※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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774 クロノスの頼み事

 ロウの術で亜空間に入るというのは、何度体感しても不思議なものである。

 

 ガドニエルの知る限り、亜空間術というのは、収納術とも呼ばれ、生きるものをそこに収納することはできない。

 いや、できないことはないが、極めて大掛かりな魔道になる。

 例えば、エルフ族王家の王のみしか伝承しない「イムドリスの隠し宮」である。イムドリスは、亜空間に女王の居城を作り、限られた者しか出入りできないようにした特殊魔道である。

 いまは閉鎖状態だが、これもまた一種の亜空間魔道である。

 だが、館一個分である。

 

 ロウがやるように、本人が現実次元に留まったまま、まるで物でも収納するように、簡易に入れたり出したりというわけにはいかない。

 しかし、ロウはそれができるのだ。

 さらに、その亜空間に、ロウ自身が入ったときには、亜空間で過ごした時間に関わらず、現世次元の一瞬後に戻ることもできる。時間を操るのだ。

 こうなると、まさに神がかりだ。

 そして、いまはなにもない真っ白い空間だが、ロウはここに寝台でも家具でも、食事でもなんでも出現できるし、現実世界に似せた仮想空間も作れる。

 実にすごい──。

 

 それはともかく、ロウが亜空間に生きた者を収納できるのは、ロウとロウに支配された女との特殊な関係が関係あるのかもしれない。

 そういえば、ロウは、支配した女との結びつきが強くなると、女たちの身体が自分の身体の一部のような感覚になると、口にしていたことがある。

 もしかしたら、その感覚にこそ、大きな意味があるのかもしれない。

 まあ、淫魔術を扱える淫魔師の存在そのものが伝承でしかなかったので、現段階では魔道技術構造に関する事項は、予測でしかないのだが……。

 

 一説によれば、いにしえのクロノスもまた、淫魔術の遣い手だったのではないかというものもあるが、淫魔師そのものが、歴史研究家や魔道研究者たちのあいだで、存在を否定されていたので、その説は邪説にすぎなかった。

 なにしろ、これまで淫魔師を名乗った者は、エルフ族にも、人間族にも、過去に多数存在していたが、いずれも、強い「魅了術」を使う者にすぎないか、あるいは、魔道とは関係なく、性技に長けた女たらしでしかなかったらしいのだ。

 

 だが、ロウは本物だ。

 ガドニエルには、それがわかる。

 

 女性を魅了するだけではない。ロウ自身が口にするように、女そのものを自分の肉体の一部であるかのように、完璧にとりこむ。完全に支配するのだ。

 そして、その支配は実に心地いい。

 なによりも、支配した女の能力を著しく向上させる。

 ガドニエル自身がそうだ。

 人生で一度だけ認められる(つがい)でもあるが、ガドニエルはロウと魂の結びつきをしたことで、桁違いといえるくらいに、魔道力が向上した。

 驚くべき変化だ。

 それだけではなく、ロウは支配下の女を完璧に治療するし、美貌化までする。

 だから、ロウの支配する女は、誰も彼も美女だ。

 

 ガドニエルも、さすがにびっくりしたが、辺境候域の騒動のときには、リィナという人間族の中年女性を若返りさせていた。

 姿を一時的に変える変身術というのは一般的だが、魔道が切れても若いままでの「若返りの術」など魔道の概念にもないものだ。ロウにしかできない。

 寿命が長く、年齢が外見に伝わりにくいエルフ族でも、ロウのその力があれば、飛びつくに違いない。

 ましてや、種としても美しさを保てる期間が極端に短い人間族の女などは、ロウの若返り術があると知れば、なにを犠牲にしても、ものにしようとするだろう。

 リィナという女は、ロウに抱かれることで、ロウに支配下となり、人間族の土地の一部の支配と、ロウへの忠誠を誓ったが、その代償が若返りだ。

 淫魔術による支配術がなくても、飛びついたに違いない。

 

 だが、そんなことはいい。

 とにかく、ロウは素晴らしい。

 仕えるに値する男だ。

 長くエルフ族女王としてすごしてきたガドニエルは、自分が男に、ましてや、人間族に墜ちるなど想像をしたこともなかったが、恋をした男の一部になるというのが、こんなにも心を穏やかにさせるものとは想像もしなかった。

 百年前に、姉のラザニエルが行きずりのエルフ族──実は、ラザニエルを騙した魔族だったが──に恋をして出奔したときには、押しつけられた王位に、恨みも抱きもしたが、いまにしてみれば、ガドニエルにも、姉の気持ちは理解できる。

