※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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843 私の奴隷になりなさい

「とにかく、いや──。死んでもいやです──」

 

 エリカが激しい口調で拒否した。

 見ると、眼に涙まで溜めている。心の底から嫌なのだろう。

 一郎は嘆息した。

 

「じゃあ、とっておきのご褒美をつけよう。誰か、立候補は?」

 

 一郎は、ほかの女を見た。

 全員が一瞬にして目を逸らす。

 一郎は仕方なく、やっぱり、もう一度エリカを見る。

 そして、抱きしめた。

 耳元に口を近づける。

 

「エリカ、お前ひとりにやらせないから……。みんなで考える。お前はそれを実行するだけだ……。なあ? あほそうだから、あいつが気に入ったみたいなお前が、ちょっとばかり責めて、それでもっと調教して欲しければ、隷属を誓えって言えば、案外、あっさりと墜ちるかもしれん。なあ、やってくれよ……」

 

 ささやくように言った。

 さらに、舌で耳をゆっくりと舐める。

 

「ひんっ、ああっ」

 

 身体中が敏感なエリカだが、耳は特に弱い。

 一郎の腕の中でエリカがびくりと身体を跳ねさせる。

 

「隷属させるように心を堕とすのは難しいんだ……。人というのは、案外痛みには耐えやすい……。死ぬまで耐える者もいると思っている……。屈服というのは心が墜ちることだ……。それには、相手の心の隙を作らないとならん……」

 

 なだめすかす。

 そのあいだも、一郎の手はエリカの背中や乳房の裾、あるいはスカートの中の内腿などをさすっている。

 

「あっ、やんっ、で、でも……」

 

「なっ、頼むよ……。暴力も隙を作る手段だけど、あの変態がお前が気に入っているなら、それだけで隙になる……。とにかく、お前がちょっとばかり責めて、お前に隷属するのもいいかもしれんと、本気で思わせろ。それで終わりだ……」

 

 エリカは一郎の腕の中で脱力していき、くたりと一郎にもたれかかるみたいになった。

 とにかく、エリカに考えさせないように……。

 こいつが思考するのを邪魔する愛撫を与える。

 

「な、なに言ってんのか、さっぱり……。あっ、あん、そこは……。ひやっ」

 

 エリカの声に甘い響きが混じってくる。

 本当に感じやすくて可愛い女だ。

 

「そうだ。ルードルフを堕としてくれたらご褒美にイットを責めさせてやろう。縛って、ふたりがかりでねっとり責めてやろうぜ。これはどうだ?」

 

 エリカのもうひとつの性癖が、実は童女好きであることだ。

 ミウやイットのような小柄な女の子を責めるのは、エリカの大好物である。

 

「ええ?」

 

 話を振られたイットは、当惑した顔になっている。

 

「えっ、イットを?」

 

 しかし、エリカが一郎の腕の中でうつむかせていた顔をぱっとあげた。

 期待にわくわくしている顔だ。

 一郎はにんまりと微笑んだ。

 

「決まりだ。行ってこい──」

 

 エリカを抱いたまま、地下牢との扉に手を伸ばして開ける。そして、腕の中のエリカをいきなり中に突き飛ばした。

 すぐに、扉を閉める。

 

「きゃあああ」

 

 中のエリカが悲鳴をあげたのがわかった。

 なにしろ、ただ突き飛ばしたわけじゃない。

 放り込むときに、一瞬にして、エリカからスカートを収納術で取りあげた。

 ルードルフ王の前に放り入れられたエリカは、下半身がいまはスカートなしの下着だけの状態だ。

 

「なにするんですかあ──。開けて──開けて──。開けてください──」

 

 エリカが扉を向こうから叩いて、大声をあげる。

 しかし、こっちから、しっかりと扉を押さえている。

 

「いいから、やれ──。ご褒美はイット責めだ。そして、拒否すれば、そこでどんどん裸にしていくぞ。その変態の前で素っ裸になりたくなければ、その変態に鞭打ちしてこい」

 

 一郎は扉越しに怒鳴った。

 

「うう……。ロウ様のばかあああ──」

 

 エリカが喚いたのが聞こえた。

 

「あれの前で、スカートなしって……。ご主人様って、やっぱり鬼畜ですね」

 

 コゼが横からくすくすと笑った。

 

「いま頃、気がついたのか?」

 

 一郎は肩を竦めた。

 

