【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
隣室のエリカを密かに見張らせているシルキーが一郎の前に現れたのは、夜半すぎのことだった。
両腕を天井からの鎖で固定しているとはいえ、股間を天井に向かって突き出し、さらに限界まで爪先立ちの状態を維持しなければ、根元から千切れてしまうくらいに、エリカの陰核を吊りあげて放置してきた。
もちろん、本当に放置しているわけではなく、姿を消したふりをしてシルキーには、ずっとエリカを見守らせていたし、すぐに対応できるように一郎もこうやって隣室に待機している。
まあ、限界がやってくるまでせいぜい一時間程度かな……と思っていた一郎の予想は外れた。
エリカはあの状態のまま、実に五時間近くも耐え続けたのだ。すでに夜半がすぎている。
こちらの時間単位であれば、六ノスというところだ。
「すぐ行く」
一郎は立ちあがって、廊下に出ると、エリカのいる調教室の扉を開けた。
「……はひ……ひい……ふう……」
エリカは一郎が五時間前に放置してきた格好のまま、立ったまま両脚の踵を限界まであげて、股間を天井に向ける姿勢を保持していた。体重は後ろ手の腕に繋げている鎖に預けるようにしていたが、かなりに不自然な体勢であることは確かだろう。
すでに限界を越えていて、まともに意識を保っていないのか、一郎がやってきても、エリカはそれに対する反応はまったくなかった。
また、エリカの足元は夥しい体液で溢れている。
電撃棒の拷問の最中に失禁したままにしていたというのもあるが、それ以上に大量の汗がしたたり落ちている。しかも、垂れているのは汗だけではない。陰核を吊っている糸を絶え間なく振動されているため、その刺激による愛液が呆れるほどに内腿を伝って足の指まで繋がっている。それも足元に拡がる体液の溜まりに混じっていた。
顔はボールギャグのために防ぐことのできない涎でびっしょりであり、苦悶に歪むエリカの美貌は涙と鼻水でぐしょぐしょだ。
一郎はエリカの正面にある蝋燭立てに目を向けた。
そこには二本の蝋燭が立っている。
この屋敷にある燭台は、屋敷妖精のシルキーの魔道で、消して消えることも短くなることもない。一郎がエリカをここに放置したときの長さのまま、煌々とこの調教室を照らしている。
一郎はエリカの視界に入るように、その正面に移動した。
「んふうっ、ふううっ、ふう──」
すると、エリカが懸命になにかを訴え始めた。
おそらく、許しを乞いているのであろう。
さすがに、この陰核吊りは堪えたようだ。
「まだ、朝には早いが小便がしたくなってな。一度だけ、機会をやろう。もう一度、訊ねてやる」
一郎はエリカの唾液で汚れたボールギャグを外してやった。
「……はあ、はあ、さ、三本……。三本です……。三本……三本……」
嵌口具を外すなり、すぐにエリカは荒い息とともに、エリカが必死の口調でそう言った。
一郎は満足した。
糸に貼りつけてあるローターの振動を止めるとともに、手をあげてシルキーに合図した。シルキーの姿は見えないが、エリカがこの調教室に監禁され始めてから、ずっとここでエリカを見守らせている。なにかあったら、すぐに対応して、一郎を呼び出しさせるためにだ。
糸が緩んだ。
それを認めたエリカが、精魂尽きたようにがくりと脱力した。
続いて、エリカの腕を吊っていた鎖も緩む。
エリカはそのまま、跪くかたちになった。
そのままうずくまりそうになるのを一郎は、エリカの黄金色の髪を掴んで、強引に跪いている体勢を保持させるとともに、顔を上にあげさせる。
「はっ、な、なにっ……?」
エリカが呆けた顔で言った。
その眼は虚ろで、疲労の限界をとっくに越えているというのがわかる。おそらく、頭も回っていないと思う。
いまは、まともな思考ができる状態じゃない。
一郎は、これにつけこんで、このまま一気にある程度落とし込むつもりだ。
