※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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789 童女魔道師の受難(その2)

「ぼほえっ」

 

 逆さ吊りをされている口からおかしな声が迸った。

 顔を横から蹴られたのだ。口には穴あきの球体の開口具を咥えさせられていたが、涎とともに血が噴き出るのがわかった。

 

 ずっと続いているミウへの拷問だ。

 ここが賊徒たちの砦であることは間違いないだろう。

 そこに誘拐されたミウへの拷問はまだ続いている。

 最初に電撃責めを浴びて失神をしてしまったミウだったが、水をかけられて目を覚ますと、いまのように、縄で両腕を背中に後手縛りをされた状態で逆さ吊りになっていた。

 両脚は大きく開いて、それぞれに足首の革枷に繋げた天井の滑車によって開脚で引き上げられている。

 そして、容赦のない拷問を繰り返されていた。

 

「気を失うなと言っているだろう──。今度、気絶しそうになったら、手加減なしに蹴らせるよ。奥歯の二、三本がなくなったって、ドピィ様には問題ないだろうからね──」

 

 ミウを拷問している女が苛立ちを隠そうとすることなく怒鳴りあげた。

 また、ミウを蹴り飛ばしたのは、女の指示を受けているふたりの男のうちのひとりだ。あれでも手加減をしているのかと、ミウは思った。蹴られた衝撃で視界が朦朧として、本当は意識を保つのも容易じゃない。

 だけど、今度失神したら、本当に殺されそうで、ミウはそれが怖くて懸命に意識を保とうとした。

 すると、もうひとりの男が壁の操作具を動かすのが見えた。

 

「んぐううっ」

 

 なにをされるのかがわかって、ミウは泣き叫んだ。

 しかし、開口具のために言葉にはならない。

 がらがらとミウの逆さ吊りの身体が引き下がり、頭が床に近づいていく。

 だが、その床には大きな木桶が置いてあり、そこには満々と水が溜められている。そこに頭を沈められるのだ。

 さっきから繰り返されているミウへの拷問だ。

 

「早く屈服しな。なにがお前を心を支えているのかは知らないけど、このあたしとしたことが、童女ひとり屈服させられないなんて恥をドピィ様に示すわけにはいかないのさ」

 

 女が吐き捨てた。

 その途端に、またもや、ミウの逆さ吊りの頭は、胸近くまで完全に浸かってしまう。

 

「んぶうううっ」

 

 ミウは苦しさにもがいた。

 だが、一生懸命にもがいているつもりでも、もはや、ほとんど身体が動いていないのもわかる。

 もう体力も残っていないのだ。

 とにかく、ミウは水の中でもがき続けた。

 

 死ぬ……。

 

 本当に死ぬ──。

 

 いつまで経っても、身体をあげてくれない。

 無意識に吸っている口の中に開口具を通して、水が入ってくる。息がしたくて呼吸を繰り返そうとするが、身体に入ってくるのは水だけだ。

 やがて、どろりとした灰色のものに意識が包まれそうになる。

 

 ロウ様──。

 

 ミウは心の中で叫んだ。

 だが、そのロウも意識の中から消滅していく……。

 

 死の直前の刹那、ミウの身体が上昇して、水の外に頭が出た。

 

「くはっ、はあっ、はあっ、はああっ──」

 

 ミウは盛大に息をした。

 すると、顔面に衝撃が走り、身体が大きく後ろに揺れた。

 顔を正面から蹴られたのだとわかった。

 鼻に金属のような匂いが拡がり、水とともに大量の鼻血が噴き出ていく。

 

「畜生──。お前のような童女がなんで、あたしの拷問に耐えるんだい──。どうして、お前の眼に屈服の色が染まらないんだい──」

 

 これもまた、さっきからこの女が繰り返し怒鳴っている言葉だ。

 自分が屈服していないのかどうかは知らない。屈服したところで、ロウ様の淫魔術の縛りが自分から解けて、隷属の首輪が効果を結ぶとは思えないが、もう、ミウは誰のものにもなりたくない。

