【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
729 水の上の話
「なるほど。それでどうなったのだ?」
王太女のイザベラが食い入るような視線で、やや前のめりになる。
「すると、ロウ様はおっしゃいました──。“一度下がれ、イット──。スクルド、足元だ。起きあがる雌オークの足元に落とし穴を作れ。腰の下までの深さでいい――”。そりゃあもう、とても格好よかったです。みんな、オークのガド様の強さに右往左往したのに、ただおひとりだけ、とてもご冷静で……。とにかく、ロウ様の声を聞くと、とても落ち着くんです。それでみんな、やっと態勢を取り直すことができて……」
語っているのはミウだ。
内容は、ロウの武勇伝であり、今の話は、ガドニエル女王がオークに変身させられていたときのことであり、心まで魔獣になりかけていたガドニエルが、オークとしてロウたちを襲撃し、それをロウたちが返り討ちにして、逆に、ロウの能力でガドニエルを救った話である。
それを身振り手振りを交えて、ミウが生き生きと話している。
ガドニエル女王の不面目となる話なので、こうやって面白おかしく語るのはどうかと思ったが、あの女王様なら、不面目どころか、ロウとの出会いのことを世間に拡められるのは、むしろ喜ぶのではないかと思い直し、イライジャは勝手にさせている。
話題は異なるが王太女と合流をしてから、ずっと続いている光景だ。
とにかく、王太女のイザベラは、ロウの話を聞くのが大好きのようだ。また、それは、一緒にいる護衛長のシャーラや、侍女たちも一緒だ。
みんな愉しそうに、ミウの語るロウの武勇伝に耳を傾けている。
「そうであろうなあ。あいつはいつも、忌々しいくらいに偉そうなのだ。そして、意地悪でなあ……。それで?」
「スクルド様が……、あっ、スクルズ様のことですよ……。スクルド様が魔道で地面に穴をお作りになって、そこにガド様が腿まで埋まり……。すかさず、ロウ様が“いまだあ”──って」
ミウがロウの真似をして、さっと手を伸ばす。
ちょっと口真似も入っているので、本当にロウの言葉にも聞こえなくもない。とにかく、ミウも、よくロウを観察しているのだと改めて思う。
ガヤという南域のクロイツ侯爵領の北側の港町に向かう船の中である。
イライジャは、王太女一行とともに、王太女にあてがわれている船室の中にいる。もちろん、同行のミウ、マーズ、イット、ユイナと一緒である。
それに対して、イザベラ側は、護衛長のシャーラ、女官長のヴァージニアと、侍女のうち、トリア、ノルエル、モロッコという名の女性たちだけだ。イザベラ女官団という通称らしい王太女の侍女たちは、専任女官長を含んで全部で十人のようだが、今回の戦場行きで同行をしてきたのは、女官長と侍女三人の合わせて四人のみである。
ほかの侍女たちも、断固としてついてこようとしたみたいだが、イザベラが拒否したらしい。
ノールの離宮に残る王妃やアン王女の世話も必要だし、向かうのは戦場である。
だから、最小限度でいいとして、女官長のほかには三人のみに限定した。それでくじ引きで決まったのが、この三人ということのようだ。
王太女は、離宮に残る王妃たちのこともかなり気にしていて、警護をさせる部隊も離宮にいる一千名のうち、水軍に乗船させたのは半分の五百である。
侍女にしても、同行戦力にしても、それでは心許ないと、イライジャたちがノールの離宮に辿り着いた出立の前夜になっても、まだ王妃のアネルザが心配していた。
こっちはいいから、全部連れて行けとも……。
そもそも、アネルザは、ぎりぎりまでイザベラが南域動乱のために出兵することに反対をしていて、しかし、それでも行くなら、ありったけの兵を持って行けと主張していたようだが、結局、イザベラの言うとおりになった。
