【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
唐突だった。
エリカの身体は絶頂のうねりの真っただ中だったが、突然になにもかもが劇的に変化した。
このロウに屈伏して性奴隷になると誓った。
だが、それであっても、ロウが嫌な相手だということには変わりはなかったし、ロウが憎いという感情はそのままだった。ただ、これ以上の「拷問」には耐えられないと思ったし、なによりも、ロウの与えてくれる快感は、心で拒絶するには抗しがたい魅力があった。
だが、濡れきった膣の奥でロウの怒張が一段と熱く膨れあがり、ロウの精が子宮に弾け飛んだと思った瞬間に、途方もない快感とともに、ロウが好きだという感情が戻ったのだ。
「あ、ああ、あああっ」
エリカはこれまでに経験したこともないような歓喜に全身を震えさせた。
絶頂は一度では止まらなかった。
余波というには、あまりにも激しい快感の暴発の繰り返しがエリカの肉体を襲い続けている。
エリカは陶然となりながら、声をあげ続けた。
そして、同時にもの凄い衝撃がエリカを襲った。
悔悟の感情だ──。
いや、恐怖か──。
ロウをこの手で刺したことをありありと思い出したのだ。この手でロウの腹を思い切り刺した。
その記憶が蘇る。
ユグドラの精霊の癒しの能力のあるロウだから、殺せないかもしれないとは思ったが、あの癒しは大地の力を必要とする。建物の中であるギルド本部内では、ロウが生き延びる可能性は五分五分だった。
それにもかかわらず、致命傷となり、死ぬかもしれない斬鉄をロウの腹に叩き込んだのだ。
なんの躊躇も覚えずに……。
ぞっとした。
ロウを死んでもいいという気持ちで……。
それだけでなく、その後もロウを罵倒し続け……。
憎しみを持って悪態をつき……。
「ああ、そんなああ、あああっ、そんなああ」
恐怖がエリカを包んだ。
ロウは生きている。
それはわかる。
しかし、あのときの感情を思い出して、エリカは悲鳴をあげた。
「エリカ──」
エリカを抱いているロウが大きな声を出した。
「いやあああっ、許して、許してください、いやあああ」
エリカは絶叫した。
許してとはいったが、それはエリカの本音とは異なる。
許すことはできない。
誰よりも、エリカ自身があのときのエリカの行為を許せない。
絶対に──。
「エリカ──」
もう一度、ロウが叫んだ。
そして、ぐっと股間を貫いている怒張を一度抜き、もう一度挿し込む。
「んふうううっ」
凄まじい快感が弾け飛び、エリカの思考が吹き飛んだ。
律動する。
気持ちいい……。
あまりもの快感に、エリカは絶叫を嬌声に変えて、一郎にしがみついてしまっていた。
それで気がついたが、エリカは拘束されてはいなかった。
寝台の上に横たわっていて、上から覆いかぶさられているロウに犯されている真っ最中だ。
「ああ、ロウ様、ロウ様、あああっ、ご、ごめんなさい……。わ、わたし……わたし、あああっ」
律動の中、快感で我を忘れそうになる隙間から、なにが起きていたのかわかってくる。
失っていたわけでないが、滅茶苦茶だった感情と記憶が結びつき、頭に整理されていくのだ。
つまりは、操られていた──。
それがはっきりとわかった。
ロウを憎むように暗示をかけられていたのだ。
それをロウが何日もかけて解いてくれたのだ……。
何日もかけて……。
そのことは、たったいまこの瞬間にわかった。
震えるほどの感謝の気持ちが、エリカを抱いているロウに対して湧き起る。
しかし、そのロウをあんなにまで憎しみ続けた。
操られていたとはいえ、そんな感情をロウに抱いたということが、エリカにはいまでも信じられないし、許せない──。
「ああ、あっ……ロ、ロウ様……ロウ様……」
なにを言っていいかわからなかった。
