【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
カリュート:ドピィの部下。
また、エピソード題名を変更して、エピソード区切りを入れています。
733 掃き溜めの美少女姉妹
領都に各地から人が入ってきた。
ほとんどが、周辺の農民たちであり、南王軍が接近するので避難してくるのである。
頭領のドピィが賊徒支配地域については「永世無税」を宣言しており、いち早く反応した農村などは、すでに
まあ、もっとも、ほとんどがまだ様子見というところだが……。
とにかく、すでに賊徒入りを宣言しているような農村から、南王軍が近づいたことで、報復を恐れて家族などを領都に逃してくるのだ。
あるいは、すでに南王軍が入り、徴発という名の略奪を受けたところもある。ここにはいない頭領のドピィがあの騎馬隊を率いて、彼らの糧食を運ぶ輜重隊を襲撃しまくっているらしく、こちらに進んでくる南王軍では、すでに兵糧の不足が始まっているようなのだ。
そして、その地域では、賊徒狩りと称する無法な軍による蛮行も起こっている気配だ。食糧のみならず、軍が入れば、若い女を略奪の対象にするのである。
若い女は兵の連中の性処理の対象だ。
まあ、よくある話である。
実際、これまで領都に保護を求めてきた者たちの中には、すでに、南王軍から性被害を受けている女たちも少なくなかった。
いずれにしても、進軍してくる南王軍との戦いに備えるとともに、そういう逃散してきた農民たちを受け入れるのも、留守役を任されているカリュートの役目である。
ただ、南王軍が接近するに従い、逃散の農民の数も多くなり、この数日は、日に百人に迫る勢いになってきた。
だから、さすがにひとりではできず、集まってくる避難民との面談は部下に任せている。
カリュートは、部下たちが、彼ら、彼女たちのひとりひとりに会って話をした結果の報告を受け、南王軍や、あるいは、ドピィが嫌うタリオなどの手の者と思われる者を弾くのだ。
ほかにも、領都の防衛準備ですることは山のようにあるが、その敵の間者を見極める仕事だけは、カリュートは余人に任せずに、自らしている。
理由はある。
「あいつらか?」
カリュートは、怪しい可能性があると報告を受けた女を確認するために、彼女たちが荷運びをしている場所にやってきた。
部下が怪しいと報告してきたのは、人間族の若い少女姉妹ふたりである。
カリュートは、少女たちを確認した。
明らかに抜きん出た可愛さだ。
「ええ、目立ちますよね。経歴も不自然です」
五人、十人と連れだってやって来る者たちについては、ほぼ問題はない。ほとんどが同じ農村の者たちであり、仲間内にほかの者が入り込む余地はないからだ。
だが、そうでない者は、基本的には、まずは見張れと命じている。その結果、怪しいと判断すれば、カリュートに報告が入る。
ただ、あの姉妹については、面談後すぐに報告があがってきた。
「どんな風に、不自然なのだ?」
逃散してきた女子供を受け入れる条件は、領都に攻めてくるであろう南王軍と戦うことである。
武器を持って戦える者は、武器を与えて訓練に参加させる。武器の扱えない者、たとえば、非力な女や、子供のような者についても、矢弓や破裂弾の作成、荷物運び、罠の準備などの仕事に従事させる。
それが条件で受け入れることにしていた。
だから、部下が報告をしてきたふたりについても、さっそく部署が言い渡されて、城壁の上から投げ落とすための採岩などを石壁を砕いては、外壁に向かう荷馬車に乗せるという仕事に参加させていた。
ただ、力仕事に慣れている感じはなく、働く姿は周りのほかの者に比べてぎこちない。
「つまりは……」
部下が語り出した。
それによれば、少女姉妹は、ほかの地区の農村出身の集団に紛れて入ってきたらしく、もともとはガヤの街の商人の娘だという。それが最初の時期の騒乱に巻き込まれて、家族と家財産を失い、南に逃げて小作人として雇ってもらおうと考えていたところで、今回の南王軍の進攻に触れ、さらにこの領都まで逃げてきたのだという。
「なんだ、そのとってつけたような怪しい経歴は? 商人なら商人の伝手で逃げるだろう。なんで、小作人なんだ。しかも、あんな少女だけで?」
姉妹のうち、姉は成人の十六になったばかりくらいだろう。妹は子供だ。十歳くらいか?
