※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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807 凱旋将軍の狂乱(その2)

「ギ、ギネビア──。どうか、開けないで──。しばらく外にいるのです──」

 

 エリザベートがランスロットが口を塞ぐよりも早く絶叫した。

 ランスロットの手は、エリザベートの口のほんのちょっと手前でとまっている。

 どうすべきなのか、ランスロットは一瞬、思考停止になってしまったが、そのランスロットの視線とエリザベートの交差する。

 

 気のせいかわからないが、ランスロットにはかすかに、エリザベートが頷いたように見えた。

 迷った末に、ランスロットはエリザベートを押さえつけようとしていた手をおろして、少しだけ力を抜く。

 

「ひいんっ」

 

 そのとき、いきなりエリザベートが甘い声をあげて、身体を大きく悶えさせた。

 感極まりかけた仕草だ。

 考えてみれば、ランスロットの怒張はエリザベートの股間深くを貫いたままだった。

 どうやら、ランスロットがちょっと身じろぎしたことで、中を抉った感じになったみたいだ。

 

「やっぱりいい、変な声──。エリ様、開けるよ──。いいよね──」

 

 再びどんどんと扉を叩く音と、ギネビアの声がした。

 

「あ、開けてはだめ──。外にいなさいってばあ──」

 

 エリザベートが絶叫するとともに、きっとランスロットを下から睨みつけた。

 

(う、ご、か、な、い、で)

 

 口だけでランスロットに伝えてくる。

 ランスロットは慌てて、身体をじっと静止させる。

 

「ラン様もよね──。エリ様は大丈夫──?」

 

 ギネビアの声が響く。

 結構強力な睡眠剤を仕込んだはずなのに、ちっとも効いてないくらいに元気だ。

 やっぱり、獣人族か――。

 ランスロットは自分の迂闊さに歯噛みした。

 

「も、問題ない──。ギネビア、まったくな。外にいてくれ」

 

 ランスロットも怒鳴った。

 

「ひゃんっ」

 

 そのとき、またもや、エリザベートが甘い声をあげてしまった。

 慌てたようにエリザベートが口をつぐむとともに、きっとランスロットを睨みつけてきた。

 顔は真っ赤だし、眼には涙がうっすらと溜まっている。

 

「ひ、ひんっ、は、早く、わたしのく、口、押さえて……。そして、ギネビアを立ち去らせて……」

 

 ランスロットだけに聞こえる声でささやく。

 慌てて、エリザベートの口を手で押さえる。それとともに、ギネビアが外側にいる扉に向かって顔を向ける。

 

「ちょっと話し込んでいるだけだ。それよりも、外で見張ってくれるか、ギネビア。誰にも聞かれたくない話をしているのだ。誰かがやってくれば、すぐにしらせてくれ。頼む──」

 

 ランスロットは大声を発した。

 

「えっ?」

 

 ギネビアの迷ったような声が聞こえた。

 ランスロットは、エリザベートの眼をじっと見つめた。すると、エリザベートが小さく頷き返してきた。

 ランスロットは、ゆっくりと手をエリザベートの口から離す。

 

「ギ、ギネビア──。ランスロット様の言ったとおりに──」

 

 エリザベートが声をあげた。

 ただ息が荒い。しかし、必死にそれを隠すように怒鳴った。

 

「わかった、エリ様──。じゃあ、ラン様もお願いします」

 

 ギネビアが扉から離れていく気配がした。

 ランスロットはほっとした。

 エリザベートの安堵の表情を浮かべている。

 

「す、すまん……」

 

 束の間の沈黙があり、ランスロットは躊躇った末にそう言った。

 冷静さが戻ってくる。

 後悔しているわけじゃないが、ばつの悪さが込みあがる。

 

「エ、エリザベート殿……」

 

 なにを言っていいかわからない。

 ただ、思わずすがるように、名を呼んでしまった。

 エリザベートが、汗で前髪が額に張りついた真っ赤な顔を向けて、ランスロットの言葉を待つ仕草をしたが、ランスロットが黙ってしまったので、大きく溜息をついてきた。

 

「と、とにかく、手を解いてください……」

 

「それはできません」

 

 ランスロットは首を横に振った。

 すると、エリザベートが首を小さく横に振り返す。

 

「逃げません……。そのつもりなら、いまギネビアに助けを求めてました……。ただ、あなたを抱きしめたいの……」

 

 エリザベートが恥ずかしそうに微笑んだ。

 ランスロットは目を丸くしてしまった。

 まさか、受け入れてくれる──?

 耳を疑った。

 

「まさか……。俺を許して……?」

 

「なにも言わないで……。語らないでください……。だけど、これだけはお伝えします……。わ、わたしは嫌がってはおりません……。そのう……。そのう……愛してます……。わたしも……」

 

 最後の言葉はほんの聞こえるかどうか小さなものだった。

 だが、ランスロットの全身に叫び出したいほどの昂ぶりが走る。

 

「あんっ、お、大きくなった──」

 

 エリザベートが身をよじった。

 ランスロットは、男根を貫かせたまま、身体の下のエリザベートを裸身を抱きしめた。

 

「ああっ」

 

 エリザベートがよがり声をあげた。

 

「ありがとうございます──」

 

 ランスロットはぎゅうぎゅうとエリザベート抱きしめる腕に力を入れる。

 

 エリザベートがランスロットを愛していると言った──。

 言ってくれたのだ──。

 

 嬉しい──。

 嬉しい──。

 心の底から嬉しい──。

 

 それがランスロットに危害を加えられることを恐れた、エリザベートのこの場限りの偽りでもいい──。

 

 信じる──。

 

 ランスロットはいまの言葉を信じることにした。

 これが嘘でも、ランスロットは嬉しかった。

 

「と、とにかく、じんじんして……。い、いいかげんに…う、動いてください……。だ、だけど、紐を解いて……」

 

 エリザベートがランスロットに抱きしめられながら言った。

 しかし、ランスロットは再び首を横に振る。

 

「できません。いずれにしても、あなたは、俺に暴力を振るわれて犯されたんです。縛られていたことはその証でもあります。縛られていなければ、あなたが俺を受け入れたと誤解されるかもしれません。これはほどくわけにはいきません」

 

「ば、ばか、おっしゃい――。受け入れてるに決まってるでしょう――」

 

 すると、エリザベートが大きな声をあげた。

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