※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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784 深夜の臨時王国裁判(その2)

 時間感覚が何十倍にも引き延ばされる感覚は、いつも奇妙なものだ。

 

 ロウの不可思議な能力である「亜空間術」で取り込まれたときにはいつもそうだ。

 つまり、入るときではなく出るときである。

 

 ロウに気絶するまで抱かれ、疲れて休み、起きあがると寸瞬も過ぎていない現実に戻るのである。

 まだ王都が混乱する前で、ロウが一介の冒険者であり、まだそれほどに有名でなかった頃は、ロウが毎夜のようにイザベラとシャーラたちのところに夜這いをしにきてくれた。また、夜這いの対象に、ヴァージニアを含めた侍女たちが加わると、イザベラは彼女たちと一緒に抱かれるということも多くなった。

 複数で性交をするなど破廉恥だと思うのだが、ロウは普通だというので、多分普通なのだろう。

 ロウに与えられる愛の行為はいつも長い。そして、必ず、最後には意識を保っていられないくらいに追い詰められる。

 それでいて、一瞬程度の時間しか過ぎてないのだ。

 まったくもって、おかしな心地だった。

 ある意味、夢のような感覚といっていい。

 

 いずれにしても、ガドニエル女王と、エルフ女王国の女長老ことケイラ=ハイエルと一緒に並んで、ロウに抱かれるなど本当にあったことなのだろうか。

 あのふたりの変わりようが、イザベラが引くほどだったので、なおのことそう思う。

 

 とにかく、大変なものだった……。

 

 犯され始めると、ガドニエル女王もケイラも、大陸で最も古い王族の末裔の面影は消滅し、凛とした威厳も、荘厳さも一切がなくなり、ふたりともただの雌犬になってしまった。

 その変わりように、イザベラも唖然となった。

 

 まずケイラは、ロウのことを「お兄ちゃん」と連呼し、お兄ちゃんのためならなんでもすると繰り返し口にして、イザベラという他国の王太女の前であることを恥ずかしがる素振りも見せずに、堂々とロウの一物を口に咥えて奉仕を始めた。

 ロウの股間はすぐに大きくなったが、すると、小さな口を限界まで開いて、ケイラは、根元近くまですっぽりとロウの怒張を呑み込んでしまった。

 イザベラとガドニエルは、ロウの不思議な術によって床に四つん這いの姿勢に固定されて、その奉仕を見物させられが、ロウの大きな股間を音を立てて、淫らに吸いあげるケイラの姿をしばらく呆気にとられてみとれてしまった。

 ケイラは、イザベラから見ても、随分と口による奉仕が上手だった。

 

 やがて、ロウは、ガドニエル女王にも股間を舐めさせ、さらに、イザベラにも奉仕を要求した。

 そのときには、イザベラも、ケイラやガドニエルの乱れぶりにあてられて、いつもよりも積極的にロウに奉仕をしたと思う。

 

 そして、ロウに犯された。

 心の身体も解放されて、宙に浮いている気分になった。

 結局、いつものように、いつの間にか意識がなくなっていた……。

 

 いずれにしても、そして、目が覚めたときにはすっかりと終わっていたのだ。

 ロウはイザベラたちを抱いたあと、一瞬後の現実側に戻り、──というよりは、いつ亜空間とやらに連れ込まれたのかもわからない。最初に抱かれ始めたときには、ゲーレの里の屋敷内の一室に間違いなかったのだが── すぐに行動を起こしたようだ。

 

 すなわち、イザベラを亜空間で休ませたまま、全員をゲーレの里から出立させて、南王軍主力のいるガヤの城郭に突入させたのである。

 真夜中のことである。

 

 これも、あとで教えられたことだが、ガヤの城郭は数万の賊徒軍が南方から接近しているという報もあり、城門を固く閉じて厳戒態勢を敷いていたらしい。

 そこを強引に王太女旗を押し立てて、正門を破壊して突破したらしい。

 こっちは、生き残ったもともとの護衛隊の十数名に加えて、ブルイネンというエルフ隊長が率いる親衛隊三十名とロウの女たちだけの五十名にもならない勢力だったが、ガドニエル女王、スクルド、ミウの三人の高位魔道とともに、エルフ族の親衛隊とロウの女たちの剣技で、数百名はいたその正面の守備隊を圧倒したそうだ。

