※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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839 地下牢の呻き声

「ロウ様──」

 

「ご主人様──?」

 

 突然に走り出した一郎に、エリカやコゼがびっくりしたような声を出す。

 しかし、ステータスを読むことで、一郎には奥の地下牢で起こっていることがある程度予想がつき、かっと腹を立ててしまった。

 突き当たりにある鉄扉の前に着く。

 声がする、

 男の呻き声だ。

 声の主がルードルフ王であることは間違いない。

 

「なに、この声?」

 

 コゼが不審そうに首を傾げる。

 

「おい、ルードルフ、いるのかい──?」

 

 アネルザが大声をあげた。

 だが、返事のようなものはない。相変わらず、おかしな声が聞こえてくる。

 

「なんだ、これ? どこにも鍵穴もないし、取っ手もないぞ」

 

 一郎は訝しんだ。

 扉に手をかけようとしたのだが、その手をかける場所がないのだ。一見すると、ただ土壁に嵌められた一枚の鉄板という感じだ。

 

「魔道錠ですね」

 

 エリカが手を鉄板に置いて言った。

 

「魔道錠?」

 

 一郎はエリカを見る。

 

「魔道でかけられた錠前ということです。解錠の魔道でなければ開きません。解錠します」

 

 エリカが魔道をかける仕草をした。

 だが、すぐに首を横に振る。

 

「だめです。掛けた術者がわたしよりも能力が上のようです。開きませんでした」

 

「わたしが開けましょう」

 

 ガドニエルが進み出た。

 すぐに大きな金属音がして、鉄扉が溶けるように消滅して。そこに木製の扉が出現した。

 今度は取っ手があり、手に取ると簡単に引ける。不思議な扉だ。

 扉を開いて、すぐに中に入ろうとした。

 

「あっ、待って──。コゼ、先に」

 

「うん」

 

 エリカの指示で、一郎を制してコゼが先に中に入る。

 

「えええっ」

 

 そのコゼの叫び声──。

 続いて、一郎が入った。

 そこには、一郎が予想していたものに近い光景があった。

 

 地下牢はかなりの広さがある大きな部屋であり、四面はすべて土壁だ。土壁にはうっすらと光を灯している苔が一面にあり、それが地下牢に明かりを作っていた。

 それはともかく、中の状況だ。

 部屋の真ん中には、両手を天井から吊るされて跪く体勢の若い裸の女がいた。女の膝と膝のあいだには、金属棒が嵌まっていて両端に革枷があり、そのため女の脚は閉じることができなくなっている。

 そして、その拘束されている裸の女を、やはり全裸のルードルフ王が後ろから犯しているのだ。

 外から呻き声のように聞こえたのは、このルードルフ王が快感であげている嬌声である。

 ルードルフ王は、一郎たちが入ってきたことに気がつく様子もなく、一心不乱に女にとりついている。

 

「こ、この、ばかたれがあ──」

 

 アネルザがルードルフ王を蹴り飛ばした。

 

「ふぎいいっ」

 

 女から引き剥がされたルードルフ王が土床に転がる。

 ルードルフ王の拘束は前手錠だけみたいだ。ルードルフが仰向けに転がったので、女の股間から抜け出た勃起が天井を向いてそそり立った感じになった。

 

「おっ、おう、ラポルタ殿か? また飯の時間か? それよりも、この前もらった媚薬はよかったが使いすぎてしまってなあ。また融通してくれんか? それとも、別の女をな。小便臭うていかんし、なによりも、動かなくなってしまってなあ」

 

 そのルードルフ王が緩慢な動作で身体を起こす。

 目に焦点はなく、ちょっと正気を失っている感じである。そして、媚びを売るような顔でにへらにへらとこっちに笑いかけてくる。

 顔は無精ひげで覆われており、また汚れているし、涎のようなものもすごい。とにかくだらしない姿だ。

 とてもじゃないが、一国の王という感じではない。

 

「なんじゃとう──。お前、あの妖魔とわたしたちの区別もつかんのか──。この能無しがあ──」

 

 アネルザがそのルードルフ王を蹴り飛ばす。

 

「ごふっ」

 

 ルードルフ王がまたひっくり返る。

 だが、様子がおかしい。

 その顔が嬉しそうに笑っていたのだ。

 

「ひゃ、ひゃい、ご主人様。よ、余は能無し王であります。この能無しにお仕置きをお願いいたします」

 

 そして、ルードルフ王が完全に欲情したような顔で正座になった。その股間はすぐにでも射精するかのように、興奮でそそり勃っている。

 