 誰かに支配され、その性奴隷になるというのは、実に心地いい。

 

 もっともっと支配されたい。

 意地悪されたり、理不尽なことを言われて泣いたりしてもいい。それでも、無理矢理に従わされるのだ。

 想像するだけで、ガドニエルはうっとりとなってしまう。

 ロウに唯一不満があるとすれば、優しいことだ。

 ガドニエルからなにもかも奪って、ただの奴隷にして、連れていってくれればいい。そうなれば、どんなにがガドニエルは幸せだろう。

 エルフ女王だって、なりたくてなったわけではないし、もう百年も女王をしていた。十分だと思う。

 姉のラザニエルも戻ったし、女王は姉がやればいい……。

 もともと、そうだったのだ。

 

 そして、ガドニエルは、ロウの奴隷として残りの長い人生をすごす……。

 (つがい)の誓いによって、ロウとロウの支配する女たちの寿命も、ガドニエル並に伸びているので、きっと愉しい日々を送ることができるだろう。

 

 いや、やっぱり、そうしよう。

 女王を卒業して、ロウの本物の奴隷にしてもらおう。

 

 とにかく、ロウの亜空間術によって、ロウに収容されるのは不思議な感じだ。

 本当にロウの一部になった気がする。

 こうやって、ロウの耳目に、自分の感覚を繋げて、外にいるロウの視点と、ガドニエルの視点を合致させることもできるのだが、このロウと一心同体になる気持ちよさは、まるでふわふわと温かいものに包まれているみたいで素晴らしい。

 手足もなくなり、本当にロウの一部になった感じである。

 

 ガドニエルは一足早く、ロウの亜空間に収容され、ロウは今日の護衛役のコゼとともに、屋敷に向かっている。

 スクルドも一緒だ。クグルスというおしゃべりな魔妖精もいる。

 ほかに者は、ロウの指示を受けて、賊徒とかいう者たちをさらに追い払うために、一時的に里の外に出て行った。

 四人である。

 

 そのロウが、屋敷の敷地内に入った。

 たくさんの死体があるが、スクルドが残った。死んだ者たちの身体を整理して片付けるみたいだ。

 また、魔妖精のクグルスは、スカンダとかいう小さな魔族を捕らえていると、ロウに話し出した。

 よくはわからないが、狂っているとか言っている。

 コゼとロウとクグルスは、そのまま屋敷の玄関に向かう。

 屋敷の玄関に着いた。

 

 すると、不意に、急に視界も聴覚もなくなった。

 外との繋がりが消滅したのだ。

 首を捻っていると、後ろに人の気配を感じた。

 

「ガド、抱かせてもらうぞ。エルフ女王様に、こんなところに隠れてもらって、身体だけもらいにくるなんて、申し訳ない気もするけどね」

 

 ロウが後ろから、服の上からガドニエルの胸を鷲掴みにしてきた。

 

「あんっ、も、もちろん、構いませんわ。ガドは徹頭徹尾、ご主人様のものです。身体も心も、なにもかも」

 

 胸を触られて、それだけで全身から力が抜けていく。

 本当に不思議な手だ。

 ただ触っているだけなのに、あまりもの甘美な衝撃のために、ガドニエルは立っているのも難しくなった。

 なんとか、脚を踏ん張る。

 

「ふふふ、やっぱり、えっちなエルフ族の女王さまだねえ。ご主人様、ぜえったい、こいつを手放しちゃだめだよ。こいつは魔道も強いし、とっても、すけべえだから、効率よく淫気を絞り取れるよ。できれば、ここにずっと飼ってたらいいよ。そして、淫気が少なくなれば、ここにきて、こいつから搾り取るんだ」

 

 魔妖精のクグルスだ。

 どうやら、一緒に亜空間に来たみたいだ。

 

「失礼な物言いをするな、クグルス。砕けて接してくれるが、本物のエルフ女王様だぞ。本当なら、口もきいてはならない相手だ」

 

「そんなことないさ。こいつは、もう完全にご主人様の性奴隷だよ。だったら、ぼくにとっても奴隷だ。ぼくにはわかる。こいつは、ご主人様に抱かれたくて、一日中うずうずしている淫乱だ。身体がご主人様を欲しがって仕方ないのさ」

 

 クグルスがけらけらと笑った。

 その通りだと思ったが、その前はちょっと嬉しいことを言ってくれた。ガドニエルをロウが淫気を集めるための存在として、ここで飼育すればいいと勧めたのだ。

 想像すると、ぞくぞくしてきた。

 実にいい。

 いや、素晴らしい。

 