結構、頑固な王太女なのだと、イライジャは思った。
まあ、侍女を制限したり、さらに、実は通いで定期的に来てもらっている女医もいるらしいが、その同行も突っぱねたみたいだが、それもこれも、この王太女の優しさから来るもののようだというのは、ちょっと接していてわかった。
向かうのは、相手が賊徒とはいえ、戦場だ。
だから、そこについてこさせるのは、最小限度にしたいみたいだ。
だが、イライジャからすれば、無駄な優しさとしか思えなくもなく、王太女であれば、まずは自分の身とお腹の子を一番に考えるべきと、イライジャでも考えるのだが、イザベラの価値観では違うのだろう。
とにかく、まあ、そういうことになった。
いずれにしても、この船旅は二日間と聞いている。出立は昨日の早朝だったが、予定通り進めば、今日の夕方には、ガヤ港に入るらしい。
そして、船団の司令官も兼ねている船長からは、現在のところ航路は順調だと報告を受けている。
到着すれば、侯爵領の領都で人質になっているシャロン=クロイツ侯爵夫人を救出するというクエストを受けているイライジャたちは、すぐに、イザベラたちとは別れることになる。
だが、クエストが完了して、侯爵夫人を救出できたら、再び合流して、その後は王太女の警護も実施する予定だ。
それはミランダからも、離宮にいた王妃のアネルザからも頼まれている。
従って、イライジャとしても、できるだけ早くクエストを終わらせて、この危なっかしい王太女のところに戻るつもりだ。
「それで、やっとガド様を大人しくさせることができたのです。ロウ様が粘性体の術をお遣いになって、ガド様の腕と身体を拘束して……」
「あのいやらしい術か……。さんざんになぶり者にされたな……。だが、本当は戦いのための術だったのだな……。おや? また、マーズが苦しそうだぞ。シャーラ、もう一度、回復術をかけてやれ」
そのとき、イザベラが部屋の隅でうずくまっているマーズを見て言った。
船酔いなのだ。
イライジャとミウとユイナは、船に酔うということはなかったが、イットとマーズは苦手のようだった。
特に、マーズが酷く、二日目の今日になって、かなりましになっているが、初日の昨日など、耐えきれずに嘔吐したりもしていた。
いまも蒼い顔をしている。
だが、やはり、このイザベラという王太女は、言葉がぶっきらぼうで、あまり他人の忠告を聞き入れないような頑なさがある一方で、実は心が細やかで周りをよく観察もしている。
普通は、わざわざ同行の冒険者ごときに、気を配ったりはしないだろう。
まあ、同じロウの愛人ということで、仲間意識を持ってくれているのだろうが……。
今回もわざわざ、イザベラにあてがわれている広い船室に、イライジャたちを誘ってくれた。本来は、イライジャたちは、一般兵士用の男兵とともに、雑居部屋の一角に横になる場所をあてがわれていただけだったのだ。
「あっ、気がつきませんでした。マーズ、大丈夫?」
シャーラが膝を抱えて苦しそうにしていたマーズに魔道をかけた。
エルフ族社会では、優秀な魔道師であり、さらに武技にも長けた者を特別に“魔道戦士”と呼んで賞賛する。
シャーラはまさに魔道戦士だ。
王太女の護衛として剣技に優れているのみならず、回復術が扱えるくらいに魔道に堪能をしている。
なにしろ、回復術というのは、かなりの高位魔道であり、エルフ族でもなかなか術師は少ない。
しかも、聞いたところ、シャーラは、移動術まで遣えるみたいだ。
まさに、魔道戦士の名に相応しい。
「ああ、ありがとうございます、シャーラ様……。王太女殿下もありがとうございます」
マーズが頭をさげた。
実際、かなり楽になったのだろう。ちょっと顔色もよくなっている。
しかし、回復術というのは、根本を治すわけではないので、少し時間がたてば、また、船酔いの状態に逆戻りしてしまう。
