※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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731 賊徒密偵への拷問

 司令官のリー=ハックとともに奥の牢側に向かうと、通路に血の匂いがした。血の匂いは横の牢から強く漂っていて、ジグは眉を思わずひそめてしまった。

 ジグの不審そうな雰囲気に気がついたのか、リー=ハックが振り返る。

 

「すでに五人を訊問した。なかなか口を割らんかったし、最後は処断した。時間もないし、まだ屍体はそのままだ。見るか?」

 

 リー=ハックの口元には白い歯が見えた。

 

「いえ、あとで確認します」 

 

 南王軍として、最終的には報告書作成の義務がある。それはジグの役割になるだろう。だから、ジグは状況を確認する必要があるが、それはあとでもいい。

 しかし、拷問はともかく、すでに処断というのは、裁判もなしにここで殺したということだ。

 

「そうか? なかなかの苦悶に満ちた死に顔だぞ。口を割らせるのに苦労したが、色々とやってみて、一番に効果があったのは、“あれ”の先っぽから奥まで針金を刺して、外に出ている部分の先端を火で炙らせることだ。喋ったらやめて殺してやると言って、やっと喋らせたのだ」

 

「あれの先に針金とは?」

 

 なにをしたって?

 

「ちんぽの先だ。なかなかの苦しみ方だった。軍の施設を襲撃して焼くような連中には当然の酬いだ。だが、考えてみれば、見せしめとして公開してもよかったかもしれん」

 

 リー=ハックが大笑いした。

 ジグは鼻白んだ。

 冗談じゃない。そんなものを公開すれば、ただでさえ安定していない治安が民衆の反撥で一気に悪化するに決まっている。

 やはり、リー=ハックはおかしい。

 

 もちろん、賊徒の討伐のために必要であれば、民衆の中に入り込んでいる賊徒の密偵のような者たちを拷問することは仕方がない。

 そうやって情報を集めることもやむを得ないとは思う。

 だが、いま話したように、面白おかしく野蛮な拷問をするとは……。

 

 そもそも、ジグの知っているリー=ハックは、実に貴族的な男なのである。

 嬉々として拷問をする性質ではないし、血を見て笑うような男ではなかった。

 だが、まるで感情の抑制を失ったみたいなリー=ハックの振る舞いに、ジグはどうしても首を傾げたくなる。

 

 そして、ふと思った。

 感情が剥き出しになるというのは、操心術などをかけられている状態のときに、そうなるということを耳にしたことがあった。

 他人によって強引に、ある種の思考や感情をねじ曲げられているので、ほかの部分についても、通常であれば、本心を覆い隠している自己制御を失い、隠されている本能に近い部分の素の感情が表れやすくなるらしい。

 だが、まさかねえ……。

 ジグは、ふと浮かんだ邪推を振り払った。

 

「いずれにしても、今回の討伐は厄介だぞ」

 

 すると、リー=ハックが再び歩きだしながら言った。

 

「厄介……ですか?」

 

「ジグ、今回のドピィの叛乱がいつから始まったと思う?」

 

「えっ、いつからか……ですか? 約二箇月前に、あの賊徒が直轄領から、こっちのクロイツ領に入ったときからでしょう」

 

 なにをわかりきったことを訊ねるのかと思った。

 もともと、あの道化師(ピエロ)団と称している賊徒は、クロイツ領の西側にある南王軍の拠点である国王直轄領に巣くっていた大規模な盗賊団だったのだ。

 それが突然に、こっちのクロイツ領に雪崩れ込んで暴れ出した

 首謀者は、ドピィと名乗っていて、その正体は不明である。ドピィというのは、“愚か者”という意味の古語であり、本名でないことは明らかだ。

 

 いずれにしても、この賊徒がここまで巨大になるのを許したのは、それを放置していた南王軍の責任が大きい。

 ただ、ずっと大人しかったし、あの盗賊団がいたために、直轄領のならず者たちがそこに集まり、むしろ治安はよかったのだ。放っておけば、あちこちで悪さをする者たちを集めてくれ、しかも、自給自足をしていて、盗賊団としては顕著な活動はなかった。

 だから、必要悪のように扱われていたのだ。

 それが、あんなに残酷な暴れ方をするようになったのは、約二箇月前に直轄領からクロイツ領に流れてからのことである。

 

「少なくとも五年前だ。あるいは、もっと以前からだ」

 

 リー=ハックが言った。

 

「五年前?」

 

