【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふ、ふざけるな──。は、離せ──」
シャングリアという女騎士が泣き叫んでいる。
だが、凄まじい勢いで騎馬隊の先頭で突っ込んできた無双の女騎士隊長といえども、頭を打った影響でまだふらついているうえに、背中側にねじ曲げた両腕を水平にして両腕を鉄枷で束ね、さらに二の腕にも鉄枷を鎖で拘束している。
賊徒兵たちが陵辱の邪魔だと言って、足枷だけは外したときには、五、六人が蹴り飛ばされていたが、十数人の男たちに押さえつけられて、身体を弛緩させる効果もある媚薬を大量に飲まされると、いくらか大人しくなった。
もっとも、観念したというよりは、暴れたくても身体が動かなくなって、抵抗できなくなっているだけである。
その証拠に、絶えることなく悪態は喚き続けている。
しかし、ドピィの関心は、もうこのシャングリアにはあまりない。
これは、ただの餌だ。
ドピィの意識のほとんどは、眼下の斜面をすこしずつ接近してくるロウという男に向けられている。
「よし、そろそろいいぞ。
このシャングリアを餌にすると決めてから、ちょっとばかり待たせていた。
あの得体の知れない術を確実に見極めるためだ。
そして、ロウたちが出現したら、
わかったのは、魔道が遣えないはずの魔道封じの魔石による結界の中で、やはり、あの術はしっかりと術を発揮することができて、二十人以上のエルフ族たちが、砲撃を集中すると、一瞬にして、その場で姿を消してしまうということだ。
そして、砲撃が終われば、なにもなかったかのように姿を現し、戦場を進んでくる。
砲撃で地面を掘り返した状態になれば、魔道封じの結界も崩壊するので、エルフ族たちが使う「縮地」という術で瞬時に斜面を跳躍してくる。そして、阻止しようとする賊徒兵たちをなぎ倒しながら前に進んでくるのだ。
これを繰り返されている。
結界崩れは予想の範疇であり、全体の魔道封じが失われることはないが、砲撃集中攻撃の欠陥を突かれているようで、ちょっと忌々しい。
いまや、ロウたちの位置は、ドピィたちが立つ砦の中心部となる上段まで、距離を半分以上詰めてきた。
最初に防壁があった場所からだと、三分の二は進んでいる。
あの男の顔の表情までわかるくらいになった。
大声であれば、声も届くかもしれない。
「百人隊は準備できているな」
ドピィは指示を与えた部下を振り返った。
百人隊というのは、ドピィが急遽編成させた銃手隊であり、この
これをまたもや砲撃が届く寸前に姿を消したロウたちの前面に集めさせたのだ。
辛うじて砲撃の影響のないぎりぎりの位置だが、百丁をまとめた狙撃ならば、これを防ぐことなど不可能に違いない。
これをロウがもう一度現れたときに、ぶつけてやるのだ。
二度の観察で、瞬時に「縮地」で跳躍する可能性があるとはいえ、必ず、寸分違えずに、同じ場所に出てくるのはわかった。
また、縮地という術は、あいだに障害物があるときには、それ以上は進めない。ドピィは魔道には縁はないが、魔道の知識だけは蓄えている。
ロウたちが進み始めてから、砲撃と戦闘の一方で上側から乱杭を縦に埋めさせている。
ここから見える斜面には、無数の棒杭が無秩序に立っていて、いまでも増えている。
そんな場所では「縮地」は遣えないのだ。
だから、現れたところに一斉射撃する。
今度こそ、仕留める──。
あいつらは、同じ場所にしか出現できない──。
「うわあああ。やめんかああ──」
一方で、すぐ近くでやっているシャングリアへの陵辱だ。この女騎士の怒声がいきなり激しくなった。
ふと視線を向けると、ドピィが陵辱の場所として指示をした
当然に、下着しか身につけていないシャングリアの下半身は大股開きになっている。