ここまで体力も気力も削ぎ落としてしまえば、どんなに反発心があっても、とてもじゃないが、抵抗の態度を保持することはできない。
「言ったろ、エリカ。俺は小便がしたくなった。お前、便器になれ。それに応じれば、朝まで寝かせてやる。だが、断れば、朝までさっきの続きだ。今度は腕の支えもしてやらん。本当に肉芽だけで吊りあげてやる」
一郎は片手でエリカの髪の毛を掴んで顔をあげさせたままで保持させ、もう片方の手でズボンの前から一物を取り出した。
エリカの目が恐怖で大きくなった。
「……心配ない。魔道契約の縛りがあるからな。出すのは小便だけだ。精液の呪術はかけん。ただし、便器として俺の小便を飲め。拒否すれば、肉芽吊りの続きだ。応じれば休息だ……。それにお前は俺の三日間は調教を受けると誓ったはずだ。これは“調教”だ。それを破るのか?」
エリカは荒い息をしたまま、少しのあいだ考えるような表情になった。
だが、その顔には一郎に強要されていることに対する屈辱よりも、いまはさらに続けられるかもしれない肉芽吊りへの恐怖心でいっぱいのようだ。
それに、誓いを盾にして要求したことも、エリカを追い詰めている。エリカは律儀で真面目だ。調教を受けると約束したなら、それが理不尽でも、一郎との約束は守ろうとする。エリカはそういう女だった。
もっとも、さすがに、すぐには応じなかった。
一郎はわざとらしく、不満そうに鼻息を大きく鳴らした。
「……そうか。せっかくの機会だったのにな。じゃあ、朝までしっかりやれ。俺がいつ起きてくるか、今度はわからんがな。朝とはいっても、昼過ぎかもしれんぞ」
ロウはまだ繋がっているエリカの肉芽に結んでいる糸をぐいと握った。
「ひいい──。な、なります。便器になります──」
エリカが引きつったような声で叫んだ。
その顔には、昼間ずっとあった一郎に対する憎しみのような視線が消えている。あるのは一郎に対するひたすらの怯えだ。
一郎はエリカの口に股間を突きつけた。
エリカは涎だらけの小さな口を精一杯に開けてそれを頬張った。エリカに何度、こうやって口で一郎の性器を咥えさせたかわからないが、おそらく、勃起していない性器を口に入れさせたのは初めてだと思う。
「いくぞ……。こぼすなよ」
一郎はエリカが一郎の尿を飲み続けることができるくらいに量を制限しながらエリカの口に放尿をした。
エリカは必死にそれを喉に入れている。
一生懸命に一郎の尿を飲んでいるエリカは、本当に健気でいとおしい。
エリカは、ついに一滴残らず、一郎の尿を飲み干してみせた。
「いい子だ。ご褒美だ」
一郎は体液の水溜りを避けて、エリカを押し倒した。
「な、なに……?」
エリカが当惑した声をあげた。
「服従にはご褒美だ。よくやったぞ。気持ちよくしてやる。今度も心配するな、魔道契約の縛りがあるから、俺はお前の許可なく、エリカの身体に精は注げない。安心してよがり狂え」
一郎は押し倒したエリカのびしょびしょに濡れた股間を指で押し開くようにした。
「ふううっ、い、いやあっ」
エリカの身体がおこりでも起こしたようにがくがくと震えた。
すでに、エリカの快感が頂点近くに達していたことは、もちろん一郎は知っていた。
エリカは、あの陰核吊りからもしっかりと激しい悦楽を得ていたのだ。
一郎が濡れたエリカの股間に指を入れ、糸で根元を縛られて真っ赤に腫れあがったようになっている肉芽をくすぐると、エリカはあっという間に最初の絶頂をした。
「んふううううう──いぐううううう──」
エリカが身体を弓なりにして、大きな声をあげる。
そのとき、一郎は快感によがるエリカの表情に、一郎に対する憎しみや憎悪の気配が全くないことに気がついた。
一郎は嬉しかった。
そして、ほっとした。
いくら感情が歪められているとはいえ、一郎が教え抜いた身体の快感だけは忘れられるわけがない。感情は歪められたが、エリカの一部はしっかりと一郎に対する本当の感情を覚えていてくれているのだと思った。