恐怖と怒りがエリカを襲った。
ロウに捨てられるという恐怖だ。
怒りは操られていたとはいえ、ロウを憎んだ自分が許せない。
なによりも、取り返しのつかないことをするところだった。
ロウを殺そうとしたのだ。
あのときの殺意をはっきりとエリカは思い出すことができる。
「エリカ、戻ったな──。いいか──。忘れろ──。エリカは俺を殺そうなんて思ってない。あれはごっこ遊びだ。ただのプレイだ。いいから、忘れろ──。それよりも、気持ちいいか? ほら、この快感だ。これだけを感じろ。いまの俺を感じてくれ」
ロウがエリカに腰を打ち込んでくる。
敏感な場所を同時に刺激された感じになり、エリカの全身で閃光のような快感が弾ける。
思考が吹っ飛んでいく。
「あああああっ」
エリカは頭の中が真っ白になるのを感じながら、官能の叫びをあげた。
なにも考えられない。
エリカは、ただただロウの名を繰り返し呼び、両腕でロウを逃がすまいとするかのように、ロウの背中を力一杯に抱きしめた。
やがて、強烈な絶頂感がエリカに再び襲いかかった。
「あはああああっ」
エリカは一郎を抱き締めながら、身体を限界まで反り返らせた。
身体はがくがくと震えている。
すると、ロウの熱い迸りが子宮を打ったのがわかった。
二度目の射精だ。
エリカは、はっきりと一郎の愛をそこに感じた。
「んぐううううっ」
エリカは絶叫した。
ロウの迸りを受けた瞬間に、エリカの全身を衝撃が駆け抜け、再び頭が真っ白になる。
そして、完全に脱力した。
ロウが腰を動かすのをやめて、怒張を抜く。
エリカを抱き締めたまま、ロウが耳元で口を開いた。
「……戻ったな、エリカ。気分は大丈夫か? よく頑張ったな。どうやら三日で終わらせるつもりが、四日目に入ったらしい。どうする? 魔道の契約の通りであれば、三日以内にお前が堕ちなかったことで、お前には自由にする権利があるんだろうな? 俺から逃げたいか?」
ロウがエリカの膣から一物を抜いて、エリカから離れた。
エリカは絶望的な気分になった。
もう、これで終わりだろうか?
やっぱり、ロウはエリカを捨てるのか?
暗闇の中で独りぼっちになったような気分が襲いかかった。
なにふり構ってはいられない。
自分の犯したことを償いもせずに我が儘だとは思うが、いまはロウに見捨てられないことだけしか考えられない。
どんなに罵倒されようが、足蹴にされようが、ロウから離れたくない。これからもずっとロウといたい。
ロウに愛されたい。
ロウを愛したい。
「ロウ様、お願い──。捨てないで──」
エリカは慌てて飛び起きて、ロウの足元にひれ伏そうとした。
しかし、エリカを抱いているロウがエリカが身体を起こすことを許さない。
「じゃあ、契約は破棄だな。おかえり、エリカ」
ロウが笑った。
安堵した。
エリカはロウに抱き締められながら、全身の力が抜けていくほどの歓びを感じていた。
よかった……。
まだ、一緒にいられる。
ロウはエリカを見捨てない。
それがわかった。
でも、それでいいのか……。
こんなことで許されてもいいのか……。
「よかったですね、エリカ様。暗示が解けて」
声がかけられた。
顔をあげた。
屋敷妖精のシルキーだ。
なにかを乗せた盆を持っている。
「シ、シルキー……」
エリカは思わず名を呼んだ。
なんだか、とてつもなく遠い場所を旅をしていて、やっと故郷に戻ってきたような気分だ。
戻ってきた……。
戻ってきたのだ……。
「……旦那様は、この数日間、ずっと付きっきりでエリカ様の暗示を解くために、この地下にこもっておられたのですよ。本当によかったです」
「ずっと?」
そう呟いて、すぐに合点がいった。
この数日の「調教」のことはよく覚えている。