 それでいて、こちら側には被害もなく、南王軍側にも死者はなかったらしい。

 つまりは、それだけ圧倒的な実力差だということだ。

 

 そして、王太女の旗を掲げたまま、逆らえば王国への謀反になると叫びつつ、そのまま南大軍の司令部に雪崩れ込んだそうだ。

 戦闘らしい戦闘は、正門を魔道で吹き飛ばしたときくらいらしく、王太女の旗を掲げて進む一隊に、南王軍の将兵も抵抗らしい抵抗をすることなく、どうしていいかもわからずに、指図する者もなかったので静観をしてしまったようだ。

 

 まあ、そういうことだったというのは、この司令部に到着して、こっちの状況を把握してからだ。

 とにかく、そうやって司令部を強引に掌握すると、ロウは司令官のリー=ハックが不在で指揮をする者がいない南王軍に強引に命令を付与して、リー=ハックを捕縛させたみたいだ。

 呆れたことに、リー=ハックは、賊徒に与した容疑で捕らえた女囚を、十名ほどの取り巻きとともに陵辱をしているところを捕らえたようだ。

 かつての高潔だったリー=ハックの姿を知っているだけに、その事実はイザベラに衝撃を与えた。

 正直、いまでも信じられない。

 

 とにかく、イザベラがロウの亜空間から出されたのは、その後だ。

 そこまでの時間は、イザベラは寝ていたようだ。

 ガヤの突撃のあいだは、ヴァージニアと三人の侍女も、ロウの亜空間に入っていたらしく、その中で服装と仕度を調えられて、こうやって外に出されたというわけだ。

 

「待たせたね。じゃあ、よろしくお願いしますよ、国王代理様」

 

 司令部にしている建物内の大広間に体裁を整えた臨時の謁見室だ。

 イザベラの入室からほんの少し遅れて入ってきたロウがちょっとお道化(どけ)たように言った。ロウはほかの女たちとともに走り回って、南王軍の乗っ取りを完成させるために動き回っていたようだ

 イザベラの身柄の護衛は、シャーラとともに、イライジャ、イット、マーズ、ミウという者たちが引き受けてくれたが、ロウが入ってくるとともに、エリカたち三人やエルフ族たちがそれに加わった。

 ロウの女たちが王宮の騎士のごとく、ずらりと広間に並んで立つ。考えてみれば、ここに立つ女のことごとくが一騎当千の女傑たちなのだ。そう考えると、改めてロウの人脈も凄まじい。

 

「そなたこそ、よろしく……。女王陛下におきましても、よろしくお願いします。我が国の恥をさらすことになりますがご容赦を……」

 

 その玉座に準えた椅子にイザベラは腰掛けているが、両側にも椅子を準備してあり、ロウが右隣に腰掛けた。反対側にはロウとともに入ってきたガドニエル女王だ。

 ガドニエル女王は、これから始める「王国裁判」には部外者となるが、同盟国の女王ということで、同席をしてもらったという体裁である。

 ついさっきまで痴態を見せ合った相手に取り繕うのも変な感じだったが、どう接していいかわからずに、イザベラはガドニエル女王にも会釈した。

 

「まあ、なんの問題も……、ひあっ、ひぎゅう、しょ、承知した──」

 

 取り澄ましていると畏怖さえ感じる女王が満面の笑みを浮かべて応じる。立場も年齢も格下のイザベラがおこがましいとは思うが、随分可愛らしいと思ったが、いきなりびくりと身体が跳ねあがり、身体を身悶えるように動かす。

 驚いたが、すでにイザベラは、この不自然な動作がロウの仕込んだ女王への貞操帯による悪戯と知っている。

 もっとも、操作しているのは、エルフ族の女長老ことケイラ=ハイエルみたいだが……。

 

「お、大叔母様──」

 

「黙りなさい」

 

 ガドニエル女王の後ろで取り澄まして立っているケイラ=ハイエルが無表情で言った。

 一方で、ロウが愉しそうにくすくすと笑う。

 