マーズもそれを繰り返している。
「イットは?」
シャーラが声をかけた。
「あ、あたしは、もう平気です。あのう……。ありがとうございます」
イットだ。
確かに、昨日はかなり苦しそうだけど、今日はいくらかましな気はする。まあ、獣人族は身体能力も高いので、船にも慣れてきたのだろう。
「まあ、遠慮はせんことだ。わたしたちは、“竿姉妹”なのだからな」
イザベラがけらけらと笑った。
「あの、以前から言おうと思っていたですが、そのお言葉は、あまり王太女殿下のようなご身分の方には相応しくありません。実は身分の低い者が使う下世話な用語なのです」
女官長のヴァージニアがたしなめた。
すると、イザベラが目を丸くした。
「そうなのか? だが、ロウが教えてくれた言葉なのだ。みんな仲間という意味らしい。わたしにとっては、大切な言葉だ」
「そ、そうなのですね」
侍女のうちトリアが相槌を打つ。
彼女のような侍女を含めて、ここにいる全員が床に敷き詰められた絨毯の上に直接か、または、イザベラのようにクッションの上に座っている。
もともとは、王太女用の船室として、動かないように固定されたソファがあり、執務用の机まであるのだが、イザベラはそれは使わずに絨毯に腰をおろし、集まっている全員に同じようにさせた。
これもまた、ロウが好んでしていた態勢であり、そういえば、ロウはよく女たちをそうやって自分の周りに集めていた。
だから、ロウがいなくても、そうやって“竿姉妹”とは過ごしたいと口にしていた。
「どうでもいいけど、だらしないわねえ。無敵の闘戦士の名が泣くわよ」
どうでもいいが、王太女のイザベラから、遠慮なく過ごしていいと言われると、ユイナはすぐにごろりと床に横になった。
いまもそうだ。
あまりにも、王太女の前で失礼なのではとも思うが、気さくに接せられると、むしろ王太女が嬉しそうなので、とりあえず、イライジャは放っている。
シャーラもヴァージニアも気を悪くしている様子もないし……。
「申し訳ありません。まだまだ、鍛錬が足りないようです。先生にもっと教えを乞います」
「なに言ってのよ──。そんなこといって、あんたとロウの鍛錬って、ただ、好色なあいつが、あんたをいたぶって遊んでいるだけじゃないのよ。セックスよ」
ユイナが鼻を鳴らした。
「い、いえ……。た、確かに、最後には愛してもらっていますが……、先生の鍛錬は本当に効果的で……。あたしも、どんどんと強くなっているのがわかるくらいで……」
「ただのセックスよ──。あんたが強くなっているのは、それはあんたの努力であって、ロウのやっているのは、ただの悪戯よ。股間縛りをして、淫具で悪戯されながら戦うとか、ただの卑猥な遊びじゃないのよ」
「いえ、それは、あたしの集中力を高めるために……。局部への刺激を消すために、丹田に集中して気を練るのです。少しでも意識を緩めれば、たちまちに刺激に負けるので、どうしても最大限に集中するしかありません。先生のすることは、実に理にかなっています」
「だ、か、ら、騙されているのよ──」
ユイナが笑った。
これには、イライジャももらい笑いをしてしまった。おそらく、ユイナが正しいのだとは思うが、マーズの顔を見ると、本当にそんなことが鍛錬の手段だと信じているのだろう。
「これ、お前たち──。ミウの前だぞ。少しは謹め」
すると、イザベラがたしなめの声をあげた。
「えっ?」
「え?」
「え?」
声はイライジャだけでなく、当の本人のミウと、さらにユイナだ。イットとマーズもきょとんとしている。
「ミウの前って、なんですか、王太女殿下?」
ちょっと間があり、ユイナが言った。
「いや、わたしたちのような者はいいだろう……。ここには女しかいないしな。だが、まだ、無垢なミウの前では……」
すると、イザベラがちょっと困ったように言った。
まるで、ミウが未経験と決めつけているような物言いだ。