調教によっては、エリカは責め苦を受けながら、ひとりぼっちで放置されるということが多々あったが、いまこうやってすっきりした頭で考えれば、おそらく、ロウはすぐそばで隠れてエリカを見守っていたのだろう。
ロウはそういう男だ。
その優しさに、エリカはつっと涙が出てきた。
「なに、暗示を解くのはすぐにできた。だが、二度とああいう操り術を持っている敵に捉われないためには、お前が自発的に俺に屈服する必要があったんだ。悪く思うな。まあ、俺としても半分以上は、愉しみのためにやっていたんだがな。本気で抵抗するお前を調教するのは、実に愉しかった。ありがとうよ」
「そ、そんな言葉……。や、優しすぎます、ロウ様は……。だ、だって、わたしはロウ様を殺そうと……」
エリカはどっと溢れた涙に、両手で顔を覆って震えた。
そのエリカの肩をすっとロウが抱きしめてきた。
しばらくのあいだ、エリカはロウの腕の中でさめざめと泣き続けた。
「さて、上にあがるぞ、エリカ。コゼとシャングリアをほったらかしだったからな。あいつらも相当に焦れているだろう……。だが、その前に、もうひとつ責め苦を受けてもらう。お前が強烈な罰を受けたという証くらいつけていかないと、あいつらもわだかまりが残るかもしれないしな」
エリカに落ち着きが取り戻してきた頃、ロウはエリカから身体を離して、エリカの前に仁王立ちするような体勢になった。
「証……ですか……?」
エリカは顔をあげた。
「そうだ。証だ──。これは罰だと思え。それで気持ちを入れ替えろ。操られていたとはいえ、お前は俺の腹を深々と刺したんだ。俺はショックだったし、痛かったぞ。だから、罰だ──。だが、これが終われば、それでおしまいだ。この件について、これ以上なにも考えることは許さん。謝ることも禁止する──。もっとも、お前には謝ることなど、なにもないけどな」
「そ、そんな……。罰を……罰を受けます。受けさせてください──。で、でも、そんなことでは、わたしのやったことは……」
とにかく謝ろうとして、エリカは慌てて口を開いた。
何百回、何千回謝っても許されるものじゃない。
謝らずにはいられない。
しかし、許されようが、許してくれなかろうが、エリカはロウからは離れられない。
それだけは確かだ。
だから……。
だが、ロウが手でエリカが喋るのを制した。
「いいから罰だ。だが、痛いぞ。覚悟を決めろ。いいな──。お前の乳首と股間にピアスを施す。一番奴隷の性奴隷の証だ。それがお前の罰だ」
ピアスはわかるが、乳首と股間?
意味がよくわからない。
続いて、ロウがシルキーの持っている盆から小さな箱のようなものを取り出す。
ロウが箱を開いて、中身を見せた。
中に入っていたのは、小さなケースに包まれた三個の小さな金属の細いリングだ。
そのうちの二個は比較的大きく、もうひとつは非常に小さい。
「大きいリングは乳首だ──。小さなリングはクリトリスだ──。エリカのそれぞれの場所に穴を開けて、これを施す。拒否は許さない」
一郎は静かに言った。
穴を開けて、ピアスをする……。
やっと意味がわかった。
エリカは背中にどっと汗が流れるのがわかった。
しかし、ロウが示すリングに目をやり、やっとこれがただのピアスではないことがわかった。
三個ともリングの真ん中に極小の石が彫り込まれている。
アマダスの石と呼ばれる宝石だ。
大変に貴重なものだ。
「こ、これはアマダスの石……。でも、こんなきれいなアマダスの石は見たことがありません」
そのアマダスの石の美しさに驚いてしまった。
エリカも女の端くれだし、宝石の美しさには、さすがに目を奪われた。
「……これがピアスだ。これをエリカにつける。それが罰だ……。この屋敷の前の主人の蒐集品にひと組だけあったものでね。だが、未使用のようだ。さすがに、嗜虐好きの前の主人も、残酷だと思ったのか、それとも機会がなかったのか、妻に使用しなかったようだな。だが、俺はこれをエリカに装着することにする」