「素晴らしいですわ、魔妖精さん。きっとわたしは、ご主人様のお役に立つように飼育されます。わたしは女王なんかよりも、ご主人様に、ここでずっと飼ってもらいたいと思います」

 

 ガドニエルは嬉しくなり言った。

 

「そんなわけにはいかないよ。ガドは優しくて、綺麗で、いい女王様だ。確かに、俺の性奴隷ではあるけどね」

 

 ロウがぎゅっぎゅゅ乳房を揉みながら、片手をお尻に回して服の上からなで回す。

 

「はうっ」

 

 着衣からの愛撫に関わらず、ガドニエルは全身に拡がった疼きで身体を震わせた。

 嵐のような快感──。

 相変わらず、すごい……。

 

「それよりも悪いな、ガド。クグルスも、淫気をもらいたいと言ってね。邪魔はしないと思うから、一緒にいさせてくれ。どうやら、イザベラに呪術をかけて、屋敷に足止めしていた悪戯魔族を捕まえてくれたらしい。だけど、そのときに、結構淫気も使ったそうだ」

 

 ロウがくるりとガドニエルの身体を反転させて、正面から抱きしめるようにした。

 しかも、手を下に伸ばして、身につけていた女冒険者風の膝までのスカートを一気に腰のあたりまでまくり上げた。

 下着が露わになる。

 得体の知れない興奮がガドニエルの股間から四肢に流れわたる。

 

「も、もちろんです……。はあっ、ああっ、気、気持ちいいです──」

 

 ロウが下着の上を指先でゆっくりとなぜてきた。

 電撃のような快感が全身に迸る。

 

「ははは、ご主人様がお抱きになる前から下着が濡れていたけど、いま、お漏らししたみたいに汁が噴き出したね。べちょべちょだ。いいぞ、女王様。すっごく濃い淫気だ」

 

 クグルスがけらけらと笑うのが聞こえた。

 

「こらっ、クグルス──、ガドに失礼な物言いを続けると、やっぱり追い出すぞ」

 

 ロウがクグルスを叱る。

 慌てて、ガドニエルは首を横に振った。

 

「失礼ではありません、ご主人様。わたしは淫乱で、えっちで、すけべえなエルフ女王のガドです。本当のことなので、なんの問題もないのです」

 

 “えっち”とか“すけべえ”というのは、ロウの故郷の言葉だそうだ。最初に耳にしたときにはまったく意味不明だったが、ロウに触れられると、股間を濡らすようなはしたない女のことを示すらしい。

 ならば、ガドニエルにぴったりの表現だと思った。

 

「ぼくは、もう黙っているよ。女王様もごめんね。だけど、すっごく淫気が美味しいから興奮しちゃった。ご主人様も喜んでいると思うよ。さっきの戦いで、結構淫気を使ったからね」

 

「淫気の補充なら、いつでもどこでも使ってくださいな。わたしは、まだご主人様のお役にあまり立っていませんし……」

 

 ロウたちと一緒に旅に出てきて、ずっと失敗ばかりだ。

 もっと役に立てると思ったのに、ガドニエルよりも魔道力の小さいスクルドやミウの方がすっとロウに貢献している。

 それは、ちょっと口惜しい……。

 

「ガドは役に立っていると言っているのに……。それに、役に立つとか、立たないとかじゃないだろう……。まだ、婚姻の儀式はしていないが、俺はガドを伴侶だと思っているよ。ガドが好きだ。だけど、それは役に立つからじゃない。もちろん、エルフ族の女王だからじゃない。そんなものとは関係なく、ガドを好きになった。それだけだ」

 

「ご主人様──」

 

 ガドはロウを抱きしめていた。

 

 嬉しい……。

 嬉しい……。

 ただ、嬉しい……。

 

「それはともかく、その“ご主人様”というのは考えないとなあ。みんなだけのときはいいけど、都合が悪いかもしれない」

 

 すると、ロウがガドニエルの股間から手を離して、軽く抱き返しながら言った。

 

「ご主人様はご主人様ですわ──。どうしてだめなのです──?」

 

 ロウのことを“ご主人様”と呼べるのはご褒美だ。

 きっかけは、罰だった記憶もあるけど、とにかく、ご褒美だ。

 どうして駄目なのだろう──。

 ガドニエルは、ちょっと悲しくなってしまった。

 

「だめじゃないんだけどね……。ガドが女王だから好きになったわけじゃないと言ったそばから申し訳ないけど、ガドを利用したい。そのためには、ちょっとガドには偉ぶってもらいたい。あまり、へりくだっては困るんだ」

 

