【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ねえ、ねえ、こいつ見てよ──。これって──」
クグルスがはやし立てた。
なにを騒いでいるのかと思ったら、ラポルタの一物が豆みたいに小さいと馬鹿笑いしているのだ。
ラポルタは、全裸に剥かれた身体をエリカたちから寄ってたかって、魔道封じと筋肉弛緩の特別な紋様がある革紐で縛られていたのだが、剥き出しになった股間のあいだにぶら下がる一物は、一郎の目から見ても常人よりも小さいように思えた。
まあ、一郎が悪戯でアネルザの股間に作っている疑似男根と同程度だろう。
ラポルタの外観は魔族として野性味溢れていて、さらにとても美男子だ。肉体もしっかりと鍛えられてたくましい身体をしている。
それだけに、余計に、股間の一物の小ささは確かにアンバランスに感じた。
だが、人の股間を見て嘲笑するなど悪趣味だ。
一郎は、クグルスをたしなめようと思った。
「やめろおお──。見るなああ──」
そのとき、いきなりラポルタが泣き出し始めた。
一郎はちょっと唖然とした。
「ははは、こいつ、多分、この粗末な道具を劣等感に思っていて、ずっと恥部に感じていたに決まっているよ。だから、変身術で性器を大きくしたりしてたんだな。それなのに、ぼくたちのご主人様のお道具を馬鹿にしたようなことを口にしやがって──。ご主人様を馬鹿にするのは、一億年早いんだよ」
クグルスがさらに嘲笑する。
ラポルタの顔が屈辱で真っ赤になり、ぼろぼろと涙を流して歯ぎしりするような仕草をした。
その様子を見て、一郎はちょっとクグルスをとめるのを思い直した。
なにに対してトラウマを持つのかというのは人それぞれだ。それを馬鹿にするつもりもないし、抉る趣味はない。
だが、こいつは別だ。
そんなに嫌なら、もっと恥部をさらけ出させてやろうと思った。
「エリカ、こいつを使え。“コウノトリ”という拘束具だ。ちょっと実験的に作らせたもので、一度シャングリアあたりに試してもらおうと思ってたんだが、ちょうどいいからこいつに使ってやろう。言っておくが、見た目以上に、これで締めつけられると苦しいぞ」
亜空間から取り出したのは、一郎が趣味で製造させて、ずっと亜空間にしまったままにしていた拘束具であり、もともとは以前の世界における拷問具の歴史の記憶が原案だ。
確か、“
いずれも、これを取り付けられたかたちが鳥に見えないこともないことからの名称なのだろう。
ただ、この世界には、コウノトリや禿鷹に似た鳥はいるものの、コウノトリと禿鷹という名称ではない。
だから、新しく相応しい名前を考案するべきなのかもしれないとも思っている。
「こうのとり……ですか……? どう使うんです?」
渡した拘束具を手に取って、コゼに首を傾げている。
外観は金属の首輪部分から「ハの字型」に伸びる二本の支柱が伸びている形状になっていて、その支柱の途中に腕枷の環、そして、先端に足首を嵌める枷環があるというものだ。
足首に嵌める二つの環部分には、横に繋げる支柱も繋げられていて、それでハの字の拡がりを固定する仕掛けにもなっている。
つまり、これを装着されると、背骨を曲げ、胴体に密着するまで膝を曲げて、さらに両腕も胴体の横に曲げて前に出す体勢から動かせなくなるのだ。
長く使いすぎると、鬱血して死に至ると聞いたことがあるが、魔族というのは丈夫なので、まあ、実験台として丁度いいだろう。
「真ん中の輪を首に嵌めろ。支柱の四つの環には、足首と手首を嵌めるんだ。膝を要り曲げさせてな」
一郎は説明した。
「やめろおおっ」
ラポルタが暴れ出す。
「静かにしなさい──」
エリカが剣の柄で思い切り顔面をぶん殴り、ちょっとだけ静かになった。
「これも嵌めとけ。静かになる。こいつの訊問も処刑も後回しだ。勝手に殺したら、サキも納得がいかないだろうからな」
一郎はサキの首を片手で胸に抱いたまま、今度は防音術の魔道陣が刻まれている開口具を出して渡す。
これもまた、もともとは嗜虐遊びに使うものであるが、中心に口に押し込む金属環があり、それを環の左右に着いている革紐で頭の後ろに固定するのだ。
そして、やはりこれもまた、長時間使用は苦痛を与えたりする。長い時間使いっぱなしにすると、口から涎が垂れ流しになって屈辱を味わうだけでなく、口の中が乾ききってしまって、かなり喉が乾いて苦しくなるのだ。
ミランダたちに喉の渇きを与えて苦しめていた感じであるし、少なくとも数日間は装着したままにしてやろうと思っている。