「いえ、知ってました。大好きです」

 

 コゼが微笑んだ。

 

「あ、あのう……、あたし責めって……」

 

 そのとき、イットが困惑したような口調で一郎に声を掛けてきた。

 一郎はイットに視線を向ける。

 

「嫌か? いやなら、エリカと交代だ」

 

「いえ、エリカさんに責められます」

 

 イットが赤い顔をして即座に頷く。

 つくづく、あいつも嫌われたものだ。

 一郎は苦笑した。

 

「ガド、ここから室内が見えるようにしてくれ。声も聞こえるように……」

 

「わかりました」

 

 ガドが片手を軽くあげた。

 すると、扉のある正面の土壁が真っ白になり、対峙しているエリカと宙吊りのルードルフ王の姿がそこに映る。

 

『話し合いは終わったか? しかし、随分と色っぽい格好をしとるのう。本気で余を堕としにきたか』

 

 宙吊りのルードルフ王が大笑いした。

 もうそれなりの時間が経っているのに、まだまだ余裕がありそうだ。

 

『うるさい──。さっさと隷属を誓いなさい──。この変態──』

 

 開き直った感じのエリカが紐パン一枚の脚を開いて仁王立ちになり、ルードルフ王の腰の横あたりに、乗馬鞭を一閃させた。

 

『ふむううっ』

 

 ルードルフ王が身体を揺すって、背中を反らせる。

 

『なにを呻いているの──。変態がああっ──』

 

 また一閃──。

 今度は脚だ。

 身体は細くても、人間族よりもずっと力のあるエルフ族、しかも、鍛えられた女戦士のエリカだ。

 そのエリカの容赦のない本気の鞭打ちだ。

 一発一発がルードルフ王への強烈な衝撃になるはずだ。

 

「いいぞ、エリカ、しばらく続けろ。とりあえず、体力を削ぎ落とせ」

 

 一郎はエリカが耳にしている通信魔道具への送信具を取り出して言った。

 黒い卵形をしていて、これに声を掛ければ、エリカが耳にしている通信魔道具がその声を伝える仕組みになっている。

 エリカに送信側の魔道具を渡してないので、あくまで一方通行だが……。

 さらに容赦のない鞭打ちが始まる。

 

『ぶっほおお、ぐはああっ』

 

 今度は、逆方向の脚──。

 足に──。

 首に──。

 すぐに、ルードルフ王が痙攣をしはじめた。

 

「いい感じだ──。よし、ガド、これを向こうに送れ」

 

 収納術で取り出したのは目隠しだ。

 しかも、布の上から、さらに鉄線で締める形式のものであり、暴れてもまず外れることはない。

 

「はい」

 

 ガドニエルが魔道を駆使して、一郎の手の上から瞬時に、エリカが立っている場所の横の床へ目隠し具が転送される。

 エリカが目隠しを拾って、ルードルフ王の顔に装着する。

 

「ふふふ、ご主人様、目隠しをさせた方が鞭打ちの効果があるのもありますが、エリカの脚を見せたくないってのもあるんじゃないですか? だったら、スカート取りあげるような意地悪しなければいいのに」

 

 コゼがくすくすと笑って言った。

 

「下着一枚でルードルフを責めるエリカの肢体……。最高の景色じゃないか。それくらいのご褒美も俺にないと、あの変態を責め堕とすなんて仕事は、気が乗らん」

 

「その気の乗らない役目をエリカに押しつけてるじゃないですか」

 

 また、コゼが笑う。

 一郎は頭を掻いた。

 

『ふはははは、目隠しか──。最低限の調教のコツについては認識しておるのだなあ。愉しめそうだぞ、エリカ』

 

 ルードルフ王が笑い出した。

 すでに、鞭痕が全身にあり、脂汗でびっしょりなのに……。

 一郎は少し苛っときた。

 

「しばらく性器を鞭打ちしてやれ。そこはもうやめてくれというまで続けるんだ。気絶しても……。いや、気を失ったら、睾丸を打ち据えろ。それで目が覚める」

 

 一郎は送信具に言った。

 

『余計なこと喋るんじゃないわよ──。お前が喋っていいのは、屈服の言葉だけよ──。早く、言いなさい──』

 

 エリカがルードルフ王の勃起している性器を思い切り横から乗馬鞭で一閃させた。

 

『うぎゃああああ──』

 