「えらぶる……? ああ、偉い素振りをするということですか──。それはできます。ずっとやっておりました。それは……、ちょっと、このところ、羽目を外すこともありますが、やろうと思えば、女王の演技は完璧にこなせます」

 

「女王の演技ねえ……。本物の女王だろう」

 

 ロウがけらけらと笑った。

 なにが、ロウを喜ばせたのかわからないが、ロウが愉しそうに笑うなら、ガドニエルも嬉しい。

 

「とにかく、これから会うハロンドールの王太女のイザベラの身体には、俺の子供がいるらしい。俺はガドだけでなく、イザベラとのも婚姻を結ぶつもりだ。申し訳ないが……」

 

「ええ、もちろんです。問題はありません」

 

 ガドニエルはきっぱりと言った。

 なにか困ったこととか、考えていることがあるみたいだが、そのことだろうか。

 ロウには知らせてはいないが、実はエルフ女王のガドニエルが、ロウと対等の婚姻関係を結ぶことには、いまだにかなりの悶着がある。

 それは、ロウが王族でもなんでもなく、一介の冒険者でしかなく、爵位も人間族の一代限りの下級貴族でしかないということではない。

 これについての問題は、姉のラザニエルとケイラが片付けた。

 

 まずは、ラザニエルがロウをエルフ族の英雄認定をすることにより、権威づけをした。

 英雄ともなれば、エルフ族の中では上級貴族以上の立場だ。仮置きだが元老院の議席もロウには贈ったので、ロウはれっきとした元老院議員だ。

 婚姻の資格としては十分である。

 なによりも、ケイラが味方についてくれることで、反対者などあっという間にいなくなったのだ。

 それについてだけは、大叔母に感謝だ。

 

 それよりも、いま、悶着になっているのは、ロウがほかの女たちと一緒に、婚姻を結ぼうと考えていることであるようだ。

 女王の王配が、人間族であることを大きな問題視にする者は、ほとんどいなくなったが、女王が唯一の伴侶でないことには、いまだに、納得できない上級エルフ族がいるようだ。

 もっとも、これについても問題ではなくなってきた。

 あの大叔母のケイラ=ハイエルが味方についてくれたおかげで、反対者を次々に片付けてくれているのだ。

 あっという間のことであり、いまや、ガドニエルとロウの婚姻の阻害事項はなくなったと言っていい。

 しかし、もしかして、それを気にしているのだろうか?

 

「だが、それを利用させてくれ。ハロンドール王国で、いま起きている問題は絶対に片付ける。俺の役割じゃないが、王太女であるイザベラの子供の父として、俺はそれをする……。もちろん、俺だけの力じゃなく、ガドをはじめ、みんなの力を借りないと、なにもできないが……」

 

「それも問題ありません。わたしは、ご主人様のお役に立ちたいのです──」

 

「しかし、俺が考えているのは、一連の騒動が終わってからのことだ。イザベラは、この国の女王になる。だが、問題を起こし、権威の低くなった王族の後継者としてだ……。だから、王としては立場が弱い。力もない。そもそも、イザベラには後ろ盾がない。彼女を支持する貴族層の派閥もない。イザベラ自身が以前のことで、貴族層に信頼を寄せてないということもある」

 

「ハロンドール王家のご事情は、多少は知っております……」

 

 嘘である。

 外の世界のことに全く興味のなかったガドニエルは、そもそも、人間族の諸王国の情勢には疎い。

 イムドリスから水晶宮に移ったとき、姉のラザニエルに叱られて、エルフ族の外情勢について徹底的に勉強させられた。

 水晶宮から離れて、ラザニエルのお説教がなくなったことでほっとしていたが、大叔母のケイラ=ハイエルが同行することになったことで、また、お説教の日々が始まっている。

 そういえば、大叔母のいないところで、ハロンドールの王族と接触するかと言っていたので、ケイラが戻れば、また女王の振る舞いについて勉強させられるのだろう。

 そんなことしなくても、ガドニエルはしっかりと猫が被れるというのに……。

 思い出すと、ちょっと憂鬱になってきた……。

 

「だからこその婚姻式だ。エルフ族王家にとっては旨味はないが、イザベラの夫である俺がエルフ女王であるガドの夫でもあるというのは、権威を失いつつあるハロンドール王家にとっては、美味しい旨味だ。それが利用させてもらうということだ。納得してくれ、ガド」

 

「よくわかりませんが、まったく問題はありません──。なにか問題があっても、お姉様や大叔母様が解決してくれますから──」

 

 ガドニエルはにっこりと微笑んだ。

 すると、ロウがまた笑った。

 なにが面白かったのはわからないが……。

 