また、腕に抱いているサキは、いまだに寝息をかいている。
すでにラポルタの魔道は抜いており、視力も聴力も舌の改造についても直していて、ラポルタにかけられた睡眠術も解けているのだが、まだ目を覚まさない。
まあ、すぐに起こす必要はないし、覚醒するまで、このままにしておこうと思っている……。
ただ、気になるのは、首から下の部分の復活についてだ。試しに少しだけ淫魔力を注いでみたが、まったく手応えがない。このラポルタが口にしていた、いかなる手段でも復活する方法がないという言葉が気にかかる。
「ところで、ご主人様、エリカがまだこいつの尻穴の検査してないんです……。わがまま言って、嫌がって……」
コゼがエリカたちとともに、ラポルタを拘束具に繋ぎながら言った。
「な、なんで、わたしなのよ。嫌だって言ったじゃない」
すると、すぐにエリカが抗議の声をあげる。
相変わらずだなあと思った。コゼはただ、エリカを揶揄っているだけだ。それなのに、エリカはいつもむきになる。
「まあ、それは後でいい」
装具を全部外させたところで、ラポルタから王家の宝具らしき持ち物の所有がステータスから消えてしまった。
おそらく、もうなにも隠してない。
もう、尻穴の点検までは必要ないかもしれない。
「暴れるなというのに」
イットだ。抵抗をするラポルタを平手で殴っている。
また、ラポルタが静かになる。
三人が作業を続ける。
「終わりましたよ、ご主人様」
やがて、コゼが言った。
全裸のラポルタは、足と腕を曲げた窮屈そうな体勢で“コウノトリ”の拘束具によって身体の固定されて床に転がされている。
口には開口具が嵌まっていて、激しく息をしているのだが、その息の音もかき消させて消音されている。
さらに手首と足首、そして、首には、魔道封じの紋様を刻んだ革紐を別にそれぞれに巻き結んでもいた。
一郎はラポルタに近づき、足首に嵌まっている環の部分を横に貫いている支柱を操作して、曲げた脚が左右に開く体勢に変えてやった。
男の裸体など興味はないが、これでM字縛りという脚を拘束して思い切り横に開脚させてやったのと同じ体勢になった。
仰向けにひっくり返されているラポルタは、トラウマであるらしい自分の性器をさらけ出しているかたちだ。
ラポルタの顔が恥辱で真っ赤になった。
「やあい、やあい、ご主人様を馬鹿にするからこうなるんだ。ぼくたちのご主人様はお前なんかとは比べものにはならないくらいにものすごいお方なんだ。それを脅して取り引きしようなんて、身の程を知れ──。この短小妖魔」
クグルスがラポルタの股間に舞い降りて、足でラポルタの股間を踏み遊ぶような悪戯を始めた。
ラポルタが拘束された身体を暴れさせだす。
一郎はちょっと放っておくことにした。
「ガド、もう危険はない。こっちに来てもいいぞ──。アネルザもだ」
一郎は部屋の反対側で待たせていたふたりを呼んだ。
ふたりがやってくる。
「ご主人様、来ました……。ところで、この器具はなんですか? こうの……なんとかと聞こえたのですが……。それとシャングリアさんにお試しになる予定だとか……」
やってきたガドニエルがいきなりラポルタに装着されている拘束具を一瞥して訊ねてきた。
もしかして、興味津々だったのか?
いや、もしかしなくても、どうやら興味津々みたいだ。
「ガドも装着されたいのか? まだ試してない調教具だぞ。こいつには使ってしまったが、女たちには誰にも試してない。シャングリアに試したら、“シャングリアの娘”とでも呼ぼうかと思ってたけど」
一郎は笑って軽口を言った。
「いえ、でしたら、是非、ガドを実験台に──」
すると、ガドニエルがらんらんと目を輝かせた。
一郎は噴き出した。
「拷問具だと言っただろう。これを装着されると、とても苦しいんだ。そして、女の場合は、折り曲げて閉じることのできない身体を徹底的に悪戯されるんだ。かなりつらいはずだから、きつい調教に耐性がないと苦痛なだけだと思うぞ」
一郎は笑って言った。
「だ、だったら、なおさらガドに。そして、是非、それにガドの名をつけてください」
ガドニエルがちょっと顔を赤くして言った。
一郎は苦笑してしまった。
「そうか? ならば、今回のガドのご褒美は、それにするか? 一番の殊勲賞だから、ポリネシアン・セックスのご褒美はガドにしようかと思ったんだがなあ」
わざと言った。
ガドニエルの眼が大きくなる。
「ご褒美──。いえ、ガドは、ぽりねしあんがいいです。それをお願いします」
「わかった。わかった」
一郎はガドニエルの頭に手を伸ばして撫ぜる。
