【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ギ、ギネビア──。どうか、開けないで──。しばらく外にいるのです──」
エリザベートがランスロットが口を塞ぐよりも早く絶叫した。
ランスロットの手は、エリザベートの口のほんのちょっと手前でとまっている。
どうすべきなのか、ランスロットは一瞬、思考停止になってしまったが、そのランスロットの視線とエリザベートの交差する。
気のせいかわからないが、ランスロットにはかすかに、エリザベートが頷いたように見えた。
迷った末に、ランスロットはエリザベートを押さえつけようとしていた手をおろして、少しだけ力を抜く。
「ひいんっ」
そのとき、いきなりエリザベートが甘い声をあげて、身体を大きく悶えさせた。
感極まりかけた仕草だ。
考えてみれば、ランスロットの怒張はエリザベートの股間深くを貫いたままだった。
どうやら、ランスロットがちょっと身じろぎしたことで、中を抉った感じになったみたいだ。
「やっぱりいい、変な声──。エリ様、開けるよ──。いいよね──」
再びどんどんと扉を叩く音と、ギネビアの声がした。
「あ、開けてはだめ──。外にいなさいってばあ──」
エリザベートが絶叫するとともに、きっとランスロットを下から睨みつけた。
(う、ご、か、な、い、で)
口だけでランスロットに伝えてくる。
ランスロットは慌てて、身体をじっと静止させる。
「ラン様もよね──。エリ様は大丈夫──?」
ギネビアの声が響く。
結構強力な睡眠剤を仕込んだはずなのに、ちっとも効いてないくらいに元気だ。
やっぱり、獣人族か――。
ランスロットは自分の迂闊さに歯噛みした。
「も、問題ない──。ギネビア、まったくな。外にいてくれ」
ランスロットも怒鳴った。
「ひゃんっ」
そのとき、またもや、エリザベートが甘い声をあげてしまった。
慌てたようにエリザベートが口をつぐむとともに、きっとランスロットを睨みつけてきた。
顔は真っ赤だし、眼には涙がうっすらと溜まっている。
「ひ、ひんっ、は、早く、わたしのく、口、押さえて……。そして、ギネビアを立ち去らせて……」
ランスロットだけに聞こえる声でささやく。
慌てて、エリザベートの口を手で押さえる。それとともに、ギネビアが外側にいる扉に向かって顔を向ける。
「ちょっと話し込んでいるだけだ。それよりも、外で見張ってくれるか、ギネビア。誰にも聞かれたくない話をしているのだ。誰かがやってくれば、すぐにしらせてくれ。頼む──」
ランスロットは大声を発した。
「えっ?」
ギネビアの迷ったような声が聞こえた。
ランスロットは、エリザベートの眼をじっと見つめた。すると、エリザベートが小さく頷き返してきた。
ランスロットは、ゆっくりと手をエリザベートの口から離す。
「ギ、ギネビア──。ランスロット様の言ったとおりに──」
エリザベートが声をあげた。
ただ息が荒い。しかし、必死にそれを隠すように怒鳴った。
「わかった、エリ様──。じゃあ、ラン様もお願いします」
ギネビアが扉から離れていく気配がした。
ランスロットはほっとした。
エリザベートの安堵の表情を浮かべている。
「す、すまん……」
束の間の沈黙があり、ランスロットは躊躇った末にそう言った。
冷静さが戻ってくる。
後悔しているわけじゃないが、ばつの悪さが込みあがる。
「エ、エリザベート殿……」
なにを言っていいかわからない。
ただ、思わずすがるように、名を呼んでしまった。
エリザベートが、汗で前髪が額に張りついた真っ赤な顔を向けて、ランスロットの言葉を待つ仕草をしたが、ランスロットが黙ってしまったので、大きく溜息をついてきた。
「と、とにかく、手を解いてください……」
「それはできません」
ランスロットは首を横に振った。
すると、エリザベートが首を小さく横に振り返す。
「逃げません……。そのつもりなら、いまギネビアに助けを求めてました……。ただ、あなたを抱きしめたいの……」
エリザベートが恥ずかしそうに微笑んだ。
ランスロットは目を丸くしてしまった。
まさか、受け入れてくれる──?
耳を疑った。
「まさか……。俺を許して……?」
「なにも言わないで……。語らないでください……。だけど、これだけはお伝えします……。わ、わたしは嫌がってはおりません……。そのう……。そのう……愛してます……。わたしも……」
最後の言葉はほんの聞こえるかどうか小さなものだった。
だが、ランスロットの全身に叫び出したいほどの昂ぶりが走る。
「あんっ、お、大きくなった──」
エリザベートが身をよじった。
ランスロットは、男根を貫かせたまま、身体の下のエリザベートを裸身を抱きしめた。
「ああっ」
エリザベートがよがり声をあげた。
「ありがとうございます──」
ランスロットはぎゅうぎゅうとエリザベート抱きしめる腕に力を入れる。
エリザベートがランスロットを愛していると言った──。
言ってくれたのだ──。
嬉しい──。
嬉しい──。
心の底から嬉しい──。
それがランスロットに危害を加えられることを恐れた、エリザベートのこの場限りの偽りでもいい──。
信じる──。
ランスロットはいまの言葉を信じることにした。
これが嘘でも、ランスロットは嬉しかった。
「と、とにかく、じんじんして……。い、いいかげんに…う、動いてください……。だ、だけど、紐を解いて……」
エリザベートがランスロットに抱きしめられながら言った。
しかし、ランスロットは再び首を横に振る。
「できません。いずれにしても、あなたは、俺に暴力を振るわれて犯されたんです。縛られていたことはその証でもあります。縛られていなければ、あなたが俺を受け入れたと誤解されるかもしれません。これはほどくわけにはいきません」
「ば、ばか、おっしゃい――。受け入れてるに決まってるでしょう――」
すると、エリザベートが大きな声をあげた。