「まあ、捕らぬ狸の皮算用だけどね。俺がイザベラの夫になることをこの国のどこにも承知させたわけじゃない。イザベラにさえ、まだ会ってないんだ。だけど、そのつもりだけどね」

 

「ご主人様に愛されて、拒否する女がいるわけがありません。まだ、会ってはいないですが、イザベラ様と一緒に、ご主人様にしっかりとお仕えします」

 

 ガドニエルは微笑んだ。

 すると、ガドニエルを抱きしめるロウの力がちょっと強くなる。

 嬉しくて、ガドニエルはかっと身体が熱くなった。

 

「ありがとう……。だから、俺は王都に戻るときには、ある程度の権威者として戻りたい。イザベラには、権威ある者の絶対の後ろ盾がいる。それがなければ、もはや、地に落ちている王家が王権を後継するなど、誰も認めない。しかし、俺はガドの権威を借りて、権威ある者としてイザベラの横に立つ。そうすることで、イザベラは女王の地位を確立できる。だから、ガドはその横に立ってくれ。上でもいい」

 

「何でもしますわ。言ってください」

 

「そう言ってくれて嬉しい。ならば、これからは、ほかの者のいるときには、俺を“殿下”と呼んでくれないか。まだ婚約者でしかないが、ガドが“殿下”として呼ぶ者をこの国の貴族も無碍にはできない」

 

「王配殿下ということですね。わかりました」

 

 ガドが頷いた。

 実際には、ロウが王配として、エルフ族の王族となるのは、正式の婚姻式後となるが、多少時期が早くても問題もないに違いない。

 問題があっても、ケイラかラザニエルが片付ける。

 そもそも、ロウはすでにガドニエルの(つがい)だ。

 魔道的には、すでに伴侶なのだ。

 

「ありがとう、ガド。これで少し問題も片付く。さて、じゃあ、聞き分けのいいガドにご褒美をやろう。いや、俺のご褒美かな。可愛いガドをレイプするんだから。もちろん、王家にとってもご褒美になるといいが」

 

 ロウがガドニエルから手を離して、再び身体を反転させられた。

 すると、なにもなかった場所に一本の鉄の金属のポールがあった。空の果てまで続ているとてつもなく長いポールだ。

 それに手を伸ばさせられて、手錠を両手首にかけられる。

 ガドニエルの両手は、ポールに拘束されて離れられなくなった。

 

「お尻をこっちに突き出すんだ、女王様」

 

 ロウがガドニエルの下半身を自分の方に向けて引っ張る。

 上体が水平近くになった。

 そのガドニエルのスカートを改めて腰の上までロウがたくし上げる。

 ロウが皮でも剥くように、ガドニエルが身につけていた下着を太腿の半ばまで引き剥がす。

 

「うっ」

 

 ガドニエルは引きつった声をあげてしまった。

 ロウの手がガドニエルのお尻を撫ぜ回してきたのだ。

 直接にロウの愛撫を肌に受けることで、お尻の表面だけでなく、全身に激しい快美感が走った。

 お尻を撫ぜられただけなのに……。

 それなのに、こんなにも感じるなんて……。

 やっぱり、ロウはすごい……。

 

「挨拶代わりだ。前戯なしでレイプしてやるぜ。十分に濡れているみたいだしな」

 

 ロウがわざとらしく粗野な言葉遣いをして、手でガドニエルの双臀を掴んで支え、その下に怒張を滑り込ませてきた。

 ズボンを脱いだ感じはなかったが、亜空間ではロウは自由自在だ。

 術で自分の衣類を外したのだと思う。

 ずぶずぶと、ガドニエルの股間に怒張が突き挿さってきた。

 

「あああっ、あんっ」

 

 ガドニエルの熱い粘膜をロウの怒張が押し入ってくる。

 しかも、いつものように、ガドニエルが一番気持ちのいい場所を、一番気持ちがいい力で擦りながらだ……。

 耐えきれなくなり、ガドニエルは大きな声をあげた。

 

「感じやすい女王様だ。レイプが大好きか?」

 

 ロウの律動が始まる。

 これがレイプ?

 

「あっ、あっ、ああっ、き、気持ちいいです、ご主人様──」

 

 異常なまでに昂ぶった快感で立っていられなくなりそうで、ガドニエルは手錠を嵌められた手でしっかりとポールを握りしめた。

 

「殿下だろう?」

 

 ロウが股間を律動しながら笑った。

 

「で、でんかああ」

 

 ガドニエルが歓喜の声をあげた。






 ロウがすぐに行動を起こさなければならないことは目白押しですが、まずは、淫気の補充から描かせてもらっています。
 このまま、次話にも続きます……。
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