「えっ?」

 

「な、なにこれ? 気持ち悪い」

 

 イットとコゼが顔を引きつらせている。

 ほかの女もだ。

 

 思い出したが、このルードルフ王は好色にかけては見境いがないタイプであり、女でも男でもいける両刀遣いというだけでなく、マゾであり、サドでもあるという、そっちの視点でも両刀遣いという男だった。

 どうやら、アネルザの力の限りの足蹴によって、いきなりマゾの情欲が燃えあがったみたいだ。

 マゾ男に耐性のないコゼやイットは、特にびっくりしたみたいである。

 

「確かに気持ち悪いですね……」

 

 また、ガドニエルはうんざりしているような口調で吐き捨てる。

 

「お前、しっかりせんか──」

 

 激昂しているアネルザがルードルフ王の頬を平手で張り飛ばす。

 

「ひぶうっ、ほおおっ、ご主人様──。もっと、もっとです──。もっと余にお仕置きを──」

 

 ルードルフ王は感極まった声を出した。

 

「き、貴様あああ──」

 

 さらにアネルザが激怒した。

 

「も、もうやめてください。気色悪いです。嬉しがっているみたいですし……」

 

 再びルードルフ王を平手で叩こうとしたアネルザをエリカがとめた。

 一郎も、エリカの意見に賛成だ。

 アネルザがはっとした顔になる。

 

「うわっ」

 

 そして、興奮で勃起しているルードルフ王の一物に気がつき、慌てたように距離をとる。

 

「王を端に追いやってくれ──。とりあえず、これで腰を覆わせろ」

 

 一郎は亜空間から毛布を一枚出現させる。

 エリカたちがルードルフ王を壁に向かって追いたて離す。

 

 一方で、一郎はたったいままで、そのルードルフ王に犯されていた若い女性に寄っていった。

 彼女は彼女で様子がおかしいのだ。

 この騒動のあいだも、まったく身動きもしないし、反応もない。ぴくりとも動かないのだ。

 だが、死んではいないのはわかる。

 ちゃんと呼吸はしているのだ。

 しかし、その呼吸が怖ろしく早い。

 近寄れば、彼女の目も虚ろで焦点は定まってなかった。口もだらしなく開いて涎が垂れっぱなしだ。

 そして、棒を使って開脚させられている脚の下にはかなり大量の水たまりがあった。

 匂いからして、どうやら排尿のようだ。

 

「あっ、こいつ、ベアトリーチェじゃないかい──」

 

 アネルザが声をあげた。

 

「ベアトリーチェ? 知っているのか?」

 

「シャングリアと同じ女騎士だよ。いまは近衛に所属していたはずだが……」

 

「どうして捕らわれていたのかまではわからないか?」

 

「すまない……」

 

「そうか、わかった」

 

 一郎は拘束されている彼女を支え抱いた。

 そのあいだに、ガドニエルが解錠術でベアトリーチェが繋げられていた枷を次々に外してくれた。

 とりあえず一郎は、自由になったベアトリーチェをルードルフ王を追い立てた側とは反対側の壁に抱きあげて連れていく。

 

「ひゃあああん」

 

 しかし、抱きあげたとき、急にベアトリーチェが甲高い声を出して、ぶるぶると震えた感じになった。

 そして、一郎に抱きあげられたままじょろじょろと失禁をし始める。

 当然に、一郎にその放尿がかかることになる。

 

「あっ、ご主人様」

 

 気がついたコゼが、ルードルフ王のところから駆け寄ってきて、ベアトリーチェを抱えるのを手伝いにきた。

 とりあえず、毛布を一枚出して、その上にベアトリーチェを横たわらせる。すでに放尿は終わった。だが、やはり反応がない。

 そして、全身が真っ赤だ。汗も凄まじい。こうしているあいだにも、どんどんと汗が噴き出している。小刻みな痙攣もしている。

 

「もしかして、薬物の中毒状態か?」

 

 一郎は呟いた。

 ステータスを読む。

 

 

 

 “ベアトリーチェ=ポルティ

  人間族、女

   騎士(騎士爵出身)

  年齢25歳

  ジョブ

   戦士(レベル15)

   騎士(レベル15)

  生命力:50→5↓(下降中)

  攻撃力:1↓(下降中)

  経験人数:男1

  淫乱レベル:SS(媚薬による発情状態)

  快感値:2↓↓

  状態

   媚薬の大量投与による急性薬物中毒

   衝撃による白痴状態

   魅了による軽洗脳状態

   重篤状態

  放尿癖” 

 

 

 