「ちょ、長老様、あまりここでは……」

 

 すると、見かねたように、エルフ族の親衛隊長のブルイネンがたしなめた。

 だが、ケイラは首を横に振った。

 

「だって、お兄ちゃんに、しっかりと躾けるように言い渡されているのよ」

 

「ロウの言葉なら疑うことなく、世界でも滅ぼしそうだな」

 

 シャングリアが茶化すように笑った。

 

「お兄ちゃんがそれを望むならね……」

 

 ケイラがにんまりと微笑んだのが横目で見えた。

 

「ガド、これも調教だ。ちゃんとできたら、あとでご褒美だ」

 

 ロウが笑った、

 

「は、はいっ、頑張りますわ、ご主人様──。ひいっ、お、王配殿下──」

 

 またもや、ガドニエル女王が言葉の途中で身体を突っ張らせる。

 なにが起きたのかわかって、イザベラも顔が赤くなってしまう。

 そして、やっぱり、ロウはあのエルフ女王国を完全に支配して戻ってきたのだと悟った。

 

 とにかく、ここで始めようとしているのは、伯爵以上の上級貴族への裁判に必要な「王国裁判」だ。原則として、国王自らが裁くことになっているが、いまはイザベラが王太女として、それを代行することになる。

 もっとも、本来は王国裁判に、国王以外の者が代理をする制度はない。必ず、国王自らが実施しなければならない法になっている。

 だが、リー=ハックを裁くために、臨時王国裁判を開くと言われたとき、イザベラがそれを指摘すると、ロウに鼻で笑われた。

 女官長のヴァージニアも同じような反応であり、イザベラが審議を実施することになった。

 

「じゃあ、始めよう」

 

 ロウが呼びかけた。

 イザベラも頷く。

 

「入らせよ──」

 

 シャーラが呼びかける。

 後方側の左右の扉が開放されて、南王軍の将兵たちが入ってきた。数十人はいる。

 大きな広間の後方半分が南王軍の将兵で埋まる。

 すると、最後に軽装姿で捕縛されたままのリー=ハックが連れてこられた。

 連行しているのは、同じ南王軍の兵士だが、エルフ族の女兵もふたりいる。

 

「王太女殿下──。話を聞いてください──。決して、援軍を出さなかったわけではないのです。出そうとしました。しかし、私の命令がとめられていたのです。詳しく調べて、ついさっきわかったところです。それですぐに対処しようとしたところでした」

 

 すると、イザベラたちの方を向いて床に跪かされたリー=ハックが突然に喋り始めた。

 

「はあ? なにを言っておる? もしかして、ゲーレの里で賊徒たちに包囲されたわたしたちを見殺しにしたことの言い訳をしているのか?」

 

 イザベラは呆れて言った。

 この男の罪はほかにもたくさんある。そもそも、女囚を陵辱している真っ最中に捕らわれたのではないのか。それはさておきながら、援軍のことだけのことを取り繕えば助かるとでも考えているのか?

 

「その通りです──。副長のジグが私の命令を無視して、援軍の派遣をとめていたのです。それがわかって、すぐに処断しました。それがついさっきのことだったのです」

 

 なにを言っておるのだと思ったが、一応は話を聞いてやろうと思った。

 

「ついさっきなあ……。二日間も司令部には、援軍の要請を出し続けたがな。わたしの護衛隊は大部分は死んだぞ」

 

 実際には死んだとういうよりは逃亡したのだが、それはいいだろう。スクルドたちによれば、ゲーレの里を囲む森の中で大量の王軍兵の死骸があったということなので、昨日の夜に逃亡しようとした王軍兵は、森の中で殺された可能性が高いそうだ。

 

「援軍派遣の命令は出したのです。だから、問題ないと思っておりました。こちらのガヤも、数万の賊徒軍が接近しておりました。ゲーレの里に振り向ける兵力には限界があったのです」

 

 リー=ハックがまくし立てる。

 とにかく、平謝りに謝ることだけが得策だと判断しているのか、頭を床に擦りつけるようにしながら、懸命に言い訳を喚き続ける。

 正直不愉快だ。

 