「訊問してわかった。ドピィという男は、そのくらい前から、このクロイツ領に出没しては、人を集めて叛乱を説き、自分の信者を集めていた」

 

「えっ、信者?」

 

「宗教のようなものだな。王国や領主への不信感を煽り、魅力的な言葉で酔わせる。不幸を自覚させ、怒りを覚えさせることで、大人しく家畜として暮らしていた民を叛乱分子に変えるのだ。それを、このクロイツ領で五年前からしていた。今回、拷問した賊徒の間者は、もっとも古い者で、五年前からドピィに心酔していたことがわかった。だが、ずっと機会を待って、領民として隠れていたのだ」

 

「本当ですか?」

 

 ジグはびっくりした。

 そんなに根深いものとは思っていなかったのだ。

 

「死ぬこともいとっていないぞ。ここで拷問死させた者たちは、全員が“大望のために”と叫びながら死んだ。だから、厄介だ。信者と表現したのは、そういうことだ」

 

「な、なるほど」

 

 ジグは唸った。

 確かに、ただの賊徒とはほど遠い。

 多くの一般の領民たちの中に賊徒の協力者が混ざっていて、それが突然に牙を剥く。

 賊徒として集まって目に見えるもののほかに、さらにそんな見えていない者たちまでいるとなれば、それは“賊徒”というよりは叛乱だ。

 実際、今日起こったことはそういうものだ。

 領都に向かう主力軍に糧食を送るために出発した輜重隊を襲撃したのは賊徒そのものだが、それに呼応するように、ガヤの街で食料倉庫を燃やしたのは、領民の中に紛れていた者たちだ。

 どこに隠れているかわからない敵……。

 確かに、これほど厄介なものはない。

 

「ジグよ。お前が思っているよりも、この戦いは面倒かもしれん。お前が出動してから、私は部下に怪しい者を六人捕らえさせてきた。私は、この中にひとりでも賊徒分子が混ざっていればいいという腹づもりだったが、結果からすれば、これまでの五人のうち、五人ともドピィの信者だった。一体全体、このクロイツ領の民の中のどれだけが賊徒なのだろう。もしかして全部か?」

 

 リー=ハックが声をあげて笑った。

 だが、ジグは空恐ろしくなってしまった。

 

「着いたぞ。六人目だ。酒場で酔客を相手に歌っていた歌い手だ。うちの将兵たちもたくさん通っていた店で歌っていて、適当にねんごろになっては情報をとっていた。俺の睨むところ、領都に進行している主力や輜重隊の情報を流したのはこいつだろう」

 

 最奥の牢に入った。

 南王軍の兵が三人いて、女は両手を束ねて天井から吊られて立たされていた。

 艶やかな裾割れのスカートを身につけていて、まさに店で歌っていたところを連行されたという感じだ。

 リー=ハックが部屋に入ると、椅子に座って、女を見張っていた兵たちが一斉に立ちあがり、リー=ハックに敬礼をする。

 

「まだ訊問はしてないな?」

 

「はい、ご命令のとおりに」

 

 三人の兵の長が応じる。

 リー=ハックが空いた椅子に腰をおろした。ジグも促されて椅子に座る。

 

「女、お前の仲間は色々と吐いてくれたぞ。もしも、矛盾することを話せば、拷問がきつくなる。それが嫌なら、なんでも正直に言うことだ」

 

 リー=ハックが酷薄な口調で言った。

 だが、ジグには、その言葉の響きの中にある明らかな喜色の響きに気がついていた。

 リー=ハックは、これから目の前の若い美女を訊問するということに、喜びを感じている。

 いや、大してそれを隠してもいない。

 にやにやと好色そうな笑みを浮かべてもいる。

 やっぱり、リー=ハックは奇妙だ。

 ジグは思った。

 

「さっきこの人たちに言いました、司令官さん。なにも知りません。そりゃあ、兵の人たちとは、お小遣いをもらって寝ましたけど、それが罪なんですか?」

 

 女は不貞腐れたように言った。

 だが、その顔は蒼く、表情は強張っている。

 歌い手というだけあり、かなりの美人だ。白い下肢が割れたスカートから露出していて、なんとも艶めかしいと思った。

 

「なぜ、私が司令官だとわかる? このガヤに入って、ほとんどこの司令部にしている屋敷から出ない私を一発で司令官と見抜くなど、すでに密偵だと自白したようなものだぞ」

 

 リー=ハックが笑った。

 すると、女がはっとした顔になる。

 どうやら、黒か……。

 ジグも断定した。

 