ドピィは横目でそれを見て苦笑した。
「もっと泣き叫ばせろ。ロウが怒りで我を忘れるようにな」
ドピィは大股開きの恥ずかしい格好で櫓にあげられていくシャングリアを囲む者たちに声をかけた。
櫓はドピィが立つ場所のすぐ横だ。
ここは、戦場になっている砦の斜面のどこからでも眺められる場所であり、ましてや、その上は目立つ。
本来は、櫓の前面には矢弾を防ぐ厚い板壁があるが、いまは手摺り以外を取り払わせて、床と手摺りしかない状態になっている。
「くあっ、さ、触るなああ──。く、くそおおおおっ」
ついに、櫓の上になったシャングリアがさらに声をあげた。
さっきまで胸当ての下着をしていたが、いつの間にか取り払われて乳房が露出している。その胸を四方八方から揉まれまくっているみたいだ。
媚薬のせいで、全身が真っ赤になっていて、噴き出す汗で全身がびしょびしょだ。
かなり強力なもののはずだから、いまでも理性を保てるのが不思議だが、身体にはしっかりと効いているようだ。
言葉は荒々しいが、声の響きはかなり艶めかしい。
おかげで、シャングリアを囲んでいる賊徒兵たちはむしろ喜んでいる。
「へへへ、しっかりと時間をかけて陵辱しろという頭領の命令だからな。ゆっくりと可愛がってやるぜ、女騎士さんよ」
陵辱の長にさせた男が櫓の上で揶揄う声が聞こえた。
その声は激しい欲情の疼きでうわずっている。
兵としては役に立つ方ではないが、女を辱める役目なら一番の男だ。一物も立派なものを持っているのをドピィも知っている。
そいつには、ただ犯すだけでなく、徹底的に女の尊厳を苛め抜けと伝えている。
こっちに向かっているロウを怒りで我を忘れさせるためだ。
冷静さを奪うのだ。
淡々と消滅と出現を繰り返して、こっちに迫ってくるなどというふざけた手合いなど繰り返す余裕を奪ってやる……。
「ち、ちくしょおおおお──。くうううっ、こ、殺せええええ──。ひいいいっ、んひいいいいっ」
怒声だか、嬌声だか区別のつかない悲鳴をシャングリアが迸らせた。
もう一度視線を向けると、シャングリアは上半身を倒して、首を櫓の手摺りの横材に固定され、脚を拡げて床に作った木杭に足首を縛られていた。
脚を拡げて尻を後ろに突き出す格好だが、男たちが左右からシャングリアの裸身を抱えている。
その男たちがシャングリアの裸体を愛撫しまくっているのであろう。
シャングリアの声がそれに対する反応だ。
「た、隊長──。変ですぜ。こいつの穴、石みてえに固てえ。指を寄せ付けませんさ。こんなに濡れるのに」
そのとき、そんな声が上からした。
石みたいに固い?
なんだ、それ?
「ああ? 本当だ。よくわかんねえが、媚薬でもっとほぐすか。最後の下着も剥ぎ取れ。この媚薬はすげえぞ。どんな気丈な女でもひいひいと泣き喚く、なにしろ、ただ媚薬で性感が疼きまくるだけじゃなく、ものすごい痒みが沸き起こる。これさえあれば、どうか犯してくれと、股を緩くするさ」
どっと歓声が櫓の上であがった。
シャングリアが大声あげて、抵抗する気配も伝わってきた。
ドピィはほくそ笑んだ。
やはり、あいつに陵辱の指揮を任せたのは正解だったみたいだ。
「よし、砲撃やめええ──。百人隊は射撃用意だ──」
ドピィは指示を伝えさせた。
砲撃を中止させると戦場が静かになる。
シャングリアの悲鳴がさらに目立つようになる。
「現れたぞ──」
「射てえええ──」
下側の斜面で指揮官の大声が放たれた。
やはり、寸分違わぬ場所に、ロウたちが出現したのだ。
その瞬間、半円を作って取り囲んでいる銃隊の一斉射撃が行われた。
「よし──」
ドピィは握りこぶしに力を入れた。
少なくとも十数発の銃弾がロウらしき男に吸い込まれた。前側や横にいたエルフ女たちにもだ。
斜面の下側にロウたちの身体が転がっていくのがはっきりと見えた。