「こ、これを……」
エリカはじっとアマダスの石の嵌まったリング、すなわちピアスを見つめていた。
とても綺麗なピアス……。
一見して、とても高価なものだとわかる。
「しかし、さっきも言ったがつける場所は……」
ロウがもう一度、エリカの耳元に口を寄せ、これを装着するのは両方の乳首と陰核だと説明した。
それぞれ、小さな針で穴をあけ、そこにリングを差し込み、自由に外せないようにするのだそうだ……。刺し込んでしまえば、リングは完全に閉じて、引き千切らない限りピアスが外れることはない……。
ロウが淡々とエリカに言い聞かせる。
流石に、そんな場所に穴をあけるなど言われると、顔が真っ蒼になって引きつった。
「わ、わかりました……」
しかし、エリカは受け入れることにした。
どんなに苦しくても、痛くても耐えよう……。
これは罰なのだ。
「いい子だ。さすがは、俺の一番奴隷だ」
ロウが満足そうに微笑んで寝台から完全におりた。
エリカは寝台に寝そべったままだ。
ロウがエリカの胸の前に屈み込み、口にエリカの片側の乳首を含む。
そして、ぺろぺろと口の中で転がしだす。
「んふうっ、は、ああっ、ロ、ロウ様……」
さざ波のような快感が迸り、エリカはすぐに悶えてしまった。。
すると、ロウが手を伸ばして、三個のピアスのうちのひとつを手に取り、エリカの乳首を咥えている一郎の口の中に放り込んだのがわかった。
そして、ピアスをエリカの乳首にぶつけるように口の中で転がす。
「あっ、ああっ、あああっ、き、気持ちいい……」
ロウの口の中でリングで刺激されて、それが舌の刺激を重なり、エリカをさらに感じさせる。
エリカはぐっと胸を持ちあげるように身体を反らせた。
「ひとつ目だ。これも淫魔術だぞ」
しばらくして、口から乳房を離したときには、もう乳首の根元にピアスが嵌まっている。
びっくりした。
まるで魔道だ。
淫魔術──?
ロウは支配している女体に限り、魔道以上の操りをするが、これは神がかりだと思った。
激痛を覚悟していただけに、エリカは、拍子抜けしてしまった。
「本来であれば、化膿などの心配もしなければならないが、俺に限り、そんなものは不要だ。まあ、少しのあいだは、動くとピアスが揺れるので、慣れるまで大変かもしれないけどな……。でも、痛みのようなものとは無縁のはずだ。感じすぎて動けなくても困るだろうから、平素は淫魔術で制御をしてやろう。だけど、愛し合うときには、快感は桁外れになる」
ロウがくすくすと笑っている。
「ほ、本当に……もう……ですか?」
そっと乳首ピアスに触れる。
確かに嵌まっている。
「痛くなかっただろう? でも、もう穴は開いたぞ」
ロウがエリカの乳首に嵌まっているピアスリングに手を伸ばしてピアスを指先で動かした。
「あんっ」
エリカは甘い声をあげて、身体を仰け反らせてしまった。
「それと、この三個のピアスには、シルキーに指示して、黒文字で小さく文字を刻まれた。この世界の文字ではないが、俺の世界の文字だ。これを受け入れてくれたエリカに、この言葉を捧げようと思ってな」
一郎はエリカにもわかるように、もうひとつの乳首用のピアスを示した。
そこには小さく “PRIMUM AMAMS” と刻んでいる。
「……意味は、最初の恋人……。つまり、一番奴隷という意味だ」
「エリカ様のことだとのことです……」
そばに待機しているシルキーが小さく言った。
「……最初の……恋人……。一番奴隷……」
エリカはロウのその言葉を繰り返した。
すぐに、顔が真っ赤になり、蕩けたように相好を崩れるのがわかった。
さっきまでの恐怖など立ち消え、残りのピアスもまた愛おしく感じる。