 よくわからない文言もあるが、とにかく、やはり、媚薬を一度に使われすぎておかしくなっているみたいだ。

 身体もかなり衰弱している。

 

「ガド、身体の洗浄と治療術を頼む。洗浄は股間の中もだ。なにもかもきれいにしてやってくれ」

 

 一郎は言った。

 

「はい」

 

 ガドニエルが魔道を施した。

 あっという間に、ベアトリーチェの肌がきれいになり、呼吸もちょっと落ち着いた状態になる。ベアトリーチェに放尿された一郎の服もだ。

 もう一度、ステータスを読む。

 

 

 

 “ベアトリーチェ=ポルティ

  人間族、女

   騎士(騎士爵出身)

  年齢25歳

  ジョブ

   戦士(レベル15)

   騎士(レベル15)

  生命力:50

  攻撃力:5↓(下降中)

  経験人数:男1

  淫乱レベル:SS(媚薬による発情状態)

  快感値:2↓↓

  状態

   衝撃による白痴状態

   魅了による軽洗脳状態

  放尿癖” 

 

 

 

 とりあえず、重篤状態からは脱した。

 しかし、媚薬の影響は残っている。また、精神障害は残ったままだ。

 パリスの仲間に占拠されていたイムドリスに監禁されていたエルフ女性たちを救ったときに経験があるが、心を破壊された者に対する治療術はない。

 治療術で癒やせるのは、身体の異常状態だけなのだ。

 破壊された心を治療する唯一の手段が一郎の淫魔術による治療だ。あのとき、心を毀された女たちに次々に精を注ぎ、全員があっという間に癒やされた。

 目の前のベアトリーチェを助けるには、一郎が性支配するしかない。

 

 仕方ないか……。

 この見知らぬ女性騎士には悪いが……。

 とにかく、その前にだ……。

 一郎は一度床に横たわらせていた彼女を抱きあげ、自分の膝の上に抱きあげた。

 

「ガド、彼女は魅了にかかってるようだ。解除できるか?」

 

「魅了ですか? いえ、そんな感じでは……。でも、解除はかけてみましょう」

 

 ガドニエルにはわからなかったようだ。

 ベアトリーチェの身体にきらきらと輝く塵のようなものが落ちる。ガドニエルによる光魔道の癒やしだろう。

 

 

 

 “ベアトリーチェ=ポルティ

  人間族、女

   騎士(ポルティ家(騎士爵)長女)

  …………

  淫乱レベル:SS(媚薬による発情状態)

  ……

  状態

   衝撃による白痴状態

  放尿癖” 

 

 

 

 洗脳状態は消えた。

 ここからあとは一郎の出番か。

 それはともかく、“放尿癖”だと?

 かなり気になる……。

 

「大丈夫なんですか、この人? あの気持ちの悪い王にやられたんですか?」

 

 コゼも心配そうに言った。

 

「そのようだな……。だが、助ける」

 

 一郎はベアトリーチェを抱え直して唇を吸う。

 唇が重なった瞬間、彼女の全身が硬直したようになったが、口は開いていて、簡単に一郎の舌を受け入れる。

 

「んあっ、あっ、んあっ」

 

 口の奥まで舌を差し入れてねっとりと舐め回す。意識して唾液をどんどんと注ぎ込む。すると、次第に無反応だったベアトリーチェが反応を示してくる。

 舌を舐め返してきたので、唾液とともに擦り合わせる。

 媚薬が浸透している彼女は、口の中に限らず、どこもかしこも発情を示す赤いもやでいっぱいだ。

 呼吸が荒いものに変化し、甘い声が混じる。

 すでに、淫魔術が浸透していっている。

 もつれにもつれ、あちこちが分断して千切れている頭の線を舐めるように癒やしていく。

 

 丁寧に……。丁寧に……。

 

 地下牢の反対側では、「それは余の餌だ」とか「触るな」とかいうルードルフ王の声が聞こえるが、そのたびにアネルザか、エリカに殴られていた。

 ただ、殴れば興奮するような声を出すので、とにかくエリカと、一緒にいるイットが気味悪がっているのが横目で見える。

 アネルザについては、気味悪がるというよりは呆れている感じだが……。

 

 まあいい……。

 いまは、この娘だ。

 

 もっと、ゆっくりと愉しませてあげたいが、治療のようなものなので、時間をかけないことにした。

 彼女がどんな性癖があるとか、どこに性感帯があるのかというようなことは、全部が終わったときに、ゆっくりと確認させてもらうことにしよう。

 “放尿癖”の内容と一緒に……。

 