昇天の瞬間、エリカは心からの愉悦の表情と、快楽の極みに達する悦びを身体いっぱいに現わした。
憎い相手との性交で、こんな表情ができるわけがない。
エリカは、身体を一郎の与える快楽でいっぱいにすることで、それを通じて、なにかを取り戻そうとしているのかもしれない。
一郎は姿勢を変え、エリカの両脚を抱えるようにすると、すでに硬直している怒張を濡れきったエリカの股間に押し当てた。
エリカが震えあがった。
それは怯えのためというよりは、これから始まることへの期待感に対する震えのように一郎は感じた。
一郎が挿入しようとしているのに、エリカの身体は拒否しようともしなかった。やはり、いまの瞬間、エリカはジョナスの刻まれた一郎に対する憎しみの感情を完全に忘れているようだ。
このまま精を放てば、エリカは元に戻ってくる。
実のところ、エリカと交わした魔道の契約など、最初から無効になっている。一郎が三日間の賭けのことをエリカに告げれば、当然に、エリカが魔道契約のことを持ち出すということは、一郎の想定に入っていた。
だから、事前にシルキーに言い含めて、そのときには、魔道契約が正当に行われたという錯覚を与える術をエリカに施すように指示していたのだ。だから、いまのエリカは、魔道契約があるから、三日間の調教を受けなければならないと思い込んでいるだけだ。
しかし、実際にはそんな縛りはない。
エリカにもなければ、一郎にもない。
だが、真面目なエリカに、一郎の調教を受け入れさせるには、それで十分だ。
いずれにしても、この瞬間にも、一郎はエリカに精を放って、エリカの支配を取り戻すことができる。
だが、それではなんにもならない。
エリカが自分の意思で一郎の奴隷になることを応じさせなければならないのだ。
そうすれば、一郎の呪術は強化され、一郎の淫魔術の支配の度合いを強めることで、ほかの操り師の心の接触を防ぐことができるようになる。つまり、心の支配を極限にまで弱めて心への関与を最小限度にし、女たちの自我を保ち、それでいて、他者の関与に対する防壁を強くした状態にしておくこともできるのだ。すでに、コゼもシャングリアもその状態にある。
彼女たちの精神は、大部分が彼女たち自身の意思の管理下にあり、一郎によって心を歪めたりはほとんどしておらず、しかも、高い操り術への護りを保持している。支配の基盤の強いコゼとシャングリアについては、やってみたらそれはできたのだ。
だが、支配の基盤が異なるエリカには、いまはそれはできない。
エリカの自我を残したまま、一郎の支配による心の防壁を強化するには、やはり、エリカが「堕ちる」ということがどうしても必要だ。
ただ、三日間の調教でどうしても、エリカが堕ちなければ、一郎は精を放って、一郎の支配下に戻すつもりだ。
卑怯者になろうが、それはいい。
一郎は、どんなことがあろうとも、エリカを手放す気にだけはない。エリカが一郎の奴隷に甘んじてなることを同意してくれなければ、そのときには、彼女が意思のない人形になっても、一郎はエリカにそばにいて欲しい。
一郎は怒張をエリカの股間にあてがったまま、両手でエリカの肩を抱いて、ずぶずぶと先端を押し入れて突き進んだ。
「あああっ」
エリカが二度目のエクスタシーに達したのがわかった。
すでに呆けた表情のエリカを休ませずに、さらに一郎は突き続けた。
射精をコントロールできる淫魔の力があっても、こんなに可愛らしくよがり達するエリカへの射精を我慢するのはつらかった。
だが、一郎は耐えた。
そして、激しく股間を突き続ける。
エリカが三度目の絶頂をしたとき、一郎はやっと律動をやめた。
「口づけだ」
一郎はエリカの身体を引きあげて、唇を交わそうとした。
悦楽にぼうっとしていた感じだったエリカが、それに気がついて、慌てて顔を横に背けた。
「ふふふ……。身体はよがり狂っても、キスは嫌か?」
一郎は笑った。
「ち、違う……。わ、わたしの口……き、汚ないし……」
エリカが戸惑うような口調で言った。
汚い……?