しかし、このミウは、ロウの女たちの中では、結構積極的で、好色度ならかなり上になるのではないかと思う。
なんだかんだで、縛られてロウに犯されるのが大好きだと堂々と喋るし、実は夜這いのようなことも、よくしているのをイライジャは知っている。ロウは来る女を拒まないから、今回の旅で処女を失ったミウも、あっという間に、一人前の淫女に成長した。
だが、はっとした。
そうに違いない。
確かに、イライジャたちは、ミウもまた、すでにロウの愛人であるなどとイザベラには説明していない。
よくよく考えれば、ミウはまだ十一歳であるし、小柄なので同年代の少女よりも幼く見える。
すでに、ロウは手を出しているなどとは普通は考えないだろう。
ただ、ロウが手を出すことで、ミウが安定し、それどころか、一気に上級魔道遣いに開眼したのだが……。
また、そんなことを気にするわりには、自ら“竿姉妹”とか堂々と口にしていた。さっきもちょっと思ったが、おそらく、イザベラは、“竿姉妹”の意味をわかってないと思う。
「えっ、むくって……?」
ミウはきょとんとしている。
意味がわからなかったみたいだ。
すると、ユイナが横になっていた身体をがばりと起こす。見ると、面白がっている顔だ。
イライジャは苦笑した。
「無垢っているのは、あんたの経験が足りないっていうことよ。そのための勉強会なんでしょう。あんたが中心の……」
ユイナは言った。
「勉強会?」
イライジャだ。
「ミウもわたしも、まだまだ発展途上ですから……。ミウにはたくさんの先輩がいますから頑張らないといけなくて……。ガド、いえ……ガドニエル女王とか、スクルドとか……あとはエリカとか……」
ユイナはにこにこ微笑みながら、両手で魔道を出す仕草をした。しかし、それはミウには見えてはいない。
イライジャは、ミウの「勉強会」というのが、ロウに奉仕する練習や、ロウに可愛がられるための仕草や服装、はたまた、体位やロウが「ぷれい」と称する遊びの内容の情報交換をするという、極めて破廉恥な会合というのを知っている。
しかも、主催がミウなのだ。
「新参者の会」とか称して、イット、マーズにさらにユイナを誘って、そんなことをしているのである。
だが、いまのユイナの物言いでは、ミウの勉強会は、魔道の勉強会に聞こえただろう。
ユイナはわざと勘違いをさせようとして、ガドニエルやスクルドやエリカの名を出したようだ。
「おう、なるほど、勉強会か。熱心だな。そうだな。ガドニエル女王陛下やスクルズ……いや、スクルドに師事しているのだったな」
案の定、イザベラは勘違いした。
ちょっと笑いそうになったが、やはり、イライジャは放っておくことにした。
「師事ですか……。いいえ、あのお方々は追い抜く存在であって、追随する相手ではありません。わたしは、あの先輩方たちよりも……」
「勝ちたいのよね」
ミウの言葉に被せるように、ユイナが言った。
相変わらず、王女に勘違いをさせて揶揄っているのだ。イライジャはくすりと笑ってしまった。
「そ、そうね。勝ちたい……です」
ミウが断言した。
すると、なぜか、イザベラの表情がぱっと明るくなる。
「おう、ならば、わたしも協力しよう。実はスタンという少年がいてな。きっとそなたに、協力してくれると思うぞ」
「スタン……さん、ですか? もしかして、マア様のところの?」
ミウがきょとんとしている。
イライジャも、突然に耳にしたことのない名前が出てきて戸惑った。
「おう、そうだ。一度、相談してみてはどうか。例えば、その手の書籍を探してもらうとか。魔道具だとかな。やはり、何事にも上達には勉強が必要だし……。よければ、わたしが間を取り持ってやろうか? まあ、この戦や王都の騒動が解決してのことになるが……」
「と、とんでもありません。よその人となんか──」