「まずは、そのままで叩いてみろ。訊問は少し素直さが見えてからだ」

 

 リー=ハックに声をかけられ、兵のうちふたりが腰にさげていた短い鞭を持つ。

 女の前後にまわり、ひとりが後ろから形よく盛りあがった臀部を力一杯に引っ叩いた。

 

「くうっ」

 

 身につけている服の生地が炸裂するばかりにびしりと鳴る。

 だが、女は歯を喰いしばって、必死に悲鳴を押し殺そうとした。

 前からもうひとりの兵が横殴りに腹を打つ。

 

「んぎいっ」

 

 布が破れ、臍が顔を出す。

 

「なかなか根性があるな。もっと痛めつけろ」

 

 リー=ハックが声をかける。

 ふたりの兵は代わる代わる前後から鞭打った。

 最初は我慢していた女も、次第に喰いしばった歯からむせ返るような呻き声を出すようになる。

 少しずつ服も破けて肌の露出が増え、踏ん張っている太腿が揺れてちらちらと見え隠れしたりする。

 ジグも男なので、扇情的な女の姿に口の中に溜まった唾液を呑み込んだ。

 

「はぎいいいい」

 

 そして、ついに、女が絶叫して全身を弓なりにした。

 前側から叩いていた兵が上側に振りかぶった短鞭で股間をまともに打ったのだ。

 スカートがぱっくりと裂けて、白い肌着が剥き出しになる。

 それとともに、じょろじょろと女がおしっこを垂れ流し始めた。

 

「小便を漏らしたか。濡れたものを身につけていては気持ち悪いだろう。剥ぎ取ってやれ」

 

 すると、リー=ハックが事も無げに言った。

 ジグはびっくりした。

 

「ちょ、ちょっと司令官殿──」

 

「黙っていろ──」

 

 すると、リー=ハックがジグに向かって怒鳴った。

 ジグは慌てて口をつぐむ。

 後ろ側の兵が一度、短鞭を腰に差し直して、女のスカートの中に手を入れた。

 女は放尿が終わってぐったりしていたが、はっとして身体を強張らせる。

 

「な、なによ──。こ、このけだもの──」

 

 女が絶叫した。

 そして、下着を脱がされまいと、懸命に足をばたばたと動かしだす。

 

「なるほど、けだものか……。ならば、けだものらしく訊問してやろう。素っ裸にしろ。もう鞭はいい。この女が賊徒の密偵であるのはいまので十分にわかった。ただの歌い手なら鞭打ちには耐えん。だが、先に殺した男たちと同じやり方なら、誰に雇われているか喋るかもな」

 

 リー=ハックだ。

 

「だ、誰にも、や、雇われてない……。あっ、や、やめてえええ」

 

 兵たちが前後から女の服を破り始めたのだ。

 あっという間に、衣類が女から剥ぎ取られて下着姿になった。さらに胸にまいていた布も奪われる。

 半球型の瑞々しい乳房がぶるんと現れた。

 

「どうだ、ジグ? 面白くなってきただろう。これからが見物だぞ。それとも、犯すか? 俺はこんな下賎の女など精を出す気にはなれんが、お前が望むなら、拷問の前に犯させてやろうか」

 

 リー=ハックが愉快そうに言った。

 ジグは慌てて首を横に振る。

 そして、こっちの会話が女に届かないように、リー=ハックの耳元に口を寄せた。

 

「け、結構です……。それに、司令官、こんなことは許されませんよ……」

 

 ジグはささやいた。

 

「なぜだ? 兵たちは愉しそうだぞ……。なにをしている。まだ下着が一枚残っているぞ──。それと、副長は参加せんそうだが、小便臭くていいなら三人で犯してもいいぞ」

 

 リー=ハックは笑いながら、もうひとり残っていた兵の長にも声をかけた。

 

「こりゃあ、役得だったな。ありがとうございます」

 

 そいつも、礼を言って、女密偵への陵辱に参加していった。

 ジグは戸惑った。

 これは、どう考えてもただの強姦だ。

 

 こんなことを司令官自ら許可するなら、目の前の兵たちは、こういうことをしてもいいのだと思うようになる。

 そして、必ず、街中でも狼藉をする。

 当然に、ますます軍への反感が高まり、賊徒に傾倒する者が増えるだろう。

 また、軍規は緩み、命令が行き届かなくなって、軍は弱くなる。

 ジグはそれを懸念した。

 

「し、司令官──」

 

 ジグは今度は大きな声をあげた。

 