首を傾げそうになって、そういえば、さっき一郎自身の尿を飲ませたことを思い出した。それに長時間のボールギャグのために、エリカの口の周りは夥しい涎で汚れている。
「……気にするな。俺とお前の仲だ……。好きだよ、エリカ……」
一郎はささやくと、再び唇をエリカの口に近づけた。
今度はエリカは拒否しなかった。
エリカの素晴らしいことも、そうでないことも、綺麗なところも、汚いところも、すべてが好きだ。
なにがあろうとも、一郎はエリカを手放すつもりはない。
一郎はエリカの股間に怒張を貫かせたまま、しばらくのあいだ舌を絡ませ合った。
「はううっ」
口づけが気持ちいいのか、エリカがますます一郎の舌にしゃぶりついてくる。
「わ、わからない……ああっ……あ、あんたが……憎い……はず……ああっ……んん……んなあっ……ああ……はずなのに……き、気持ちいい……これ……気持ちいい……ああ……んん……」
憑かれたようにエリカは一郎の口をむさぼっている。
感情は操られていても、身体は本能に従っている。
だからだろう。
エリカの身体は一郎から与えられる快感を忘れていないのだ。だから、官能の本能がエリカを支配しているいまは、エリカはジョナスの刻んだ感情統制の外にいるに違いない。
いまのエリカには、ジョナスの支配で一郎に憎しみを抱いていた片鱗もない。
一郎はエリカと口づけを交わしたまま、対面にあるエリカを乗せた状態で腰を動かし始めた。
エリカの興奮が大きくなる。
噴きあがる官能の大波に溺れるかのように、エリカはさらに舌を一郎の口に這わせてくる。
四度目の絶頂を与えるべく、一郎は股間を上下する速度をあげた。
「あっ、ああっ、ああああっ」
突きあげられるたびに全身を甘美感に震わせるエリカは、いつの間にか自らも腰を使い始めてきた。
そして、達した。
淫らに腰を動かしながら、エリカはいつものように咆哮のような雄叫びをあげて、昇り詰めていった。
そして、一郎の腕の中でがっくりと脱力した。
意識を失ったようだ。
一郎はエリカの股間から一物を抜いた。
まだ、一郎の性器は隆々と天を向いている。
一度も射精をしていないので当然だろう。
「シルキー」
一郎は声をかけた。
すぐにシルキーが消滅させていた身体を出現させた。
「エリカを休ませる。腕や足首の枷を外してやれ。肉芽の糸もな。意識が戻ったら、湯に入れて身体を洗ってやれ。食事もさせるんだ。次の調教開始は、明日の午後からだ。そう伝えておけ」
一郎の言葉にシルキーは頷いた。
拘束はしなくても、三日のあいだはエリカは逃げない。
魔道の縛りがあってもなくても、エリカは一郎との約束は破らない。
そんな気がする。
たとえ、一郎を憎んでいたとしてもだ……。
ジョナスに施された暗示で、一郎を憎む気持ちがあるのは確かだろうが、やはり、心の奥底には、一郎を好きでいてくれるエリカも確かに残っている。一郎はエリカを抱くことでそれを確信した。
その葛藤がある限り、エリカは一郎から逃げ出さない。
「指示されたことは伝えます、旦那様……。ところで、よろしければ、わたくしめが、旦那様の精をお抜きしましょうか? それとも、コゼ様や、シャングリア様を呼び出しましょうか? おふたりとも眠っておられますが、申しつけてくだされば起こしてまいります」
シルキーが言った。
一郎の股間はいまだに勃起状態だ。
それを見て、シルキーはそう言ったのだろう。
一郎は苦笑しながら、性器をズボンにしまった。
「いや、いい。悪いが、いまはエリカのことだけを考えたい。わかってくれ。俺は隣の部屋にいる。ただし、エリカには、俺が壁一枚隔てたそばに、ずっといることは伝えるな」
「かしこまりました」
童女姿のシルキーがうやうやしくお辞儀をした。