「そうでしょう」
報告をしている部下が笑った。
部下は、オキュトという男であり、
カリュートとオキュトは、いまは城郭の大通りに面する建物の陰から、十数人で働く現場を眺めている。
もともと、領主の倉庫だった石造りの建物があり、それを砕いて投石用の小岩にしているのである。
対象のふたりは、大汗をかいて小岩を城壁側に運搬する荷車に乗せ続けている。
「似てないな」
カリュートは思った。
ふたりとも美しい顔立ちをしており、姉も妹も肌の色が白くて艶々している。姉はすでに女として美しく、妹は可愛らしく、いずれ美人になるのは明白そうだと思った。
だが、まずは似てない。
「似てませんね」
オキュトも頷く。
「しかも、掃きだめに鶴という印象が強すぎるな。まったく、周りに馴染んでないぞ。目立つふたりだなあ」
「そうですね。だから、逆に、間者ではないだろうとは思っています。あんなに目立つ間者も珍しい」
「まあな」
間者というのは、まずは人の中に溶け込むものだ。そのような人材を選ぶし、そうなるように訓練もする。
しかし、あれは、すごく目立っている。
一緒に働く男たちのほとんどは、汗の光る姉妹、特に姉の方をちらちらと眺めている。
なんでもない仕草がすべて色っぽい。
それが汗で服が身体に張りついているものだから、あれを気にしないようにするというのは、男には無理だろう。
カリュートも、ちょっとそわそわしてきた。
「もう少し様子を見ますか。怪しい動きがあれば、報告します」
「そうだなあ……」
カリュートは迷った。
そのときだった。
「くううっ、疲れたああ。死ぬうう。もう無理いい」
突然に姉側が運びかけていた小岩を放り投げて、その小岩に座り込んでしまったのだ。
さらに、胸元を少し開いて、ぱたぱたとあおいで胸に風を入れる仕草を始めた。それがちょうど、こっちを正面にする体勢なので、胸が開いて汗に濡れる乳房の上側がちらちらと見える。
しかも、スカートも短いものであり、軽く開いている膝からは、股の奥の下着が見えそうで見えなかったりする。
「お、お姉ちゃん」
妹が呆れたように、姉に寄ってきた。
「うるさい──。わたしは疲れたのよ。重いし、ちょっと休憩しないと無理よ」
「でも……」
妹は周りを気にするように、おろおろしている。
だが、姉はもう不貞腐れたように、服の下に風を送る仕草を続けている。しかも、今度はいきなりスカートの裾をちょっとたくし上げた。
白い太腿が露わになる。
その瞬間に、カリュートは決心した。
「よし、あのふたりを訊問する。連行しろ」
「いや、あれは間者ではないですよ。もしかしたら、あいつらを目出たせることで、本命の間者を粉飾しているかもしれません。もう少し泳がせた方が……」
オキュトが含み笑いのような表情で言った。
こいつ……。
「いや、明らかにあいつらは怪しい。とりあえず、訊問をするさ。いつものように、拘束してから訊問室に運べ」
「また、おひとりで訊問なさるので?」
オキュトがにやにやしながら言った。
やっぱり、こいつ……。
カリュートは嘆息した。
避難民に紛れている間者狩りのうち、訊問を伴うものについては、カリュートは自ら行っていた。しかも、特に、相手が若い女のときには、見張りを部屋の外に出して、カリュートだけで「訊問」することを専らにしていた。
オキュトたちからすれば、なにをしているかは自明のことなのだろう。
だが、カリュートからすれば、このくらいの役得がなければ、賊徒の幹部などやってられない。
頭領のドピィだって、賊徒団の司令部にしている侯爵家の屋敷の敷地内の別宅に、美人の侯爵夫人を監禁しておいしいことをしているのだ。
カリュートたちは、その離れに近づくことは許されていないが、世話女をしているキーネという老婆によれば、ドピィが出動して出ていったいまでも、淫具を挿入したまま貞操帯で封印するということをして、アナル調教をやり続けているのだという。
つまりは、頭領のドピィからして、やりたい放題なのだ。
だったら、その直接の部下のカリュートがやってはならんという法はない。
従って、このところ、カリュートも開き直って、愉しませてもらっている。
若くて美味しそうな女とあれば、怪しいと理由をつけ、訊問という名の陵辱をするくらいのことは、やってもいいはずだ。
ましてや、あいつらは明らかに怪しい。
「なにが言いたいんだ?」
「俺も参加させてください。そうすれば、カリュート様がひとりだけで、どんな訊問をなさっているか、言いふらしませんから」
オキュトが言った。
カリュートは笑ってしまった。
「言いふらしてもいいが、上司を脅す度胸に免じて、参加させてやろう。ただし、お前だけだ。もしも、同じようなことを言ってきた者がほかにも出てくるような面倒なことになれば、二度とお前には参加させねえ」
「やったね。きっちりと全員には釘差しときますよ」
「仕方ねえなあ」
カリュートは肩を竦めた。
「ところで、カリュート様はどっちですか?」
すると、オキュトがにやにやしてそんなことを言い出した。
「どっちとは?」
「わかっているじゃないですか。最初に犯す方ですよ。順番を決めときましょうよ。そのときになって揉めないように」
オキュトが戯けた口調で言った。
カリュートは呆れた。
「お前、なにか勘違いしてやしねえか。俺たちがするのは訊問だ。あの少女たちが怪しいから取り調べするんだ」
「わかってますよ。でも、そんな体裁いいんじゃないですか? じゃあ、俺から決めてもいいですか? 実は、俺はちっちゃい方が好みでしてね……。あんな、ちっこいのを泣くほどいじめてやりたくて……」
「ああっ、小さい方だあ──。ありゃあ、子供だろう。お前、変態か──」
カリュートは思わず言った。
「それで、どうなんですか、カリュートの兄貴?」
「カリュート様から、兄貴呼びかよ。どこまでも調子に乗りやがって」
カリュートは苦笑した。
「それで?」
「俺は、姉の方だ。当たり前だろう」
「じゃあ、問題なしですね。捕縛させます」
オキュトが言った。
カリュートは頷く。
すると、オキュトが指笛を吹いた。
物陰に隠れていた武装した十人ほどのオキュトの部下たちが一斉に飛び出して、その姉妹を囲む。
「わっ、わっ、なによ、あんたら──」
「きゃああ、お姉ちゃん──」
姉妹が悲鳴をあげた。
「一応は魔道封じの魔縄を使え。ふたりを縛りあげろ──」
オキュトが声をあげる。
男たちはふたりの少女の腕を掴み、あっという間に彼女たちを後ろ手に縛りあげてしまった。