「だまれ、ジグ──。訊問に同席させたのは、副司令官として状況を把握させるためだ。だが、私のやり方に口を出すな。黙っていろ──。しかし、どうしても耐えられなければ出ていっていい。どうせ、新しい情報など出てこん」

 

 リー=ハックから再び怒鳴りあげられる。

 ジグはそれ以上、なにも言えなくなってしまった。

 

「さあ、これも脱いでもらおうか。おうおう、小便臭えなあ」

 

 兵のひとりが最後に残った腰の下着に手をかけた。最初に脱がそうとしていたが、女が暴れたために、まだ脱がせられないでいたのだ。

 失禁のために、薄い布に女の栗色の陰毛が透けている。

 

「やあああっ」

 

 女は最後の抵抗を示すかのように、狂ったように括れた腰を捩り、鎖に繋がれた両腕をうねり回し、さらに、脚をばたつかせて必死に反撥する。

 

「おとなしくせんか」

 

 だが、三人がかりで押さえつけられて、ついに下着をおろされて、足首から抜かれる。

 女は絶望的な表情になって俯き、身動きをしなくなった。

 

「じゃあ、遠慮なくいかせてもらいます」

 

 最後に加わった兵の長が女の前に回って、自分のズボンに手をかけた。

 

「この豚野郎──。お前らは豚だああ──」

 

 その瞬間、女ががばりと顔をあげて、力任せに前の男の股間を蹴りあげた。

 

「ほごおおお」

 

 油断していた兵の長は、その場に崩れ落ちて悶絶する。

 

「うわっ」

 

「こいつ──」

 

 両側にいたふたりの兵が慌てて女の脚を押さえつける。

 

「殺せええ──。ドピィ様の戦いに参加したときから、大望のために命は捨ててるんだ。お前らはけだもので豚だああ」

 

 女が絶叫した。

 

「こいつ──」

 

 兵が女の頬を引っ叩く。

 しかし、二発目を打とうとしたとき、女が自分を平手しようとした兵の指に噛みついた。

 

「いがあああ」

 

 噛みつかれた兵が悲鳴をあげた。

 すると、リー=ハックがジグの横で大笑いした。

 

「なにをしておる。暴れられるなら脚を縛れ」

 

 リー=ハックの言葉にはっとした兵たちがどこからか持ち出した縄で女の華奢な足首をぞれぞれに縛る。

 牢の壁には囚人につけた鎖をとめる金具が幾つかあるが、兵たちは女の足首に結んだ縄を力一杯にたぐり、女の股を大きく開かせて固定した。

 流石に、女が狼狽して泣き喚いた。

 

「ち、畜生……。こうなったら、もう抵抗できねえだろう」

 

 股間を蹴られた男が股を押さえながら立ちあがった。

 怒りで顔を真っ赤にしている。

 

「待て、そう、せっつくな。なかなか、賊徒の密偵にしては根性があるではないか。面白い──。犯させてから、殺そうと思ったが、その根性を試してやろう。この香を女の股の下で焚いてやれ。百歳の老女でも淫情に悶えるという媚薬の香だ。音をあげて、兵たちの慰み者になると口にすれば、この牢でしばらく生かしておいてやろう」

 

 リー=ハックが言った。

 気がつかなかったが、牢の端には木箱があり、リー=ハックの指示で兵たちがそれを開くと、いまリー=ハックが口にしたものが入っていた。

 ほかにも色々と入っている。

 兵たちが歓声のような声を発して、香を準備して女の股の下で火をつける。

 薄白い煙が甘い匂いとともに、女の股に細くあがっていく。

 

「な、なによ、これ……。あっ、くっ、ば、ばかなことを……。こ、こんなもので、あたしが屈服するはずが……」

 

 女の裸身が真っ赤になり、その肌から汗が噴き出てきたのはあっという間だった。

 余程に強力な媚香なのだろう。

 凄まじい効き目みたいだ。

 

「それはただの試しの準備だ。お前の股が濡れれば、その箱にある金属の杭をおまんこに挿し入れる。そして、金属の杭の反対側を蝋燭の炎で炙る。股ぐらが焼けただれるまで我慢できたら、そのまま殺してやろう。しかし、熱くて我慢できなくなったら、杭を抜いて犯してくれと叫ぶんだ。そうすれば、ここで兵の慰み者として生かしてやる。同じことをして、お前の仲間の男たちは、泣きながらなんでも喋ったぞ。お前はどうかな?」

 

 リー=ハックが言った。

 ジグは唖然としてしまった。

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