「だが、嫌なら外して、コゼかシャングリアに着けてもいいぞ。あいつらは悦ぶとは思うけどな」
ロウがからかうような物言いをして笑った。
エリカはむっとしてしまった。
「い、一番奴隷はわたしです──。わたしが最初にロウ様の女になったんです──」
そう言うと、ロウがなぜか声をあげて笑った。
「だったら、受け入れるな? コゼやシャングリアを羨ましがらせればいい。これは一番奴隷だけの装飾具だとな。でも、痛くないのは終わりだ。次からは装着に淫魔術は使わない。怖ろしいほどの激痛が走ると思え」
エリカは口を真一文字にして大きく頷く。
望むところだ。
一番奴隷の証はエリカのものだ。
「も、もちろんです。そのぴ、ぴあす……でしたっけ? 受け入れます。そりゃあ、悦んで……」
「わかった……。じゃあ、覚悟しろ。次からが本当の罰だ。そして、ピアスを受け入れるというのは痛みとともに、俺の愛を受け入れるということだ。痛みは一瞬だ。だが、その痛みなしでピアスを装着してしまったら、それは俺を受け入れることにはならない……。儀式のようなものだが、大切なことなんだ。わかってくれ」
「もちろんです……。やってください。それにこれは罰ですから……。ロウ様の罰は甘すぎるくらいです」
エリカはすぐに言った。
そして、ぐっと歯を食い縛る。
一郎が頷く。
そして、さっきの箱から針のような形状の道具を出す。
ロウが片側のエリカの乳首を掴んでぐいと引っ張った。
そこに大きな針を突き刺す。
「ひぎいいっ」
想像を超えた激痛に、身体を硬直させて、エリカは絶叫した。
「動くな──。危ない──」
ロウの大喝に、エリカはびくりとして暴れ出すのをやめた。
そのままぐいと、大きな針を刺していく。
身体から、脂汗がどっと噴き出した。
できたばかりの穴に、ロウが素早くピアスの金具を挿入する。
針を抜いたときには、すでにピアスは閉じて繋ぎ目は消滅している。
もう痛みは小さい。
あっという間だった。
「やはり、淫魔師の力はすごいな……。一度もやったことがないのに、こんなにうまくできるんだ」
ロウが笑っている。
エリカも同じように思った。
「はあ、はあ、はあ……」
しかし、エリカはまだ荒い息が落ち着かない。
すでに痛みそのものはもう発生していないが、乳首に穴を開けられた激痛は、一瞬だけで、エリカの息を荒くするくらいに衝撃的だったし、なによりも穴を開けられたという事実がエリカをまだ衝撃の中に残している。
「最後のひとつだ。膝を立てて股を開け」
ロウがは寝台にあがり込んで、胡坐に座り、エリカの足側で例の針を持つ。
左手には、最後のピアスを持っている。
「はい……」
エリカは言われたとおりにする。
怖い……。
でも、ロウを信じるのだ。
ロウがさっと道具を持ったまま、両手をエリカの股間に伸ばす。
エリカは目をつぶって、歯を喰いしばった。
「ぎゃあああ」
次の瞬間、激痛が股間に走った。
エリカは悲鳴をあげた。
だが、懸命に身体を静止させる。
今度もあっという間だった。
「終わったぞ。よく頑張ったな。ご褒美だ。淫魔術で化膿も消している。もう問題ない」
ロウがエリカにのしかかってくる。
「あ、ああっ、ロ、ロウ様……」
エリカは狼狽えた声をあげてしまった。
しかし、エリカの股間はすでに挿入可能な状態だったのだろう。ほとんど抵抗なく、エリカの股間は一郎の一物を深くまで受け入れた。
「いくぞ」
ロウが律動を開始する。
その瞬間、ピアスが刺激されて、大きな快感が一気に身体に流れた。
「ああっ、ロ、ロウ様が……う、動くと……ぴ、ぴあすが動いて……。ああ、ああっ、んふうっ」
エリカが大きく悶えた。
