と足輪で筋力を弱められている。
そんなには、長く姿勢を保っていられないのだ。
「淫売め、思い知ったか──」
息を切らせている感じのルーベンが乗馬鞭を投げ捨てて言った。
そして、部屋の隅に向かっていく。
戻ってきたときには、台車になにかを乗せて運んできていた。胡座に座り、汗びっしょりになっているシャロンを膝の上にうつ伏せに横抱きした。
「尻に薬を塗ってやろう。そのあとで折檻の続きだ、侯爵夫人。それとも、俺をルーベンと呼ぶのをやめるか?」
塗り薬が塗られ始める。
温かな感触が尻たぶを包む。
これもまた、かなり高価な魔道薬なのだと思う。これを塗るとどんなに酷い鞭打ちでも、瞬時に回復をするのだ。
シャロンは、ルーベンの手が気持ちよくて、あえぎ声が出そうになるのを必死に歯を喰い縛って我慢した。
「い、いいえ、もっと折檻して、ルーベン……。あなたの気が済むように……。それとも、わたしを殺してもいいのよ」
シャロンはルーベンに薬を塗ってもらいながら言った。
本心だった。
もう殺されてもいい。
幸せとはいえない十年の侯爵夫人生活だったが、もう終わった。守るべきものはもうなくなったし、侯爵も殺されたらしい。
ルーベンにも再会することができた。
シャロンは、もう満足していた。
「殺しはせん……。俺が死んだから解放はしてやる。それからは、好きなようにすればいい。財も残してやる……」
ルーベンが手をシャロンのお尻の上に載せたまま言った。
盗賊団の首領であるルーベンは、かなりの金額の財をある場所に隠しているのだという。
こうやって二人きりの時に、何度かそれを耳打ちされた。誰にも言うなと念を押されたうえで……。
そして、そのたびに、シャロンは同じ答えを繰り返している。
「財なんていらないわ……。あなたが死ぬときには、わたしも殺して……。それが望みよ」
シャロンは言った。
もう貴族女としては、シャロンの価値はない。たとえ、救出されたとしても、賊徒に監禁されて犯された女としての嘲笑と蔑みの生活が待っているだけだろう。
それに、シャロンはルーベンに手をかけられて死にたかった。
この男がこうやって、シャロンに示す執着──。
それを向けられている今、彼に殺されれば、どんなにシャロンは幸せを感じるのだろうか……。
「まあいい……。だが、記憶には留めておけ。それよりも、雌犬、俺に生意気な言葉を使うのはまだやめんのか?」
ルーベンの手が尻の上からすっと動いて、股間のあいだに向かった。
「ひんっ」
敏感な場所に指を触れられて、シャロンは身体を跳ねあげかけてしまった。筋力が弱まっているので、そんなには大きな動きにはならないが……。
「や、やめない……。も、もっと、せ、折檻して、ル、ルーベン……。くっ、くううっ」
ルーベンの指が亀裂を撫でるように動く。
快感が迸り、シャロンはびくんびくんと身体を反応させてしまう。
「強情だな、シャロンは……。昔から、そうだった……」
ルーベンが笑った。
シャロンを目の前にして笑うなど初めてだ。
しかも、いま、シャロンの名を……。
シャロンはびっくりした。
「ルーベン、いま……?」
顔を見ようとして、首を捻ろうとした。
しかし、次の瞬間、お尻を平手打ちされて、その衝撃にシャロンは身体を跳ねさせた。
「あううっ」
「もっと折檻としてとか言いながら、それはお前のためだろう。この愛汁を見てみろ。鞭打ちでこんなに濡らしやがって──。このマゾ女め──」
ルーベンが手をシャロンの股間に戻して、乱暴に指で擦った。
「いたいっ」
痛かったが、同時に気持ちよくもある。
この半月のルーベンとの生活は、シャロンの身体をすっかりと、嗜虐に悦ぶ「雌犬」に変えてしまっていたのだ。
鞭を打たれて痛めつけられ、犬のように四つん這いで歩き、服を着ることも許されず、糞便すらも他人の前でさせられる恥辱──。
そんな屈辱や苦痛、そして、羞恥が、気がつくといつの間にか、シャロンを興奮させるようになっていた。
そして、そんな浅ましい姿を自覚することで、さらにシャロンは股間がびっしょりと濡れるのをどうすることもできなかった。
「ほら、これだ──」
ルーベンが指についたシャロンの愛液をシャロンの顔になすりつける。
「いやあっ、やめてよ、ルーベン──。濡れているのはわかっているわよ。わたし、興奮しているもの──」
仕方なく叫んだ。
すると、またもや、ルーベンは笑い声をあげた。
シャロンは呆気にとられた。
今日は、何度、ルーベンはシャロンを驚かせるのだろう?
笑い声をあげるなど、まるで昔に戻ったみたいだ。
だが、思念が妨げられる。
身体を乱暴に動かされて、ルーベンに向かって高尻をされるような体勢をさせられたのだ。
「えっ、ルーベン?」
いきなりだったので、心の準備ができてなかった。
毎日のようにシャロンを犯すルーベンだったが、いつもはもっと折檻をして、徹底的にシャロンに苦痛や辱めを与えてから犯すのだ。
「姿勢を崩すなよ。今日からしばらく、ここを離れる。もしも、姿勢を崩せば罰として、媚薬をたっぷりと塗ったディルドを挿入して貞操帯をする。いい子だったら、ディルドなしの貞操帯にしてやってもいい。いずれにしても、貞操帯はするがな」
ルーベンが笑いながら言った。また、ズボンを脱いでいるような気配もある。
だが、しばらくルーベンがここを離れる?
しかし、それ以上、なにも考えられなかった。
ルーベンの怒張が後ろから股間に迫ってきて、秘裂に触れたと思ったら、強引に股間を押し張ってきたのだ。
「むうううっ」
押し入れられるちょっとの痛さと、それを上回る圧倒的な快感に、シャロンは大きく背中を反り返らせた。