 股間に手をやる。

 ガドニエルが洗浄してくれたはずだが、股間はべっとりと濡れている。

 指を挿入する。

 温かな彼女の愛液がねっとりと指に絡みつく。

 

「ああああっ、あああっ」

 

 ベアトリーチェがびくびくと身体を震わせた。

 指を入れただけで達しそうになったみたいだ。

 一郎は束の間、指の動きをとめて快感をなだめる。快感値は下がりはしないが、急激に“0”に接近していたのが停止する。

 また、指を軽く動かす。

 もちろん、彼女の膣の中でも一番感じるであろう、赤いもやの濃い部分を狙って……。

 

「ひゃあああっ」

 

 一気に絶頂しかけたので、またすぐとめる。

 ゆっくりと彼女の快感が鎮まるのを待つ。

 しばらくしてまた、動かす。

 びくんびくんと跳ねるようにベアトリーチェが反応し、一郎は絶頂寸前で指を抜いた。

 収納魔道でズボンと下着を亜空間に格納して、自分の下半身を露出させる。身につけたままの状態で収納できるのは一郎だけの能力だ。どんなに能力の高い魔道遣いでも、身につけているものを身体から離して亜空間に格納するということはできないらしい。

 

 一郎は、抱いていたベアトリーチェを毛布の上に横たわらせ、両手で彼女の両腿を抱えた。しっかりと鍛えている腿だと思った。また、ちょっと衰弱している感じはあるが、身体全体がしっかりと鍛えられている。

 女騎士の裸身だ。

 一郎は勃起させた男根の先端をたったいままで指を挿入していた場所にあてがうと、一気にベアトリーチェの股間の奥に滑り込ませた。

 

「あふうううっ。ふあああああっ」

 

 奥まで辿り着いた一郎の怒張をベアトリーチェの膣肉が潤沢な蜜とともにこれでもかと締めあげる。最奥に辿り着いた瞬間に、膣全体がぎゅうぎゅうと筋肉で収縮したのである。

 しかし、締めつけが強いものの、蜜が潤沢でいくらでも動かせる。

 これは、気持ちがいいかもしれない。

 一郎は強く、弱く、そして、強くと、強弱を変化させながら膣の中の赤いもやを刺激してやる。

 

「ああああっ、あああっ」

 

 ベアトリーチェの声が大きくなった。

 目は相変わらず虚ろだが、心なしか光が灯ったかもしれない。

 全く動かなかったベアトリーチェの両腕がなにかを探すように持ちあがったかと思うと、がばりと一郎の胴体を掴んで抱きしめてきた。

 

「ああああっ」

 

 律動を続ける。

 ベアトリーチェが大きく痙攣して全身を硬直させて絶頂の声をあげた。

 すごい圧力が怒張にかかってくる。

 無意識なのだろうが、下から上に搾るような波のように繰り返し動いて、しかも、吸い込むように引き込まれもする。

 一郎はびっくりしてしまった。

 たくさんの女がいるが、ここまで性器そのものが意思を持っているかのように動くのは初めてだ。

 もしかして、名器というものか?

 

「ああっ、きもちいいっ、きもちいい──。いいいいっ」

 

 ベアトリーチェがやっと意味のある言葉を吐いた。そして、全身を弓なりにして、一郎の背を抱きしめる。

 その絶頂に合わせて、一郎は精を注いだ。

 

 二射……、三射……、四射……、五射……。

 

 やはり、意識して子宮が溢れるかのように大量に注ぎ込む。

 それとともに、はっきりと淫魔術が彼女に刻まれて、ベアトリーチェを支配下に置いた感覚が伝わってくる。

 ここまで深く刻むと、もう一郎自身でも繋がりを解除するのは不可能なのだ。

 申し訳ないが、もう彼女は一郎の女として生きてもらうしかない。

 

 

 

 “ベアトリーチェ=ポルティ

  人間族、女

   一郎の性奴隷

   騎士(騎士爵出身)

  年齢25歳

  ジョブ

   戦士(レベル70)↑

   騎士(レベル70)↑

  生命力:50

  攻撃力:***(回復中)

  経験人数:男2

  淫乱レベル:S

  快感値:**(余韻中)

  状態

   淫魔師の恩恵

  放尿癖” 

 

 

 

 大丈夫そうだ。

 だが、戦士と騎士のレベルが急上昇だ。ここまで一気にあがるのも初めてだが、これもまた、一郎の淫魔師としてのレベルが限界突破をした影響か?

 それとも、意識して大量の精を注いだことが影響した?