「病みつきになるだろう? ニ、三日は歩くたびにピアスが揺れて感じてしまうかもな。まあ、いつかは慣れるさ……。ただし、クエストのときなどで戦闘モードになると自動的に刺激を与えないようになる処置はする……。それも心配するな……。いずれにしても大変なのは数日間だけだ……。とにかく、よろしく頼むぞ、一番奴隷」
ロウがわざと股間のピアスを激しく擦るように肉棒を律動させる。
エリカが最初の気をするのに、いくらもかからなかった。
「いぐうっ、いきます、ロウ様──。い、いかせてください──。はああっ」
エリカは、さっそく身体を震わせて、大きな嬌声をあげた。
*
「ば、馬鹿なことを言うな。そんなのは罰になるものか」
シャングリアが大きな興奮の声をあげた。
「わ、悪かったと思っているわ……。も、もちろん、わたしのやったことは、こんなものじゃあ、罰にはならないと思っているけど……」
エリカが項垂れた。
「ち、違う──。エリカは罰を受けるようなことはなにもない。そ、そんなことを言っているのではないのだ──。た、ただ、そんなのは罰じゃないといっているだけで……」
シャングリアが慌てたように言った。
屋敷の一階の大きなロビーだ。
一郎は、エリカを全裸のまま連れて一階にあがってきた。
謝罪の態度を示させなければならないので、両手は後手に手枷を嵌めている。
その恰好で、全員に全裸土下座をさせた。
ロビーにいたのは、コゼとシャングリアであり、ふたりはエリカに対するジョナスの暗示が解けたことを喜ぶとともに、エリカの白い裸身に装着されている乳首とクリトリスのピアスの存在に目を丸くしていていた。
とにかく、一郎はコゼたちに、数日間の顛末を簡単に説明するとともに、エリカの股間に穴を開けてピアスを施す罰をしたことを改めて示し、これで許してやれと告げたのだ。
すると、いきなりシャングリアが憤慨したように声をあげたところだ。
「……まあ、確かに罰じゃないわね。ご主人様、正直なところ、罰を受けたのは、あたしたちのような気分です。ずっと、一階で放っておかれたんですから……。正直言って羨ましいわ、エリカ──。ご主人様を四日間も独占できるなんて……。そのあいだ、あたしたちは、ずっとご主人様に会えなかったんだからね……。おかしいですよ、ご主人様」
コゼもまた不満そうだ。
どうやら、シャングリアもコゼも、すっかりと臍を曲げているようだ。
一郎は苦笑した。
確かに、数日間、エリカにつきっきりだった。
このふたりは大いに鬱憤が溜まっているらしい。
特に、この宝石付きのピアスには、すっかりと臍を曲げてしまったようだ。
「だが、一組しかないんだ。お前たちにも、そのうちになにか贈るよ。だが、これは懲罰としてしたんだ。クリトリスに痛み止めの魔道なしで穴を開けたんだ。痛いなんてもんじゃないんだぞ」
一郎は笑って言った。
この世界の性風俗については、興味があるのである程度は調べたが、性器に穴を開けるという性風俗は探すことはできなかった。
この屋敷の前の主人が、どういう発想で乳首と性器へのピアスを作らせたかは知らないが、シルキーによれば、間違いなく性器へのピアスだという前の主人の説明が残されてあったそうだ。
いずれにしても、だから、性器に嵌まったピアスを見せれば、ふたりとも恐れおののくと思ったが、むしろ羨ましがらせてしまったようだ。
「いいや──。納得できないぞ。そもそも、三個あるんだ。わたしたちに一個ずつでもいいんじゃないか。わたしも欲しいぞ。ロウのすることなら、どんな苦役だって耐えてみせる。ましてや、その苦痛のあとに、こんな贈り物をしてくれるなんて、ご褒美そのものだ。わたしも欲しい」
「えっ、あんた、もしかして、あんたもこんなところに穴を開けて、ご主人様のピアスとやらをしたいと思っているの?」
コゼはちょっと意外そうに言った。
シャングリアとは異なり、コゼはピアスそのものを羨ましいとは思っていないらしい。