ガドニエルが嬉しそうな顔になった。
「やれやれ、ご褒美はガドかあ。まあ、仕方ないわねえ」
「すごかったです、ガド様」
コゼとイットだ。
「そうね。まさか、力ずくなんてねえ」
エリカも言った。
ガドニエルは一郎の頭を撫でられながら、満面の笑みを浮かべた。
「やれやれ、とりあえず、解決かい。ミランダ、ベルズ、無事かい……」
一方で、アネルザについてはまず、ミランダたちに声をかけた。
ふたりはスクルドの治療を受けており、まだ満足に立つこともできないくらいに衰弱している様子だ
いまは、手足の骨折については外観からの治療は終わっていて、鞭痕や火傷の治療に入っている。
とにかく、ひどい状況だ。
「な、なんとかね……」
「ああ……」
ミランダとベルズが億劫そうに口を開く。
一郎はふたりに視線を向けた。
「喋るのがつらいなら、まだ話さなくていい。だから、もう少し待ってくれよ。俺も治療に加わる。まあ、俺の治療は愛し合いながらになるけどね。心配しなくても治療のときには、優しく抱いてやるよ……。いや、ふたりとも優しく抱かれるのは好みじゃなかったかな? 性癖に変化がなければ、ミランダは後背位で尻を叩かれながらちょっと強引に犯されるのがいいんだったな。ベルズは身動きできない状態で弄ばれながら抱かれるのがよかったな。ちゃんと、その通りにしてやるよ」
「な、なんてこと言うんだい──」
ミランダが真っ赤になった。
「ば、ばか……」
ベルズもだ、
だが、ベルズはほんのちょっとだけ、口元をほころばせた。そして、だんだんと顔に赤みがかかってきた。
一郎はふたりの様子にほくそ笑んだ。
「さて、まずは、どうするかな……? そういえば、ルードルフ王をどこかに監禁しているとか言っていたな……。そっちの回収からいくかな……。それとも、サキが集めた奴隷宮側の令嬢たちの保護か……?」
一郎は言った。
「ま、待っておくれ……。その穴に、あたしたちを縛るのにも使っていた革紐があったはずだが、それをとってくれるかい」
そのとき、ミランダが言った。
「革紐ですか? お待ちくださいね」
すると、ガドニエルが応じる。
しかし、その穴は最終的には、ラポルタが毒球を放り込んでいる。大丈夫かと声をかけたが、すでに毒の浄化は終わっていると、スクルドが口を挟んできた。
一郎はガドニエルに向かって頷く。
ガドニエルはちょっとだけ穴の底を上から覗き込むような仕草をした。
そして、すぐに、ミランダたちの前に革紐の束が出現した。どれも全部、赤黒く汚れ、また、びしょびしょに濡れている。
「ありがとうよ……。ところで、あんた誰だい?」
ミランダがガドニエルを見る。
「ガドですわ。ご主人様の雌犬ですわ。よろしくお願いしますね」
ガドニエルはにこにこしながら言った。
一郎は、またもや苦笑した。
どうでもいいが、この女王様は、“雌犬”というのをなにかの名誉的名称と間違ってはいないだろうか。
「め、雌犬?」
ベルズが唖然とした顔になる。
このふたりに、この残念エルフ女がエルフ女王国のガドニエルと紹介したらどんな表情になるのだろう。
おそらく、現段階では、ガドというのが、ガドニエル女王であるとは夢にも想像してないと思う。
「ところで、それは?」
一郎はミランダに訊ねた。
「こ、これも、あたしたちへの……こいつからの嫌がらせのひとつさ。この濡れた革紐で部下に折らせた手足を縛るのさ……。穴の中はとっても乾いていてねえ……。水を含んだ革紐が乾くとどうなるか知っているかい……」
ミランダが革紐を手を伸ばしながら言った。
骨折させた手足を濡れた革紐で縛って放置?
一郎には、すぐにその残酷さがわかった。
濡れた革は乾けば急激に縮む。すると、骨折されている手足が締めつけられることになり、激痛に苦悶するということだ。
一郎は改めて、目の前のラポルタに対する憎悪が浮かんだ。
「ちょっとお待ちください、ミランダ。指はまだ完全には治療が……」
しかし、ミランダが濡れた革紐を手に取ろうとしたとき、スクルドが声をかけた。
すると、いきなりミランダが険しい顔でスクルドに振り返った。
「だったら、指から治療すればいいだろう、このくそ女──」
そして、いきなりミランダがスクルドに罵声を浴びせた。
「く、くそ女?」
スクルドが面喰らった顔になる。
「そうだね。くそ女だね。スクルズのことは好きだけど、ちょっとしばらくは口をききたくない気分だよ」
すると、ベルズも横目で睨むようにスクルドを見て言った。
もう少し、ラポルタ退治後の後始末を描いていきます。