 とにかく、改めて頭の線を直していく。今度ははっきりと一郎と繋がっているので、あっという間に再構成が終了する。ついでに、肌の傷や染みや思いつく限りの淫魔術による治療処置をした。

 全部が終わってから、一郎は、とりあえず彼女の中から男根を抜き、裸身を毛布に横たえ直す。

 

「う、うう……」

 

 すぐにベアトリーチェは覚醒した。そのベアトリーチェが身体を起こそうとする。

 一郎は慌てて手を伸ばして抱き支える。

 

「大丈夫か?」

 

 一郎は顔を覗き込んだ。

 やはり、問題はないみたいだ。顔には完全に生気が戻っている。

 

「わ、わたしは……? ああ……、わたしは死んだのですね……。天道様……」

 

 ベアトリーチェが一郎を認めて、うっすらと笑みを頬に浮かべる。

 もともと美人だったが、淫魔術の影響で肌が染み入るように白くなり、目鼻立ちがさらに整い絶世の美女といっていい感じになった。

 これもまた、一郎の淫魔術の影響だ。

 ただ、まだ半分寝ているような状況だが……。

 

「まだ生きているよ。ただ、助けるために、俺の支配になってもらう必要があった。残念だが、許せ。もう俺の性奴隷の刻みをしてしまった」

 

 一郎は言った。

 すると、そのベアトリーチェの眼がかっと大きく見開いた。

 

「て、天道様──。本当に天道様──。どうして──?」

 

 ベアトリーチェは悲鳴のような大声をあげた。

 

「また、天道様?」

 

 横で見ていたコゼが首を傾げた。

 そのときだった。

 

「あっ」

 

「わっ、ごめんなさい──。ああ、どうして、あああっ」

 

 いきなり、ベアトリーチェが失禁してしまったのだ。

 

「まあまあ、感極まったの、あんた? まあ、恥ずかしがらなくてもいいわ。うちではご主人様に責められすぎて漏らすのはよくあることだから……。じゃあ、ご主人様、あたしがきれいにしてさしあげますね。おちんぽ様も……」

 

 コゼがくすくすと笑って、ベアトリーチェを押し避けて、一郎の股間に顔を伸ばす。

 どうやら、舌できれいにしてくれるみたいだ。

 相変わらず可愛いし、本当に一郎のためになんでもしてくれる。

 一郎はほくそ笑んでしまった。

 

「じゃあ、頼むよ、コゼ」

 

「はい──。あっ、じゃあ、ガドはこいつの世話ね。きれいにしてやって」

 

 コゼが一郎の男根を咥え込む。

 すぐに、先端からまだ残っている精を吸い、一心不乱に舌を動かし出す。

 

「あっ、わたしが……」

 

 ガドニエルがはっとしたように、一郎の前に屈み込もうとしたが、コゼがさっと身体を入れて、それを阻止する。

 一郎は笑ってしまった。

 

「あっ、あっ、あっ、これはどういう状況……。い、いえ、それよりも、天道様には大変申し訳ないことを……」

 

 一方で、ベアトリーチェはひたすらに狼狽えている様子だ。

 まだ、どういう状況なのか、まるでわかっていないに違いない。

 

「んあっ? もしかして、ラポルタ殿ではないのか? 誰だ、お前らは……? しかし、よくよく見れば、よい女たちではないか。そして、もしかして、さっき余を蹴ったのはお前か? よい蹴りであったぞ。久しぶりに欲情した。余の愛人にならんか?」

 

 そのとき、へらへらと笑い出した反対側の壁にいるルードルフ王が突然に喋りだした。

 視線を向けると、周りにいるアネルザ、エリカ、イットを好色そうな顔で交互に見回している。

 また、さっきの言葉は、アネルザに向けた言葉のようだ。

 

「お前の愛人にだと──。このくそったれがあ──」

 

 激怒したアネルザがルードルフ王の顔を蹴り飛ばし、さらに倒れたルードルフ王の横顔を踏みつけた。

 

「ひゃあああ」

 

 すると、そばにいたイットが奇声をあげて、飛び退くのが見えた。






 *

【ベアトリーチェ=ポルティ】

 女騎馬隊長。第一帝政の初代帝ロウを支えた軍人のひとり。皇帝ロウの妻のひとりであったシャングリアとともに、双璧の女騎士として、ロウ皇帝の軍略に寄与した……。
 彼女は……。
 …………。

 ボルティモア著『万世大辞典』より(ここに再録した引用文はすべてスクルズ記念国際図書館から許可を受けて初版本から抜粋して採録したものである。)
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