ただ、ずっと相手をしてもらえなかったのは不満な感じではあるが……。
「当り前だ。ロウの女である証だ。わたしも欲しい──」
シャングリアが怒鳴った。
すると、エリカが身体を捻って胸と局部を隠すような仕草をする。
「そ、そんなこと言われても……。これは一番奴隷の証ということで、ロウ様が……」
エリカが不服そうな声をあげた。
だが、一郎はエリカの物言いに、意外な気持ちがした。
ちょっと優越感を覚えているような響きがあるとともに、三個のピアスを三人で分けるというシャングリアの提案には明らかに不満そうな感じだったからだ。
ピアスを装着するときに、一番奴隷の証ということを強調して、エリカに両乳首と股間に穴を開けたが、それは意外にエリカを悦ばせたかもしれない。
「一番奴隷? これは一番奴隷の証なんですか?」
コゼが眉を顰め、次いで一郎に視線を向ける。
「まあ、そうだ。とにかく、この件で、もうエリカを責めるのは禁止する。エリカは十分な責め苦を受けた。俺のきつい拷問だ。そして、ピアスまで施された。もう、許してやれ」
一郎は長椅子にどっかりと座った。
向かい合う長椅子には、コゼとシャングリアが並んで座っている。エリカはまだ、床に裸で座ったままだ。
「エリカのことは最初から、なにも思ってない──。わたしは、ピアスの話をしているのだ──。そんなのは罰じゃないと言っているのだ──」
シャングリアがまた憤慨する。
「うーん、でも一番奴隷かあ……。まあ、だったら、仕方がないじゃない。あたしたちは諦めましょう、シャングリア……。とにかく、お帰り、エリカ。もう大丈夫なのね?」
コゼが横から口を挟んだ。
そして、シャングリアを宥めながら、エリカに視線を向ける。
「うん、ロウ様のおかげで……。あ、あのう、みんなにも迷惑を……」
エリカが床に座ったまま、コゼとシャングリアに再び深々と頭をさげた。
「いいのよ、エリカ。そして、お帰り」
コゼが優しい口調でエリカに声をかけて、椅子からおりて、床に座るエリカの隣に添うように腰をおろす。
一郎もほっとした。
シャングリアはまだ不満そうだが、コゼに宥められて、やっと文句を言うのをやめてくれし、コゼもわだかまりはないようだ。
しかし、次の瞬間だ。
エリカが突如としてけたたましい悲鳴をあげた。
「ひいいいいっ、コゼ──。やめてええ、んぎいいいい」
びっくりして、エリカとコゼに視線を向けると、いつの間に準備したのか、コゼが細い紐を手に持ち、その端末をエリカのクリピアスに結びつけて、いきなり広間を駆け始めたのだ。
エリカの両手は背中で拘束しているので、クリピアスに引っ張られれば、エリカはそっちに向かってついていくしかない。
だが、コゼはかなりの速い速度で広間を駆け出し、それで、エリカが悲鳴をあげながら、コゼを追いかけだしたということだ。
つまりは、コゼの悪戯だが、一郎は唖然としてしまった。
しかも、コゼは、わざと卓の下や椅子の上を通りすぎたりして、エリカが簡単にはついてこれないような場所を走っている。
「コゼ──。んぎいいっ、やめてえ、ちょっと、とまって、やめてえええ」
エリカが必死の様子で走りながら泣き叫んだ。
「ほほほ、捕まえてご覧なさい」
「んぎいっ、コ、コゼ――。ふ、ふざけないでえぇ」
「ははは、ちょっと面白いかも……。ご主人様、このまま庭を散歩していいですか。シャングリアもおいで。これ、面白いわよ」
コゼがけらけら笑いながら、広間を駆けまわっている。
「な、なにが庭よ──。じょ、冗談じゃ……。んぎいいっ」
怒ったエリカがコゼに追いつこうと足を速めたが、すかさずコゼがさっと方向を変えたため、ついて来れないエリカが、ぐんとクリピアスを引っ張ることになり、激痛に絶叫した。
一郎は大笑いしてしまった。
(第14話『新たなる関係』)