 ミウも、ロウ様の女のひとりだ。

 

 負けるものか──。

 

 ミウは揺れ戻しで、逆さ吊りの身体を女に近づけながら思った。

 そのミウの顔に、再び女が顔を蹴り上げようと構えるのが見えた。

 

「落ち着いてください、姉御──。死んでしまいます──。そうなったら、俺たちもドピィ様に殺されますよ──」

 

 男のひとりが女の身体にしがみついた。

 それでミウは蹴られずに済んだ。

 だけど、多分、鼻の骨が折れていると思う。激痛が走り続けている。

 

「く、くそう──。だったら、色責めだ。お前も破瓜を終わっている女の端くれなら、媚薬を塗られた苦しみもわかるはずだ。しかも、とっておきの搔痒剤を塗ってやるよ。それで落ちなきゃ、土下座をしてやる」

 

 女がミウに向かって憎々しげに言った。

 最初に感じた感情を殺した感じではなくなっている。ミウに向かって怒りの感情が露わだ。

 よくわからないが、最初にミウが電撃責めに耐えたのが、女の中にあるなにかの矜持を大きく損ねたようだ。

 それから、女はミウに対する怒りのようなものを隠そうとしない。

 

「股にたっぷりと塗ってやりな。おかしな術で、膣とけつの穴の中には指が入らないかもしれないけど、表面だけでも効き目は凄まじいはずさ……。あっ、そうだ。鼻の穴にも詰め込んでやりな。血止めに丁度いいさ」

 

 女の言葉によって、ふたりの男が壁にあった木箱からそれぞれに手のひらほどの容器を持ってきて、開脚逆さ吊りのミウの前後に立つ。

 そして、前後から股間やお尻に油剤のようなものを塗っていく。

 

「んぐううう」

 

 ミウはふたりの指が気持ち悪くて、身体を暴れさせた。

 

「おや、お前、股間が濡れているじゃないかい──。こりゃあ、驚きだよ。やっぱり、おませさんかい。だったら、もしかしたら、こっちの方が屈服させやすいかもしれないね」

 

 女がなにかを見つけて笑いだした。

 そのあいだも、油剤がミウの身体に塗り拡げられる。

 まだほとんど膨らんでいない胸全体にも塗られた。小さな乳首にもだ。

 最後に鼻の穴にも油剤をこれでもかと詰め込まれた。

 

「さあて、どのくらい我慢できるかねえ……。口から開口具を外してやりな。このくそ生意気な子供が哀願するのを聞きたいからね」

 

 口からやっと開口具が外された。

 

「くはっ、はああっ、はあ、はあ、はあ──」

 

 ミウは口を大きく開けて、ただただ息をした。

 だが、早くも痒みがミウに襲いかかってきた。

 

「うあああ、か、かゆいい──。痒い──。痒いですうう──。ああああっ」

 

 全身の疲労も忘れる痒みが襲いかかってきた。

 一度意識をすると、もう押さえることはできない。

 

「今度こそ屈服するさ。助けて欲しければ、心の底から奴隷になりないと願うんだ。この苦しみを逃れるのは、隷属を心から受け入れるしかない。受け入れてしまえば、あたしらは仲間だ。握手をして仲直りをするさ。ドピィ様はいい人だよ。あの人の奴隷になって、よかったと絶対に思うから」

 

 女がミウに話しかける。

 ミウは歯を喰い縛った。そして、口を開く。

 

「あ、あたしの……ご、ご主人様は……ロウ様だけ……。あああ、痒いいい──。痒いいいい」

 

「まだ、ロウ様かい……? まあいいよ。このまま放置しても一ノスで限界を越えると思うけど、色責めの拷問というのを味わわせてやるよ。ほら……」

 

 女が頭の上側の股間になにかを近づけたのだけはわかった。

 次の瞬間、巨大な衝撃が股間から全身を貫いた。

 

「ひゃああああ」

 