「もうよい。黙られ──。さすがに、そなたには愛想も尽きた──。そもそも、副長のジグのせいだと言ったな──。入らせよ──」

 

 イザベラは呼びかけた。

 すると、背中側の扉が開いて、二名の南王軍の兵とスクルドに付き添われた南王軍の副長のジグが入ってくる。

 このジグと対面したのも、この王国裁判の直前だ。

 ロウたちが走り回って調べたところによれば、このジグは援軍を派遣しようとしないリー=ハックに逆らい強引に、部隊を送ろうとしたみたいだ。

 実質的に軍の指揮をしていているのは、リー=ハックではなく、平民あがりの副長のジグだったのだ。

 リー=ハックは、それに激怒して、リー=ハックの首を斬りつけ、牢に放り込んだようだ。

 本当ならそれで死ぬはずだったが、ほとんどの南王軍の将兵は、司令官乗リー=ハックではなく、副長のジグを慕っていて、牢に入れる振りをして、兵たちはジグの治療をするとともに、身柄を隠したらしい。

 そのジグについては、ロウの指示を受けたケイラ=ハイエルの手の者が動いて保護し、さっきスクルドによって、治療術を受けて復活したということである。

 

「ジ、ジグ──」

 

 リー=ハックが真っ蒼になった。

 また、後方に詰めていた南王軍の将兵が大きくどよめく。

 

「司令官……いや、リー=ハック──。俺はあんたを許しませんよ……」

 

 ジグがリー=ハックを睨みつけた。

 リー=ハックががっくりと項垂れる。

 

「そもそも、お前がやっていたことは、すでにわかっておる。己の欲望を満たすために、罪もない女を捕らえて陵辱をしていたのであろう。その現場で捕らわれておきながら、命乞いの言い訳が通用すると思ったのか。潔くよくせんか、馬鹿者──」

 

 イザベラは怒鳴りつけた。

 この男の罪状は明白であり、処刑しかない。

 だが、それを口にしようとしたが、一瞬、躊躇(ためら)った。

 少女時代に王宮全体が敵だらけだったとき、ただひとりイザベラを守ってくれようとしたかつてのリー=ハックの姿が頭によぎってしまったのだ。

 

 当時は、こいつは、まだリー=フィレクという姓であり、養子として伯爵家に婿として嫁いでいたが、イザベラを庇おうとして、当時権力を握っていたキシダイン勢力に嫉まれ、左遷されて離縁もされて身を持ち崩したのである。

 ある意味、このリー=ハックがこうなってしまったのは、イザベラにも責任の一端もあるかもしれない。

 それが記憶に蘇ってしまい、イザベラは引導を渡す言葉をちょっと言い淀んだ。

 

「リー=ハック伯の身分はこの時点をもってすべて剥奪する。牢で捕らえている取り巻きとともに、裸で死ぬまで城郭の広間で晒し刑とする──。よろしいですね、殿下」

 

 すると、横のロウが突然に口を開いて、そう言った。

 びっくりした。

 処刑は仕方ないが、晒し刑というのは、生きたまま死ぬまで放置する刑罰であり、処刑の方法としてはもっとも残酷だと言われている。

 さすがに残酷かと思った。

 

「……必要なことだ、姫様……。南王軍は市民の恨みを買っている……。とりあえずは、恨みを背負う犠牲も必要だ……。こいつらは、その酬いに当然のことをしている……」

 

 だが、ロウがイザベラに身を寄せるように身体を傾けて、小声で言った。

 仕方がない。イザベラは頷いた。

 

「独裁官の告げたとおりである。平民リー=ハックとその悪行に加わった者は、揃って死ぬまでに晒し刑──。直ちに実行せよ」

 

 イザベラは宣言した。

 すると、後方に集まっていた南王軍の将兵たちから喝采が起こった。

 どれだけ、嫌われていたのだと、イザベラも呆れてしまった。

 

「ところで、イザベラ、そして、みんな……。このあと、大切な話がある」

 

 野次の中を連行されるリー=ハックがいなくなる。すると、ロウが真面目な表情になって、イザベラたちに向かってささやいた。

 

 

 

 

(第21話『南王軍乗っ取りと賊徒軍緒戦』終わり)

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