今度は、ミウが目を丸くした。
当然だろう。
ミウは、勘違いをされているのをわかってないのだ。
「ははは、いいじゃないのよ、ミウ。だったら、わたしたちの勉強会も成果があがるわよ。面白い魔道具なら、ロウも喜んでくれるだろうし……」
ユイナが笑った。
「えっ、ロウ様が? それなら……。で、でも、さすがに……」
ミウが顔を赤くした。
「そんなに構えなくてもよいのではないか、ミウ。そのスタンはなあ。そなたと同じ歳で、もうおマア殿から交易の一端を任されるほどに成長しているそうだ。将来有望に間違いない。ミウの勉強に役立つものを手に入れることを手伝ってくれると思うぞ。まあ、一度、軽い気持ちで話をしてみればいいのではないか?」
「うーん、でも……」
ミウは困惑した顔だ。
いずれにしても、イライジャは、そろそろ誤解を解こうと考えた。
このまま放っておいて、そのスタンという少年とミウが面会をし、ミウがいきなり性風俗の書籍のことや、卑猥な魔道具の入手について語り出したら大変だ。
「ミウ、殿下は魔道の話をしているのよ」
イライジャは言った。
「そうなのですか。もちろん、魔道のことも研究してます。ユイナさんなんて、誰よりも回復が早くて、それは魔道で制御しているんです。あたしもできるようになりたいんですけど、教えてくれなくて……」
ミウがそんなことを言い出した。
多分、ロウと愛し合うときのユイナだけの術のことと思う。
ロウは、あの暴力的な性愛で、数名がかりで相手をしても、すぐに女たちを動けなくしてしまうのだが、ユイナだけは特殊な魔道で自分の身体を回復させ、よくロウの相手を長く務めることが多い。
禁忌の闇魔道の中にも性愛に関するものもあるらしく、その応用だとユイナは言っていたが、ミウはそれを言っていると思う。
「おう、そういえば、ユイナもなかなかの魔道遣いなのだったな。だが、回復術も遣うのか? それは知らなかった。このシャーラも初級だが回復術を扱う。ユイナはどのくらいの術師だ?」
イザベラが言った。
「どのくらいもなにも、王太女殿下のいう回復術なんか遣えませんよ。それなら、ミウの方が使い手です。ミウが言っているのは、ロウの相手をするときの、セックスのことです」
ユイナが大笑いした。
「えっ、セックス? なんの話だ、いきなり?」
今度はイザベラが顔を赤くした。
「いきなりもなにも、さっきから、ミウはセックスの話しかしてませんよ」
ユイナが笑い続ける。
「セックスって……。べ、勉強会と言ったではないか」
「だから、セックスの勉強会です。ミウが主催で、ロウに気にいられるために、どんなことをしたらあいつが喜ぶのかとか、あいつが気に入る体位や遊びの情報交換とかですよ」
ユイナがついにぶっちゃけた。
イザベラは目を白黒している。
「ロウって……。まさか、ミウはすでに、ロウの手がついているのか?」
イザベラが驚いている。
「手がつくもなにも、迫ったのはミウからって聞いていますけどね。そうなのでしょう、ミウ?」
ユイナだ。
「ええ、もちろんです。だから、一生懸命なんです。スクルド様も、ガドニエル様も、コゼ様も、すっごく積極的ですし、エリカさんは明らかに、ロウ様に気に入られていて、いつもロウ様の悪戯を仕掛けられてますし……。あたしたちも、同じようにロウ様に悪戯してもらうための勉強です──」
ミウがきっぱりと言った。
イザベラが唖然としている。
「ちょっとお待ちください、ミウ殿──」
そのとき、ずっと黙っていた女官長のヴァージニアが突然に口を挟んだ。
「はい?」
ミウが視線を向ける。
「その勉強会とやらは、具体的には、どんな内容なのですか? すごく興味深いのですけど」
そして、ヴァージニアが言った。
「そうですね。興味あるわ」
「あ、あたしも……です……」
「わたしも――」
すると、三人の侍女たちも大きく頷いた。