 筆だった。

 柔らかい筆の先で女がミウの股間をひと掻きしたのだ。

 ミウは吊られた身体を無意識に揺すった。こんなの我慢できるわけがない。

 刺激を与えられる前と後では、感じる痒みが桁違いだった。

 

「我慢できないだろう? ほら、哀願してごらん。本当の屈服はその先だ。だけど、いまはお強請りするだけでいい。それでもう一度、筆で擦ってやろう。それとも指で強く揉んでやるかい? 気持ちいいよお」

 

 女が喉の奥で笑った。

 ミウは口にしそうになっていた哀願の言葉を呑み込む。

 

 屈服なんかしない──。

 

 こんなのロウ様の調教に比べれば生ぬるい──。

 

 負けるものか──。

 

「あ、あたしの──ご主人様は──ロウ様よおおお──」

 

 ミウは絶叫した。

 女が再び舌打ちした。

 

「そんなことを聞いてないさ──。もういい。痒みの苦しみで狂っちまいな──。二度塗りだよ──。それで痒みは倍になる」

 

 女が喚いた。

 男ふたりがまたもや、ミウの前後に立つ。

 

「あああ、もういやですうう──」

 

 ミウは号泣していた。

 

 その次の瞬間──。

 

 どさりと音がして、女が床に崩れ落ちた。

 

「えっ?」

 

「姉御?」

 

 気がついた男ふたりがミウの股間に油剤を塗る手を休めて、そっちを見る。

 ミウも見た。

 女の首には大きな傷があり、そこから大量の血が噴き出ている。女が死んでいるのは明らかだった。

 

「ぐはっ」

 

「はぐっ」

 

 そして、男ふたりも突如として絶息した。

 血の匂いがさらに拡がる。

 

「……こんな連中をあっという間に死なせるのは口惜しいけど、騒ぎを起こすわけにはいかないから仕方ないさ……。大丈夫、ミウ?」

 

 コゼだ。

 頭まで包む真っ黒い服に身を包んでいて、目の周りしか見えてないけど、ミウを抱きしめてくれた存在の声はコゼだった。

 心からの安堵でミウは全身が脱力するとともに、張っていた気が崩れるのがわかった。

 

「ああ、コゼさん──。ああああっ、ああああ」

 

 ミウは嬉しくて泣いた

 コゼに抱きかかえられまま身体が降りていく。

 壁の操作具の場所には、やはり黒装束のイットがいる。ふたりで助けに来てくれたのだと知った。

 また、イットは無事だったのだ。

 それについても安心した。

 ふと見ると、この牢の鉄格子にある扉が開いている。でも、まるで潜入の気配を感じなかった。

 床におろされた。

 

「さあて……。ところで、ミウ、よく聞くのよ。あたしとイットでなんとか潜入してきたけど、あんたを抱えてこの厳重な囲みを逆に抜け出ることは不可能よ。この砦には魔道を封じる仕掛けが張り巡らされていて、あのスクルドも、女王様すら手を出せなかった……。だから、あたしたちふたりで来たの……。そして、あんたもここでは魔道は無理よ。だから、脱出はしない──。ロウ様たちが砦を攻撃してくれて厳重な警備が緩むまで、この砦のどこかに隠れる──。それしかない──。いいわね──」

 

 コゼが言った。

 

「ごめんなさい、ミウ──。あたしがいたのに、あんたをさらわれてしまって……」

 

 イットも駆け寄ってきた。

 両腕の縄を切断してくれる。

 

 ロウ様たちがこの砦を攻撃する──?

 それまでは、脱出を断念して隠れる?

 

 コゼの言葉はまるで頭に入ってこない。

 それよりも、ミウは切羽詰まった状態にある。

 自由になって手で股間を掻きむしるように擦る──。

 

「ああああっ、痒いいい──、ぎもぢいいいい──」

 

 絶叫した。

 

「ばか──。隠れるって言ったでしょう──。騒ぐんじゃない──」

 

 コゼが焦ったように、ミウの口を手で強く塞いだ。

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