 ルードルフ王の獣のような咆哮が響く。

 ガドニエルによる声の転送ではなく、壁越しに直接に響いてきた。

 

『ほら、もうやめてくださいは──? さっさと言いなさい──』

 

 さらにエリカが続ける。

 右から──。

 左から──。

 ルードルフ王の性器への鞭打ちが連続する。

 発狂したかのようなルードルフ王の悲鳴が轟く。

 

『うごおおお──』

 

 十発ほどだろうか──。

 一際大きい絶叫をしたかと思うと、ルードルフ王の身体ががくりと脱力した。

 気を失ったのだ。

 しかし、どうでもいいが、気絶してもなお、ルードルフ王の一物は隆々と勃起して怒張を保っている。

 思い出せば、宙吊りのあいだ、ずっとルードルフ王はたくましい勃起を保っていた。

 いまもそうなのだ。

 精力だけはすごい。

 もしかしたら、性欲の強さは淫魔師の一郎に匹敵するのではないかとさえ思った。まあ、媚薬を飲んでいるらしいというのもいるのだろうが……。

 

『勝手に気絶するなあ──』

 

 エリカの鞭がルードルフ王の股間を下から直撃する。

 

『ほごおおおお』

 

 ルードルフ王の身体が突っ張り、気絶状態から覚醒した。

 全身をぶるぶると震わせている。

 流石に音をあげたか……?

 

『勝手に気絶したら今度は股ぐらを蹴りあげるわよ……。さあ、言いなさい。もうやめて欲しいって……』

 

 エリカが鞭先でルードルフ王の顎をしゃくった。

 あんなに嫌がっていたのに、なかなかどうして……。堂々とした「女王様」だ。

 そして、ルードルフ王の肩が小刻みに震えだした。

 

 泣き出した……?

 

『ふはははは、思ったよりも愉しめそうだ──。いいぞ。もっとじゃ。もっとやれ──。容赦なくやっていいぞ。これなら、余も少しは愉しめそうだ──』

 

 そして、いきなり大笑いした。

 

『このう──』

 

 本気で腹がたったのだろう。

 エリカの拳がルードルフ王の顔面にのめり込む。

 

『ぐはっ』

 

 宙吊りのルードルフ王の身体が大きく揺れ、鼻血が流れ出す。

 

『ふははは、ひょう、終わりか? もっと、殴っていいひょだぞ』

 

 すると、鼻から血を流すルードルフ王がにんまりと微笑んだ。

 

『な、なんですってえ──』

 

 エリカが声をあげた。

 そして、もう一度顔面を殴ろうとして、躊躇したようにその拳を引く。

 ルードルフ王の顔がぴくりと動く。

 

『どうした? 殴らんのか? 素人の調教だ。怒りのまま本気で暴力を振るうくらいで丁度いい。金責めはまあまあだったが、ほかは三点というところだな。百点満点でだぞ』

 

『さ、三点ですってえ──』

 

『嗜虐にはなりきれんマゾというところだな。殺すのであれば躊躇なく暴力を振るえるが、心を堕とすということで暴力を使うのは難しいであろう? 何事も経験だ。もっと余で試すがいい。まあ、もっとも、あの男にすっかりとマゾにされたお前では、余を本気で堕とすのは無理だと思うがのう』

 

 ルードルフ王がまたもや大笑いする。

 こいつがわざとエリカを挑発して怒らせようとしているのは明白だ。

 つまりは、もっと責められたいと思っているのだ。

 これはさすがに、このまま鞭打ちだけで堕とすは無理か……。

 

『ふはは、どうした? ご主人様にお伺いをかけてみてはどうだ、三点の女王様よ。女王様としては未熟だが、マゾとしては満点をやるぞ。さっき、下着を見たが、かなり濡れておったのう。その気の強さで、与えれば快感に喘ぐ雌……。最高の素材ではないか』

 

 さらに、ルードルフ王がエリカを怒らせるような物言いをぶつける。

 そのときだった。

 エリカがくるりと反転して、扉に走り寄ってきた。

 

「ロウ様──。やっぱり、無理です──。わたしには無理です──」

 

 エリカが半泣きで、扉をどんどんと叩く。

 

「わっ、戻ってくるな──」

 

 思わず一郎は声をあげた。






 いよいよ、最大の強敵ルードルフ王との対決もいよいよ佳境となります(笑)。
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